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港町編
人の波
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小さい宿屋なので、おやじさん、女将さん、息子のジョーイと勢揃いで、キーナ達をお見送り。
「じゃな! 姉ちゃん!」
ジョーイが手を振って見送る。
「ちっちっち、そういう時はね、またねって言うのよ!」
キーナが偉そうにジョーイに指導。
「またね?」
「さよならはもう会えない時に。またねはまた会おうねって約束なのだよ」
つまりまた泊まりに来てねと安易に含ませると。
「まるほど! そっか!」
小さい宿屋ならばこそ、リピーターは大歓迎であろう。
「じゃ、またな! 姉ちゃん!」
「うん! 魚料理楽しみにしてるよ!」
拳と拳を付き合わせ、キーナは少年と再会の約束。
「またなー!」
キーナ達の姿が見えなくなるまで、ジョーイは手を振っていた。
「ワッヒャッヒャッヒャ~イ。次来た時も美味しいお魚料理食べられるん」
また来る事確定なのか。
(食べる事ばかりだな…)
こいつはまだ色気より食い気だなとサーガ心で呟く。
「良かったわねキーナちゃん」
「うん!」
満面の笑顔でメリンダに答え、一行は街を進んで行く。
そのまま綺麗な街並みを過ぎて、街の外へと出るつもりであった。
ところが。
プオ~、プオ~
「んにゃ?」
「お?」
ホラ貝のような音が鳴り響いた。
そしてあちこちで声が上がり出す。
「海賊だ―! 海賊が来たぞ―! みんな逃げろ―!!」
陸に滅多にやってこないはずの海賊が乗り込んできたらしい。
しかもすでに海上は突破され、港に乗り込んで来ているらしいと話が飛び交う。
「こりゃあ、巻き込まれる前に逃げた方がいいな」
「そうね。行きましょう」
街をぐるりと囲む壁から外へ出るには、門を通らねばならない。そこに人が殺到するだろう。
その波に巻き込まれても、たまったものじゃない。
「え、でも、街の人達助けなきゃ…」
一応自分は光の御子であるし、力もあるし、こういう時はお話しの展開上、街の有力者などと協力して街を守らねばならないのでは?とも考えるけれども。
「んなこと言える立場か!」
サーガが一喝した。
「てめーの身も守れねー奴の吐く台詞じゃねーだろ!」
「う…」
それを言われると…。
今まで戦いはテルディアス任せ。危ない目にあうとテルディアスに助けてもらってばかりで…。
「俺とテルディアスはともかく、お前と姐さんは実践慣れしてねーだろ! いくら強い力持ってても、戦い慣れしてねー奴は足手まといなんだよ!」
「うう…」
知識という力を持っていても、それを実際に使った経験がなければ、何も身についていないのと同じだ。
例えば、水泳について、泳ぎ方をいくら口で説明されて分かった気になっても、実際に水の中に入ってみたら、聞いた通りにはまったく動けないのと同じである。
作者も平泳ぎを習得するのに、かなり時間がかかったっけ…。
それは置いといて。
「それに、こういう所だ。そういうことも想定して造ってあんだろ」
街が入り組んだ造りになっているのも、防壁の意味を兼ねているのかもしれない。
「そうそう。警備隊とかだっているわよ!」
海に面している大きな街などでは、沿岸警備隊などがあるのが普通だろう。
「そか」
考えてみればそうだろうとキーナ納得。
折角力があるのに役に立てない事にちょっとがっかりではあるけれど。
「んじゃ、急ごうぜ」
サーガを先頭に、メリンダ、キーナ、テルディアスの順で走り出す。
キーナ達が揉めている間に、街中の人達も避難を進めていたらしく、門までの道が人で溢れてきていた。
「街の出口が門一つとはね…。何考えてんだ」
今までに襲われた事がなかったのだろうか?
