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黒猫と共に迷い込む
二日目
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ふと目を開けると、朝の光で部屋が満たされていた。
暖かな温もりを感じ、そちらに目を向けると、脇の所で人の腕を枕にし、クロが丸くなっている。
可愛いなぁぁぁぁ。
今朝も幸せな気分から始まったのであった。
「考古学者って今更ながら凄いと思う。いや、言語学者か?」
「突然どうした」
朝の支度をしながら呟いた私の話に、クロが突っ込んでくる。
「だって、発音も読み方も違う言語を解析するって、とてつもなく難しいよ?!」
「単語が覚えられんのかの」
そうなのです。
文字数も違うし文節やら何やら分かんないし、「てにをは」だったっけ、そういうのも分からないし。
「パズルだと思って頭を捻るしかないの。文字に関しては我が輩でもどうにもならんの」
文字が書ければ安全な事務方の仕事が出来たかもしれないのに…。
「どうして言語理解のチート能力を貰えなかったんだろう…」
「世界を渡る時に神に会っていないからの」
そうですね。
わちゃわちゃ言いながら、今日もお水をこっそりペットボトルへ入れ、お弁当を貰って宿を出る。もちろん今晩も予約済み。
ギルドへ行って依頼を聞いてみると、今日も特に簡単な依頼はなく、また薬草摘みに。
簡単な掃除の依頼は月に1度くらいの頻度でしか出ないとか。
「簡単じゃない掃除の依頼ならあるんですけど、ヤエコさん、戦闘の経験とかあります?」
ございません。
いずれは必要になるかもしれないけど、今はまだ無理です。
なにせナイフしか持ってないし。
「魔法とか使えないのかな~」
「どこかで教えて貰えればいいの」
昨日の森の開いた所へと、足早に向かっていく。
一度歩いた所だからか、昨日よりは怖くない。
昨日の場所に着くと、またもやクロはどこかへ出かけた。
私は昨日探していない辺りを探し始める。
18本採取した所で、お腹が鳴った。
太陽を見上げると、天頂辺りにある。そろそろ昼か。
「また時間かかるのかな?」
昨日と違い、今日はお昼にかぶりつく。
角ウサギ持って帰るのも結構大変だったので。
体力温存しておかないとね。
人心地ついて寝転がって休んでいると、ガサガサと掻き分ける音。
「クロかな?」
上半身を起こして音の方に顔を向けると、草を掻き分けて来た者は、茶色い丸いもの。
「!!!!!!!」
猪―――――!!
叫んじゃいけない叫んじゃいけない。
こちらに気付かれてはいけない。
咄嗟に身を屈める。
いやでも、結構ここって丸見えなんじゃ…。
心臓バクバク。
ここで襲われでもしたら…。
私挽肉になっちゃうんじゃ…。さすがに行き過ぎか。
でも確実に命はない。
どうしようどうしようどうしよう。
パニックになりつつも動かない体をどうしようとパニックになりながら、様子を見ていると、猪の後ろからまたガサガサと草を掻き分ける音。
子連れ?!子連れは凶暴なんですよー!
絶望的な気分で眺めていると、ひょっこり姿を現したのは、角ウサギ。
いや、なんでやねん。
思わず突っ込み。
「帰ったぞ。八重子」
その後ろからクロが姿を現す。
「く、クロ…」
力が抜けて、顔が出ない。
じゃなくて。
「八重子? 昼寝か?」
トコトコと近づいて来たクロを、ガバリと抱きしめる。
「なんだなんだ!!」
「怖かったじゃないかいいいいいい!!!」
ウリウリモフモフ頂きました。
それから血抜きして、猪はナイフが通るかと心配になったけど、クロの教えの通りにやったら上手く行きました。
そして、これ、持って帰るんですよね?
「猪も?」
「こいつは金になるぞ?」
「・・・・・・」
金になるのは良いけど、これ、持って帰るの?
街、そんなに近くないんだけど。
台車とか、手押し車とかないと、私の腕力では持って行けませんぜ?
「ふむ。手押し車か。鍛冶屋にでも頼んでみるか?」
「頼むのは良いけど、今日のコレは?」
「引き摺って持っていくしかないの。我が輩も怪しくない程度にサポートしてやるからの」
引き摺っていく事になりました。
「ずっとこれで行く事は出来ないんだよね?」
「人の目がある所では無理だの」
今どうなっているかというと、後ろ足を縄で括られた猪と角ウサギが、宙を飛んでます。
私は縄の先を持って歩いているだけ。
なんて楽だ。
「街に近づいたら下ろすからの。そこからは八重子が引き摺っていくしかないの」
何㎏あるんだよこの猪。
下手すりゃ私と同じくらいあるんでないかい?
