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テルディアスの故郷編
月の使者
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夜も更け、空に月や星が輝く。
キーナがその部屋の扉を2回ノックしてそっと開けた。
「テル?」
その声に気付いて、ベッドに座って手紙を読みふけっていたテルディアスが振り向いた。
「キーナ?」
テルディアスの側にキーナが近づく。
「まだ読むの?」
「ああ…。もう少し…」
キーナが小さく溜息を吐く。
マーサの話を終えた後、テルディアスは母親の部屋に籠もってずっと手紙を読んでいたのだ。もう寝る時刻も過ぎているのに読むのをやめようとしない。
「先に行ってるよ?」
「ああ…」
テルディアスはまだまだ眠る気は無いようだ。
キーナはもう一度溜息を吐くと、静かに部屋を後にした。
廊下を進み、テルディアスの部屋の前に来る。
きちんとマーサがキーナの部屋を整えてくれたくせに、テルディアスの部屋で眠るらしい。
相変わらずだ。
テルディアスの部屋のノブに触れた時、キーナは不思議な違和感を感じた。
ノブを握り、そっと扉を押し開ける。
そこはテルディアスの部屋。
テルディアスの部屋である事は間違いない。
だが、ベッドにいるはずのない小さな人影。
その子は布団の中で泣いていた。
声を押し殺して。
「誰?」
キーナに気付き、その子供が顔を向ける。
黒い髪、あどけない顔、少しつり上がり気味の眼。
それは幼いテルディアスだった。
誰と聞かれて、キーナが言葉に詰まる。
ここで素直に名前を言うと、後々まずい気がした。
なので、適当に自分をでっち上げた。
「え…と、お、お月様の使い?」
セーラー服は着てないけど。
ではなくて。
「お月様?」
幼いテルディアスが身を起こし、首を傾げながらキーナを眺める。
ベッドの脇に座り、テルディアスを見上げながら、キーナが語りかける。
「君が泣いてるみたいだったから、心配で来たの。どうして泣いてるの?」
テルディアスが俯いた。
「…一人なの」
「一人?」
「いつもマーサが一緒に居てくれたのに、もう五つだから一人で寝なさいって。一人は怖いよ…」
そう言って、グスグスと泣き始める。
「大丈夫だよ」
キーナがテルディアスの横に座り、その体を優しく抱きしめる。
「大丈夫。君は一人じゃないよ」
「・・・・・・」
テルディアスが泣くのをやめ、キーナを見上げる。
「見てごらん」
そう言って、カーテンを少し開けて、夜空を見上げる。
空には月が輝いて、その朧気な光が差し込んで来る。
「お月様だって、ちゃんと見ていてくれてるでしょ?」
「…うん」
優しい光が、テルディアスの顔を青白く照らし出す。
そこでキーナ、一つ良いものを思い出した。
テルディアスの部屋に入って、なんだか不釣り合いに可愛い物が置いてあった事を。
戸棚の前に行き、それを持って来る。
「それにホラ! クマちゃんだっているし!」
と、テルディアスの前に差し出した。
小さなクマのぬいぐるみ。
テルディアスの部屋に似つかわしくないその可愛いぬいぐるみ。
何故飾ってあったのかは分からないけれど。
「クマちゃん?」
テルディアスが不思議そうにクマのぬいぐるみを見つめる。
「この子がいれば、もう一人じゃないでしょ?」
そう言って差し出すと、素直に受け取った。
「うん…」
しずしずと布団の中に入る。
クマちゃんも一緒に、テルディアスの横で布団に入っておねんねである。
「もう大丈夫だよね?」
「うん」
テルディアスが頷いた。
その頭を優しく撫でて、
「僕もテルの事、ずっと見てるから。ね?」
「うん…」
「おやすみ」
「おやすみなさい…」
そう言ってテルディアスが瞳を閉じた。
そして、幼いテルディアスの姿は消えていった。
一人残ったキーナが、夜空を見上げると、そこには変わらず月が輝いている。
「可愛かったな」
ボソリと呟いた。
月の光が見えなくなり、太陽が空で輝き出す。
小鳥が朝の訪いを告げるかのように、囀り出す。
母の部屋で、テルディアスは手紙に包まれて眠っていた。
どうやら読みながら眠ってしまったようだ。
部屋の扉がノックされる。
「テル?」
キーナが扉を開けると、ベッドで倒れるように眠るテルディアスの姿。
「ありゃりゃ」
そっと近づいてみる。
起きる様子がない。
(寝てる…)
寝顔を覗き込む。
存外可愛い顔をしている…。
いつも鋭い目つきで眺め回しているその顔も、眠る顔はあどけない。
無性に可愛さが沸き起こってきて、思わずその頭を軽くナデナデしてしまう。
と、
ガシッ!
