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黒猫と共に迷い込む
仲間になりました
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「八重子、お主、自分が何を言っているのか分かっておるのか?」
「もちろんです」
「獣人じゃぞ? 子供じゃぞ? 病持ちじゃぞ? 最悪引き取った次の日には冷たくなっているかも知れぬようなものじゃぞ? 犬猫を拾うのとは訳が違うのじゃぞ?」
「分かってます」
「大金を溝に捨てるようなものだと分かって言っておるのか?」
「もちろんです」
「…撤回するならば今のうちじゃぞ?」
「しません」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
クロと睨み合う。
ガウストさんがオロオロとこちらを見ているのが分かったけど、クロから視線を外すわけにはいかない。
外したら、負ける。
しばらくして、クロが目を瞑り、溜息を吐いた。
「後悔はせぬな?」
「しません。クロを引き取ったことも後悔してません」
「それを言うか…」
クロを拾った時、クロは猫風邪をひいていた。幸運なことにお医者さんに連れて行って治すことができた。風邪といっても重症化すれば命だって落とす。
有り難いことに、私がクロを引き取りたいと言った時、両親はそこまで反対しなかった。
母は元々実家で飼っていたから、引き取ることに然程抵抗はなかったらしい。
父はあまり動物を飼ったことはなかったので、初めは渋ったものの、私がきちんと面倒をみると約束したのと、母のやんわりとした押しに負けて、飼うことを許してくれた。
その後、一番駄目飼い主になっていたのは父だと思うが。
請われるままにおやつをあげ、新しい玩具を見つけるとすぐに買ってくる。
渋った割に、一番猫奴隷らしくなってしまったのであった。
猫の魅力は無限大。
「仕方ない。八重子の好きにするが良い」
「ありがとう。クロ」
分かってるよ。アホなことしてるって。
全てを救うなんて事、私にできないって事も。
でもさ、せめて、目の前にいる救える子だけでも、救ってあげたいと考えちゃうのが、人間ってものだから。
「てことで、その子、私が買います。お幾らですか?」
「え? はあ、しかし、本当に良いのですか? 病持ちですよ?」
「いいと言ったらいいんです。お願いします」
「は、はあ…」
ちらりとガウストさんがクロを見た。
クロは無言で頷いた。
どっちが主やねん。
「かしこまりました。では、書類等をご用意致します。それと、この子の値段ですが、金貨10枚になります」
「っ!」
虎子ちゃんがガウストさんの顔を見た。
「分かりました。ちょっと銀行行って下ろしてきます」
「はい。お待ちしております」
そのまま奴隷商のお店を出て、シロガネに乗ってギルドへ。
って、ギルドどこだ?
「あの…、金額が…」
残った89番と呼ばれている少女が、主人に問いかける。
「ああ、お前は気にしなくて良い。あの黒い方にはちょっとお世話になったことがあってね。ちょっとした便宜だから。それに、病持ちのお前に、本当なら値など付けられないのだぞ?」
少女が下を向く。
通常、獣人はやはり普通の人間よりは力が強いので、労働力として人気が高い。そして、女子供となれば、そちらの趣味の人が買っていくこともある。
しかし、普通の人間でも、病を持っているとなれば、ほぼ買われることはない。
薬なども高価なので、奴隷にあてがわれることなどまずない。
行き着く先は、ただ死ぬか、運が悪ければ、何かの実験台として引き取られることもあるだけだ。
唯一、奴隷でも金銭を貯めれば、そこから自力で這い上がれることもできるが、それもかなり特殊な場合である。
