私のことが必要ないなんて言わせません!【菱水シリーズ③】

椿蛍

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June

25 痕跡を残して※R-18

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『俺は女を自分の部屋にいれない主義だ』

そう言っていた梶井さんは自分からドアを開けて、私を部屋に招き入れてくれた。
そして、今、私は梶井さんの寝室にまで入ってしまったけど、よかったのだろうか。

「あ、あのね、梶井さん。これでスランプになってクビになって人生終了にならないよね?」

「なんだそれ」

「渡瀬さんが言ってたんです。このままだと梶井さんがクビになるって」

「ふーん。それで人生終了か」

あの野郎と梶井さんが凶悪な目をしてつぶやいた。

「心配しなくていい」

梶井さんは私に腕枕をして眠そうにしていた。
こんな幸せでいいのだろうか……
夕飯は出前をとって二人で食べて、梶井さんの部屋のお風呂に入ってシャツを借りた。
私からは梶井さんの甘い香りがした。
その上、腕枕。
こんなの、たまらない。
私のほうが眠れなくなる。

「弾ける」

「本当?」

「ああ」

「それなら、よかった。私、梶井さんのチェロが一番好きだから」

「俺のチェロが好きなのか」

すっと髪をかきあげられて、挑発的な目で私をみる。
なにを言って欲しいのかわかった。

「全部好き」

そう答えた私の口を唇で塞いだ。

「んっ……ンンッ」

口内をなぞり、舌を絡め、食らいつくすようなキス。

「だ、め、……休まなきゃ……」

「十分、休んだ」

シャツのボタンをはずした。

「この間のやり直しをしてやるよ」

「やり直し!?」

「俺は優しくなかったからな。よくなかっただろ?」

「そ、そんなことっ……」

そんなことなかったと言う前に両手を押さえつけられ、唇を食むキスを何度も繰り返した。
口内を荒々しくなぞる。

「ま、待って……んっ……」

口を閉じる間も無く、ただ息をするのが精一杯だった。
それなのに体は熱くなり、無意識に体を寄せてねだるように梶井さんの肌に触れていた。
その肌から伝わる体温も熱い。
この間とは違う。

「望未はおねだりがうまいな」

「そんなこっ……んっ……あぁっ」

胸を舌でなぞられ、頂きに歯をたてられて踵がシーツから離れた。
繰り返し、甘く噛まれてなぞられる。
その度、じんっとした快楽が絶え間なく襲って、肌が敏感に指や触れる肌に感じてしまう。

「やっ……ぁ……」

太股の間に熱が集まり、もどかしい。
それなのに肝心な部分には触れず、指はぎりぎりの場所で止めて焦らされる。
体はそれだけで甘く疼いていた。
梶井さんのシャツが自分の体に触れるだけて、びくりと体が震える。

「もぅっ……おねがっ……」

「わかった」

濡れきった中に指が入り込み、ぬるりとした粘液を絡ませ、指が擦りあげる。

「んっ、んんっ……」

たったそれだけなのに甘い声がとめどなくこぼれかけ、唇を噛んだ。
指は容赦なく快楽を引きずり出していく。
私が拒めないように。
指から与えられる刺激に体を震わせると梶井さんが耳元でささやいた。

「そんなにいいか?」

答えを待たずに唇を奪われ、舌が引きずりだされた。
今までとは違う獣のようなキスに意識が飛びそうになった。
それがわかるのか、指の動きはいっそう激しく、追い上げていく。

「んくぅ……ふぁ……」

ぐっと前の硬いとがりと指で押され、大きく体が跳ねた。
体はのけぞり、目の前がチカチカと点滅する。

「あっ……あぁっ」

「一度、達した方が楽になる」

脚から力が抜け、体に力が入らなかった。
息を整え、ぼうっとなった頭でふたたび加えられる刺激を感じていた。

「ま、ま、た……?」

「これからだろ?」

まだなんだとわかり、懸命にその体にしがみつき、口内に入ってきた舌に応えるように舌を絡めた。
そうすることしか私にはできなかった。
静寂の中で指を濡らす水音が耳に届き、首を横にふった。
恥ずかしいのに自分の意思ではどうにもならない体。
快楽に耐えきれず、こぼれた涙を舌がなめとった。

