164 / 296
地底宮の冒険
地底宮へ!
しおりを挟む
「フ…ン」
他より少し高い木の天辺に、サーガが立って、何やら手元の地図を覗き込み、周りを見渡している。
「う~ん」
額に手を当て、何かを探しているようだ。
しかし鬱蒼と茂る森の中。
目視で見つけるのはほぼ不可能であろう。
「こーゆー時あいつは便利ね~」
「だね~」
木の下ではメリンダとキーナが仲良くサーガが戻ってくるのを待ちながら、上を見上げていた。
葉や梢に隠れてサーガの姿は見えないけれども。
「あいつの持って来た情報なんて信用できるのか?」
不満そうにテルディアスが言う。
「一応調べてみるしかないでしょ」
メリンダが諭すようにテルディアスに言った。
サーガが持って来たというだけで気にくわないらしい。
ところがキーナはやる気満々。
「古代の遺跡にお宝が眠ってるんでしょ!」
「まあ…」
お宝、つまり宝玉がということであるが…。
「僕、○ンディージョー○ズ大好きなのよね!」
と何やら鼻息を荒くしている。
「イ○ディージョー○ズって何?」
「さあ?」
メリンダとテルディアスが首を傾げた。
時々キーナはよく分からないことを言う…。
「う~~~~ん」
サーガが悩みながら、フワリと木の上から降りてきた。
「どうだった?」
メリンダが難しい顔をしたサーガに問いかけるも、
「地図と…臭いからして…、こっち…」
歯切れが悪い。
「あやふやね」
いつもならば地図を見ながらこっちだと、自信満々に答えるのだが。
「しゃーねーだろ。性質上地下にあるものを探すのは苦手なんだよ」
と頭をかく。
「てことは本当に地底宮!」
キーナの顔が輝く。
「みてーだな」
サーガの顔が曇る。
サーガは地系のものはなんでも苦手。
特に空気の通りのない場所、地下は苦手であった。
ま、風なので。
とりあえず目星をつけた方へと歩き出す。
今は地図を信じるしかない。
「臭いって何の臭い?」
メリンダがサーガに問いかけた。
「ん? だからさ、風が通らないと空気が淀むだろ?するとすえた臭いになってくるだろ?」
「ああ、その臭いね」
「その空気がこっちの方から臭ってくるんだよ」
ただ、地面からほんの僅かに漂って来ているだけなので、サーガといえど、その場所を特定するのは難しい事なのであった。
しばらく行くと、木々が少ない、ちょっとした広場になっている所に出た。
何故か大きな石がゴロゴロ転がっている。
この近くであることは間違いないだろうと、テルディアス、メリンダ、サーガが思うが、キーナは広場に出たことにより、さらにハイテンションに。
子供だ。
「どお?」
メリンダがサーガに確認するが、
「う~ん、この辺りから臭ってきてる気がする…」
地図にもそこまで正確に遺跡の場所は書かれていない。
となるとこの辺りを虱潰しに探すしかない。
どうにかサーガの力でその場所を特定できれば有り難いのだが…。
そんなことを知ってか知らずか、キーナは石、というか岩によじ登り、楽しそうに周りを見渡している。
テルディアスはそのお守りをしている。
いつもの光景だ。
メリンダとサーガは地図を見て、どうにかならんかと首を傾げている。
その時、
「ほよ?」
キーナが森の奥に、何やら大きな影を見つけた。
「あっちにおっきな岩発見!!」
と叫ぶや、岩から飛び降り、そちらに向かってシュバタタタタタと駆け出す。
「キーナ!!」
突然の素早い行動に反応できない三人。
溜息。
「ほろ?」
岩の前に着いたキーナ、それを見上げ、首を傾げる。
そしてとりあえず三人を呼ぶことにする。
「テルー、メリンダさーん、サーガー」
呼ばれた三人は、キーナが目につく所にいることに安堵しながら、森の中を進む。
「首に鈴でもつけるか?」
「う~ん」
割と真剣にサーガとメリンダが話していた。
首に縄の方がいいかもしれない…。
「こんなんありました」
三人がやってくると、キーナが両手でそれを指し示す。
それは5メートルはありそうな程の高さの岩の像。
正面から見ると、四角い人の形をしたものが、座っているように見える。
「遺跡…」
テルディアスが呟いた。
うん、これぞまさしく、探していた遺跡の手掛かりであろう。
「なあ、姐さん」
「ん?」
「俺、いるよね?」
「…、正直に言って欲しい?」
「ヤダ」
サーガが苦労して探していた物を、キーナは野生の勘であっさりと見つけてしまった…。
サーガの存在意義が…。
とまあ、そんなどうでもいいことは置いといて、さて遺跡の手掛かりを見つけたものの、地底宮の入り口とやらが何処にあるかは分からない。
とりあえずこの像の周りを探してみようという話が纏まる前に、キーナすでにチョロチョロと遺跡の周りを探検し始める。
落ち着きのない奴である。
「また…」
テルディアス、キーナを追う。
うん、いつもの光景だ。
像の裏手に回った所で、
「にゅ?」
キーナそれを発見。
地面の一部に草が生えておらず、石が埋め込んであるようになっている。
そしてそこには何かの文字が。
(読めない…)
この世界の文字にも少し慣れてきたキーナではあったが、まだ完全にしっかり読める程ではなかった。
というか、キーナがこの世界に来てからも見たことのない文字。
古代文字だろうか?
