46 / 54
第3章
46 愛の告白 ※メリア
――わたくしの命を奪うつもり?
イーザック様は、わたくしが暗殺の首謀者だと疑い、部屋の周りに見張りの兵士をつけた。
その上、部屋に食事を運んでくる侍女の話によれば、イーザック様は再びシャルク・ホジャへ旅立ったという。
いったいなんのために旅立ったのか、教えてもらえなかったけれど、聞かなくてもわかる。
――愛しいレフィカ様に会いに行ったのよ!
愛するわたくしの言葉を信じてくれなかったばかりか、堂々と浮気をするつもりでいる。
わたくしの嘘を盲目的に信じるほど、愛してほしかった。
それなのに――
「イーザック様はレフィカ様の美貌に騙されたのよ! なんて悪女なの!」
わたくしの容姿が平凡でなければ、今ごろ、完全にイーザック様を魅了できていたはず。
そして、わたくしもレフィカ様の命を狙わずに済んだ。
「悪いのは、わたくしを愛してくれないイーザック様ですわ!」
声を張り上げても、誰からも返事がない。
なぜなら、暗い部屋には、わたくし一人だけしかおらず、侍女はいない。
しかも、侍女たちがやってきても、なにも話さず、仕事を終えると逃げるように去っていく。
王宮では、わたくしが暗殺の首謀者として噂になっているようだ。
――まさか、王都でも?
レフィカ様ならともかく、ジグルズ様が刺されたというのが、まずかった。
ジグルズ様の人気は高く、兵士や町の人々からもっとも信頼されている王族だ。
わたくしが暗殺の首謀者として捕らえられたら、どんな目にあうかわからない。
椅子に座っていても落ち着かず、うろうろと部屋の中を歩き回った。
「大丈夫よ。わたくしがレフィカ様を殺そうとした証拠はないわ。ベルタが黙って処刑されれば、証拠はなにも残らないのよ!」
証拠はない。
けれど、イーザック様は信じてくれなかった。
『わたくしの宝石を盗み、ベルタが暗殺者を雇い、レフィカ様の命を狙った』
完璧なはずなのに、わたくしは罪人扱い。
このままだと、わたくしもベルタと同様に処刑されてしまう。
わたくしが罪に問われるなんて、ありえない。
「わたくしとベルタが共謀した証拠なんて、どこにも残ってないはずよ……」
――待って? 『証拠はない』と本当に言いきれる?
過去の記憶を振り返った時、ベルタが言った言葉が気になった。
たしか、イーザック様がシャルク・ホジャへ向かう前に――
『メリア様。陛下に今の話を聞かれていたのではないでしょうか? レフィカ様のお命を狙うという……』
『もし、陛下が先ほどの話を耳にしていたら、メリア様も罪に問われます……! 今なら、まだ!』
あの時のベルタは、イーザック様に話を聞かれた気がすると言って、怯えていた。
――あの日、イーザック様はわたくしの計画を知って、レフィカ様の元へ行ったということ?
イーザック様の変わらぬ態度が、真偽をたしかめるための演技だったとしたら……
胸に不安が広がり、胸元を掻いた。
心臓の音が聞こえてくるようだ。
「失礼します」
「ひっ!」
声がして、部屋の扉のほうを振り向くと、そこにいたのは死刑執行人ではなく、イーザック様の侍従だった。
侍従はわたくしに一礼した。
「こ、こんな夜遅くに、なんの用かしら?」
「明日から、メリア様には王都の別邸へ移っていただきたいと、陛下より伝言を承っております」
「別邸……? イーザック様はわたくしと別れるつもりですの?」
「お心までは存じ上げませんが、レフィカ様が暮らしていた屋敷が空いております。そちらへお移りください」
――わたくしとレフィカ様の立場が逆転した。
ぞくっと背筋に寒いものが走った。
「それでは、メリア様。王宮最後の夜をお過ごしください。おやすみなさいませ」
侍従は表情ひとつ変えずに言い終わると、扉を閉めて出ていった。
本当に伝言だけだったようで、侍従の足音が遠ざかっていく――
「ま、待って……。今日で王宮にいられなくなる……? わたくしが?」
自分の手が震えているのがわかる。
王宮から屋敷へ移されたら、なにもできなくなる。
レフィカ様がイーザック様に愛され、幸せそうに暮らす姿を別邸から眺めるしかない。
――そんなの嫌よ! イーザック様の妻の地位は、わたくしのものよ!