「泣くな」

「だ、だって……も、こんなの……」

気持ちよすぎておかしくなる。
もうおかしくなっているかもしれない。
指を飲み込み、ねだるように腰を押し付けていた。

「今、楽にしてやる」

そう言った梶井さんの額にも汗がにじみ、吐く息が熱い。
前とは違う。

「う、ん……」

どろどろに溶けきった蜜口に熱く硬いものが添えられた。
少しずつ加えられていく圧迫感にシーツをきつくつかんだ。
梶井さんの体に傷をつけたくない。

「痛いだろ?俺の背中に手をまわせよ」

「だ、め……傷がついたら……困る……んんっ!」

ぐっと腰を引き寄せられ、奥まで押し広げられた。

「……そんなこと言われたら我慢できなくなるだろ」

梶井さんはふっと息を吐いた。
辛いのか、汗が額ににじんでいた。
梶井さんは涙を一滴私の顔に落とす。

「見るな」

「梶井さん……?」

「俺のことをお前は気遣いすぎだ」

泣いた顔を隠すようにして、私の肩に顔を埋めた。

「好きだ。望未」

吐き出された息と触れた肌は熱く、梶井さんも感じてくれているのだとわかって、そっとその体にキスをした。
何度も。
彼が今まで負った見えない傷が癒えるように願いを込めて。

「お前がつける傷なら痛くないから、俺に触れていろ」

手を背中にまわさせるとゆっくりと腰を動かし、甘い刺激を引き出していく。
熱いものに埋められた中が蠢き、さらに奥まで飲み込もうして、ぶるりと体を震わせた。
自分の体なのに止められない。

「怖いか?」

優しい声に首を横に振った。
私の答えを聞くと、脚を持ち上げらさらに深く繋がった。

「あっ……んっ……」

腹の奥に熱を感じると、ゆるゆると突き上げられ、体を揺さぶられた。
その振動に敏感になっている体が反応し、思考を吹き飛ばすくらいの快楽を与えて、息をすることすら、忘れてしまいそうになる。

「あっ、あ……あぁ……」

涙をこぼしながら、うわ言のように声をあげた。
もうどこを触られているかわからないくらいに熱く溶けていた。
激しくうちつけられ、泣き喘ぎながら、懸命に息をした。

「だ、めっ……もっ……」

ぐっと強く抱き締められたかと思うと中に熱いものを感じ、また達してしまった。

「ん……あ……」

ぼうっとしながら、シーツに深く沈み、梶井さんの汗ばんだ顔を見上げた。
たまらなく色っぽい。
何度も目蓋や体にキスを落としてくる。

「ふぁ……、か、じいさ……ん。あっ……」

達したのに痺れた体を揺さぶられて甘い声が出た。

「もっと気持ちよくしてやるよ」

見下ろすその顔は悪い顔をしていた。

「えっ……?ま、まだやるの……?」

「まだ一回目だからな」

「な、な、なんで……ひぁっ」

奥までまた押し込められ、体が跳ねた。
達したはずなのに中をえぐられ、また感じてしまう。

「だ、だめ。う、動かないでっ……あっ……」

ベッドが激しく軋む。
激しく打ち付けられ、言葉はもう紡げなかった。

「ひっ……あ……、あぁ……」

指を絡め、体をベッドに繋ぎ止めるように強く握りしめた手。

「俺で全部満たしたい」

唇を重ねられ、体だけじゃなく、頭の中まで痺れてしまう。
もう繋がっていない場所なんてもうどこもない。

「ん……あぁ……」

でも、それでいい。
貪欲に私はあなたを求める。
だって、私はもうとっくにあなたの毒で満たされいる。
心も体も―――全部。
もっとあなたの毒で私を侵して。
自分から毒を食らうようにその唇を食んだ。
何度も。
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