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26 二人の秘密
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私は大魔女ヘルトルーデ。
ちょっとやそっとで動揺したりしない。
――しないはずだった!
「ひえっ!? 敵襲!?」
レクスの美しい顔が至近距離にあり、腕枕の添い寝から始まった朝。
ただ眠っているだけであることを確認し、ベッドから飛び起きた。
焦った私は攻撃魔法を構築しかけて、ギリギリでとどまった。
アーレントとフィンセントのむにゃむにゃしている顔が、視界に入らなかったら、魔法を使っていたと思う。
動揺したことを悟られないため、ふたたびベッドに戻り、レクスから距離をとって寝たふりをする。
――そっちが腕枕で心理的攻撃をするなら、こっちだってお色気攻撃するんだから!
……って、お色気攻撃ってどうするんだっけ?
私がお色気攻撃を考えているうちに、レクスは目覚め、顔色ひとつ変えずに部屋から出ていった。
出ていくまで観察していたけど、私の寝顔を見てもレクスは憎たらしいくらい動揺してない。
なんとなく腹が立って、枕をぼすぼす叩いた。
大魔女が密かに皇帝が戦っていた朝。
侍女たちはそんなことがあったとは知らず、私と子供たちが目覚めると、朝食を準備してくれた。
今日もレクスは一緒にお茶も飲まないし、食事もしない。
そろそろ信用してくれてもいいのに、人間不信の壁は厚いままだ。
――一同じベッドで眠るくせに、どういうことよ。
こっちを朝から動揺させておいて、向こうは平気な顔でいるのが、納得いかない。
「無駄に美形すぎるのがよくないの!」
「おとーしゃま、かっこい」
「おかーしゃま、どきどき」
「ち、違うの! 違うのよ!」
アーレントとフィンセントに一生懸命、言い訳している私をハンナがあきれた顔で見ていた。
「夫婦なんですから、そこまで否定しなくてもよろしいのではありませんか? 愛し合っている証拠です」
「愛!? 愛し合ってるって、私とレクス……様が?」
侍女たちが私の身支度を整えながら、くすくすと笑った。
今日のドレスは初夏らしい水色のドレスで、レクスが新しく仕立てさせたものだ。
「照れていらっしゃるんですね」
「今までお互い素直になれず、誤解してた私たち! でも、きっかけひとつで愛に変わる……素敵!」
「すれ違いからの両想い。憧れちゃいますね。皇帝陛下に愛されるなんて!」
侍女たちは夢見がちな顔で語る。
そんなキュンキュンしたものではない。
私の心臓は横殴りされて、空中から叩き落とされたくらいの衝撃があったと教えてやりたかった。
「おとーしゃま、おかーしゃま、なかよし!」
「いちゃいちゃ」
そんな事実はないのに、アーレントとフィンセントが侍女たちに言って、『きゃー!』という甲高い声があがる。
「アーレント様、フィンセント様。その辺を詳しく!」
「無感情な顔の皇帝陛下が、愛をささやく! ギャップがたまりませんね」
ハンナは暴走し始めた侍女たちを止めた。
「皇妃様に失礼ですよ! 身支度がすんだら、神官長様の見送りがありますからね。全員、皇宮の前で待機してください!」
厳しい叱責の声に、侍女たちは黙り、慌てて部屋から出ていった。
ハンナは本日より侍女頭に昇進し、皇宮の侍女を教育する立場になった。
乳母兼私付きの侍女であることは変わらない。
「これから、侍女たちをビシバシ教育します!」
「ほどほどにね……」
張り切るハンナと着替え終わったアーレントとフィンセントを伴い、リュドの見送りに出る。
リュドは皇宮の滞在を終え、クリスティナを連れ、神殿へ旅立つ。
皇宮前まで行くと、すでにレクスとエルナンド、リュドが待っていた。
罪人用の馬車には鉄格子があり、リュドの魔法によって魔力を封じられている(再度、封じたのは私だけど)。
カーテンで隠され、クリスティナの姿は見えなかった。
リュドは旅用の神官服を着て、私たちに微笑んだ。
「皇帝一家全員で、お見送りしてくだるとは思いませんでした。ありがとうございます」
「神殿に対する礼儀はある。少しはな」
レクスの言葉にリュドは頬をひきつらせた。
「それで、魔女はこれからどんな罰を受けるんだ?」
「魔女は過去の罪を【追跡】によって暴かれ、その罪に見合った罰を受けます。最終的には【浄化】されるかもしれません」
「そうか」
レクスはもう自分が殺すとは言わなかった。
神殿が【魅了の魔女】を罰するだろう。
これで、リュドともお別れ――そう思っていたけど。
「ルスキニア帝国に紛れ込んだ魔女が、【魅了の魔女】程度で運がよかったと思いますよ」
リュドは神殿から届いた次の命令書を私たちに見せた。
「大魔女ヘルトルーデが行方不明です」
「ほう。大魔女も迷子になるのか」
レクスが興味を示したけど、私は笑顔のまま固まった。
「迷子というか、ヘルトルーデの弟子たちが、捜索依頼を出しているだけで、その辺にいると思いますけどね」
依頼主の名前を見ると、そこには『ヘルトルーデの弟子一同』と書かれている。
――弟子たちが私を探してる!?
