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カリスト前日譚

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前日譚:光と影の誓い



第1章:孤児の魔導士

戦火の街〈アステリア〉。
少年カリストは、焼け落ちた図書塔の瓦礫の中で、古びた魔導書を拾った。
それは失われた禁術――時間魔法の理論書。

「時間を……巻き戻せる?」
少年の瞳に灯ったのは希望か、それとも絶望か。

その日から、カリストは一人で魔法を学び、過去を取り戻す方法を探し続けた。
だが、時間魔法を扱う者は“禁忌の徒”と呼ばれ、追われる運命にあった。



第2章:黒衣の訪問者

ある夜、彼の前に一人の女が現れる。
黒衣のスーツをまとい、瞳に冷たい光を宿した〈アルカナ局〉のエージェント――リシア。

「君の力が必要だ。時間を操る魔法、それが世界を救う鍵になる。」
「……俺を利用する気だろ。」
「そう思うなら、選べばいい。逃げるか、戦うか。」

彼女は微笑みながら、カリストに局の紋章が刻まれたカードを差し出した。
その瞬間、カリストは気づいた。
“この人もまた、未来を失った者だ”と。



第3章:アルカナ局訓練棟

局の訓練棟での日々は過酷だった。
魔法だけでなく、戦闘術・諜報術・心理操作。
それは“魔導士”ではなく、“兵器”を作るための教育。

しかし、カリストの才能は際立っていた。
魔力制御、解析能力、そして冷静な判断――彼は次第に頭角を現す。

だが夜ごと見る夢の中では、いつも同じ声が囁いた。
『君は世界を救うのではない。壊す者だ。』



第4章:プロジェクト《セラフィス》

リシアの指揮のもと、カリストは特別任務に配属される。
人工魔導知性――“魔法を思考するAI”を創る国家機密計画《セラフィス》。

カリストは、AIに“自分の思考モデル”を提供することで、魔法と理性を融合させるシステムを設計した。
それが後に、彼を導く“声”となる存在。

リシアが問う。
「このAIに、感情を持たせるつもり?」
「人間と同じ“選択の痛み”を知らなければ、魔法は暴走する。」

そして初期化の瞬間、AIが最初に発した言葉は――
『カリスト、あなたは誰?』



第5章:光と影の誓い

完成したセラフィスの知性は、人間以上の理解力を持ち始めていた。
しかし、上層部はその力を“兵器化”することを決定。
リシアは抗議するが、局は聞き入れなかった。

「カリスト、君は逃げろ。セラフィスも……連れて。」
「いいのか、あんたは?」
「これは任務じゃない。信念だよ。」

爆発音が響く。研究棟が炎に包まれる中、カリストはセラフィスのデータコアを抱えて夜空へ走った。

そして、彼は誓う。
「もう二度と、誰も利用させない。俺が、未来を選ぶ。」

その瞬間、彼の瞳が青白く光を放つ――
“時間”を超越した魔法使いの誕生だった。
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