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出会い
ヒッヒッフー
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「この街へは仕事で来ていてね…。マーサからも時折近況を報せる手紙を貰っていてね…」
どことなくたどたどしいような、緊張した面持ちでテルディアスの父、クラディウスは語る。
何年か振りの対面、しかも前回はテルディアスが父に対して切れた。
気まずいまま、顔を見合わせることもなく別れたのだ。よそよそしいのも当たり前である。
なんとか話そうと頑張るクラディウスを見つめたまま、テルディアスも考え込んでいた。
そして少し会話(?)が途切れた時に、
「あの時は…」
テルディアスが喋りだした。
「あの時は大変失礼しました。何も知らぬ子供だったとは言え、生意気な口を…」
「いや! いやいいんだ! お前が怒るのも当然だ!」
頭を下げるテルディアスに慌てるクラディウス。
なんとか頭を上げて貰う。
「ユリアは君に、本当にいい教育をしてくれたんだねぇ」
しみじみとクラディウスは呟いた。
「?」
意味をうかがい知れないテルディアス。
実はテルディアス、いずれ父に会った時に臆することのないようにと、一般的に見たらかなり厳しい躾をされていたことに気付いていない。
特に礼節に関しては、マーサがとことん教育したのである。
しかしテルディアスは、それが一般的なものであると誤認している。
変な所でニブイ男である。
クラディウスが徐に口を開いた。
「テルディアス、タージェント家へ来ないか?」
遊びに、という意味ではない。
実質上、タージェント家の名を背負わないかという問いかけであった。
「ど、ど、ど…」
壊れた蓄音機の物真似ではない。
「どー?! どー?! どー?!」
驚きすぎてそれ以外の言葉が出てこないのである。
「どうどう」
馬ではない。
興奮するキーナを、ボンが落ち着けとジェスチャーで訴える。
「ヒッヒッフー、ヒッヒッフー」
それはラマーズ法だ。
ラマーズ法は出産時の痛みを軽減するために行うものであり、気分を落ち着かせるものではない。
とりあえずアホな行為をしたせいか、キーナが若干の落ち着きを取り戻す。
一度深呼吸をさせて、落ち着いたのを見届けて、ボンが語り始めた。
「平行世界《パラレルワールド》という思想はご存じ?」
「ご存じご存じ」
頷き方がおかしいけれど、ここは突っ込まないでおく。
「おいらの世界ではすでにその理論が確立されていて、その世界に自由に行き来出来ないかと実験している最中なの」
「ふえ~」
そいつは凄い。
「そして…、その理論を確立し、方法を編み出したのが、この僕、天才魔道士のボン様なのだ!」
とボンが胸を張った。
・・・・・・
・・・・・・
「そうか! 僕は白昼夢を見ているのか!」
キーナがポンと手を打った。
「あのね…」
ボンが不服そうな顔をする。
「どーせね。信じてくれる人なんて稀だけどさ~」
といじいじといじける。
(リアルな夢だな~)
キーナは夢落ちにしたいのか。
まあ、見た目5歳くらいの男の子が、なんだかたいそうな事を吹かしていたら、夢として処理してしまいたいのも分かる気もするが。
「ま~、その~、方法を確立させたのはつい最近で、その前の実験の最中にアクシデントが起きてしまったのですよ」
ボンが説明を継続する。
「アクシデント?」
「そ」
ボンの顔が暗くなった。
「おいらの恋人兼助手が、不完全な魔法構築式の反動をおいらの代わりに受けてしまって、どこへとも知らぬ世界に飛ばされてしまったのデス。なのでおいらは、その恋人を捜し求めて、あちこちの世界を渡っているのデス。というわけ」
「へ~」
キーナ、凄いなぁと感心しながら、とある事に気付く。
「え? 世界を自由に行き来出来るの?」
「うん」
「じゃあ…、もしかして…、僕の…、元の世界に…、帰れる…、とか?」
「うん。できると思うよ?」
どことなくたどたどしいような、緊張した面持ちでテルディアスの父、クラディウスは語る。
何年か振りの対面、しかも前回はテルディアスが父に対して切れた。
気まずいまま、顔を見合わせることもなく別れたのだ。よそよそしいのも当たり前である。
なんとか話そうと頑張るクラディウスを見つめたまま、テルディアスも考え込んでいた。
そして少し会話(?)が途切れた時に、
「あの時は…」
テルディアスが喋りだした。
「あの時は大変失礼しました。何も知らぬ子供だったとは言え、生意気な口を…」
「いや! いやいいんだ! お前が怒るのも当然だ!」
頭を下げるテルディアスに慌てるクラディウス。
なんとか頭を上げて貰う。
「ユリアは君に、本当にいい教育をしてくれたんだねぇ」
しみじみとクラディウスは呟いた。
「?」
意味をうかがい知れないテルディアス。
実はテルディアス、いずれ父に会った時に臆することのないようにと、一般的に見たらかなり厳しい躾をされていたことに気付いていない。
特に礼節に関しては、マーサがとことん教育したのである。
しかしテルディアスは、それが一般的なものであると誤認している。
変な所でニブイ男である。
クラディウスが徐に口を開いた。
「テルディアス、タージェント家へ来ないか?」
遊びに、という意味ではない。
実質上、タージェント家の名を背負わないかという問いかけであった。
「ど、ど、ど…」
壊れた蓄音機の物真似ではない。
「どー?! どー?! どー?!」
驚きすぎてそれ以外の言葉が出てこないのである。
「どうどう」
馬ではない。
興奮するキーナを、ボンが落ち着けとジェスチャーで訴える。
「ヒッヒッフー、ヒッヒッフー」
それはラマーズ法だ。
ラマーズ法は出産時の痛みを軽減するために行うものであり、気分を落ち着かせるものではない。
とりあえずアホな行為をしたせいか、キーナが若干の落ち着きを取り戻す。
一度深呼吸をさせて、落ち着いたのを見届けて、ボンが語り始めた。
「平行世界《パラレルワールド》という思想はご存じ?」
「ご存じご存じ」
頷き方がおかしいけれど、ここは突っ込まないでおく。
「おいらの世界ではすでにその理論が確立されていて、その世界に自由に行き来出来ないかと実験している最中なの」
「ふえ~」
そいつは凄い。
「そして…、その理論を確立し、方法を編み出したのが、この僕、天才魔道士のボン様なのだ!」
とボンが胸を張った。
・・・・・・
・・・・・・
「そうか! 僕は白昼夢を見ているのか!」
キーナがポンと手を打った。
「あのね…」
ボンが不服そうな顔をする。
「どーせね。信じてくれる人なんて稀だけどさ~」
といじいじといじける。
(リアルな夢だな~)
キーナは夢落ちにしたいのか。
まあ、見た目5歳くらいの男の子が、なんだかたいそうな事を吹かしていたら、夢として処理してしまいたいのも分かる気もするが。
「ま~、その~、方法を確立させたのはつい最近で、その前の実験の最中にアクシデントが起きてしまったのですよ」
ボンが説明を継続する。
「アクシデント?」
「そ」
ボンの顔が暗くなった。
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「へ~」
キーナ、凄いなぁと感心しながら、とある事に気付く。
「え? 世界を自由に行き来出来るの?」
「うん」
「じゃあ…、もしかして…、僕の…、元の世界に…、帰れる…、とか?」
「うん。できると思うよ?」
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