キーナの魔法

小笠原慎二

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古代魔獣の遺跡編

遺跡

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「出かけた? 狙われているのに?」

屋敷に戻って来たものの、肝心のアドサンの姿がどこにもなかった。
執事を問いつめてみれば、一人で出かけたという。
何故命を狙われているというのに、一人で出かけたのか。

「は、ハッサン様から手紙が届きまして、それを読んだら急に出かけると…」
「どこへ?!」

テルディアスの剣幕に押され、執事が一歩体を引いた。

「こ、この街の西にある、古代の魔獣を封印したという遺跡です…」
「行くぞ!」
「うん!」

足早にテルディアスが屋敷を出て行く。
キーナとメリンダもその後を追いかける。
外に出て、ふと見上げると、青い空を一直線に飛んでいく黄色い影。

「あ!」

キーナが指さす。

「あれ、サーガじゃない?」

テルディアスも顔を上げ、キーナの指さす方を見る。

「そうだな」
「ハッサンも呼び出されたってことかしら?」
「かもしれん。丁度いい。あいつを追うぞ」
「うん!」

街の西にあるとは聞かされていたが、詳しい場所まではよく分かっていなかったので、まことにサーガは道案内役として丁度いい。

「風翔《カウレイ》!」

テルディアスが風を纏い、空へと飛び立つ。
キーナも飛び立とうとしてふと気付く。

「メリンダさん、僕に掴まる?」

メリンダは火の力以外使えない。
つまり空を飛ぶ風の魔法を使えないわけだ。
空を飛べないならば自分が運ばなければ、とキーナは考えたのだが。
メリンダはそんなキーナににっこり笑いかけると、

「んふ。大丈夫よ」

と何やら自信たっぷり。

「風ほど早くはないけど、一応飛べるから」

とウィンク。

「へ?」

如何様にして飛ぶのかしらん?
とキーナ不思議に思う。
キーナが風を纏い、メリンダは足元に力を集中させた。
二人同時に地を蹴って、その体を宙空に投げ出す。
確かに飛んでる。
キーナは風の力を体に纏い、空を飛んで行く。
メリンダは足元から炎を勢いよく噴出し、その推進力で空を飛んで行く。
つまりロケットのような仕組みですね。

(鉄腕ア○ム…)

メリンダの飛ぶ様子を見て、キーナがそう思ったのも無理はない…。
と思う。

















古代の魔獣を封印した遺跡。
その立派な遺跡の入り口の前で、しかめ面をした二人の男が対面していた。
言わずもがな、この街の有力者でありながら、仲が悪いと評判の、アドサンとハッサンの兄弟達である。
二人の顔立ちはとてもよく似ていたが、不思議とその体型は対照的であった。
アドサンは長身で細身。髪もふさふさで一つ処にして束ねてある。
ハッサンは小太り気味。頭は横の部分を残して綺麗につるぴかになっている。
顔以外は、本当に兄弟?と首を傾げたくなる。

「よもやお前が私の命を狙うとはな!」

アドサンがハッサンを指さしながら怒鳴る。

「何を言っとる! 命を狙ってるのはそっちだろう!」

ハッサンも負けじとアドサンを指さしながら怒鳴る。

「戯けた事を言うな! 大体お前は昔からそうだ! 人が楽しみに取っといたおやつを盗み食いしくさって!」

食べ物の恨みか。

「何だと! あれはそもそも兄者が小遣いをピンハネしとったから、正当な取り分をもらっとっただけだ!」

小遣いの恨みか。

「それはそもそも!」
「だからそもそも!」

永遠にその掛け合いが続くのかとうんざりしかけた時、

「あ~あ、見苦しいなあ、お二人さん。ご先祖様のお墓の前でそんな小さい事で」

どこからか、黒い服に身を包んだ青年が現われた。
青年に気付いて、二人の言い争いが一時中断される。

「だ、誰だ?」
「何者だ?」
「俺? 俺はお二人の命を狙った、張本人さ」
「「何?!」」

爽やかな笑顔でさらりと告白する。
そしてその青年はさらりと言葉を続ける。

「いや~、なかなかこの遺跡の解読難しくってさ。しかも大事な部分隠されてたし、危うく間違える所だったよ」

フウと軽く溜息。

「何を言っとる?」
「この遺跡に封じられた古代の魔物を起こすには、あんたらを殺すだけじゃダメらしいしね~」
「何を…」
「《ある場所にその一族の血を捧げなければならない》。や~、その肝心な所がヘンピな場所に隠されてあったから、危うく何もかもパアにする所だったよ」

青年が爽やかに笑う。

「き、貴様! 一体何を…!」

青年の黒い瞳に、黒い炎が宿ったかのような錯覚を覚えた。

「もちろん、その古代の魔物って奴を喚び起こそうとしてるだけだよ」

今までの爽やかな笑顔とは違い、どす黒い感情が見えるかのような笑顔だった。
次の瞬間にはその黒い影は消え、また爽やかな笑顔になる。

「俺あんまり力ないからさ~。人を抱えて空間跳躍とか得意じゃないし。だからわざわざ来て貰ったんだ。もうちょっと力があれば、あんたらを簡単に攫って来れたんだけどね~」

