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皇女様は毎日が忙しい。
皇女様は紹介する。
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『んぅ、…良く寝れた…。』
優しい朝日で気持ちよく目が覚めた。
『今日から、見習い従者としてアナシス様が来られるのよね。』
流石に、初日からだらしのない所を見られるわけにはいかないので手早く身支度を整える。
『失礼します、お嬢様。』
丁度、身支度が終わった頃に
レイがアナシス様を伴い部屋に入ってきた。
『おはよう。レイ、アナシス様。』
『おはようございます。お嬢様。(第一皇女様。)』
2人揃って挨拶し、レイがテーブルに近づき椅子を引く。
そこに掛けると、レイとアナシス様が朝食の準備を整える。
『お嬢様、本日の朝食は
スクランブルエッグを準備しておりますが、
パンとマフィン、パンケーキ…どれに致しますか?』
『んー、今日はパンケーキでお願い。
合わせて、スープとソーセージ…
あと、そこのサラダもお願いするわ。』
『かしこまりました。
アナシス、サーブしていおいてくれ。
俺は紅茶を準備するから。』
『かしこまりました。』
『今日の紅茶は、
ダージリンのファーストフラッシュをご準備しております。』
『そうなの、いい香りね。
この紅茶に合うデザートもお願いするわ。』
アナシス様がサーブをしている手を止め、
『かしこまりました。ご準備いたします。』
サーブを速やかに完了させ、
デザートの相談をしにシェフのもとに向かう。
『アナシス様はどう?問題無さそうかしら?』
『…今の所は、素直に指示に従ってくれていますね。
ただ、物腰が貴族なので
人によっては不快になる場合もあるかと存じます。』
『まぁ、今までは貴族としてしかやり取りしていないから、
いきなり従者の振る舞いは難しいでしょうね。』
『…出発までの2週間でものになるといいですけれど。』
『あら、それをするのがレイでなくて?』
『もちろん、最低限は仕込みますよ。』
『頼もしいわね。さて、変装道具の準備はもうしてあるの?』
『はい、お嬢様とアナシスの2人分ご準備をしております。』
『分かったわ。それでは着替えて引継ぎ資料を作りますか。
アナ、着替えるからよろしく。』
それじゃあ、着替えてから執務室で資料と格闘しますか。
『あっ、デザートは執務室でいただくわ。』
立ち上がりながら、レイに伝えると、
『かしこまりました、アナシスには伝えておきます。』
レイと入れ替わりにアナが入ってきて
『それでは、まずはこちらへのお着替えからお願い致します。』
『…これはまた、動きにくそうなドレスね。』
『執務のみですから、これぐらいが丁度いいかと。』
『分かったわ。
このあと、執務室でアナシス様と顔合わせして、
今後の話もするからついてきて頂戴。』
『かしこまりました。通常業務は他にまわします。』
『よろしく。』
着替えた後に、執務室に移動し
紅茶を嗜みながら、資料を作るために情報を纏めていく。
『第一皇女様、失礼いたします。』
アナシス様が入室し、
デザートをローテーブルに準備していく。
『ありがとう。もう少しでキリがいいから、少し待っていて。』
『かしこまりました。』
『…お嬢様、こちらの資料も必要かと…。』
『ああ、それね。…こちらの書類と一緒に纏めておいて。』
『かしこまりました。』
…キリがいいとことまで書類を纏めて顔を上げたら、
アナシス様がこちらを見ていた。
『…なにかしら?書類仕事が珍しい?』
アナシス様が驚いたように目を見開き
『失礼いたしました。
…いつもは部屋の前に立ち、護衛をしているので
書類仕事等を目にすることは少ないもので…。』
『まぁいいわ。一息ついたから、デザートを食べましょう。
アナシス様に会わせたいメイドもいるし。』
執務机から席を立ち、
ローテブルのソファに移動する。
『アナ、こちらに来て一緒にデザートを楽しみましょ。』
『いいんですか?!お姉様!!』
『ええ、せっかくの顔合わせなのだから、
アナシス様もお掛けになって。』
『いえ。わたくしは従者としてここにいますので…。』
『話しにくいので、ソファに掛けて頂けると嬉しいのだけれど。』
アナシス様がレイにお伺いの目を向け
レイが無言でうなずく。
『…それでは、お言葉に甘えまして…失礼いたします。』
向かいのソファに腰を掛けた。
『改めて、今回の儀式に参加する
蒼銀騎士 アナシス・ピーオニと
私のメイドのアナよ。』
『よろしくお願い致します。アナさん。』
『よろしくお願い致しますね。ピーオニ様』
2人はそれぞれ会釈をし、挨拶する。
『ところで、儀式に参加するとのことですが、
呼び名はどうします?
お姉様はいつもの偽名【アクア】で問題ないですけれど、
ピーオニ様はどうする予定ですか?』
『呼び名ですか…特にこだわりもないので
好きなように呼んでいただければ問題ないですが。』
『…昨日レイとも話したのだけれど、
【シス】とかどうかしら?
