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UNISON (DEEPENING THE MIND)
極東決戦編その21
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新聖歴六〇十八年
五月二十八日
流れ込んできた金さんの記憶は俺の知らない『世界大戦』を脳に焼き付けた。
「金さん・・・ここは何処だ?」
周りを見渡すと水無瀬家の別荘だった。しかし、俺以外誰も居ない。別荘を出て美瑛の街に走り出たが人が一人も居ない。確実に前の世界とは違う。元からそんな世界は無かったと確信した。すべて俺が理想に思っていた幻想のようなものだ。しかし、この幻想からどうやって抜け出せば良いのだろうか?魔法使いではない俺に何ができるのだ・・・。すべて放り投げてしまおうと考えた。金さんが望んでいるならば仕方が無い。諦めて左手をポケットに突っ込むと何かが指先に当たった。ペンダントだ。しかし、光ってもいないし、輝きのない汚い薄茶色である。このペンダントは結局、何なのだろう?五月の寒い北海道の風が吹き始めた。誰もいない一人ぼっちの世界というのは俺が望んでいた世界なのだろうか。これで屋内ゲーム三昧の毎日で、誰にも叱られることは無い。食事も適当にコンビニ行けばいい。街のスーパーの店内には一生働かなくても生きていけるだけの食料と生活必需品がある。こんな俺にとって理想な世界は無い。しかし、急に込み上げてくるものがあった。
「寂しいよ!金さん、何処行っちゃったのさ!こんなの間違っているよ!金さんのこと忘れられないよ!」
思いっ切り空に向かって大声を張り上げた。すると青い空に大きなひびが入った。
「へ?」
状況をうまく説明できないが空のひび割れは次第に大きくなり聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「三江、まだ死んでおらんか。」
「コタン副宮長!」
傷だらけのコタン副宮長は大太刀の虎杖丸を担いで俺の元に降りてきた。
「すまん。オーディンをぶっ倒すのに時間がかかってしまった。神風と水無瀬副宮長は何処だ?」
「わかりません。自分一人で・・・」
周りの景色がすべて粉々に砕け散っていくとそこは見覚えのある棟の最上階の大きな広間だった。ここはイデアルの電波塔の最上階のようだ。
「ハヤテ!水無瀬!」
叫んで呼んでみた。ここにはいないようだ。
「コタン副宮長はどうやってここに来たのですか?」
「おぬしの持っているペンダントの魔力を感じて来た。神風と水無瀬副宮長の魔力は感じられないな。」
「きっとまだ金さんの魔法にかかったままなのだ。金さんを見つけないと。」
「この電波塔へ案内してくれたのに、ペンダントは光っておらんのう。」
「案内・・・光っていない・・・」
少し考えてみる。ペンダントは確かにこの電波塔の最上階を指し示していた。ここが終点ということなのだろうか。そもそもこのペンダントは何なのだろう?始業式のときに右隣にいた金さんが俺のポケットに入れたものだろう。御札の時と同じように簡単に考えるのだ。金さんが俺に理解できない難しいことを考えているはずがない。
「コタン副宮長、この空間を虎杖丸で斬ってくれますか?」
「どういうことじゃ?」
「きっと、このペンダントは金さんの核石だと思います。金さんの居る場所を指し示していると思います。」
「今は光っておらんが?」
「はい。だから、俺達がいるここに金さんが居るのでは?」
「ハンナは記憶改竄できるからか?」
「そうです。ここら辺にいるのでは?」
そう言って俺は目の前の何も見えない空間を左手で擦ってみた。
「まどろっこしい!ワシがこいつで空間を切り裂いてやる!」
コタン副宮長は全方位に魔方陣を展開させて虎杖丸を振りかざした。強大な魔力である。すると聞き覚えのある不気味な声が聞こえた。
「待つのだ。アシリレラ・コタン副宮長。」
すると目の前に水戸部シモンが現われた。どうもこいつは十二宮学園の魔法学部に関係しているようだが信用できない奴なのは間違いない。シスカ先生を殺したのもこいつなのではないだろうかと思う。
「お前は一体何がしたいのだ?」
「こやつは誰じゃ?」
「お初にお目にかかります。アシリレラ・コタン白羊宮副宮長。私は水戸部シモンと申します。あなたならば魔法に関する重要な関係者。精霊のパラケルススと言えば分かりますか?」