「行方不明になった朝、パンケーキにつけるバターを切らしていたからだと、弟子たちは言ってました。おおかた、バターを作りに牧場にでも行ったんだと思いますよ」
――誰が牧場でバター作りよ!
牛と戯れていた事実はない。
ヘルトルーデに戻ったら、リュドとは一度、本気で殴り合うことを決めた。
「パンケーキか」
「食い意地が張っているんですよ。もし、ヘルトルーデらしき魔女を見かけたら、教えていただけると助かります」
「わかった」
――神殿に捜索依頼しないでよっー!
弟子たちは犬猿の仲である神殿を頼り、消えた私を探しているらしい。
たしかに今の時代にいる私がどうなったか知りたかったけど、姿が消えたなんて思っていなかった。
私がユリアナとして、この時間軸に現れたから、同じ時間軸にいるヘルトルーデが消えた。
そういうことだろう。
――心配してくれるのは、嬉しいのよ!
弟子たちの師弟愛が嬉しいと涙したいところだけど、やりすぎである。
蛇みたいにしつこく私を追い回すリュドを使うなんて、命を狙われているも同然だ。
「ヘルトルーデが本気で逃げているのなら、きっと誰にも捕まえられない」
「坊主のくせに大魔女ヘルトルーデを尊敬しているような口ぶりだな」
「彼女は特別な魔女です。特別な魔女だからこそ、僕が【浄化】したいと思ってます。誰にも彼女を【浄化】させたくない」
相変わらずの変態発言に、私はげんなりした。
「ああ、強くて美しいヘルトルーデ! 必ず僕の手で【浄化】してみせますよ」
ルスキニア皇宮の面々も『この神官、実は変態じゃ?』という顔をしているのに、気づいていないのはリュドだけ。
「リュド様。そろそろ出発しないと、日が暮れてしまいますわ」
「そうですね。つい、話し込んでしまいました。今回、見つからなかった魔女は、改めて調べさせていただきます。その時はよろしくお願いします」
「気が向いたらな」
レクスはわかったとは言わなかった。
神殿と不仲なルスキニア帝国だから、素直に了承するはずもない。
「いずれ、ルスキニア帝国にも神殿の威光が届くことを願います」
リュドはそう言ったけど、それはなかなか難しそうだ。
レクスとアーレント、フィンセント――この三人が信心深い未来なんて、想像できなかった。
「ユリアナ様。ルスキニア帝国に異変があれば、神殿にご報告を。この国において、あなただけが、良心です」
――いえ、大魔女です。
私がヘルトルーデだとわかったら、リュドは発狂するんじゃないだろうか。
本気で殺しにきそう。
そう思いながら、笑顔を浮かべて答えた。
「ええ。報告させていただきますわ(絶対しないけど)」
不信心なレクスのおかげで、私は神殿に疑われることなく、信頼されたようだ。
魔女がいると教えたのも私だし、しばらくは平和に暮らせそう。
――気になるのは弟子たちだけね。
弟子たちもリュドに負けず劣らず、変人揃いである。
「では、また」
リュドが乗った馬車が動きだし、隊列が進んでいく。
「きらきら、わるい、まじょ。ばいばい!」
「おかーしゃま、つよい。いちばん!」
アーレントとフィンセントは、レクスに今まであったことを説明しているようだ。
それを聞いて、レクスは口もとに笑みを浮かべた。
「そうだな。ユリアナは強い」
「私がですか?」
「【魅了】されなかったのは、お前と子供たちだけだ。子供たちをお前は守ってくれていた」
レクスは気づいていた。
もしかしたら、私が魔法を使うこともわかっている。
「感謝する」
それは、私への心からのお礼の言葉だった。
「……そうですね。では、最強の私からレクス様にお願いがあります」
「なんだ?」
「朝、目覚めたら家族で食事をします。毎日です。よろしいですか?」
冷酷で残虐な皇帝レクスは、優しい微笑みを浮かべて私を抱き締めた。
「わかった。そうしよう」
ルスキニア皇帝の妻、皇妃ユリアナ。
後の歴史書にルスキニア皇帝レクスが『もっとも愛した妃』として記されるようになることを――
「いちゃいちゃ~!」
「なかよし!」
「レクス様、人前です! みんなが見てますから!」
――この時の私はまだ知らない。
【了】
ちょっとやそっとで動揺したりしない。
――しないはずだった!