「キーナ…」
語尾に怒りマークをつけたテルディアスがキーナの後ろに立つ。
ところがキーナそれに気付かず、
「テル、これ読める?」
「あ?」
さすがニブチン。
テルディアス、キーナが指し示すものを見て、それに気付いた。
「コルト文字か…」
「コロポックル?」
「…なんでだ?」
コしか合ってないぞ。
テルディアスが石版の前に座り込み、その文字を解読し始める。
「昔、師匠の元で少しだけ習ったことがある」
その様子に気付いたメリンダとサーガもやってきた。
「と…、ナン…ジ…、汝、我に、従うべし…。我…、汝を、従わせん…」
その言葉を聞いていたキーナの目つきが変わっていく。
「待って…」
「え?」
「今の所、“我ら汝を従えり”で」
「は?」
何故と問いたいテルディアスであったが、
「もう一度…」
キーナの異様な雰囲気に、その言葉は飲み込んだ。
訳は分からないが、こういう時のキーナに間違いは無い。
多分。
テルディアスはもう一度言葉を繰り返す。
「汝、我に従うべし。我ら、汝を従えり」
唱え終えた直後、
ズズ・・・ン
大きな地響きがして、地面が揺れた。
と、石版がゴトリと動き出す。
ゆっくりゆっくりと、どういう仕掛けか石版が動くと、そこから地下へと続く階段が現われた。
「ふおおおおおおおおおおおおおおお」
興奮して顔を輝かせるキーナ。
「キーナ…」
「何?!」
テルディアスの方へ振り向いたその顔は、先程の異様な雰囲気は全くない、いつものふやけたキーナの顔だった。
「何デモナイ…」
「?」
メリンダとサーガには、テルディアスの気持ちが痛いほど分かった。
聞きたいけど、聞けない。
そのジレンマ。
まあ、光の御子のなんちゃら能力かもしれないと勝手に納得。するしかない。
と三人が物思いに耽っていると、
「ワーイ! 冒険冒険!」
とキーナがヒラリと階段内部に飛び降りる。
すんでの所でテルディアスの手がキーナのマントを捕らえた。
「クエ」
キーナの首が軽く絞まったようだ。
テルディアスを先頭に、キーナ、メリンダ、サーガの順に階段を降りていく。
狭い階段内に、四人の足音が響いた。
薄暗く、長い階段を降りていくと、ようやっと明るい、出口、いや入り口が見えてきた。
慎重に部屋に足を踏み入れる。
四角い、それ程広くはない部屋。
正面の壁には、像と同じ、四角い人が座っているような絵が描かれている。
床には不均等なギザギザの模様。
壁や天井が仄かに光を放っており、暗くはない。
他に通路らしきものもなく、物も置いてない。
「何にもねぇな」
「ホント…」
正面に像が描かれている以外、何もない。
この部屋だけではあるまいが、この先どうしたら良いのかも分からない。
「隠し部屋とか分からない?」
メリンダがサーガに探すように問いかける。
「う~ん」
サーガも風を操り、壁に隙間でもないかと探し出す。
それでなくても地下は、風の通りが悪いので操りにくい。
キーナは警戒もせずに正面の像に近寄っていく。
テルディアスはそれを見守る。
いつもの光景だ。
「イセキ…、ステキ…」
とキーナが感動しながら像を眺め回していると、
チカ
像の両目が光った。
「!」
キーナがその現象に興奮した途端、
バン!