「引き摺っていけるかなぁ…」
「我が輩も怪しくない程度にサポートすると言ったろう」
多少は重さを軽減してくれるらしいけど、怪しくない程度に重さは残すらしい。
「明日筋肉痛になるかも…」
「我が輩が揉んでやろうか?」
「是非に!!」
「…冗談だったのにの…」
そんなこんなで街が見えてきて、地獄の行軍が始まりました。
有り難い事に、門番の衛兵さんが私を見かねて、手伝ってくれました。
本当にありがとうございます。
ギルドの買い取りカウンターでは、買い取り嬢が目を丸くしています。
ついでに受付のお姉さんも目を丸くしています。
そこにいた冒険者達の視線も集めている気がするけど、そこは気にしないでおこう。
「査定をお願いします」
「は、はい! 少々お待ち下さい!」
もちろん、採ってきた薬草も出してます。後から採ったのも合わせ、切りの良い所で20本。
猪や角ウサギの状態を調べ、薬草も状態や本数を調べ、買い取り嬢がなんだか不思議そうな顔でこちらを見てきます。
「えと…、こちらは、ヤエコさんが獲って来たのですよね?」
「はい、そうですが」
実際にはクロがなんだけど。
「ヤエコさんは、高名な魔術師か何かで?」
「まさか、魔法なんて使った事もないですよ~」
買い取り嬢の顔が曇る。なんでだ?
「とても、その、とても状態が良いので、料金はその、上乗せさせていただきます…。もちろんですけど」
なんか言葉がつっかえ気味だけど、喉の調子でも悪いのかしら?
査定金額は、猪金貨1枚、角ウサギ2匹で銀貨4枚、薬草全部で銅貨2枚。
おお、初めて金貨なんて見ましたよ。
キレ~。
ギルドを出て、台車か手押し車を注文しようかとクロと話したけど、猪は滅多に捕まえられないかもと聞いて、やめた。
捕まえたら捕まえたで、またその時はその時。
ということで、まだ陽は高かったけど、猪引き摺った疲れもあったので、早々に宿屋に戻ってゴロゴロしました。
もちろん、クロにモミモミしてもらいましたよ!
あの可愛いちっさな手でね!
暖かな温もりを感じ、そちらに目を向けると、脇の所で人の腕を枕にし、クロが丸くなっている。
可愛いなぁぁぁぁ。
今朝も幸せな気分から始まったのであった。
「考古学者って今更ながら凄いと思う。いや、言語学者か?」
「突然どうした」
朝の支度をしながら呟いた私の話に、クロが突っ込んでくる。
「だって、発音も読み方も違う言語を解析するって、とてつもなく難しいよ?!」
「単語が覚えられんのかの」
そうなのです。
文字数も違うし文節やら何やら分かんないし、「てにをは」だったっけ、そういうのも分からないし。
「パズルだと思って頭を捻るしかないの。文字に関しては我が輩でもどうにもならんの」
文字が書ければ安全な事務方の仕事が出来たかもしれないのに…。
「どうして言語理解のチート能力を貰えなかったんだろう…」
「世界を渡る時に神に会っていないからの」
そうですね。
わちゃわちゃ言いながら、今日もお水をこっそりペットボトルへ入れ、お弁当を貰って宿を出る。もちろん今晩も予約済み。
ギルドへ行って依頼を聞いてみると、今日も特に簡単な依頼はなく、また薬草摘みに。
簡単な掃除の依頼は月に1度くらいの頻度でしか出ないとか。
「簡単じゃない掃除の依頼ならあるんですけど、ヤエコさん、戦闘の経験とかあります?」
ございません。
いずれは必要になるかもしれないけど、今はまだ無理です。
なにせナイフしか持ってないし。
「魔法とか使えないのかな~」
「どこかで教えて貰えればいいの」
昨日の森の開いた所へと、足早に向かっていく。
一度歩いた所だからか、昨日よりは怖くない。
昨日の場所に着くと、またもやクロはどこかへ出かけた。
私は昨日探していない辺りを探し始める。
18本採取した所で、お腹が鳴った。
太陽を見上げると、天頂辺りにある。そろそろ昼か。
「また時間かかるのかな?」
昨日と違い、今日はお昼にかぶりつく。
角ウサギ持って帰るのも結構大変だったので。
体力温存しておかないとね。
人心地ついて寝転がって休んでいると、ガサガサと掻き分ける音。
「クロかな?」
上半身を起こして音の方に顔を向けると、草を掻き分けて来た者は、茶色い丸いもの。
「!!!!!!!」
猪―――――!!