「そなたが・・・」
突然。コタン副宮長の表情が険しくなった。怯えているようだが、強い意志で平然を装っている。
「コタン副宮長、パラケルススって何ですか?こいつは金さんの両親を殺しています。許せる相手ではないです!」
「・・・」
「おっと、エレメンタルクラスのあなたはこの言葉の意味がまだ分からないでしょう。精霊魔法だけではない。魔法全体を揺るがしかねない真実を」
「辞めろ!それ以上話すとここで消すぞ!」
「ふふふ、そのエレメンタルクラスの出来損ないを守るためですか?あなたは魔法社会とその出来損ないのどっちを選ぶのですか?」
「ワシが守るものは決まっている。」
そう言うと白羊宮副宮長の階級バッジを左手で握りしめて、俺に虎杖丸の刃を向けてきた。水戸部シモンに背を向けている。
「コタン副宮長・・・何で?魔法の真実って何ですか?」
「三江、貴様は知らなくて良いことだ。」
俺は慌てて身構えた。コタン副宮長が俺に斬りかかろうとしている。以前、エールシュタットに行く列車内で金さんが俺に目で合図してくれた。それを思い出してコタン副宮長の瞳を見たが、『本気』という顔である。これはまずい。コタン副宮長と水戸部シモンが何を考えているのかサッパリ分からない。コタン副宮長に敵うはずがない。一振りで殺されてしまう。金さんのペンダントを左手で握りしめてこれで終わりだと思った。
「三江、参る。」
コタン副宮長が秒速で襲いかかってくると俺は反射的に左手でペンダントを差し出し大声を上げた。
「金さん、助けて!」
ペンダントが輝きを取り戻して目映いばかりに光放った。色のない大きな広間は金色に輝いた。コタン副宮長はすぐに距離をとった。俺の目の前に二つお団子の髪型のいつもの金さんが現われた。制服も双子宮のものである。何一つ変わらない姿だった。
「風翔!」
いつもの満面身の笑みを浮かべたその表情に俺は感極まった。そして、懐かしさのあまり涙があふれた。
「金さん・・・。金さん・・・。会いたかったよ。」
金さんが笑顔で俺を抱きしめると母親が大きな子供を諭すように言い放った。
「ごめんね、風翔。本当に風翔が助けに来てくれるって思わなかったの。言ったでしょ。風翔はウチが必ず守るって。」
俺は全身の力が抜けて、その場に泣き崩れてしまった。
「ごめん、風翔。ウチのどこかで風翔を信じてあげられなかったのかもしれない。ウチの魔法で平穏に風璃ちゃん達と暮らしている方がいいって思ったの。」
「嘘だ。金さんは俺に『助けて』ってメッセージをくれたじゃないか。あの御札の計算式の答えは金さんのメッセージだろ。」
「あれは、その・・・。」
金さんが笑顔で口籠もると俺のたまっていた金さんに対する不満が否応なしに出てきた。
「いつも笑ってごまかすなよ。いつも、いつも、いつも、いつ~も、笑い続けるなよ。嫌なものは嫌だって言ってよ。俺の前だけでもいいからやりたくないこと笑顔で引き受けるなよ。泣きたいときは泣けよ。表情で出してくれないと、ちゃんと金さんの口から言ってくれないと分からないじゃないか!」
「風翔・・・」
まじまじと金さんの顔を正面で見るといつのも作り笑顔は消えていた。泣きそうな顔で俺に訴えてきた。
「バカ、バカ、バカ、風翔のバカ。ウチは世界を・・・多くの人を殺してきたの。そんな資格あるわけないじゃない!」
「ハンナ!」
「!」
「それがどうしたのだよ。金さんは、ハンナは実験動物なんかじゃない。双子宮で世界一有名なアイドルを目指すのだろ!難しく考えるなよ。俺がプロデュースするからさ。ただ一人、ハンナ・ノルン・金城のために。」
泣きじゃくって頬が熱い二人は立ち上がるとコタン副宮長と水戸部シモンの方を見た。
「貴様は十二宮学園を裏切るのかハンナ・ノルン・金城!アシリレラ・コタン副宮長、こいつらを始末しろ!」
コタン副宮長が一息つくと、上からにらみつけるようにうなずいた。
「分かりました。大地よ。我が力となれ!大樹木の神(シランパカムイ)!」
コタン副宮長の神々しい精霊魔法である。俺は金さんにペンダントを返そうとすると、左手をペンダントと一緒に右手で握った。
「風翔、これはウチの核石なの。だから、一緒に呪文(スペル)を唱えて。」
「コタン副宮長に敵うのか?」