「はぐれるなよ」
「うん」
ともすれば、すぐに目の前から消える少女に、テルディアスが念を押す。
さすがにキーナも横道に逸れる気はなさそうだ。
人が混み合って来る。
ドン
「わ!」
比較的背の低いキーナが、横の人に押されてふらつく。
「キーナ…」
その体を支えようと腕を伸ばすが、後ろから来た女性がそれを押しのけて前に出る。
「およ?」
その女性にさらに押され、キーナとテルディアスの距離が空く。
テルディアスが女性を押しのけ、キーナとの距離を縮めようとするが、体が小さければ体重も軽いキーナは、後ろから横から押され、何故かどんどんテルディアスと反対の方向へ流されていく。
「キーナ!」
腕を伸ばして掴む事もできない。
「キーナちゃん?!」
後ろの惨状に気付いたメリンダが声を上げた。
「キーナ?!」
メリンダの声に振り向いたサーガが、キーナの姿が消えている事に気付いた。
だが人の波はどんどん多くなっていき、三人もお互いの姿を捉えるのが難しくなっていった。
「キーナ!!」
必死に人の波を掻き分け、キーナの元へ行こうとするも、縦に移動する人の波を横に移動するのは至難の業だ。
「テル! メリンダさん! サーガ!」
最早姿が見えなくなってしまった三人の名を呼ぶが、それも人の波に揉まれていった。
押されて揉まれて踏んづけられて。
まさにもみくちゃという言葉がぴったりな状況を、キーナがしこたま踏ん張って耐えていると、
「わわっ!!」
突然人の壁がなくなり、空間に放り出される。
べしゃ
「ぎゃふん!」
狭い路地に押し出されたキーナが、しこたま尻餅をついて転がった。
「あいたたた…。お尻が…」
いくら贅肉が体のどこよりも付いているからと言っても、しこたまぶつければ痛いものは痛い。
尻をさすりながら顔を上げると、ラッシュアワーかと思える程の人の波、いや壁?
「通勤ラッシュ並に凄い…」
キーナはまだ学生なので、通勤ラッシュは体験した事はないが、テレビなどで見た事がある、通勤ラッシュ時の映像が、目の前で繰り広げられていた。
いや、それよりも凄い?
「でも、なんとかしてテル達と合流しないと!」
と勇敢にも立ち上がり、ふんと腹に力を込める。
「秘技、駆け込み乗車―!!」
訳の分からん気合いの言葉を唱え、キーナ、果敢にも人の波、壁に向かって突っ込んだ。
ところが。
どべっ
「うわっ」
上手く乗れず、人の壁に押し返される。
べしゃ
「ふぎゃん!」
またまた同じように地面に尻餅をついて転がった。
「失敗…」
同じ所をぶつけ、痛みが二倍になってしまい、尻をさする。
痛いの痛いの飛んでけ~。
皆さんも、無理な駆け込み乗車は危ないのでやめましょうね。
「この人の波に乗るのは、至難の業だな~」
通勤ラッシュ経験のないキーナには難しい所業であった。
「お、そーだ!」
キーナの頭の中で電球が煌めく。古い表現方法だ。
(裏道から抜けていけば行けるのでは?)
と考える。
大概、大きな通りに平行して、裏通りなどが敷かれていたりするものだ。
「うん! とりあえず、行ってみよう!」
と痛む尻をさすりながら、すっくと立ち上がる。
そして、人の波溢れる通りに背を向けて、路地を走り出した。
この街はかなり入り組んだ造りになっている。
裏通りが敷かれているのであれば、そこも人でいっぱい、もしくは、そこへ向かって人が押し寄せているはずである。
しかし、人はこの通りに集まっている…。
以上から考えられることは…。
「キーナちゃん! キーナちゃん!」
押し流されようとする流れに逆らいながら、メリンダがキーナの姿を探す。
その腕を誰かの手が掴んだ。
メリンダがその手の先を見る。
「姐さんっ!」
この人の波を後退してきたのか、サーガだった。
「キーナは?!」
「あたしも、はぐれて…」
「くそっ! テルディアスと一緒に居りゃいいが…」
一番手がかかって、一番心配な奴が行方不明。
一応頼りになる男が側に居たはずだが…。
「キーナちゃん…」
サーガが小さく風の結界でも張ったのか、二人が人の波に押される力が弱くなった。
メリンダが人の波に目を凝らすが、あの小さな姿は捉える事ができなかった。
「キーナ! キーナ!!」
名を呼ぶが、答える声はない。
周りの音に掻き消され、テルディアスの声も遠くまで届かない。
人の波を掻き分けて進もうにも、人が密集しすぎて、間を縫う事もできない。
(くそっ! 進めない!)