叫んじゃいけない叫んじゃいけない。
こちらに気付かれてはいけない。
咄嗟に身を屈める。
いやでも、結構ここって丸見えなんじゃ…。
心臓バクバク。
ここで襲われでもしたら…。
私挽肉になっちゃうんじゃ…。さすがに行き過ぎか。
でも確実に命はない。
どうしようどうしようどうしよう。
パニックになりつつも動かない体をどうしようとパニックになりながら、様子を見ていると、猪の後ろからまたガサガサと草を掻き分ける音。
子連れ?!子連れは凶暴なんですよー!
絶望的な気分で眺めていると、ひょっこり姿を現したのは、角ウサギ。
いや、なんでやねん。
思わず突っ込み。
「帰ったぞ。八重子」
その後ろからクロが姿を現す。
「く、クロ…」
力が抜けて、顔が出ない。
じゃなくて。
「八重子? 昼寝か?」
トコトコと近づいて来たクロを、ガバリと抱きしめる。
「なんだなんだ!!」
「怖かったじゃないかいいいいいい!!!」
ウリウリモフモフ頂きました。
それから血抜きして、猪はナイフが通るかと心配になったけど、クロの教えの通りにやったら上手く行きました。
そして、これ、持って帰るんですよね?
「猪も?」
「こいつは金になるぞ?」
「・・・・・・」
金になるのは良いけど、これ、持って帰るの?
街、そんなに近くないんだけど。
台車とか、手押し車とかないと、私の腕力では持って行けませんぜ?
「ふむ。手押し車か。鍛冶屋にでも頼んでみるか?」
「頼むのは良いけど、今日のコレは?」
「引き摺って持っていくしかないの。我が輩も怪しくない程度にサポートしてやるからの」
引き摺っていく事になりました。
「ずっとこれで行く事は出来ないんだよね?」
「人の目がある所では無理だの」
今どうなっているかというと、後ろ足を縄で括られた猪と角ウサギが、宙を飛んでます。
私は縄の先を持って歩いているだけ。
なんて楽だ。
「街に近づいたら下ろすからの。そこからは八重子が引き摺っていくしかないの」
何㎏あるんだよこの猪。
下手すりゃ私と同じくらいあるんでないかい?
「引き摺っていけるかなぁ…」
「我が輩も怪しくない程度にサポートすると言ったろう」
多少は重さを軽減してくれるらしいけど、怪しくない程度に重さは残すらしい。
「明日筋肉痛になるかも…」
「我が輩が揉んでやろうか?」
「是非に!!」
「…冗談だったのにの…」
そんなこんなで街が見えてきて、地獄の行軍が始まりました。
有り難い事に、門番の衛兵さんが私を見かねて、手伝ってくれました。
本当にありがとうございます。
ギルドの買い取りカウンターでは、買い取り嬢が目を丸くしています。
ついでに受付のお姉さんも目を丸くしています。
そこにいた冒険者達の視線も集めている気がするけど、そこは気にしないでおこう。
「査定をお願いします」
「は、はい! 少々お待ち下さい!」
もちろん、採ってきた薬草も出してます。後から採ったのも合わせ、切りの良い所で20本。
猪や角ウサギの状態を調べ、薬草も状態や本数を調べ、買い取り嬢がなんだか不思議そうな顔でこちらを見てきます。
「えと…、こちらは、ヤエコさんが獲って来たのですよね?」
「はい、そうですが」
実際にはクロがなんだけど。
「ヤエコさんは、高名な魔術師か何かで?」
「まさか、魔法なんて使った事もないですよ~」
買い取り嬢の顔が曇る。なんでだ?
「とても、その、とても状態が良いので、料金はその、上乗せさせていただきます…。もちろんですけど」
なんか言葉がつっかえ気味だけど、喉の調子でも悪いのかしら?
査定金額は、猪金貨1枚、角ウサギ2匹で銀貨4枚、薬草全部で銅貨2枚。
おお、初めて金貨なんて見ましたよ。
キレ~。
ギルドを出て、台車か手押し車を注文しようかとクロと話したけど、猪は滅多に捕まえられないかもと聞いて、やめた。
捕まえたら捕まえたで、またその時はその時。
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