「ウチ一人では無理だけど、『ユニゾン』をしよう。前例はある。風翔も風の民の末裔なのだから。ウチに勇気をくれたのは風翔だから、力を貸して。」
「『ユニゾン』?」
五月二十八日
流れ込んできた金さんの記憶は俺の知らない『世界大戦』を脳に焼き付けた。
「金さん・・・ここは何処だ?」
周りを見渡すと水無瀬家の別荘だった。しかし、俺以外誰も居ない。別荘を出て美瑛の街に走り出たが人が一人も居ない。確実に前の世界とは違う。元からそんな世界は無かったと確信した。すべて俺が理想に思っていた幻想のようなものだ。しかし、この幻想からどうやって抜け出せば良いのだろうか?魔法使いではない俺に何ができるのだ・・・。すべて放り投げてしまおうと考えた。金さんが望んでいるならば仕方が無い。諦めて左手をポケットに突っ込むと何かが指先に当たった。ペンダントだ。しかし、光ってもいないし、輝きのない汚い薄茶色である。このペンダントは結局、何なのだろう?五月の寒い北海道の風が吹き始めた。誰もいない一人ぼっちの世界というのは俺が望んでいた世界なのだろうか。これで屋内ゲーム三昧の毎日で、誰にも叱られることは無い。食事も適当にコンビニ行けばいい。街のスーパーの店内には一生働かなくても生きていけるだけの食料と生活必需品がある。こんな俺にとって理想な世界は無い。しかし、急に込み上げてくるものがあった。
「寂しいよ!金さん、何処行っちゃったのさ!こんなの間違っているよ!金さんのこと忘れられないよ!」
思いっ切り空に向かって大声を張り上げた。すると青い空に大きなひびが入った。
「へ?」
状況をうまく説明できないが空のひび割れは次第に大きくなり聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「三江、まだ死んでおらんか。」
「コタン副宮長!」
傷だらけのコタン副宮長は大太刀の虎杖丸を担いで俺の元に降りてきた。
「すまん。オーディンをぶっ倒すのに時間がかかってしまった。神風と水無瀬副宮長は何処だ?」
「わかりません。自分一人で・・・」
周りの景色がすべて粉々に砕け散っていくとそこは見覚えのある棟の最上階の大きな広間だった。ここはイデアルの電波塔の最上階のようだ。
「ハヤテ!水無瀬!」
叫んで呼んでみた。ここにはいないようだ。
「コタン副宮長はどうやってここに来たのですか?」
「おぬしの持っているペンダントの魔力を感じて来た。神風と水無瀬副宮長の魔力は感じられないな。」
「きっとまだ金さんの魔法にかかったままなのだ。金さんを見つけないと。」
「この電波塔へ案内してくれたのに、ペンダントは光っておらんのう。」
「案内・・・光っていない・・・」
少し考えてみる。ペンダントは確かにこの電波塔の最上階を指し示していた。ここが終点ということなのだろうか。そもそもこのペンダントは何なのだろう?始業式のときに右隣にいた金さんが俺のポケットに入れたものだろう。御札の時と同じように簡単に考えるのだ。金さんが俺に理解できない難しいことを考えているはずがない。
「コタン副宮長、この空間を虎杖丸で斬ってくれますか?」
「どういうことじゃ?」
「きっと、このペンダントは金さんの核石だと思います。金さんの居る場所を指し示していると思います。」
「今は光っておらんが?」
「はい。だから、俺達がいるここに金さんが居るのでは?」
「ハンナは記憶改竄できるからか?」
「そうです。ここら辺にいるのでは?」
そう言って俺は目の前の何も見えない空間を左手で擦ってみた。
「まどろっこしい!ワシがこいつで空間を切り裂いてやる!」
コタン副宮長は全方位に魔方陣を展開させて虎杖丸を振りかざした。強大な魔力である。すると聞き覚えのある不気味な声が聞こえた。
「待つのだ。アシリレラ・コタン副宮長。」
すると目の前に水戸部シモンが現われた。どうもこいつは十二宮学園の魔法学部に関係しているようだが信用できない奴なのは間違いない。シスカ先生を殺したのもこいつなのではないだろうかと思う。
「お前は一体何がしたいのだ?」
「こやつは誰じゃ?」
「お初にお目にかかります。アシリレラ・コタン白羊宮副宮長。私は水戸部シモンと申します。あなたならば魔法に関する重要な関係者。精霊のパラケルススと言えば分かりますか?」
「そなたが・・・」
突然。コタン副宮長の表情が険しくなった。怯えているようだが、強い意志で平然を装っている。