「レフィカ様さえいなければ……なにもかもうまくいっていたのよ……。わたくしが正妃だったのに……」
ぶつぶつ呟きながら、ふらりと廊下に出た。
不思議なことに監視の兵士はいなかった。
「イーザック様がシャルク・ホジャへ向かったから、兵士たちは気が緩んでいるのね」
王が不在の王宮は緊張感がなく、警備が甘くなっているようだ。
誰もいない夜の王宮の廊下に、わたくしの足音だけが響いていた。
ベルタが捕らえられている地下牢を目指す。
「ベルタを逃がして、今度こそレフィカ様の命を奪ってやるわ」
カビ臭く湿気の多い地下牢は、少しの時間いただけでも気分が悪くなりそうだった。
ベルタがどこにいるか、すぐにわかった。
女性の声が聞こえた。
「……ない……殺されたくない……」
捕らえられたベルタは、牢屋の中でガタガタ震えている。
「ベルタ、大丈夫よ。助けにきてあげたわ」
「メリア様……!?」
わたくしの姿に気づいたベルタが、鉄格子をつかみ、声を張り上げた。
「メリア様、申し訳ございません。私はっ……」
「ここから出してあげる。その代わり、次こそレフィカ様を殺してくるのよ」
「次こそ……?」
鉄格子を握るベルタの手が震えていた。
「レフィカ様さえいなければ、わたくしは正妃になれるの。そうなったら、ベルタ。あなたは王妃付の侍女よ」
「メリア様、もうおやめください……。次はございません」
「やめる? やめるわけないでしょう! レフィカ様を殺さなきゃ、イーザック様はわたくしだけを愛してくれないわ!」
大声でベルタに言った瞬間、地下牢の奥の暗闇から、こちらへ近づく足音がした。
「誰? 兵士かしら?」
見張りの兵士だろうと思っていた。
けれど、それは――
「イーザック様……」
琥珀色の瞳が、わたくしを見ていた。
怒りと失望、悲しみが入り交じった目――ベルタは床にうずくまり、泣いていた。
「メリア、お前を信じていたかった」
「イーザック様……シャルク・ホジャへ向かったのでは……?」
イーザック様の周りには、騎士たちが控え、わたくしに近寄らせようともしない。
王を守る騎士たちが、剣を鞘から抜き放ち、こちらに剣を向けている。
「俺が王宮にいないとわかれば、なにかするだろうと思っていた」
「わたくしを誘き出すため、わざと見張りの兵士を減らしたのですね……」
「そうだ。お前がベルタと共謀したという証拠を押さえるためにな」
このままだと、わたくしは処刑されてしまう。
――そうだわ。きっとベルタがわたくしを助けてくれる!