本名から離れすぎても反応しにくいと思うから、
短縮してみたのだけれど。』
『【シス】ですか…了解しました。
今後は【シス】とお呼びください。』
えっ??いいの?
もうちょっと意見とかあるかと思っていたんだけど…
いいのかしら?
『…アナシス様の希望等があれば
【シス】でなくても問題なのだけれど…大丈夫?』
『ええ、問題ございません。
呼び名にこだわるより、慣れる方が時間がかかるので、
早い段階から呼んでいただけると助かります。』
『分かったわ。それでは、今から【シス】の名前で呼ぶわね。』
『ありがとうございます。』
『それでは、うちはシス様と呼ばせていただきますね。』
『アナさん、従者に敬称は不要です。
シスと呼んでいただければ。』
『んー、呼び捨ては抵抗があるので、
シスさんでいいですか?』
『先輩なので、さん付けも不要なのですが、
…抵抗があるのならばそのようにお願いします。』
『それじゃあ、先輩の権限で紅茶を入れてもらおうかな?
早くこの美味しそうなケーキを食べたいんだよね。』
【シス】(作者から:ここからは偽名と本名をシーンに合わせて使っていきます。)は
苦笑しながら立ち上がる。
『かしこまりました。アナ先輩。すぐに準備します。』
『待ってください。
まだ【シス】には紅茶を入れる指導はしていませんので、
私が入れます。』
慌てたように、レイが準備しようとする【シス】を止める。
『レイ先輩。大丈夫ですよ、紅茶ぐらい入れられます。』
『紅茶ぐらいですか…。少し甘やかしていませんかレイ?
まずい紅茶をうちのお姉様に飲ませたらお仕置きですからね?』
アナが厳しい目で【シス】を見る。
レイが慌てて、
『ばかっ、アナはお嬢様に関しては厳しいんだからやめておけ、
紅茶を入れる適切な手順も分からないだろう、おまえ。』
『なんだ、紅茶を入れるだけで
そんな目くじらを立てるほどではないだろう。』
不思議な表情をした【シス】は
紅茶を入れるためティーポットに手を掛ける。
レイがティーポットを奪い、
紅茶を入れ替えるために新しいティーポットを準備する。
『すでに入れてある物をお嬢様に出そうとすんな!!
香りが逃げている物だから、新たに入れ直すんだよっ!!』
『すっすまん。手伝う。』
『手伝わなくていいから、手順を見て覚えろ。』
『…分かった。』
レイが珍しく声を荒げ、紅茶を入れ直す。
それを驚いて見ていたら、アナから
『レイも甘ちゃんですね、
こんな状態でお姉様の前に出すなんて。』
と怒りながら呟いていた。
…使用人の教育も大変なのね…。
優しい朝日で気持ちよく目が覚めた。
『今日から、見習い従者としてアナシス様が来られるのよね。』
流石に、初日からだらしのない所を見られるわけにはいかないので手早く身支度を整える。
『失礼します、お嬢様。』
丁度、身支度が終わった頃に
レイがアナシス様を伴い部屋に入ってきた。
『おはよう。レイ、アナシス様。』
『おはようございます。お嬢様。(第一皇女様。)』
2人揃って挨拶し、レイがテーブルに近づき椅子を引く。
そこに掛けると、レイとアナシス様が朝食の準備を整える。
『お嬢様、本日の朝食は
スクランブルエッグを準備しておりますが、
パンとマフィン、パンケーキ…どれに致しますか?』
『んー、今日はパンケーキでお願い。
合わせて、スープとソーセージ…
あと、そこのサラダもお願いするわ。』
『かしこまりました。
アナシス、サーブしていおいてくれ。
俺は紅茶を準備するから。』
『かしこまりました。』
『今日の紅茶は、
ダージリンのファーストフラッシュをご準備しております。』
『そうなの、いい香りね。
この紅茶に合うデザートもお願いするわ。』
アナシス様がサーブをしている手を止め、
『かしこまりました。ご準備いたします。』
サーブを速やかに完了させ、
デザートの相談をしにシェフのもとに向かう。
『アナシス様はどう?問題無さそうかしら?』
『…今の所は、素直に指示に従ってくれていますね。
ただ、物腰が貴族なので
人によっては不快になる場合もあるかと存じます。』
『まぁ、今までは貴族としてしかやり取りしていないから、
いきなり従者の振る舞いは難しいでしょうね。』
『…出発までの2週間でものになるといいですけれど。』
『あら、それをするのがレイでなくて?』
『もちろん、最低限は仕込みますよ。』
『頼もしいわね。さて、変装道具の準備はもうしてあるの?』
『はい、お嬢様とアナシスの2人分ご準備をしております。』
『分かったわ。それでは着替えて引継ぎ資料を作りますか。
アナ、着替えるからよろしく。』
それじゃあ、着替えてから執務室で資料と格闘しますか。
『あっ、デザートは執務室でいただくわ。』
立ち上がりながら、レイに伝えると、
『かしこまりました、アナシスには伝えておきます。』
レイと入れ替わりにアナが入ってきて
『それでは、まずはこちらへのお着替えからお願い致します。』
『…これはまた、動きにくそうなドレスね。』