テルディアスはなんとか人の間を進もうと、もがく。
テテテッ
裏通りを走るキーナ。
「あり? なんか変だなぁ。人が少なくなってきた…」
大きな道に突き当たるだろうと、適当に曲がり角を曲がってきたのだが、何故かどんどん人が少なくなってきている気がする。
まるで、避難する人達と逆の方向に進んでいるよう。
「こっちじゃないのかなぁ…」
立ち止まってしばしう~んと考えるが、
「試しにこっちに行ってみよう!」
と、さらに曲がり角を曲がって行ってしまった。
そしてどんどんテルディアス達と距離が開いていく。
「じゃな! 姉ちゃん!」
ジョーイが手を振って見送る。
「ちっちっち、そういう時はね、またねって言うのよ!」
キーナが偉そうにジョーイに指導。
「またね?」
「さよならはもう会えない時に。またねはまた会おうねって約束なのだよ」
つまりまた泊まりに来てねと安易に含ませると。
「まるほど! そっか!」
小さい宿屋ならばこそ、リピーターは大歓迎であろう。
「じゃ、またな! 姉ちゃん!」
「うん! 魚料理楽しみにしてるよ!」
拳と拳を付き合わせ、キーナは少年と再会の約束。
「またなー!」
キーナ達の姿が見えなくなるまで、ジョーイは手を振っていた。
「ワッヒャッヒャッヒャ~イ。次来た時も美味しいお魚料理食べられるん」
また来る事確定なのか。
(食べる事ばかりだな…)
こいつはまだ色気より食い気だなとサーガ心で呟く。
「良かったわねキーナちゃん」
「うん!」
満面の笑顔でメリンダに答え、一行は街を進んで行く。
そのまま綺麗な街並みを過ぎて、街の外へと出るつもりであった。
ところが。
プオ~、プオ~
「んにゃ?」
「お?」
ホラ貝のような音が鳴り響いた。
そしてあちこちで声が上がり出す。
「海賊だ―! 海賊が来たぞ―! みんな逃げろ―!!」
陸に滅多にやってこないはずの海賊が乗り込んできたらしい。
しかもすでに海上は突破され、港に乗り込んで来ているらしいと話が飛び交う。
「こりゃあ、巻き込まれる前に逃げた方がいいな」
「そうね。行きましょう」
街をぐるりと囲む壁から外へ出るには、門を通らねばならない。そこに人が殺到するだろう。
その波に巻き込まれても、たまったものじゃない。
「え、でも、街の人達助けなきゃ…」
一応自分は光の御子であるし、力もあるし、こういう時はお話しの展開上、街の有力者などと協力して街を守らねばならないのでは?とも考えるけれども。
「んなこと言える立場か!」
サーガが一喝した。
「てめーの身も守れねー奴の吐く台詞じゃねーだろ!」
「う…」
それを言われると…。
今まで戦いはテルディアス任せ。危ない目にあうとテルディアスに助けてもらってばかりで…。
「俺とテルディアスはともかく、お前と姐さんは実践慣れしてねーだろ! いくら強い力持ってても、戦い慣れしてねー奴は足手まといなんだよ!」
「うう…」
知識という力を持っていても、それを実際に使った経験がなければ、何も身についていないのと同じだ。
例えば、水泳について、泳ぎ方をいくら口で説明されて分かった気になっても、実際に水の中に入ってみたら、聞いた通りにはまったく動けないのと同じである。
作者も平泳ぎを習得するのに、かなり時間がかかったっけ…。
それは置いといて。
「それに、こういう所だ。そういうことも想定して造ってあんだろ」
街が入り組んだ造りになっているのも、防壁の意味を兼ねているのかもしれない。
「そうそう。警備隊とかだっているわよ!」
海に面している大きな街などでは、沿岸警備隊などがあるのが普通だろう。
「そか」
考えてみればそうだろうとキーナ納得。
折角力があるのに役に立てない事にちょっとがっかりではあるけれど。
「んじゃ、急ごうぜ」
サーガを先頭に、メリンダ、キーナ、テルディアスの順で走り出す。
キーナ達が揉めている間に、街中の人達も避難を進めていたらしく、門までの道が人で溢れてきていた。
「街の出口が門一つとはね…。何考えてんだ」
今までに襲われた事がなかったのだろうか?