いつも、わたくしを助けてくれたベルタがここにいる。
今回もきっと、わたくしをかばうはず。
振り返ると、ベルタは責めるような目で、わたくしを見ていた。
「ベルタ? その目はなに? どうして、そんな目でわたくしを見るの?」
「メリア様のために、命を捨てる覚悟で、私はレフィカ様を殺そうとしました。それなのに、ふたたび私に死んでこいと命じるのですか?」
ベルタが泣いていたのは、死への恐怖ではなく、信じていたわたくしへの失望からだった。
「ベルタがしつこくお前をかばっていたから、俺と一つ賭けをした」
「賭け? どんな賭けですの?」
「もし、メリアがベルタを大切に思っているなら、ここから逃がすだろうと」
イーザック様はベルタに哀れみの目を向けた。
「だが、そうでないなら、もう一度、ベルタを利用し、レフィカを始末させようとする。ベルタは前者に賭け、俺は後者に賭けた」
「それが賭けですの?」
「ああ。結果、俺の勝ちだったというわけだ」
――イーザック様はわたくしを信じてくださらなかった。
イーザック様のわたくしへの愛はもう消えていたのだ。
ベルタだけが、わたくしを信じていた。
貧しく卑しい生まれと、蔑んだベルタだけが、わたくしの味方だったのだ。
「メリア、さよならだ」
騎士たちが一斉に動き、わたくしをすばやく捕らえた。
「イーザック様……! あなたが悪いのですわ。わたくしを心から愛してくだされば、こんなことをしなくて済みました!」
「レフィカとメリアの決定的な違いがある」
イーザック様はわたくしをまっすぐ見ていた。
「愛されなくても、レフィカは誰も憎んでいなかった。だが、俺もメリアと同じだ。愛されないことが憎い。憎いが、俺は……」
ここから先の言葉は、聞きたくなかった。
それを言われたら、本当のお別れが待っている。
「やめて、言わないで!」
「俺はレフィカを愛している」
たった一言が、わたくしとイーザック様の関係を終わらせた。
そして、二度とわたくしが、イーザック様に愛されることはないと、悟ったのだった。
イーザック様は、わたくしが暗殺の首謀者だと疑い、部屋の周りに見張りの兵士をつけた。
その上、部屋に食事を運んでくる侍女の話によれば、イーザック様は再びシャルク・ホジャへ旅立ったという。
いったいなんのために旅立ったのか、教えてもらえなかったけれど、聞かなくてもわかる。
――愛しいレフィカ様に会いに行ったのよ!
愛するわたくしの言葉を信じてくれなかったばかりか、堂々と浮気をするつもりでいる。
わたくしの嘘を盲目的に信じるほど、愛してほしかった。
それなのに――
「イーザック様はレフィカ様の美貌に騙されたのよ! なんて悪女なの!」
わたくしの容姿が平凡でなければ、今ごろ、完全にイーザック様を魅了できていたはず。
そして、わたくしもレフィカ様の命を狙わずに済んだ。
「悪いのは、わたくしを愛してくれないイーザック様ですわ!」
声を張り上げても、誰からも返事がない。
なぜなら、暗い部屋には、わたくし一人だけしかおらず、侍女はいない。
しかも、侍女たちがやってきても、なにも話さず、仕事を終えると逃げるように去っていく。
王宮では、わたくしが暗殺の首謀者として噂になっているようだ。
――まさか、王都でも?
レフィカ様ならともかく、ジグルズ様が刺されたというのが、まずかった。
ジグルズ様の人気は高く、兵士や町の人々からもっとも信頼されている王族だ。
わたくしが暗殺の首謀者として捕らえられたら、どんな目にあうかわからない。
椅子に座っていても落ち着かず、うろうろと部屋の中を歩き回った。
「大丈夫よ。わたくしがレフィカ様を殺そうとした証拠はないわ。ベルタが黙って処刑されれば、証拠はなにも残らないのよ!」
証拠はない。
けれど、イーザック様は信じてくれなかった。
『わたくしの宝石を盗み、ベルタが暗殺者を雇い、レフィカ様の命を狙った』
完璧なはずなのに、わたくしは罪人扱い。
このままだと、わたくしもベルタと同様に処刑されてしまう。
わたくしが罪に問われるなんて、ありえない。
「わたくしとベルタが共謀した証拠なんて、どこにも残ってないはずよ……」
――待って? 『証拠はない』と本当に言いきれる?
過去の記憶を振り返った時、ベルタが言った言葉が気になった。
たしか、イーザック様がシャルク・ホジャへ向かう前に――
『メリア様。陛下に今の話を聞かれていたのではないでしょうか? レフィカ様のお命を狙うという……』
『もし、陛下が先ほどの話を耳にしていたら、メリア様も罪に問われます……! 今なら、まだ!』
あの時のベルタは、イーザック様に話を聞かれた気がすると言って、怯えていた。
――あの日、イーザック様はわたくしの計画を知って、レフィカ様の元へ行ったということ?