「ニャ!」
その腕を掴まれた。
「ニャ~ン! ゴメンナサイ! ゴメンナサイ!」
反射的に謝ってしまうキーナ。
何も悪い事してないのにねぇ?
「ん…?」
その声で眼を覚ましたテルディアス。
腕を掴んだまま寝ぼけ眼で起き上がる。
「キーナ…?」
「オ…オハヨ?」
ぎこちない笑顔でテルディアスに答える。
テルディアス、掴んだキーナの腕を見て、またキーナの顔を見上げて、
「なんで謝ってた?」
「ただの条件反射です…」
キーナが眼を伏せた。
「それよりテル、朝ご飯がもうできるって。どうする? 食べる?」
「…ご飯?」
テルディアス、半分寝ぼけたまま考える。
考える。
考える。
半分寝ぼけているので脳の回転が遅い。
「食べる」
じっくり5秒も待って、ようやっと頭を下げた。
(なんか…、なんかちょっと可愛いぞ…)
寝ぼけたテルディアスなんぞ珍しすぎる。
あまりのいつもとのギャップに、ちょっと萌えるキーナ。
珍しくぼーっとした顔も、なんだか可愛くて仕方がない。
だがしかし、何故か腕は掴んだまま。放そうとしない。
いい加減放して欲しいなぁ、とキーナ一応テルディアスに言ってみる。
「あの…、テル…、手…」
「手?」
テルディアスがキーナの腕を掴んでいない右手を見た。
「そっちじゃなくて!」
なんのコントだ。
ぼーっとしたテルディアスが何やら語り始める。
「…母様に、花を取ってきたんだ。そしたら母様が綺麗だと笑った…」
(母様?)
いつも母様と呼んでいたのかと、キーナがふと思う。
やはり育ちの良さが出るのか。
「だけど俺は…、別に母様に笑って貰いたかったわけじゃない。ただ、咲いていた事を知らせたかっただけなんだ…。それだけ…なんだ…」
それだけ言うと、テルディアスがキーナにもたれかかる。
「と、と、と」
キーナが慌ててテルディアスを支えると、すでにテルディアスは眠っていた。
「…寝た?」
こんな態勢で?
キーナおたおたと周りを見回すが、解決策がどこかに書いてあるわけもなく、
「どうしよう?」
もたれかかったままのテルディアスを抱え、頭を悩ませる。
とりあえず、テルディアスはベッドに座っているのだからと、そっとベッドに横たえる事にする。
「そーっと、そーっと…」
ゆっくりとテルディアスの体を横たえさせようと踏ん張る。
ところが、
ガシッ!
寝ぼけたのか、テルディアスがキーナの体にしがみついた。
「ニャ!」
踏ん張っていた足がもつれ、キーナも一緒にベッドに倒れ込んでしまう。
「・・・・・・」
キーナを下敷きにして眠りこけるテルディアス。
「べっくらこいた…」
キーナが体を起こす。
テルディアスは起きる気配がない。
(テルが眠りこけるなんてなぁ。いくらも寝てないのかしら?)