「ひえっ!? 敵襲!?」
レクスの美しい顔が至近距離にあり、腕枕の添い寝から始まった朝。
ただ眠っているだけであることを確認し、ベッドから飛び起きた。
焦った私は攻撃魔法を構築しかけて、ギリギリでとどまった。
アーレントとフィンセントのむにゃむにゃしている顔が、視界に入らなかったら、魔法を使っていたと思う。
動揺したことを悟られないため、ふたたびベッドに戻り、レクスから距離をとって寝たふりをする。
――そっちが腕枕で心理的攻撃をするなら、こっちだってお色気攻撃するんだから!
……って、お色気攻撃ってどうするんだっけ?
私がお色気攻撃を考えているうちに、レクスは目覚め、顔色ひとつ変えずに部屋から出ていった。
出ていくまで観察していたけど、私の寝顔を見てもレクスは憎たらしいくらい動揺してない。
なんとなく腹が立って、枕をぼすぼす叩いた。
大魔女が密かに皇帝が戦っていた朝。
侍女たちはそんなことがあったとは知らず、私と子供たちが目覚めると、朝食を準備してくれた。
今日もレクスは一緒にお茶も飲まないし、食事もしない。
そろそろ信用してくれてもいいのに、人間不信の壁は厚いままだ。
――一同じベッドで眠るくせに、どういうことよ。
こっちを朝から動揺させておいて、向こうは平気な顔でいるのが、納得いかない。
「無駄に美形すぎるのがよくないの!」
「おとーしゃま、かっこい」
「おかーしゃま、どきどき」
「ち、違うの! 違うのよ!」
アーレントとフィンセントに一生懸命、言い訳している私をハンナがあきれた顔で見ていた。
「夫婦なんですから、そこまで否定しなくてもよろしいのではありませんか? 愛し合っている証拠です」
「愛!? 愛し合ってるって、私とレクス……様が?」
侍女たちが私の身支度を整えながら、くすくすと笑った。
今日のドレスは初夏らしい水色のドレスで、レクスが新しく仕立てさせたものだ。
「照れていらっしゃるんですね」
「今までお互い素直になれず、誤解してた私たち! でも、きっかけひとつで愛に変わる……素敵!」
「すれ違いからの両想い。憧れちゃいますね。皇帝陛下に愛されるなんて!」
侍女たちは夢見がちな顔で語る。
そんなキュンキュンしたものではない。
私の心臓は横殴りされて、空中から叩き落とされたくらいの衝撃があったと教えてやりたかった。
「おとーしゃま、おかーしゃま、なかよし!」
「いちゃいちゃ」
そんな事実はないのに、アーレントとフィンセントが侍女たちに言って、『きゃー!』という甲高い声があがる。
「アーレント様、フィンセント様。その辺を詳しく!」
「無感情な顔の皇帝陛下が、愛をささやく! ギャップがたまりませんね」
ハンナは暴走し始めた侍女たちを止めた。
「皇妃様に失礼ですよ! 身支度がすんだら、神官長様の見送りがありますからね。全員、皇宮の前で待機してください!」
厳しい叱責の声に、侍女たちは黙り、慌てて部屋から出ていった。
ハンナは本日より侍女頭に昇進し、皇宮の侍女を教育する立場になった。
乳母兼私付きの侍女であることは変わらない。
「これから、侍女たちをビシバシ教育します!」
「ほどほどにね……」
張り切るハンナと着替え終わったアーレントとフィンセントを伴い、リュドの見送りに出る。
リュドは皇宮の滞在を終え、クリスティナを連れ、神殿へ旅立つ。
皇宮前まで行くと、すでにレクスとエルナンド、リュドが待っていた。
罪人用の馬車には鉄格子があり、リュドの魔法によって魔力を封じられている(再度、封じたのは私だけど)。
カーテンで隠され、クリスティナの姿は見えなかった。
リュドは旅用の神官服を着て、私たちに微笑んだ。
「皇帝一家全員で、お見送りしてくだるとは思いませんでした。ありがとうございます」
「神殿に対する礼儀はある。少しはな」
レクスの言葉にリュドは頬をひきつらせた。
「それで、魔女はこれからどんな罰を受けるんだ?」
「魔女は過去の罪を【追跡】によって暴かれ、その罪に見合った罰を受けます。最終的には【浄化】されるかもしれません」
「そうか」
レクスはもう自分が殺すとは言わなかった。
神殿が【魅了の魔女】を罰するだろう。
これで、リュドともお別れ――そう思っていたけど。
「ルスキニア帝国に紛れ込んだ魔女が、【魅了の魔女】程度で運がよかったと思いますよ」
リュドは神殿から届いた次の命令書を私たちに見せた。
「大魔女ヘルトルーデが行方不明です」
「ほう。大魔女も迷子になるのか」
レクスが興味を示したけど、私は笑顔のまま固まった。
「迷子というか、ヘルトルーデの弟子たちが、捜索依頼を出しているだけで、その辺にいると思いますけどね」
依頼主の名前を見ると、そこには『ヘルトルーデの弟子一同』と書かれている。
――弟子たちが私を探してる!?