少女も、レンタル奴隷で少しずつお金を貯めて、なんとかならないかと足掻いている最中だった。
幸い、少女は獣人なので、そこらの子供よりは力がある。それを活かしてレンタルで頑張ってはいたが、やはり病持ち。
仕事も貰えないことも度々だった。
そんなほぼ価値もない自分を買うなどと言ってくれたあの女性。
意図が分からず、少女は困惑するだけだった。
「持って来ましたー!」
勢いよく奴隷商のお店の扉を開けると、ソファに座っていた虎子ちゃんが立ち上がった。
「おお、お待ちしておりました」
さっそく、ソファに座って手続きです。
書類にサインして、奴隷紋の上書き。
左手に従魔紋があったので、今度は右手です。
それもすぐに終わり、無事に虎子ちゃんは私の奴隷になりました。
「よろしくね」
「こちらこそ。よろしくお願いします」
う~ん、本当にきちんとした子だ。躾が行き届いているというか。
従魔の皆にも紹介。と言ってもすでに知ってるよね。
「それじゃあ、ありがとうございました」
「こちらこそ。またのご来店をお待ちしております」
ガウストさんの接客用笑みに見送られ、奴隷商を出る。
「さて! まずは、虎子ちゃんの服を買うか!」
一応、あのボロボロになった服から着替えられてはいるが、なにせ、それで寒くないの?という袖無しのワンピースみたいなのを身に付けてるだけ。しかも裸足だ。
「はあ? 服ですか?」
虎子ちゃんが不思議そうな顔している。何故だ。
「う~ん、虎子ちゃん、その呼び名も悪くないが、なんとなく違う…」
名前がないから仮称で呼んでたけど、ちょっとお粗末な名前だよね。
「名前は、覚えてないんだっけ?」
「はい」
「よし、そんな貴女に、素敵な名前をあげましょう」
「名前…」
「黄色ときたら、やはり、琥珀でしょう! あなは今日から琥珀ちゃんです!」
厳密には黄色ではないけど、許容範囲って事で。
「コハク…」
「コハクか。良い名じゃ。よろしくのう、コハク」
「よろしくである。コハク」
「クア」
リン!
皆からも挨拶されているコハクちゃん。
あれ?そういえばクロの姿が…。
「琥珀か。まあ良い名ではないかの」
おや、いた。
「よろしくの。コハク」
「は、はい」
コハクの頭にポンと手を置くクロ。
なんだかんだ言ったけど、クロもコハクを受け入れてくれている。良かった良かった。
それから服屋に行って、コハクの服を一式揃え、ついでに風呂屋に直行。
の前に、ちょっと路地に入ってシロガネとハヤテが人化したら、目を丸くしてました。
ついでにクロが猫の姿に戻る。それも驚いていた。
「お風呂に入らないの?」
「我が輩は遠慮するの」
やはりお風呂は苦手なようです。
「あ、あの、ご主人様…」
「・・・・・・」
「ご主人様?」
「えええ、それって、私のこと?!」
「そうですけど、他に誰が?」
・・・。私しかいませんね。
しかし、幼女にご主人様って言われると、くすぐったい。
上目遣いの可愛い子に言われると、なんか、悶える。
「あの、私は、何をすればよろしいのでしょう?」
コハクちゃんがなんだかオロオロしてます。
「何を? う~ん、何を?」
「私は奴隷ですから、お仕事を…」
ワーカーホリックですか。そんな小さな体で。
「仕事…、う~ん、特にないなぁ」
「え、で、でも、それでは、私は…」
いたたまれなさそうです。
自然にしてていいんだけど、そんな訳にもいかないのかな?
「あるじ~?」
ハヤテが何事かと見上げてくる。
「そうか! よし、お仕事です! ハヤテの面倒をみて下さい!」
「はい? ハヤテ様の?」
「様はいらないよ。ハヤテでいいよ」
「ハヤテ~?」
ハヤテが話題に上がって、ハヤテが不思議そうな顔している。
ふ、可愛いな!