イーザック様の変わらぬ態度が、真偽をたしかめるための演技だったとしたら……
胸に不安が広がり、胸元を掻いた。
心臓の音が聞こえてくるようだ。
「失礼します」
「ひっ!」
声がして、部屋の扉のほうを振り向くと、そこにいたのは死刑執行人ではなく、イーザック様の侍従だった。
侍従はわたくしに一礼した。
「こ、こんな夜遅くに、なんの用かしら?」
「明日から、メリア様には王都の別邸へ移っていただきたいと、陛下より伝言を承っております」
「別邸……? イーザック様はわたくしと別れるつもりですの?」
「お心までは存じ上げませんが、レフィカ様が暮らしていた屋敷が空いております。そちらへお移りください」
――わたくしとレフィカ様の立場が逆転した。
ぞくっと背筋に寒いものが走った。
「それでは、メリア様。王宮最後の夜をお過ごしください。おやすみなさいませ」
侍従は表情ひとつ変えずに言い終わると、扉を閉めて出ていった。
本当に伝言だけだったようで、侍従の足音が遠ざかっていく――
「ま、待って……。今日で王宮にいられなくなる……? わたくしが?」
自分の手が震えているのがわかる。
王宮から屋敷へ移されたら、なにもできなくなる。
レフィカ様がイーザック様に愛され、幸せそうに暮らす姿を別邸から眺めるしかない。
――そんなの嫌よ! イーザック様の妻の地位は、わたくしのものよ!
「レフィカ様さえいなければ……なにもかもうまくいっていたのよ……。わたくしが正妃だったのに……」
ぶつぶつ呟きながら、ふらりと廊下に出た。
不思議なことに監視の兵士はいなかった。
「イーザック様がシャルク・ホジャへ向かったから、兵士たちは気が緩んでいるのね」
王が不在の王宮は緊張感がなく、警備が甘くなっているようだ。
誰もいない夜の王宮の廊下に、わたくしの足音だけが響いていた。
ベルタが捕らえられている地下牢を目指す。
「ベルタを逃がして、今度こそレフィカ様の命を奪ってやるわ」
カビ臭く湿気の多い地下牢は、少しの時間いただけでも気分が悪くなりそうだった。
ベルタがどこにいるか、すぐにわかった。
女性の声が聞こえた。
「……ない……殺されたくない……」
捕らえられたベルタは、牢屋の中でガタガタ震えている。
「ベルタ、大丈夫よ。助けにきてあげたわ」
「メリア様……!?」
わたくしの姿に気づいたベルタが、鉄格子をつかみ、声を張り上げた。
「メリア様、申し訳ございません。私はっ……」
「ここから出してあげる。その代わり、次こそレフィカ様を殺してくるのよ」
「次こそ……?」
鉄格子を握るベルタの手が震えていた。
「レフィカ様さえいなければ、わたくしは正妃になれるの。そうなったら、ベルタ。あなたは王妃付の侍女よ」
「メリア様、もうおやめください……。次はございません」
「やめる? やめるわけないでしょう! レフィカ様を殺さなきゃ、イーザック様はわたくしだけを愛してくれないわ!」
大声でベルタに言った瞬間、地下牢の奥の暗闇から、こちらへ近づく足音がした。
「誰? 兵士かしら?」
見張りの兵士だろうと思っていた。
けれど、それは――
「イーザック様……」
琥珀色の瞳が、わたくしを見ていた。
怒りと失望、悲しみが入り交じった目――ベルタは床にうずくまり、泣いていた。
「メリア、お前を信じていたかった」
「イーザック様……シャルク・ホジャへ向かったのでは……?」
イーザック様の周りには、騎士たちが控え、わたくしに近寄らせようともしない。
王を守る騎士たちが、剣を鞘から抜き放ち、こちらに剣を向けている。
「俺が王宮にいないとわかれば、なにかするだろうと思っていた」
「わたくしを誘き出すため、わざと見張りの兵士を減らしたのですね……」
「そうだ。お前がベルタと共謀したという証拠を押さえるためにな」
このままだと、わたくしは処刑されてしまう。
――そうだわ。きっとベルタがわたくしを助けてくれる!