青年の瞳がまた暗く光る。
その眼光を浴び、二人は背筋がぞっとした。
正気の沙汰では無い。

「さて、それじゃ、お二人の血と命、頂きましょうかね」

青年が二人に向けて手を伸ばす。
刃物などを持っているわけでもない。
なのに二人は、確実にこの青年に切り裂かれると思った。
必ず殺される。
そしてここで、アドサンが予期せぬ行動を取った。

「逃げろ! ハッサン!」
「兄者?!」

ハッサンの前に庇うように立ちはだかる。
ハッサンはあまりにも意外な兄の行動に、呆気に取られてしまう。
青年が順番などどうでもいいと、アドサンに手を伸ばす。
ところが。

バチイッ!!

「!」

アドサンにもう少しで触れると言う所で、何故か青年の手は弾かれた。
不思議な顔をする青年に向かって、アドサンが胸元に下げたペンダントを手でつまみ上げた。

「我が家に代々伝わる護符。これがあれば…。ある程度の災いは避けられるのだ」

六芒星を象ったその真ん中に、火のような水のような木の枝のような、不思議な紋様が描かれている。

「ある程度…ねぇ」

青年がその護符を睨み付ける。
そして、再びアドサンに向かって手を伸ばした。

バチイッ!!

再び青年の手に衝撃が走るが、今度はその手を弾かれる事無く、アドサンの胸元をガシリと掴んだ。

「俺が、ある程度だと思うか? あ? 舐めんな」

青年の瞳が細められる。

「兄者!」

逃げる事を忘れ、ハッサンがアドサンを助けようとするが、その足元から闇の触手が伸び、ハッサンの体を捕らえた。

「ぐあ…!」
「フン」

アドサンの胸元を掴んだまま、青年がフワリと浮かび上がる。
触手がハッサンも一緒に遺跡の上へと押し上げる。
誰も登る事のできない遺跡の上には、奇妙な台座が取り付けられていた。
台座の真ん中はボウルのように丸くへこんでおり、その一カ所から水でも流し込むかのように溝が延びている。
その溝は先に刻まれた不思議な紋様へと続き、その紋様は石に少し深く刻まれ、やはり水が流し込めるようになっている。
だが、今までの話からすると、ここには水ではなく…。

「この台座に血を流し込めば…、魔獣は蘇り、世界に災いをもたらす」

もはや伝説の中の話になっている。
あまりに古い話過ぎて、その伝承を伝える本や絵などは存在していない。
本当に魔獣がいたのか、本当に賢者が封じたのか、お伽話のような、神話の中の話のように、人々の間では話されている。
ただ一つ、真実ではないかと言われているのは、その賢者の血を受け継ぐと言われる一族が存在し続けているためだ。
あまりに強大すぎる魔獣に、賢者は己の血と肉を用いて封じたと言われている。
その血を受け継ぐ者がいる限り、その魔獣が目覚める事はない。
と言い伝えられているのだ。
そして、その血を受け継ぐと言われている者達が目の前に二人。

「面白そうだろ?」

青年が右手を掲げる。
そのままアドサンに向かって手を突き出そうとした、その時。

ゴウ!

風の刃が走った。

ズパッ!

ハッサンを縛り上げていた闇の触手が切断される。
そのまま風の刃は青年に向かう。

「!」

青年が思わずアドサンから手を放す。
風の刃はそんな二人の間を通り抜けていった。
手を放されたアドサンは、そのまま地面へと落下していく。

「何だ?!」

明らかに自然な風では無い。
青年が見回すと、黄色い髪の男が宙に浮かんでいた。

「返してもらおうか。大事な雇い主なんでな」

サーガがにやりと笑う。

「く…」

目の前に現われた邪魔者を睨み付ける。
その時、青年がもう一つの気配に気付き、慌ててその場から宙返りをして逃げ出す。
寸の間、青年のいた場所を銀の閃光が通り過ぎた。

「ち、はずしたか」

フードにマントのテルディアスが、剣を抜き放ち、いつの間にか青年の背後に迫っていた。

「下手くそ」
「なんだと?」

サーガとテルディアスが睨み合う。
いやいや、真面目にやんなさい。

「貴様ら…、互いに潰し合っていればよかったものを!」

睨み合う二人が、さらに睨んでくる黒い青年を睨み返す。

「あ~ん、なるほど」

サーガの目が細められた。

「おかしいと思ったぜ。突然フードにマント被って襲って来やがったからなぁ」
「どういうことだ?」
「俺とお前が手強いって分かったんだろ? この兄ちゃん。だからわざと、お前の姿して現われた。うまくすりゃ、お互いに潰し合ってくれる。そう考えたんだろ」