「ハヤテ、コハクお姉ちゃんと手を繋いで、一緒に歩いてあげて? お姉ちゃんが迷子にならないように」
「わかったー」
ハヤテがコハクの手を掴んだ。
「え、わ、私が、迷子?」
「コハクはハヤテと手を繋いで、迷子にならないように一緒に歩いてあげて?」
「あ…。はい」
どうやら察してくれたようです。
仲良く皆でお風呂屋へ。
しかし、男風呂にはシロガネ1人だけだったという。
「もちろんです」
「獣人じゃぞ? 子供じゃぞ? 病持ちじゃぞ? 最悪引き取った次の日には冷たくなっているかも知れぬようなものじゃぞ? 犬猫を拾うのとは訳が違うのじゃぞ?」
「分かってます」
「大金を溝に捨てるようなものだと分かって言っておるのか?」
「もちろんです」
「…撤回するならば今のうちじゃぞ?」
「しません」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
クロと睨み合う。
ガウストさんがオロオロとこちらを見ているのが分かったけど、クロから視線を外すわけにはいかない。
外したら、負ける。
しばらくして、クロが目を瞑り、溜息を吐いた。
「後悔はせぬな?」
「しません。クロを引き取ったことも後悔してません」
「それを言うか…」
クロを拾った時、クロは猫風邪をひいていた。幸運なことにお医者さんに連れて行って治すことができた。風邪といっても重症化すれば命だって落とす。
有り難いことに、私がクロを引き取りたいと言った時、両親はそこまで反対しなかった。
母は元々実家で飼っていたから、引き取ることに然程抵抗はなかったらしい。
父はあまり動物を飼ったことはなかったので、初めは渋ったものの、私がきちんと面倒をみると約束したのと、母のやんわりとした押しに負けて、飼うことを許してくれた。
その後、一番駄目飼い主になっていたのは父だと思うが。
請われるままにおやつをあげ、新しい玩具を見つけるとすぐに買ってくる。
渋った割に、一番猫奴隷らしくなってしまったのであった。
猫の魅力は無限大。
「仕方ない。八重子の好きにするが良い」
「ありがとう。クロ」
分かってるよ。アホなことしてるって。
全てを救うなんて事、私にできないって事も。
でもさ、せめて、目の前にいる救える子だけでも、救ってあげたいと考えちゃうのが、人間ってものだから。
「てことで、その子、私が買います。お幾らですか?」
「え? はあ、しかし、本当に良いのですか? 病持ちですよ?」
「いいと言ったらいいんです。お願いします」
「は、はあ…」
ちらりとガウストさんがクロを見た。
クロは無言で頷いた。
どっちが主やねん。
「かしこまりました。では、書類等をご用意致します。それと、この子の値段ですが、金貨10枚になります」
「っ!」
虎子ちゃんがガウストさんの顔を見た。
「分かりました。ちょっと銀行行って下ろしてきます」
「はい。お待ちしております」
そのまま奴隷商のお店を出て、シロガネに乗ってギルドへ。
って、ギルドどこだ?
「あの…、金額が…」
残った89番と呼ばれている少女が、主人に問いかける。
「ああ、お前は気にしなくて良い。あの黒い方にはちょっとお世話になったことがあってね。ちょっとした便宜だから。それに、病持ちのお前に、本当なら値など付けられないのだぞ?」
少女が下を向く。
通常、獣人はやはり普通の人間よりは力が強いので、労働力として人気が高い。そして、女子供となれば、そちらの趣味の人が買っていくこともある。
しかし、普通の人間でも、病を持っているとなれば、ほぼ買われることはない。
薬なども高価なので、奴隷にあてがわれることなどまずない。
行き着く先は、ただ死ぬか、運が悪ければ、何かの実験台として引き取られることもあるだけだ。
唯一、奴隷でも金銭を貯めれば、そこから自力で這い上がれることもできるが、それもかなり特殊な場合である。
少女も、レンタル奴隷で少しずつお金を貯めて、なんとかならないかと足掻いている最中だった。