キーナの足元の床が消えた。
あっという間にキーナが穴に吸い込まれ消える。
「キ…」
驚いてそれを追いかけようとしたテルディアスの、
バン!
やはり足元の床が消え、テルディアスも穴に落ちていった。
「テ…」
慌てたメリンダだったが、
バン!
やはり足元の床が消え、メリンダも穴に落ちていく。
「姐さ…、!」
すんでの所でサーガは床を蹴った。
バン!
サーガが立っていた所の床が抜けた。
暗い穴が見えた。
サーガ咄嗟に風を繰り、宙に浮こうとするが、
「ん?」
魔法が正常に発動しなかった。
「おおおおおおおお?!」
跳んだ先には、メリンダが落ちて行った穴が空いており、サーガは頭からその穴に落ちていった。
他より少し高い木の天辺に、サーガが立って、何やら手元の地図を覗き込み、周りを見渡している。
「う~ん」
額に手を当て、何かを探しているようだ。
しかし鬱蒼と茂る森の中。
目視で見つけるのはほぼ不可能であろう。
「こーゆー時あいつは便利ね~」
「だね~」
木の下ではメリンダとキーナが仲良くサーガが戻ってくるのを待ちながら、上を見上げていた。
葉や梢に隠れてサーガの姿は見えないけれども。
「あいつの持って来た情報なんて信用できるのか?」
不満そうにテルディアスが言う。
「一応調べてみるしかないでしょ」
メリンダが諭すようにテルディアスに言った。
サーガが持って来たというだけで気にくわないらしい。
ところがキーナはやる気満々。
「古代の遺跡にお宝が眠ってるんでしょ!」
「まあ…」
お宝、つまり宝玉がということであるが…。
「僕、○ンディージョー○ズ大好きなのよね!」
と何やら鼻息を荒くしている。
「イ○ディージョー○ズって何?」
「さあ?」
メリンダとテルディアスが首を傾げた。
時々キーナはよく分からないことを言う…。
「う~~~~ん」
サーガが悩みながら、フワリと木の上から降りてきた。
「どうだった?」
メリンダが難しい顔をしたサーガに問いかけるも、
「地図と…臭いからして…、こっち…」
歯切れが悪い。
「あやふやね」
いつもならば地図を見ながらこっちだと、自信満々に答えるのだが。
「しゃーねーだろ。性質上地下にあるものを探すのは苦手なんだよ」
と頭をかく。
「てことは本当に地底宮!」
キーナの顔が輝く。
「みてーだな」
サーガの顔が曇る。
サーガは地系のものはなんでも苦手。
特に空気の通りのない場所、地下は苦手であった。
ま、風なので。
とりあえず目星をつけた方へと歩き出す。
今は地図を信じるしかない。
「臭いって何の臭い?」
メリンダがサーガに問いかけた。
「ん? だからさ、風が通らないと空気が淀むだろ?するとすえた臭いになってくるだろ?」
「ああ、その臭いね」
「その空気がこっちの方から臭ってくるんだよ」
ただ、地面からほんの僅かに漂って来ているだけなので、サーガといえど、その場所を特定するのは難しい事なのであった。
しばらく行くと、木々が少ない、ちょっとした広場になっている所に出た。
何故か大きな石がゴロゴロ転がっている。
この近くであることは間違いないだろうと、テルディアス、メリンダ、サーガが思うが、キーナは広場に出たことにより、さらにハイテンションに。
子供だ。
「どお?」
メリンダがサーガに確認するが、
「う~ん、この辺りから臭ってきてる気がする…」
地図にもそこまで正確に遺跡の場所は書かれていない。
となるとこの辺りを虱潰しに探すしかない。
どうにかサーガの力でその場所を特定できれば有り難いのだが…。
そんなことを知ってか知らずか、キーナは石、というか岩によじ登り、楽しそうに周りを見渡している。
テルディアスはそのお守りをしている。
いつもの光景だ。
メリンダとサーガは地図を見て、どうにかならんかと首を傾げている。
その時、
「ほよ?」
キーナが森の奥に、何やら大きな影を見つけた。
「あっちにおっきな岩発見!!」
と叫ぶや、岩から飛び降り、そちらに向かってシュバタタタタタと駆け出す。
「キーナ!!」
突然の素早い行動に反応できない三人。
溜息。
「ほろ?」
岩の前に着いたキーナ、それを見上げ、首を傾げる。
そしてとりあえず三人を呼ぶことにする。
「テルー、メリンダさーん、サーガー」
呼ばれた三人は、キーナが目につく所にいることに安堵しながら、森の中を進む。
「首に鈴でもつけるか?」
「う~ん」
割と真剣にサーガとメリンダが話していた。
首に縄の方がいいかもしれない…。
「こんなんありました」
三人がやってくると、キーナが両手でそれを指し示す。