『執務のみですから、これぐらいが丁度いいかと。』
『分かったわ。
このあと、執務室でアナシス様と顔合わせして、
今後の話もするからついてきて頂戴。』
『かしこまりました。通常業務は他にまわします。』
『よろしく。』
着替えた後に、執務室に移動し
紅茶を嗜みながら、資料を作るために情報を纏めていく。
『第一皇女様、失礼いたします。』
アナシス様が入室し、
デザートをローテーブルに準備していく。
『ありがとう。もう少しでキリがいいから、少し待っていて。』
『かしこまりました。』
『…お嬢様、こちらの資料も必要かと…。』
『ああ、それね。…こちらの書類と一緒に纏めておいて。』
『かしこまりました。』
…キリがいいとことまで書類を纏めて顔を上げたら、
アナシス様がこちらを見ていた。
『…なにかしら?書類仕事が珍しい?』
アナシス様が驚いたように目を見開き
『失礼いたしました。
…いつもは部屋の前に立ち、護衛をしているので
書類仕事等を目にすることは少ないもので…。』
『まぁいいわ。一息ついたから、デザートを食べましょう。
アナシス様に会わせたいメイドもいるし。』
執務机から席を立ち、
ローテブルのソファに移動する。
『アナ、こちらに来て一緒にデザートを楽しみましょ。』
『いいんですか?!お姉様!!』
『ええ、せっかくの顔合わせなのだから、
アナシス様もお掛けになって。』
『いえ。わたくしは従者としてここにいますので…。』
『話しにくいので、ソファに掛けて頂けると嬉しいのだけれど。』
アナシス様がレイにお伺いの目を向け
レイが無言でうなずく。
『…それでは、お言葉に甘えまして…失礼いたします。』
向かいのソファに腰を掛けた。
『改めて、今回の儀式に参加する
蒼銀騎士 アナシス・ピーオニと
私のメイドのアナよ。』
『よろしくお願い致します。アナさん。』
『よろしくお願い致しますね。ピーオニ様』
2人はそれぞれ会釈をし、挨拶する。
『ところで、儀式に参加するとのことですが、
呼び名はどうします?
お姉様はいつもの偽名【アクア】で問題ないですけれど、
ピーオニ様はどうする予定ですか?』
『呼び名ですか…特にこだわりもないので
好きなように呼んでいただければ問題ないですが。』
『…昨日レイとも話したのだけれど、
【シス】とかどうかしら?
本名から離れすぎても反応しにくいと思うから、
短縮してみたのだけれど。』
『【シス】ですか…了解しました。
今後は【シス】とお呼びください。』
えっ??いいの?
もうちょっと意見とかあるかと思っていたんだけど…
いいのかしら?
『…アナシス様の希望等があれば
【シス】でなくても問題なのだけれど…大丈夫?』
『ええ、問題ございません。
呼び名にこだわるより、慣れる方が時間がかかるので、
早い段階から呼んでいただけると助かります。』
『分かったわ。それでは、今から【シス】の名前で呼ぶわね。』
『ありがとうございます。』
『それでは、うちはシス様と呼ばせていただきますね。』
『アナさん、従者に敬称は不要です。
シスと呼んでいただければ。』
『んー、呼び捨ては抵抗があるので、
シスさんでいいですか?』
『先輩なので、さん付けも不要なのですが、
…抵抗があるのならばそのようにお願いします。』
『それじゃあ、先輩の権限で紅茶を入れてもらおうかな?
早くこの美味しそうなケーキを食べたいんだよね。』
【シス】(作者から:ここからは偽名と本名をシーンに合わせて使っていきます。)は
苦笑しながら立ち上がる。
『かしこまりました。アナ先輩。すぐに準備します。』
『待ってください。
まだ【シス】には紅茶を入れる指導はしていませんので、
私が入れます。』
慌てたように、レイが準備しようとする【シス】を止める。
『レイ先輩。大丈夫ですよ、紅茶ぐらい入れられます。』
『紅茶ぐらいですか…。少し甘やかしていませんかレイ?
まずい紅茶をうちのお姉様に飲ませたらお仕置きですからね?』
アナが厳しい目で【シス】を見る。
レイが慌てて、
『ばかっ、アナはお嬢様に関しては厳しいんだからやめておけ、
紅茶を入れる適切な手順も分からないだろう、おまえ。』
『なんだ、紅茶を入れるだけで
そんな目くじらを立てるほどではないだろう。』
不思議な表情をした【シス】は
紅茶を入れるためティーポットに手を掛ける。
レイがティーポットを奪い、
紅茶を入れ替えるために新しいティーポットを準備する。
『すでに入れてある物をお嬢様に出そうとすんな!!
香りが逃げている物だから、新たに入れ直すんだよっ!!』
『すっすまん。手伝う。』
『手伝わなくていいから、手順を見て覚えろ。』
『…分かった。』
レイが珍しく声を荒げ、紅茶を入れ直す。
それを驚いて見ていたら、アナから
『レイも甘ちゃんですね、
こんな状態でお姉様の前に出すなんて。』
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