野営していても、朝になるとキーナより先に目覚めてきびきびと動き始めているのに、この体たらく。
寝不足だけが原因では無いのだろう。
膝の上で眠りこけるテルディアスを見ながら、キーナはふと思った。
「今オナラしたら臭いよね?」
するなよ。
「あらあら、坊ちゃま眠ってしまわれたんですね」
マーサの声が聞こえた。
テルディアスはそのまま目を開けず、静かに呼吸を繰り返す。
「お運びいたしましょうか」
「いえ、少し待って」
母の声が聞こえる。
「もう少しだけ、この温もりを味わわせて」
そう言って、優しくテルディアスの頭を撫でる。
テルディアスも、もう少し母の元でこうしていたかったので、安心した。
「少しだけですよ」
マーサの声が聞こえた。
優しい、少し心配そうな声。
「ありがとう、マーサさん」
「だから、さんはつけてはいけないと!」
「はいはい、マーサ」
時々、母がマーサをマーサさんと呼んでいることは知っていた。
その度にマーサが注意している事も。
この時は何故かも知らなかったし、特に気にもしていなかった。
眠ったふりを続けながら、母の温もりと、優しく撫でてくれる手を感じていた。
とても心地よくて、そのまま本当に眠ってしまいそうだった。
いつまでも感じていたい温もりだった。
キーナがその部屋の扉を2回ノックしてそっと開けた。
「テル?」
その声に気付いて、ベッドに座って手紙を読みふけっていたテルディアスが振り向いた。
「キーナ?」
テルディアスの側にキーナが近づく。
「まだ読むの?」
「ああ…。もう少し…」
キーナが小さく溜息を吐く。
マーサの話を終えた後、テルディアスは母親の部屋に籠もってずっと手紙を読んでいたのだ。もう寝る時刻も過ぎているのに読むのをやめようとしない。
「先に行ってるよ?」
「ああ…」
テルディアスはまだまだ眠る気は無いようだ。
キーナはもう一度溜息を吐くと、静かに部屋を後にした。
廊下を進み、テルディアスの部屋の前に来る。
きちんとマーサがキーナの部屋を整えてくれたくせに、テルディアスの部屋で眠るらしい。
相変わらずだ。
テルディアスの部屋のノブに触れた時、キーナは不思議な違和感を感じた。
ノブを握り、そっと扉を押し開ける。
そこはテルディアスの部屋。
テルディアスの部屋である事は間違いない。
だが、ベッドにいるはずのない小さな人影。
その子は布団の中で泣いていた。
声を押し殺して。
「誰?」
キーナに気付き、その子供が顔を向ける。
黒い髪、あどけない顔、少しつり上がり気味の眼。
それは幼いテルディアスだった。
誰と聞かれて、キーナが言葉に詰まる。
ここで素直に名前を言うと、後々まずい気がした。
なので、適当に自分をでっち上げた。
「え…と、お、お月様の使い?」
セーラー服は着てないけど。
ではなくて。
「お月様?」
幼いテルディアスが身を起こし、首を傾げながらキーナを眺める。
ベッドの脇に座り、テルディアスを見上げながら、キーナが語りかける。
「君が泣いてるみたいだったから、心配で来たの。どうして泣いてるの?」
テルディアスが俯いた。
「…一人なの」
「一人?」
「いつもマーサが一緒に居てくれたのに、もう五つだから一人で寝なさいって。一人は怖いよ…」
そう言って、グスグスと泣き始める。
「大丈夫だよ」
キーナがテルディアスの横に座り、その体を優しく抱きしめる。
「大丈夫。君は一人じゃないよ」
「・・・・・・」
テルディアスが泣くのをやめ、キーナを見上げる。
「見てごらん」
そう言って、カーテンを少し開けて、夜空を見上げる。
空には月が輝いて、その朧気な光が差し込んで来る。
「お月様だって、ちゃんと見ていてくれてるでしょ?」
「…うん」
優しい光が、テルディアスの顔を青白く照らし出す。
そこでキーナ、一つ良いものを思い出した。
テルディアスの部屋に入って、なんだか不釣り合いに可愛い物が置いてあった事を。
戸棚の前に行き、それを持って来る。
「それにホラ! クマちゃんだっているし!」
と、テルディアスの前に差し出した。
小さなクマのぬいぐるみ。
テルディアスの部屋に似つかわしくないその可愛いぬいぐるみ。
何故飾ってあったのかは分からないけれど。
「クマちゃん?」
テルディアスが不思議そうにクマのぬいぐるみを見つめる。
「この子がいれば、もう一人じゃないでしょ?」
そう言って差し出すと、素直に受け取った。
「うん…」
しずしずと布団の中に入る。
クマちゃんも一緒に、テルディアスの横で布団に入っておねんねである。
「もう大丈夫だよね?」
「うん」
テルディアスが頷いた。
その頭を優しく撫でて、
「僕もテルの事、ずっと見てるから。ね?」
「うん…」
「おやすみ」
「おやすみなさい…」
そう言ってテルディアスが瞳を閉じた。
そして、幼いテルディアスの姿は消えていった。
一人残ったキーナが、夜空を見上げると、そこには変わらず月が輝いている。
「可愛かったな」
ボソリと呟いた。
月の光が見えなくなり、太陽が空で輝き出す。
小鳥が朝の訪いを告げるかのように、囀り出す。
母の部屋で、テルディアスは手紙に包まれて眠っていた。
どうやら読みながら眠ってしまったようだ。
部屋の扉がノックされる。
「テル?」
キーナが扉を開けると、ベッドで倒れるように眠るテルディアスの姿。
「ありゃりゃ」
そっと近づいてみる。
起きる様子がない。
(寝てる…)
寝顔を覗き込む。
存外可愛い顔をしている…。
いつも鋭い目つきで眺め回しているその顔も、眠る顔はあどけない。
無性に可愛さが沸き起こってきて、思わずその頭を軽くナデナデしてしまう。
と、
ガシッ!