幸い、少女は獣人なので、そこらの子供よりは力がある。それを活かしてレンタルで頑張ってはいたが、やはり病持ち。
仕事も貰えないことも度々だった。
そんなほぼ価値もない自分を買うなどと言ってくれたあの女性。
意図が分からず、少女は困惑するだけだった。
「持って来ましたー!」
勢いよく奴隷商のお店の扉を開けると、ソファに座っていた虎子ちゃんが立ち上がった。
「おお、お待ちしておりました」
さっそく、ソファに座って手続きです。
書類にサインして、奴隷紋の上書き。
左手に従魔紋があったので、今度は右手です。
それもすぐに終わり、無事に虎子ちゃんは私の奴隷になりました。
「よろしくね」
「こちらこそ。よろしくお願いします」
う~ん、本当にきちんとした子だ。躾が行き届いているというか。
従魔の皆にも紹介。と言ってもすでに知ってるよね。
「それじゃあ、ありがとうございました」
「こちらこそ。またのご来店をお待ちしております」
ガウストさんの接客用笑みに見送られ、奴隷商を出る。
「さて! まずは、虎子ちゃんの服を買うか!」
一応、あのボロボロになった服から着替えられてはいるが、なにせ、それで寒くないの?という袖無しのワンピースみたいなのを身に付けてるだけ。しかも裸足だ。
「はあ? 服ですか?」
虎子ちゃんが不思議そうな顔している。何故だ。
「う~ん、虎子ちゃん、その呼び名も悪くないが、なんとなく違う…」
名前がないから仮称で呼んでたけど、ちょっとお粗末な名前だよね。
「名前は、覚えてないんだっけ?」
「はい」
「よし、そんな貴女に、素敵な名前をあげましょう」
「名前…」
「黄色ときたら、やはり、琥珀でしょう! あなは今日から琥珀ちゃんです!」
厳密には黄色ではないけど、許容範囲って事で。
「コハク…」
「コハクか。良い名じゃ。よろしくのう、コハク」
「よろしくである。コハク」
「クア」
リン!
皆からも挨拶されているコハクちゃん。
あれ?そういえばクロの姿が…。
「琥珀か。まあ良い名ではないかの」
おや、いた。
「よろしくの。コハク」
「は、はい」
コハクの頭にポンと手を置くクロ。
なんだかんだ言ったけど、クロもコハクを受け入れてくれている。良かった良かった。
それから服屋に行って、コハクの服を一式揃え、ついでに風呂屋に直行。
の前に、ちょっと路地に入ってシロガネとハヤテが人化したら、目を丸くしてました。
ついでにクロが猫の姿に戻る。それも驚いていた。
「お風呂に入らないの?」
「我が輩は遠慮するの」
やはりお風呂は苦手なようです。
「あ、あの、ご主人様…」
「・・・・・・」
「ご主人様?」
「えええ、それって、私のこと?!」
「そうですけど、他に誰が?」
・・・。私しかいませんね。
しかし、幼女にご主人様って言われると、くすぐったい。
上目遣いの可愛い子に言われると、なんか、悶える。
「あの、私は、何をすればよろしいのでしょう?」
コハクちゃんがなんだかオロオロしてます。
「何を? う~ん、何を?」
「私は奴隷ですから、お仕事を…」
ワーカーホリックですか。そんな小さな体で。
「仕事…、う~ん、特にないなぁ」
「え、で、でも、それでは、私は…」
いたたまれなさそうです。
自然にしてていいんだけど、そんな訳にもいかないのかな?
「あるじ~?」
ハヤテが何事かと見上げてくる。
「そうか! よし、お仕事です! ハヤテの面倒をみて下さい!」
「はい? ハヤテ様の?」
「様はいらないよ。ハヤテでいいよ」
「ハヤテ~?」
ハヤテが話題に上がって、ハヤテが不思議そうな顔している。
ふ、可愛いな!
「ハヤテ、コハクお姉ちゃんと手を繋いで、一緒に歩いてあげて? お姉ちゃんが迷子にならないように」
「わかったー」
ハヤテがコハクの手を掴んだ。
「え、わ、私が、迷子?」
「コハクはハヤテと手を繋いで、迷子にならないように一緒に歩いてあげて?」
「あ…。はい」
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