それは5メートルはありそうな程の高さの岩の像。
正面から見ると、四角い人の形をしたものが、座っているように見える。
「遺跡…」
テルディアスが呟いた。
うん、これぞまさしく、探していた遺跡の手掛かりであろう。
「なあ、姐さん」
「ん?」
「俺、いるよね?」
「…、正直に言って欲しい?」
「ヤダ」
サーガが苦労して探していた物を、キーナは野生の勘であっさりと見つけてしまった…。
サーガの存在意義が…。
とまあ、そんなどうでもいいことは置いといて、さて遺跡の手掛かりを見つけたものの、地底宮の入り口とやらが何処にあるかは分からない。
とりあえずこの像の周りを探してみようという話が纏まる前に、キーナすでにチョロチョロと遺跡の周りを探検し始める。
落ち着きのない奴である。
「また…」
テルディアス、キーナを追う。
うん、いつもの光景だ。
像の裏手に回った所で、
「にゅ?」
キーナそれを発見。
地面の一部に草が生えておらず、石が埋め込んであるようになっている。
そしてそこには何かの文字が。
(読めない…)
この世界の文字にも少し慣れてきたキーナではあったが、まだ完全にしっかり読める程ではなかった。
というか、キーナがこの世界に来てからも見たことのない文字。
古代文字だろうか?
「キーナ…」
語尾に怒りマークをつけたテルディアスがキーナの後ろに立つ。
ところがキーナそれに気付かず、
「テル、これ読める?」
「あ?」
さすがニブチン。
テルディアス、キーナが指し示すものを見て、それに気付いた。
「コルト文字か…」
「コロポックル?」
「…なんでだ?」
コしか合ってないぞ。
テルディアスが石版の前に座り込み、その文字を解読し始める。
「昔、師匠の元で少しだけ習ったことがある」
その様子に気付いたメリンダとサーガもやってきた。
「と…、ナン…ジ…、汝、我に、従うべし…。我…、汝を、従わせん…」
その言葉を聞いていたキーナの目つきが変わっていく。
「待って…」
「え?」
「今の所、“我ら汝を従えり”で」
「は?」
何故と問いたいテルディアスであったが、
「もう一度…」
キーナの異様な雰囲気に、その言葉は飲み込んだ。
訳は分からないが、こういう時のキーナに間違いは無い。
多分。
テルディアスはもう一度言葉を繰り返す。
「汝、我に従うべし。我ら、汝を従えり」
唱え終えた直後、
ズズ・・・ン
大きな地響きがして、地面が揺れた。
と、石版がゴトリと動き出す。
ゆっくりゆっくりと、どういう仕掛けか石版が動くと、そこから地下へと続く階段が現われた。
「ふおおおおおおおおおおおおおおお」
興奮して顔を輝かせるキーナ。
「キーナ…」
「何?!」
テルディアスの方へ振り向いたその顔は、先程の異様な雰囲気は全くない、いつものふやけたキーナの顔だった。
「何デモナイ…」
「?」
メリンダとサーガには、テルディアスの気持ちが痛いほど分かった。
聞きたいけど、聞けない。
そのジレンマ。
まあ、光の御子のなんちゃら能力かもしれないと勝手に納得。するしかない。
と三人が物思いに耽っていると、
「ワーイ! 冒険冒険!」
とキーナがヒラリと階段内部に飛び降りる。
すんでの所でテルディアスの手がキーナのマントを捕らえた。
「クエ」
キーナの首が軽く絞まったようだ。
テルディアスを先頭に、キーナ、メリンダ、サーガの順に階段を降りていく。
狭い階段内に、四人の足音が響いた。
薄暗く、長い階段を降りていくと、ようやっと明るい、出口、いや入り口が見えてきた。
慎重に部屋に足を踏み入れる。
四角い、それ程広くはない部屋。
正面の壁には、像と同じ、四角い人が座っているような絵が描かれている。
床には不均等なギザギザの模様。
壁や天井が仄かに光を放っており、暗くはない。
他に通路らしきものもなく、物も置いてない。
「何にもねぇな」
「ホント…」
正面に像が描かれている以外、何もない。
この部屋だけではあるまいが、この先どうしたら良いのかも分からない。
「隠し部屋とか分からない?」
メリンダがサーガに探すように問いかける。
「う~ん」
サーガも風を操り、壁に隙間でもないかと探し出す。
それでなくても地下は、風の通りが悪いので操りにくい。
キーナは警戒もせずに正面の像に近寄っていく。
テルディアスはそれを見守る。
いつもの光景だ。
「イセキ…、ステキ…」
とキーナが感動しながら像を眺め回していると、
チカ
像の両目が光った。
「!」
キーナがその現象に興奮した途端、
バン!