「はぐれるなよ」
「うん」
ともすれば、すぐに目の前から消える少女に、テルディアスが念を押す。
さすがにキーナも横道に逸れる気はなさそうだ。
人が混み合って来る。
ドン
「わ!」
比較的背の低いキーナが、横の人に押されてふらつく。
「キーナ…」
その体を支えようと腕を伸ばすが、後ろから来た女性がそれを押しのけて前に出る。
「およ?」
その女性にさらに押され、キーナとテルディアスの距離が空く。
テルディアスが女性を押しのけ、キーナとの距離を縮めようとするが、体が小さければ体重も軽いキーナは、後ろから横から押され、何故かどんどんテルディアスと反対の方向へ流されていく。
「キーナ!」
腕を伸ばして掴む事もできない。
「キーナちゃん?!」
後ろの惨状に気付いたメリンダが声を上げた。
「キーナ?!」
メリンダの声に振り向いたサーガが、キーナの姿が消えている事に気付いた。
だが人の波はどんどん多くなっていき、三人もお互いの姿を捉えるのが難しくなっていった。
「キーナ!!」
必死に人の波を掻き分け、キーナの元へ行こうとするも、縦に移動する人の波を横に移動するのは至難の業だ。
「テル! メリンダさん! サーガ!」
最早姿が見えなくなってしまった三人の名を呼ぶが、それも人の波に揉まれていった。
押されて揉まれて踏んづけられて。
まさにもみくちゃという言葉がぴったりな状況を、キーナがしこたま踏ん張って耐えていると、
「わわっ!!」
突然人の壁がなくなり、空間に放り出される。
べしゃ
「ぎゃふん!」
狭い路地に押し出されたキーナが、しこたま尻餅をついて転がった。
「あいたたた…。お尻が…」
いくら贅肉が体のどこよりも付いているからと言っても、しこたまぶつければ痛いものは痛い。
尻をさすりながら顔を上げると、ラッシュアワーかと思える程の人の波、いや壁?
「通勤ラッシュ並に凄い…」
キーナはまだ学生なので、通勤ラッシュは体験した事はないが、テレビなどで見た事がある、通勤ラッシュ時の映像が、目の前で繰り広げられていた。
いや、それよりも凄い?
「でも、なんとかしてテル達と合流しないと!」
と勇敢にも立ち上がり、ふんと腹に力を込める。
「秘技、駆け込み乗車―!!」
訳の分からん気合いの言葉を唱え、キーナ、果敢にも人の波、壁に向かって突っ込んだ。
ところが。
どべっ
「うわっ」
上手く乗れず、人の壁に押し返される。
べしゃ
「ふぎゃん!」
またまた同じように地面に尻餅をついて転がった。
「失敗…」
同じ所をぶつけ、痛みが二倍になってしまい、尻をさする。
痛いの痛いの飛んでけ~。
皆さんも、無理な駆け込み乗車は危ないのでやめましょうね。
「この人の波に乗るのは、至難の業だな~」
通勤ラッシュ経験のないキーナには難しい所業であった。
「お、そーだ!」
キーナの頭の中で電球が煌めく。古い表現方法だ。
(裏道から抜けていけば行けるのでは?)
と考える。
大概、大きな通りに平行して、裏通りなどが敷かれていたりするものだ。
「うん! とりあえず、行ってみよう!」
と痛む尻をさすりながら、すっくと立ち上がる。
そして、人の波溢れる通りに背を向けて、路地を走り出した。
この街はかなり入り組んだ造りになっている。
裏通りが敷かれているのであれば、そこも人でいっぱい、もしくは、そこへ向かって人が押し寄せているはずである。
しかし、人はこの通りに集まっている…。
以上から考えられることは…。
「キーナちゃん! キーナちゃん!」
押し流されようとする流れに逆らいながら、メリンダがキーナの姿を探す。
その腕を誰かの手が掴んだ。
メリンダがその手の先を見る。
「姐さんっ!」
この人の波を後退してきたのか、サーガだった。
「キーナは?!」
「あたしも、はぐれて…」
「くそっ! テルディアスと一緒に居りゃいいが…」
一番手がかかって、一番心配な奴が行方不明。
一応頼りになる男が側に居たはずだが…。
「キーナちゃん…」
サーガが小さく風の結界でも張ったのか、二人が人の波に押される力が弱くなった。
メリンダが人の波に目を凝らすが、あの小さな姿は捉える事ができなかった。
「キーナ! キーナ!!」
名を呼ぶが、答える声はない。
周りの音に掻き消され、テルディアスの声も遠くまで届かない。
人の波を掻き分けて進もうにも、人が密集しすぎて、間を縫う事もできない。
(くそっ! 進めない!)
テルディアスはなんとか人の間を進もうと、もがく。
テテテッ
裏通りを走るキーナ。
「あり? なんか変だなぁ。人が少なくなってきた…」
大きな道に突き当たるだろうと、適当に曲がり角を曲がってきたのだが、何故かどんどん人が少なくなってきている気がする。
まるで、避難する人達と逆の方向に進んでいるよう。
「こっちじゃないのかなぁ…」
立ち止まってしばしう~んと考えるが、
「試しにこっちに行ってみよう!」
と、さらに曲がり角を曲がって行ってしまった。
そしてどんどんテルディアス達と距離が開いていく。
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