「ニャ!」
その腕を掴まれた。
「ニャ~ン! ゴメンナサイ! ゴメンナサイ!」
反射的に謝ってしまうキーナ。
何も悪い事してないのにねぇ?
「ん…?」
その声で眼を覚ましたテルディアス。
腕を掴んだまま寝ぼけ眼で起き上がる。
「キーナ…?」
「オ…オハヨ?」
ぎこちない笑顔でテルディアスに答える。
テルディアス、掴んだキーナの腕を見て、またキーナの顔を見上げて、
「なんで謝ってた?」
「ただの条件反射です…」
キーナが眼を伏せた。
「それよりテル、朝ご飯がもうできるって。どうする? 食べる?」
「…ご飯?」
テルディアス、半分寝ぼけたまま考える。
考える。
考える。
半分寝ぼけているので脳の回転が遅い。
「食べる」
じっくり5秒も待って、ようやっと頭を下げた。
(なんか…、なんかちょっと可愛いぞ…)
寝ぼけたテルディアスなんぞ珍しすぎる。
あまりのいつもとのギャップに、ちょっと萌えるキーナ。
珍しくぼーっとした顔も、なんだか可愛くて仕方がない。
だがしかし、何故か腕は掴んだまま。放そうとしない。
いい加減放して欲しいなぁ、とキーナ一応テルディアスに言ってみる。
「あの…、テル…、手…」
「手?」
テルディアスがキーナの腕を掴んでいない右手を見た。
「そっちじゃなくて!」
なんのコントだ。
ぼーっとしたテルディアスが何やら語り始める。
「…母様に、花を取ってきたんだ。そしたら母様が綺麗だと笑った…」
(母様?)
いつも母様と呼んでいたのかと、キーナがふと思う。
やはり育ちの良さが出るのか。
「だけど俺は…、別に母様に笑って貰いたかったわけじゃない。ただ、咲いていた事を知らせたかっただけなんだ…。それだけ…なんだ…」
それだけ言うと、テルディアスがキーナにもたれかかる。
「と、と、と」
キーナが慌ててテルディアスを支えると、すでにテルディアスは眠っていた。
「…寝た?」
こんな態勢で?
キーナおたおたと周りを見回すが、解決策がどこかに書いてあるわけもなく、
「どうしよう?」
もたれかかったままのテルディアスを抱え、頭を悩ませる。
とりあえず、テルディアスはベッドに座っているのだからと、そっとベッドに横たえる事にする。
「そーっと、そーっと…」
ゆっくりとテルディアスの体を横たえさせようと踏ん張る。
ところが、
ガシッ!
寝ぼけたのか、テルディアスがキーナの体にしがみついた。
「ニャ!」
踏ん張っていた足がもつれ、キーナも一緒にベッドに倒れ込んでしまう。
「・・・・・・」
キーナを下敷きにして眠りこけるテルディアス。
「べっくらこいた…」
キーナが体を起こす。
テルディアスは起きる気配がない。
(テルが眠りこけるなんてなぁ。いくらも寝てないのかしら?)
野営していても、朝になるとキーナより先に目覚めてきびきびと動き始めているのに、この体たらく。
寝不足だけが原因では無いのだろう。
膝の上で眠りこけるテルディアスを見ながら、キーナはふと思った。
「今オナラしたら臭いよね?」
するなよ。
「あらあら、坊ちゃま眠ってしまわれたんですね」
マーサの声が聞こえた。
テルディアスはそのまま目を開けず、静かに呼吸を繰り返す。
「お運びいたしましょうか」
「いえ、少し待って」
母の声が聞こえる。
「もう少しだけ、この温もりを味わわせて」
そう言って、優しくテルディアスの頭を撫でる。
テルディアスも、もう少し母の元でこうしていたかったので、安心した。
「少しだけですよ」
マーサの声が聞こえた。
優しい、少し心配そうな声。
「ありがとう、マーサさん」
「だから、さんはつけてはいけないと!」
「はいはい、マーサ」
時々、母がマーサをマーサさんと呼んでいることは知っていた。
その度にマーサが注意している事も。
この時は何故かも知らなかったし、特に気にもしていなかった。
眠ったふりを続けながら、母の温もりと、優しく撫でてくれる手を感じていた。
とても心地よくて、そのまま本当に眠ってしまいそうだった。
いつまでも感じていたい温もりだった。
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