キーナの足元の床が消えた。
あっという間にキーナが穴に吸い込まれ消える。
「キ…」
驚いてそれを追いかけようとしたテルディアスの、
バン!
やはり足元の床が消え、テルディアスも穴に落ちていった。
「テ…」
慌てたメリンダだったが、
バン!
やはり足元の床が消え、メリンダも穴に落ちていく。
「姐さ…、!」
すんでの所でサーガは床を蹴った。
バン!
サーガが立っていた所の床が抜けた。
暗い穴が見えた。
サーガ咄嗟に風を繰り、宙に浮こうとするが、
「ん?」
魔法が正常に発動しなかった。
「おおおおおおおお?!」
跳んだ先には、メリンダが落ちて行った穴が空いており、サーガは頭からその穴に落ちていった。
0
あなたにおすすめの小説
わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。
織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。
父であるアーヴェント大公に疎まれている――
噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。
主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから
渡里あずま
ファンタジー
安藤舞は、専業主婦である。ちなみに現在、三十二歳だ。
朝、夫と幼稚園児の子供を見送り、さて掃除と洗濯をしようとしたところで――気づけば、石造りの知らない部屋で座り込んでいた。そして映画で見たような古めかしいコスプレをした、外国人集団に囲まれていた。
「我々が召喚したかったのは、そちらの世界での『学者』や『医者』だ。それを『主婦』だと!? そんなごく潰しが、聖女になどなれるものか! 役立たずなどいらんっ」
「いや、理不尽!」
初対面の見た目だけ美青年に暴言を吐かれ、舞はそのまま無一文で追い出されてしまう。腹を立てながらも、舞は何としても元の世界に戻ることを決意する。
「主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから」
※※※
専業主婦の舞が、主婦力・大人力を駆使して元の世界に戻ろうとする話です(ざまぁあり)
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
【完結】平凡な魔法使いですが、国一番の騎士に溺愛されています
空月
ファンタジー
この世界には『善い魔法使い』と『悪い魔法使い』がいる。
『悪い魔法使い』の根絶を掲げるシュターメイア王国の魔法使いフィオラ・クローチェは、ある日魔法の暴発で幼少時の姿になってしまう。こんな姿では仕事もできない――というわけで有給休暇を得たフィオラだったが、一番の友人を自称するルカ=セト騎士団長に、何故かなにくれとなく世話をされることに。
「……おまえがこんなに子ども好きだとは思わなかった」
「いや、俺は子どもが好きなんじゃないよ。君が好きだから、子どもの君もかわいく思うし好きなだけだ」
そんなことを大真面目に言う国一番の騎士に溺愛される、平々凡々な魔法使いのフィオラが、元の姿に戻るまでと、それから。
◆三部完結しました。お付き合いありがとうございました。(2024/4/4)
神スキル【絶対育成】で追放令嬢を餌付けしたら国ができた
黒崎隼人
ファンタジー
過労死した植物研究者が転生したのは、貧しい開拓村の少年アランだった。彼に与えられたのは、あらゆる植物を意のままに操る神スキル【絶対育成】だった。
そんな彼の元に、ある日、王都から追放されてきた「悪役令嬢」セラフィーナがやってくる。
「私があなたの知識となり、盾となりましょう。その代わり、この村を豊かにする力を貸してください」
前世の知識とチートスキルを持つ少年と、気高く理知的な元公爵令嬢。
二人が手を取り合った時、飢えた辺境の村は、やがて世界が羨む豊かで平和な楽園へと姿を変えていく。
辺境から始まる、農業革命ファンタジー&国家創成譚が、ここに開幕する。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる