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始まりの旅
怖い夢
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暗闇。
真っ暗な闇。
上も下も右も左も分からない。
自分がどこに向かっているのか、何を目指しているのか。
分からないままひた走る。
ただ、ただ、独りでいるのが怖いから。
誰かにいて欲しくて。
誰かに傍にいて欲しくて。
このまま独りでいては…
「誰か!誰か―――!」
たまらずキーナは叫んだ。
しかし答える声はなく、ただ深遠の淵に飲まれるかのように消えていく。
静寂と暗闇。
たった独り。
「だれか…」
限界に来ていた。
「誰か!助けて――――――――――」
唐突に意識が目覚める。
ガバッと飛び起きる。呼吸は荒い。
息を整えながらキーナは今のが夢であったことを認識する。
(また…あの夢…)
幼い頃から何度も見る夢。
暗闇にただ独り。誰も居らず、ただ独りでいる夢。
思い出すだけで背筋がぞっとする。
「お母さん!」
と振り向いてキーナは気付いた。
自分が違う場所に来ていたことに。ここには母はいない。
(そうだ…僕…)
いつもなら母の傍に行って眠るのだ。この夢を見たあとはどうしても誰かに傍にいて欲しくなる。
(独り…)
孤独感が迫ってくる。
(独り…、独り…!)
孤独感に押し潰されそうになり、両肩を抱いた。
キーナは軽く上に羽織ると、部屋をそっと出た。
夜の廊下。もちろん人の気配はない。
微かに灯された明かりが頼りない光で廊下を照らしている。
キーナは足音を忍ばせながら隣の部屋へ向かった。
(テルの部屋は、…隣だよね)
ノブに手をかけ、扉を開けようとした。
ガ…
しかし扉は開かない。
(鍵…?)
そう、鍵がかかっているのだ。
(そういえば夕飯の後、「鍵はきちんとかけて寝ろ」って言ってたっけ)
用心深いテルディアスのことだ。
かけて寝ないわけがない。
(どうしよう…)
扉が開かなければ…
(独り…)
孤独感が押し寄せてくる。
(テル!!!)
キーナは心の中で叫んだ。
その時、
カタ、カタカタ・・・カ・・・チッ
音がした。
(?…今の音?)
鍵が外れるような音。
思い切って再びノブを回してみる。
ガチャ…
扉が開いた。
(テル!)
テルディアスが開けてくれたものと喜び勇んでキーナは扉を開けた。
しかし、
(あれ?)
テルディアスはベッドに気持よさそうに寝ている。
(寝てる? …鍵、閉まってた…よね?)
律儀に鍵を閉めなおす。
(ま、いっか)
いいのか。
静かにテルディアスに近づく。
気持よさそうな寝息を立ててテルディアスは眠っていた。
何故か上半身裸だ。
キーナがいることにまるで気付かない。
キーナはほっとしてテルの横に座った。
(よかった…。呼吸が聞こえる…)
傍に誰かがいるという安心感。自分と違う呼吸。あれほどに怖かった孤独感が綺麗に消えていく。
(安心したら眠くなってきちった)
キーナはでっかいあくびをした。
振り向くとテルディアスが気持よさそうに寝ている。
このまま自分の部屋に戻るのもめんどくさい。
ということで。
いそいそとテルディアスの横に潜り込む。こらこら。
いい感じに空いているテルディアスの脇に頭を寄せる。
テルディアスの体温を直に感じた。
(あったかいにゃ♪)
包まれる安心感。テルディアスの呼吸。
(テルの心臓の音が…聞こえる…)
トクン・・・トクン・・・トクン・・・
そのうちに暗闇の中に、二つの呼吸が聞こえるようになった。
夜の闇は二人を優しく包み込む。
小鳥が鳴いている。
朝のさわやかな光の中を、朝食でも探しているのか。屋根をチョンチョン歩く音も聞こえてくる。
窓からの光は暖かい。光を、音を感じてテルディアスは目覚めた。
(久しぶりにベッドで寝た。よく寝ちまったな…)
ずっと野宿をしていたのだ。硬いベッドでもかなり有難かった。
(なんだか嫌に温かかったような…)
腕の中からスースーと寝息が聞こえる。
なんで?
テルディアスの意識は急速に目覚めた。
顔から血の気が引いていく。
嫌な汗が出てきた。
腕の中では気持よさそうな寝息をたてて、誰か寝ている。
軽く茶色がかった柔らかな髪。
この頭は昨日から見ているものではないか?
「どうわっ」
近所に思いっきり迷惑な大声を上げてテルディアスはベッドから転げ落ちた。
「にゃんらっ???」
思わずキーナも飛び起きた。
「ん?」
ベッドからさかさまに足が生えている?いや、転げ落ちたテルディアスの足だった。
「つ、痛つ…」
テルディアスがぶつけたのか、頭を抑えながら起き上がった。
「どうしたの?テル?」
キーナは素直に聞いた。
「どうしたもこうしたも!何でお前俺のベッドにいる―――!」
又近所にご迷惑になりそうな大声を出した。
「なんだそんなこと」
キーナはあっけらかんと言った。
「そんなことって…」
テルディアスは軽い絶望を覚えながらつぶやいた。
「怖い夢見ちゃってさあ、一人じゃ怖くて眠れなくなっちって」
キーナはテレテレと頭をかきながら言った。全然悪ぶれている様子もない。
「お前…ガキか…」
テルディアスが怒りをこらえながら言った。
「ひどい!僕もう十四よ!」
キーナがプンプンとしながら言った。
「だったら!」
テルディアスがこらえていた怒りを吐き出すようにベッドを叩いた。
「男のベッドに忍び込んで来るな…!」
怒りをあらわにした迫力のある顔でテルディアスはキーナに迫った。しかしそんなことなど気にもせず、キーナはケロリンと答えた。
「だって怖かったんだもん」
テルディアスはがっくりと肩を落とす。
「だとしてもだ! 万一のことがあったら! どうする気だ!」
怒りやらなんやらよく分からない感情をすべてぶつけるかのように、テルディアスはもう一度ベッドを拳で叩きつけた。
しかし、キョトンとしながらキーナが言う。
「万が一って何?」
…テルディアスが言葉に詰まって赤くなる。
どう言えばいいかも分からず冷や汗だらだら。
テルディアスはベッドの足もとで頭と膝を抱えこんだ。
軽いパニックに陥って頭の中はぐちゃぐちゃだ。
「だってさ、すごく怖い夢なんだよ」
キーナがしょぼんとした顔で言った。
「暗闇に僕独りなの。呼んでも誰もいないの…。探し回るんだけどやっぱり誰もいないの…」
キーナが余程怖いのか、震えながら自分の肩を抱く。
「目を覚ますといつもお母さんが抱きしめてくれるんだけど…、でも…今は…いないから・・・」
テルディアスははっとした。
(「お母さん…」)
とキーナが寝言で呟いていたことに。
「このまま…ずっと…、独りだったらどうしようって…思って…」
震える自分の体を抑えるように肩を強く抱いたままキーナは言った。
ポスっとキーナの頭にテルディアスの手が置かれる。テルがベッドに腰を下ろした。
「? テル?」
「分かったからもう言うな」
優しくテルディアスは言った。
キーナは安心したのかテルディアスを見て眼を潤ませた。
「その夢はいつも見るのか?」
「この頃は見てなかったの」
軽く眼をこする。
「じゃあ見たときだけでも一緒に寝てやれば…」
言いながらテルディアスは自分がとんでもないことを言っている気がしてきた。
一緒に寝る?添い寝?女と?
汗が一筋タラッと垂れる。
いくらなんでも年頃の男と(一応年頃の)女が一緒に寝るわけには…。
「やっぱそれはまずい…」
ダリダリと汗をかきながら必死に考えるがいい案など思いつくわけもない。
「独りでないって思えればいいの」
キーナが切り出す。
「テルの呼吸の音聞いただけでもう安心できてたんだけどね♪自分の部屋に戻るのも面倒だし、テルがあんまり気持よさそうに眠ってるもんだからつい一緒にね♪」
つい
で済まされることか?
「で…」
「で?」
「出てけ―――!!!」
又ご近所に迷惑になりそうなほどの大声を上げながら、テルディアスは勢いよくキーナを部屋の外に放り出した!
バタン!
と勢いよく扉を閉める。
ぶつけたお尻をさすりながら、
「何なのさ一体…」
キーナはテルディアスの部屋を見つめた。
いくら見つめてもその扉は開きそうにない。
「どこの誰だ!朝っぱらから騒いでる奴は!」
不機嫌そうな声があちこちから上がってきた。
慌ててキーナはそ知らぬフリをしながら自分の部屋へ戻っていった。
その頃テルディアスは…。
扉に背中を預け、ゼハゼハと息をついていた。
全く持って常識の外れた少女の相手は疲れるものなのだ。
(こちとらただでさえ人の温もりとは縁遠かったのに、ましてや女なんて…! ガキに色気を感じてしまう自分が怖い!)
腕の中の温もり、柔らかさ。
まだまだ未発達とはいえ、触れていたからだのラインに一瞬ドキッとしてしまったのだ。
(それよりも何よりも!あいつには女の自覚ってもんがないのか―――!)
床で頭を抱えたままうずくまり、テルディアスが独りうんうん悩んでいた頃…。
キーナはそんなことなど露知らず、人目も気にせず(部屋の中だからそんなものないが、せめて窓には気を使いましょう)着替えていた。
女の自覚は…あまりないんじゃないかい?