いつも、わたくしを助けてくれたベルタがここにいる。
今回もきっと、わたくしをかばうはず。
振り返ると、ベルタは責めるような目で、わたくしを見ていた。
「ベルタ? その目はなに? どうして、そんな目でわたくしを見るの?」
「メリア様のために、命を捨てる覚悟で、私はレフィカ様を殺そうとしました。それなのに、ふたたび私に死んでこいと命じるのですか?」
ベルタが泣いていたのは、死への恐怖ではなく、信じていたわたくしへの失望からだった。
「ベルタがしつこくお前をかばっていたから、俺と一つ賭けをした」
「賭け? どんな賭けですの?」
「もし、メリアがベルタを大切に思っているなら、ここから逃がすだろうと」
イーザック様はベルタに哀れみの目を向けた。
「だが、そうでないなら、もう一度、ベルタを利用し、レフィカを始末させようとする。ベルタは前者に賭け、俺は後者に賭けた」
「それが賭けですの?」
「ああ。結果、俺の勝ちだったというわけだ」
――イーザック様はわたくしを信じてくださらなかった。
イーザック様のわたくしへの愛はもう消えていたのだ。
ベルタだけが、わたくしを信じていた。
貧しく卑しい生まれと、蔑んだベルタだけが、わたくしの味方だったのだ。
「メリア、さよならだ」
騎士たちが一斉に動き、わたくしをすばやく捕らえた。
「イーザック様……! あなたが悪いのですわ。わたくしを心から愛してくだされば、こんなことをしなくて済みました!」
「レフィカとメリアの決定的な違いがある」
イーザック様はわたくしをまっすぐ見ていた。
「愛されなくても、レフィカは誰も憎んでいなかった。だが、俺もメリアと同じだ。愛されないことが憎い。憎いが、俺は……」
ここから先の言葉は、聞きたくなかった。
それを言われたら、本当のお別れが待っている。
「やめて、言わないで!」
「俺はレフィカを愛している」
たった一言が、わたくしとイーザック様の関係を終わらせた。
そして、二度とわたくしが、イーザック様に愛されることはないと、悟ったのだった。
あなたにおすすめの小説
本日、貴方を愛するのをやめます~王妃と不倫した貴方が悪いのですよ?~
なか
恋愛
私は本日、貴方と離婚します。
愛するのは、終わりだ。
◇◇◇
アーシアの夫––レジェスは王妃の護衛騎士の任についた途端、妻である彼女を冷遇する。
初めは優しくしてくれていた彼の変貌ぶりに、アーシアは戸惑いつつも、再び振り向いてもらうため献身的に尽くした。
しかし、玄関先に置かれていた見知らぬ本に、謎の日本語が書かれているのを見つける。
それを読んだ瞬間、前世の記憶を思い出し……彼女は知った。
この世界が、前世の記憶で読んだ小説であること。
レジェスとの結婚は、彼が愛する王妃と密通を交わすためのものであり……アーシアは王妃暗殺を目論んだ悪女というキャラで、このままでは断罪される宿命にあると。
全てを思い出したアーシアは覚悟を決める。
彼と離婚するため三年間の準備を整えて、断罪の未来から逃れてみせると……
この物語は、彼女の決意から三年が経ち。
離婚する日から始まっていく
戻ってこいと言われても、彼女に戻る気はなかった。
◇◇◇
設定は甘めです。
読んでくださると嬉しいです。
旦那様、そんなに彼女が大切なら私は邸を出ていきます
おてんば松尾
恋愛
彼女は二十歳という若さで、領主の妻として領地と領民を守ってきた。二年後戦地から夫が戻ると、そこには見知らぬ女性の姿があった。連れ帰った親友の恋人とその子供の面倒を見続ける旦那様に、妻のソフィアはとうとう離婚届を突き付ける。
if 主人公の性格が変わります(元サヤ編になります)
※こちらの作品カクヨムにも掲載します
〈完結〉【書籍化&コミカライズ】悪妃は余暇を楽しむ
ごろごろみかん。
恋愛
「こちら、離縁届です。私と、離縁してくださいませ、陛下」
ある日、悪妃と名高いクレメンティーナが夫に渡したのは、離縁届だった。彼女はにっこりと笑って言う。
「先日、あなた方の真実の愛を拝見させていただきまして……有難いことに目が覚めましたわ。ですので、王妃、やめさせていただこうかと」