「コタン副宮長、パラケルススって何ですか?こいつは金さんの両親を殺しています。許せる相手ではないです!」
「・・・」
「おっと、エレメンタルクラスのあなたはこの言葉の意味がまだ分からないでしょう。精霊魔法だけではない。魔法全体を揺るがしかねない真実を」
「辞めろ!それ以上話すとここで消すぞ!」
「ふふふ、そのエレメンタルクラスの出来損ないを守るためですか?あなたは魔法社会とその出来損ないのどっちを選ぶのですか?」
「ワシが守るものは決まっている。」
そう言うと白羊宮副宮長の階級バッジを左手で握りしめて、俺に虎杖丸の刃を向けてきた。水戸部シモンに背を向けている。
「コタン副宮長・・・何で?魔法の真実って何ですか?」
「三江、貴様は知らなくて良いことだ。」
俺は慌てて身構えた。コタン副宮長が俺に斬りかかろうとしている。以前、エールシュタットに行く列車内で金さんが俺に目で合図してくれた。それを思い出してコタン副宮長の瞳を見たが、『本気』という顔である。これはまずい。コタン副宮長と水戸部シモンが何を考えているのかサッパリ分からない。コタン副宮長に敵うはずがない。一振りで殺されてしまう。金さんのペンダントを左手で握りしめてこれで終わりだと思った。
「三江、参る。」
コタン副宮長が秒速で襲いかかってくると俺は反射的に左手でペンダントを差し出し大声を上げた。
「金さん、助けて!」
ペンダントが輝きを取り戻して目映いばかりに光放った。色のない大きな広間は金色に輝いた。コタン副宮長はすぐに距離をとった。俺の目の前に二つお団子の髪型のいつもの金さんが現われた。制服も双子宮のものである。何一つ変わらない姿だった。
「風翔!」
いつもの満面身の笑みを浮かべたその表情に俺は感極まった。そして、懐かしさのあまり涙があふれた。
「金さん・・・。金さん・・・。会いたかったよ。」
金さんが笑顔で俺を抱きしめると母親が大きな子供を諭すように言い放った。
「ごめんね、風翔。本当に風翔が助けに来てくれるって思わなかったの。言ったでしょ。風翔はウチが必ず守るって。」
俺は全身の力が抜けて、その場に泣き崩れてしまった。
「ごめん、風翔。ウチのどこかで風翔を信じてあげられなかったのかもしれない。ウチの魔法で平穏に風璃ちゃん達と暮らしている方がいいって思ったの。」
「嘘だ。金さんは俺に『助けて』ってメッセージをくれたじゃないか。あの御札の計算式の答えは金さんのメッセージだろ。」
「あれは、その・・・。」
金さんが笑顔で口籠もると俺のたまっていた金さんに対する不満が否応なしに出てきた。
「いつも笑ってごまかすなよ。いつも、いつも、いつも、いつ~も、笑い続けるなよ。嫌なものは嫌だって言ってよ。俺の前だけでもいいからやりたくないこと笑顔で引き受けるなよ。泣きたいときは泣けよ。表情で出してくれないと、ちゃんと金さんの口から言ってくれないと分からないじゃないか!」
「風翔・・・」
まじまじと金さんの顔を正面で見るといつのも作り笑顔は消えていた。泣きそうな顔で俺に訴えてきた。
「バカ、バカ、バカ、風翔のバカ。ウチは世界を・・・多くの人を殺してきたの。そんな資格あるわけないじゃない!」
「ハンナ!」
「!」
「それがどうしたのだよ。金さんは、ハンナは実験動物なんかじゃない。双子宮で世界一有名なアイドルを目指すのだろ!難しく考えるなよ。俺がプロデュースするからさ。ただ一人、ハンナ・ノルン・金城のために。」
泣きじゃくって頬が熱い二人は立ち上がるとコタン副宮長と水戸部シモンの方を見た。
「貴様は十二宮学園を裏切るのかハンナ・ノルン・金城!アシリレラ・コタン副宮長、こいつらを始末しろ!」
コタン副宮長が一息つくと、上からにらみつけるようにうなずいた。
「分かりました。大地よ。我が力となれ!大樹木の神(シランパカムイ)!」
コタン副宮長の神々しい精霊魔法である。俺は金さんにペンダントを返そうとすると、左手をペンダントと一緒に右手で握った。
「風翔、これはウチの核石なの。だから、一緒に呪文(スペル)を唱えて。」
「コタン副宮長に敵うのか?」
「ウチ一人では無理だけど、『ユニゾン』をしよう。前例はある。風翔も風の民の末裔なのだから。ウチに勇気をくれたのは風翔だから、力を貸して。」
「『ユニゾン』?」
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