真っ暗な闇。
上も下も右も左も分からない。
自分がどこに向かっているのか、何を目指しているのか。
分からないままひた走る。
ただ、ただ、独りでいるのが怖いから。
誰かにいて欲しくて。
誰かに傍にいて欲しくて。
このまま独りでいては…
「誰か!誰か―――!」
たまらずキーナは叫んだ。
しかし答える声はなく、ただ深遠の淵に飲まれるかのように消えていく。
静寂と暗闇。
たった独り。
「だれか…」
限界に来ていた。
「誰か!助けて――――――――――」
唐突に意識が目覚める。
ガバッと飛び起きる。呼吸は荒い。
息を整えながらキーナは今のが夢であったことを認識する。
(また…あの夢…)
幼い頃から何度も見る夢。
暗闇にただ独り。誰も居らず、ただ独りでいる夢。
思い出すだけで背筋がぞっとする。
「お母さん!」
と振り向いてキーナは気付いた。
自分が違う場所に来ていたことに。ここには母はいない。
(そうだ…僕…)
いつもなら母の傍に行って眠るのだ。この夢を見たあとはどうしても誰かに傍にいて欲しくなる。
(独り…)
孤独感が迫ってくる。
(独り…、独り…!)
孤独感に押し潰されそうになり、両肩を抱いた。
キーナは軽く上に羽織ると、部屋をそっと出た。
夜の廊下。もちろん人の気配はない。
微かに灯された明かりが頼りない光で廊下を照らしている。
キーナは足音を忍ばせながら隣の部屋へ向かった。
(テルの部屋は、…隣だよね)
ノブに手をかけ、扉を開けようとした。
ガ…
しかし扉は開かない。
(鍵…?)
そう、鍵がかかっているのだ。
(そういえば夕飯の後、「鍵はきちんとかけて寝ろ」って言ってたっけ)
用心深いテルディアスのことだ。
かけて寝ないわけがない。
(どうしよう…)
扉が開かなければ…
(独り…)
孤独感が押し寄せてくる。
(テル!!!)
キーナは心の中で叫んだ。
その時、
カタ、カタカタ・・・カ・・・チッ
音がした。
(?…今の音?)
鍵が外れるような音。
思い切って再びノブを回してみる。
ガチャ…
扉が開いた。
(テル!)
テルディアスが開けてくれたものと喜び勇んでキーナは扉を開けた。
しかし、
(あれ?)
テルディアスはベッドに気持よさそうに寝ている。
(寝てる? …鍵、閉まってた…よね?)
律儀に鍵を閉めなおす。
(ま、いっか)
いいのか。
静かにテルディアスに近づく。
気持よさそうな寝息を立ててテルディアスは眠っていた。
何故か上半身裸だ。
キーナがいることにまるで気付かない。
キーナはほっとしてテルの横に座った。
(よかった…。呼吸が聞こえる…)
傍に誰かがいるという安心感。自分と違う呼吸。あれほどに怖かった孤独感が綺麗に消えていく。
(安心したら眠くなってきちった)
キーナはでっかいあくびをした。
振り向くとテルディアスが気持よさそうに寝ている。
このまま自分の部屋に戻るのもめんどくさい。
ということで。
いそいそとテルディアスの横に潜り込む。こらこら。
いい感じに空いているテルディアスの脇に頭を寄せる。
テルディアスの体温を直に感じた。
(あったかいにゃ♪)
包まれる安心感。テルディアスの呼吸。
(テルの心臓の音が…聞こえる…)
トクン・・・トクン・・・トクン・・・
そのうちに暗闇の中に、二つの呼吸が聞こえるようになった。
夜の闇は二人を優しく包み込む。
小鳥が鳴いている。
朝のさわやかな光の中を、朝食でも探しているのか。屋根をチョンチョン歩く音も聞こえてくる。
窓からの光は暖かい。光を、音を感じてテルディアスは目覚めた。
(久しぶりにベッドで寝た。よく寝ちまったな…)
ずっと野宿をしていたのだ。硬いベッドでもかなり有難かった。
(なんだか嫌に温かかったような…)
腕の中からスースーと寝息が聞こえる。
なんで?
テルディアスの意識は急速に目覚めた。
顔から血の気が引いていく。
嫌な汗が出てきた。
腕の中では気持よさそうな寝息をたてて、誰か寝ている。
軽く茶色がかった柔らかな髪。
この頭は昨日から見ているものではないか?