フードにマントをつけ、ハッサンに襲いかかる。
その姿を見たサーガ達が追いかける。
そのままうまく曲がり角などで姿を隠し、テルディアスに引き合わせれば、ハッサンの用心棒達はテルディアスが刺客だと思って攻撃するだろう。
確かにその作戦は上手く行ったのだ。
だがしかし。

「生憎だったな。たまたまこいつらとは知り合いでね。危うく騙される所だったぜ」

まあ、結局戦ったわけではあるけれどもね。
青年がギリリと歯ぎしりする。
とんだ誤算。と言う顔である。

「ま、こいつは倒しても良かったんだが」

とサーガが首を振る。

「お前ごときに俺がやられるものか」

テルディアスがさも当然とばかりに呟く。
実際、テルディアスの勝ちで決着つきましたし。
二人が再び睨み合う。
ギリギリと火花が飛び散る。
そんなことしてる場合か。

青年が下を見ると、落ちたハッサンとアドサンは、メリンダとキーナが介抱している。

「く…」

八方塞がりである。

「さて、計画はおじゃんになりました。大人しく、捕まろうか?」

サーガが掌に風を集め始める。

「ふざけるな! ここまで来て!」

青年が叫んだ。
そしてその姿が消える。

「! 空間移動か?!」

闇に属する者のみが使える空間移動、空間跳躍と呼ばれる力。
言ってみれば瞬間移動のようなもので、別の空間を通り、元の空間の違う場所に現われるという力だ。
サーガもテルディアスも、犯人は闇の者ではないかと疑っていた。
それは突然現われたり消えたりしていたからだ。
どんなに素早く動けたとしても、いきなり気配まで消して消える事は、どんなに熟練の者でも難しい。
なにがしか移動した跡が残るハズなのに、それが全くなかった。
考えられるとしたら、闇の者。
はぐれ闇と呼ばれる者が引き起こしているのではないかと考えていたのだ。

アドサンのすぐ後ろに、黒い影が現われる。
キーナ達の誰もそれに気付かない。皆上を向いている。
キーナが気付いた時には、青年がキーナの体を押しのけ、アドサンに手を掛けていた。

「ぐああ!」
「貴様だけでも!!」

青年が空間の狭間にアドサンを引き摺り込もうとする。

「待って!」

キーナが慌てて手を伸ばす。

「兄者?!」

キーナの手が届く前に、二人の姿はかき消えた。

「どこだ?!」
「どこに…」

空間の狭間に逃げ込まれては、さすがのサーガとテルディアスも手を出す事は叶わない。
二人がいつ現われてもいいように、周りに神経を張り巡らせる。

「どこ…?」
「…」

キーナとメリンダも上を見上げ、心配そうに宙に姿を探す。
しかし、青年はなかなか姿を現さなかった。
まさか、全く別の所に行ってしまったのかと心配し始めた時。
台座の上に、二つの人影が現われた。

「ぐ…う…」

アドサンの腹から、黒い長い物が突き出している。
そこから服が赤く染まりだし、血が垂れ始める。

「ふ、ふはは…、天は我に味方したというところか?」

黒い青年がその手に持っていた長い物を、ぐりっと動かした。

「ぐああ!」

アドサンが台座の上に倒れ込んだ。
青年がその長い物、黒い剣らしき物を、アドサンの腹から引き抜いた。
アドサンの腹から、赤い血が溢れ出す。

「兄者?!」

ハッサンが下から叫んだ。

「見てくる!」
「キーナちゃん!」

飛び出したキーナをメリンダは引き留めたかったが、ハッサンを一人にさせるわけにもいかず、キーナの姿を心配そうに目で追った。
キーナが遺跡の上が見える所まで来た。
その台座の上に立つ黒い青年。
その横で転がる人影。
その人、アドサンの腹からは、大量の赤い血が流れ出している。

(血…、血が…、あんなにたくさんの血が…)
「キーナ?!」

キーナに気付いたテルディアスが急いでキーナの側に寄る。
キーナの体がふらりと傾いだ。

「キーナ!」

テルディアスがキーナの体を支えてやる。

「テル…。テル…、あんなに…、血が…」

キーナの肩が小刻みに震えている。

「ああ…。おそらく…もう…」

その先の言葉は続かなかった。
キーナがその意味を悟る。

「もう? もうって…。まさか…、死…」

その先の言葉を続ける前に、辺りを地響きが襲う。

ゴゴゴゴゴ…

だんだんと大きくなっていく揺れ。

「何?!」

何が起こったのか分からないメリンダが、どうしたらいいのかと辺りを見回す。

「ぐ…」
「ハッサンさん?!」

ハッサンの顔色が悪くなっている。
何故か胸の辺りを押さえて苦しそうにしている。
そして、遺跡の上では、アドサンの血が十分に流れた紋様が、鈍く光り始めていた。

「やった…、やったぞ…。これで魔獣が蘇る…。世界の破滅だ…。はは…、はーっはっはっはっは!」

黒い青年が台座の上で高らかに笑った。
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