何せ、あれだけ見せつけてくれたのである。ショックついでに前世の記憶を取り戻して、千年の恋も瞬間冷凍された。
都合のいい女は本日で卒業。
今後は、余暇を楽しむとしましょう。
吹っ切れた悪妃は身辺整理を終えると早々に城を出て行ってしまった。
【本編完結】初恋のその先で、私は母になる
妄夢【ピッコマノベルズ連載中】
恋愛
第19回恋愛小説大賞にて、奨励賞を受賞いたしました。読者の皆様のおかげです!本当ありがとうございます。
王宮で12年働き、気づけば28歳。
恋も結婚も遠いものだと思っていたオリビアの人生は、憧れの年下公爵と一夜を共にしたことで大きく動き出す。
優しく守ろうとする彼。
けれどオリビアは、誰かに選ばれるだけの人生を終わらせたいと思っていた。
揺れる想いの中で、彼女が選んだのは――
自分の足で立ち、自分の未来を選ぶこと。
これは、一人の女性が恋を通して自分を取り戻し、母として、そして一人の人間として強くなっていく物語。
※表紙画像はAI生成イラストをつかっています。
「離縁状の印が乾く前に、王太子殿下から花束が届きました」〜五年間「置物」と呼ばれた侯爵夫人、夫が青ざめるのは王家との縁が切れてからでした〜
まさき
恋愛
侯爵夫人として過ごした五年間、夫に名前を呼ばれたことが一度もなかった。
愛人を夜会に連れてきた翌朝、私は離縁状を置いて屋敷を出た。
夫は「すぐ戻る」と思っていたらしい。
でも届いたのは、王太子殿下からの白薔薇だった。
「五年、待ちすぎました。今度こそ私の隣に」
幼馴染の殿下は、いつも私を「アメリア」と呼んでくれた。
ただそれだけで、五年分の何かが、ほどけていった。
夫が全てを失うのはこれからの話。
私が本当の笑顔を取り戻すのも、これからの話。
【完結】白い結婚を終えて自由に生きてまいります
なか
恋愛
––アロルド、私は貴方が結婚初日に告げた言葉を今でも覚えている。
忘れもしない、あの時貴方は確かにこう言った。
「初めに言っておく、俺達の婚姻関係は白い結婚として……この関係は三年間のみとする」
「白い結婚ですか?」
「実は俺には……他に愛する女性がいる」
それは「公爵家の令嬢との問題」を理由に、三年間だけの白い結婚を強いるもの。
私の意思を無視して三家が取り決めたものであったが、私は冷静に合意を決めた
――それは自由を得るため、そして『私自身の秘密を隠すため』の計算でもあった。
ところが、三年の終わりが近づいたとき、アロルドは突然告白する。「この三年間で君しか見えなくなった。白い結婚の約束をなかったことにしてくれ」と。
「セシーリア、頼む……どうか、どうか白い結婚の合意を無かった事にしてくれ」
アロルド、貴方は何を言い出すの?
なにを言っているか、分かっているの?
「俺には君しかいないと、この三年間で分かったんだ」
私の答えは決まっていた。
受け入れられるはずがない。
自由のため、私の秘密を守るため、貴方の戯言に付き合う気はなかった。
◇◇◇
設定はゆるめです。
とても強い主人公が自由に暮らすお話となります。
もしよろしければ、読んでくださると嬉しいです!
白い結婚のまま、旦那様は薔薇のような美人に夢中になりました
柴田はつみ
恋愛
伯爵令嬢リディアは、美貌で有名な侯爵レオンハルトに嫁いだ。
けれど結婚して二年、夫婦は一度も結ばれないまま――白い結婚だった。
それでも旦那様は優しかった。
冷たいわけではない。気づかいの言葉も、穏やかな笑顔もくれる。
だからリディアは、愛されてはいなくても、いつか少しは夫婦になれるのではないかと信じていた。
そんなある日、彼女は知ってしまう。
旦那様が薔薇の君と呼ばれる絶世の美女に心を奪われていることを。
彼が触れなかったのは私にだけだったのだと。
都合のいい奥方として、役に立っていたと悟る
静かに離縁を決意したリディアは、実家へ戻ったあと、女子学院で働き始める。
すると侯爵夫人時代には当たり前だった実務のすべてが、外では驚くほど必要とされていた。
感謝され、認められ、自分の足で立ち始めた彼女は、少しずつ見違えるほど美しくなっていく