「どうわっ」
近所に思いっきり迷惑な大声を上げてテルディアスはベッドから転げ落ちた。
「にゃんらっ???」
思わずキーナも飛び起きた。
「ん?」
ベッドからさかさまに足が生えている?いや、転げ落ちたテルディアスの足だった。
「つ、痛つ…」
テルディアスがぶつけたのか、頭を抑えながら起き上がった。
「どうしたの?テル?」
キーナは素直に聞いた。
「どうしたもこうしたも!何でお前俺のベッドにいる―――!」
又近所にご迷惑になりそうな大声を出した。
「なんだそんなこと」
キーナはあっけらかんと言った。
「そんなことって…」
テルディアスは軽い絶望を覚えながらつぶやいた。
「怖い夢見ちゃってさあ、一人じゃ怖くて眠れなくなっちって」
キーナはテレテレと頭をかきながら言った。全然悪ぶれている様子もない。
「お前…ガキか…」
テルディアスが怒りをこらえながら言った。
「ひどい!僕もう十四よ!」
キーナがプンプンとしながら言った。
「だったら!」
テルディアスがこらえていた怒りを吐き出すようにベッドを叩いた。
「男のベッドに忍び込んで来るな…!」
怒りをあらわにした迫力のある顔でテルディアスはキーナに迫った。しかしそんなことなど気にもせず、キーナはケロリンと答えた。
「だって怖かったんだもん」
テルディアスはがっくりと肩を落とす。
「だとしてもだ! 万一のことがあったら! どうする気だ!」
怒りやらなんやらよく分からない感情をすべてぶつけるかのように、テルディアスはもう一度ベッドを拳で叩きつけた。
しかし、キョトンとしながらキーナが言う。
「万が一って何?」
…テルディアスが言葉に詰まって赤くなる。
どう言えばいいかも分からず冷や汗だらだら。
テルディアスはベッドの足もとで頭と膝を抱えこんだ。
軽いパニックに陥って頭の中はぐちゃぐちゃだ。
「だってさ、すごく怖い夢なんだよ」
キーナがしょぼんとした顔で言った。
「暗闇に僕独りなの。呼んでも誰もいないの…。探し回るんだけどやっぱり誰もいないの…」
キーナが余程怖いのか、震えながら自分の肩を抱く。
「目を覚ますといつもお母さんが抱きしめてくれるんだけど…、でも…今は…いないから・・・」
テルディアスははっとした。
(「お母さん…」)
とキーナが寝言で呟いていたことに。
「このまま…ずっと…、独りだったらどうしようって…思って…」
震える自分の体を抑えるように肩を強く抱いたままキーナは言った。
ポスっとキーナの頭にテルディアスの手が置かれる。テルがベッドに腰を下ろした。
「? テル?」
「分かったからもう言うな」
優しくテルディアスは言った。
キーナは安心したのかテルディアスを見て眼を潤ませた。
「その夢はいつも見るのか?」
「この頃は見てなかったの」
軽く眼をこする。
「じゃあ見たときだけでも一緒に寝てやれば…」
言いながらテルディアスは自分がとんでもないことを言っている気がしてきた。
一緒に寝る?添い寝?女と?
汗が一筋タラッと垂れる。
いくらなんでも年頃の男と(一応年頃の)女が一緒に寝るわけには…。
「やっぱそれはまずい…」
ダリダリと汗をかきながら必死に考えるがいい案など思いつくわけもない。
「独りでないって思えればいいの」
キーナが切り出す。
「テルの呼吸の音聞いただけでもう安心できてたんだけどね♪自分の部屋に戻るのも面倒だし、テルがあんまり気持よさそうに眠ってるもんだからつい一緒にね♪」
つい
で済まされることか?
「で…」
「で?」
「出てけ―――!!!」
又ご近所に迷惑になりそうなほどの大声を上げながら、テルディアスは勢いよくキーナを部屋の外に放り出した!
バタン!
と勢いよく扉を閉める。
ぶつけたお尻をさすりながら、
「何なのさ一体…」
キーナはテルディアスの部屋を見つめた。
いくら見つめてもその扉は開きそうにない。
「どこの誰だ!朝っぱらから騒いでる奴は!」
不機嫌そうな声があちこちから上がってきた。
慌ててキーナはそ知らぬフリをしながら自分の部屋へ戻っていった。
その頃テルディアスは…。
扉に背中を預け、ゼハゼハと息をついていた。
全く持って常識の外れた少女の相手は疲れるものなのだ。
(こちとらただでさえ人の温もりとは縁遠かったのに、ましてや女なんて…! ガキに色気を感じてしまう自分が怖い!)
腕の中の温もり、柔らかさ。
まだまだ未発達とはいえ、触れていたからだのラインに一瞬ドキッとしてしまったのだ。
(それよりも何よりも!あいつには女の自覚ってもんがないのか―――!)
床で頭を抱えたままうずくまり、テルディアスが独りうんうん悩んでいた頃…。
キーナはそんなことなど露知らず、人目も気にせず(部屋の中だからそんなものないが、せめて窓には気を使いましょう)着替えていた。
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