「行方不明になった朝、パンケーキにつけるバターを切らしていたからだと、弟子たちは言ってました。おおかた、バターを作りに牧場にでも行ったんだと思いますよ」
――誰が牧場でバター作りよ!
牛と戯れていた事実はない。
ヘルトルーデに戻ったら、リュドとは一度、本気で殴り合うことを決めた。
「パンケーキか」
「食い意地が張っているんですよ。もし、ヘルトルーデらしき魔女を見かけたら、教えていただけると助かります」
「わかった」
――神殿に捜索依頼しないでよっー!
弟子たちは犬猿の仲である神殿を頼り、消えた私を探しているらしい。
たしかに今の時代にいる私がどうなったか知りたかったけど、姿が消えたなんて思っていなかった。
私がユリアナとして、この時間軸に現れたから、同じ時間軸にいるヘルトルーデが消えた。
そういうことだろう。
――心配してくれるのは、嬉しいのよ!
弟子たちの師弟愛が嬉しいと涙したいところだけど、やりすぎである。
蛇みたいにしつこく私を追い回すリュドを使うなんて、命を狙われているも同然だ。
「ヘルトルーデが本気で逃げているのなら、きっと誰にも捕まえられない」
「坊主のくせに大魔女ヘルトルーデを尊敬しているような口ぶりだな」
「彼女は特別な魔女です。特別な魔女だからこそ、僕が【浄化】したいと思ってます。誰にも彼女を【浄化】させたくない」
相変わらずの変態発言に、私はげんなりした。
「ああ、強くて美しいヘルトルーデ! 必ず僕の手で【浄化】してみせますよ」
ルスキニア皇宮の面々も『この神官、実は変態じゃ?』という顔をしているのに、気づいていないのはリュドだけ。
「リュド様。そろそろ出発しないと、日が暮れてしまいますわ」
「そうですね。つい、話し込んでしまいました。今回、見つからなかった魔女は、改めて調べさせていただきます。その時はよろしくお願いします」
「気が向いたらな」
レクスはわかったとは言わなかった。
神殿と不仲なルスキニア帝国だから、素直に了承するはずもない。
「いずれ、ルスキニア帝国にも神殿の威光が届くことを願います」
リュドはそう言ったけど、それはなかなか難しそうだ。
レクスとアーレント、フィンセント――この三人が信心深い未来なんて、想像できなかった。
「ユリアナ様。ルスキニア帝国に異変があれば、神殿にご報告を。この国において、あなただけが、良心です」
――いえ、大魔女です。
私がヘルトルーデだとわかったら、リュドは発狂するんじゃないだろうか。
本気で殺しにきそう。
そう思いながら、笑顔を浮かべて答えた。
「ええ。報告させていただきますわ(絶対しないけど)」
不信心なレクスのおかげで、私は神殿に疑われることなく、信頼されたようだ。
魔女がいると教えたのも私だし、しばらくは平和に暮らせそう。
――気になるのは弟子たちだけね。
弟子たちもリュドに負けず劣らず、変人揃いである。
「では、また」
リュドが乗った馬車が動きだし、隊列が進んでいく。
「きらきら、わるい、まじょ。ばいばい!」
「おかーしゃま、つよい。いちばん!」
アーレントとフィンセントは、レクスに今まであったことを説明しているようだ。
それを聞いて、レクスは口もとに笑みを浮かべた。
「そうだな。ユリアナは強い」
「私がですか?」
「【魅了】されなかったのは、お前と子供たちだけだ。子供たちをお前は守ってくれていた」
レクスは気づいていた。
もしかしたら、私が魔法を使うこともわかっている。
「感謝する」
それは、私への心からのお礼の言葉だった。
「……そうですね。では、最強の私からレクス様にお願いがあります」
「なんだ?」
「朝、目覚めたら家族で食事をします。毎日です。よろしいですか?」
冷酷で残虐な皇帝レクスは、優しい微笑みを浮かべて私を抱き締めた。
「わかった。そうしよう」
ルスキニア皇帝の妻、皇妃ユリアナ。
後の歴史書にルスキニア皇帝レクスが『もっとも愛した妃』として記されるようになることを――
「いちゃいちゃ~!」
「なかよし!」
「レクス様、人前です! みんなが見てますから!」
――この時の私はまだ知らない。
【了】
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