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第三章第二節collapse2
狂気の発芽
夜翔配信開始の合図。
「こんばんは……夜翔です」
暗闇の中で語りかけてきた声
《は・・今日も声だけかよ》
《期待できないよね。これ1分200円かかるんだぜ?》
《俺なんて今月180000円突っ込んでるよ。腋毛と喘ぎに》
そんなコメントを見ながら翔子はほくそ笑んだ。
画面が唐突に切り替わった。
──闇の中に浮かぶふたつの肉の丘と、
ブラ越しの先端に覗く艶めいた大きな突起が視聴者の視線をさらった。
《おおおお!初めてバストラインみたぞ!でけぇ!!!》
《俺はあのバスタオル事件以来だな》
《期待していいの?これ》
《いやぁ・・・ブラだけでしょ。手ブラで終了みたいな》
そんな浅いコメントを無視して、
翔子はブラウスのボタンを1つ1つ外した。そして―
ブラを外し灯りをつけた。
シャツの隙間から覗いた乳房は、まるで供物だった。
Hカップ──
ブラウス越しに浮かび上がる乳輪と乳首。
乳輪と乳首を手で隠しながら、ブラウスを大きくはだけた。
指を1ずつ開放していく。
まるで、機械のようにゆっくりだが確実に。
全ての指先が持ち上がると、乳房が露わになった。
重力に逆らうような軟乳の丸み。
その中心に浮かぶ黒々とした乳首と、巨大な乳輪の中には、
モントゴメリー腺の粒々が艶やかに浮かんでいる。
視聴者ログには即座に文字の奔流が始まった。
視聴者数、急上昇。
《おいおいおいおい……》
《今日、ヤバくね?》
《ついに乳房きたーーー!》
《え、Hカップ!?いや、もっとあるだろこれ》
《乳首デカッッ!》
《マグカップ乳輪キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!》
《乳首黒すぎwww》
《子持ち感やばい。リアル母乳でそう》
「……どう? わたしの……おっぱい……」
夜翔は画面の向こうから視線を送るかのように、
乳首を指で摘み上げて左右に揺らし、
舌で舐め、吸い、時折喘ぎながらピンマイクに
息を吹きかけるような甘い声を漏らす。
「……見たい? もっと……近くで……?」
乳首がカメラに寄せられ、画面いっぱいに黒褐色が広がった。
濡れ光る乳輪、そのポツポツとした小さな丘、そして巨大な大粒の葡萄が
一層艶かしく浮かび上がり、そこに視聴者は熱狂した。
《キター!!乳首アップ!!乳輪もえっぐ!!》
《このポツポツなに!?いやらしすぎるんだけど!!》
《母乳出そう・・・はぁはぁ》
──翔子は、カメラの前で、ただ、乳房を弄った。
乳首をつまみ、軽く捻り、左右に揺らす。
その乳輪を舐め、吸い、唾液の筋が首筋を伝う。
「見て……わたしのおっぱい……どう? 大きすぎる?」
「乳首、アップで見たい?」
「母乳出たら……飲んでくれる……?」
息遣いと喘ぎが激しくなっていく。
「見て、わたしのおっぱい・・・弄って。吸って。虐めて」
「あっ……ぁ、うんっ……」
「んんっ……はぁ、ん、あぁ……そこ……ぃいっ」
視聴者数がさらに跳ねる。
「ああああ、乳首イイ!子宮にきちゃう!ズンズンって」
「イキそう!乳首で逝っちゃいそう」
「ダメ!我慢できない!乳首壊して欲しい!」
「イクイクイクイクイク!!!!!イクゥ――――――!」
乳首で絶頂を迎えた翔子。
初めて、人前で乳首イキ姿を晒した快感
だが、顔は見せない。
目は、絶対に晒さない。
女性器──一瞬たりとも、映さない。
翌日。
翔子は夜翔としてまた配信した。
乳房に加えて、
画面の外から、夜翔の指が腋元に伸び、腋毛を掻き分け、
鼻先で擦り、そこへ舌を這わせる。
ざらついた音、濡れる音がマイクに拾われ、コメント欄は再び激震する。
「あぁ・・・腋の匂い・・臭い・・・」
「この腋毛舐めたい?」
《腋毛エロいわ……色っぽい》
《乳首と腋毛のコラボ凄すぎ》
《腋毛に舌這わせるのやばすぎ!!》
《完全に狂ってる(褒め言葉)》
《え、今グチュって音したよね?濡れてんの?〉
翔子は更に煽るために、
少しだけ陰毛の端が見えるようにカメラを動かした
《オイオイオイ!ちょい陰毛見えたぞ今!?》
《剛毛wwwww》
しかし──その熱狂の中、ひとつのアカウントからのコメントが突如現れる。
《見せて!お願い!マンコも顔も!》
《いい加減顔見せろよ》
《乳首ばっかで飽きるわ。どうせ顔ブスなんだろ?》
《オマンコまで見せろって。萎えるわ》
《顔……顔も見せて!!》
《顔!顔!!マンコ!!》
《マンコ!!!マンコ!!見せろよ!金払ってるんだ!こっちは》
「……残念ね」
クリック音が響き、画面がブラックアウトした。
──視聴者騒然。
《おい!おい!おい!切るなよ!》
《てめぇ誰だよ、「見せろ」ってコメ連投してたやつ!!》
《それで落ちたんだよ、責任取れや!!》
《ふざけんな、お前のせいで女神帰っちゃったじゃん!!》
《晒せ、そいつのアカウント!!》
怒りは、“誰か”へと向かいはじめていた。
あるアカウントから連投されていたコメント
「見せろ」「マンコ見せろ」「顔を出せ」──
それを書いたアカウントだけが、なぜか異様なほど注目された。
次の配信でも、翔子は乳房を晒した。
乳首は濡れ、喘ぎ声も生々しく、腋毛には唾を垂らして舐めた。
乳首イキで果てる翔子。
その瞬間、またも、あのコメントが現れた。
以前に現れたアカウントはブロックした。
それなのにまた現れる。
(ストーカー?)
翔子は半笑いでそのコメントを見つめる。
《顔、少しだけでも見せろ!!》
《マンコちょっとだけでも魅せてくれ!》
だが、またもその刹那──画面が、ブラックアウトした。
「……命令、されるのって……ほんと、萎えるの」
闇の中でその声だけが響いた後、配信はぷつりと途切れた。
コメント欄には困惑と怒号、
そして再び特定の存在への怒りが溢れかえる。
《……また、あいつのせいか?》
《てめぇマジで空気読めや》
《まじムカつくんだけど、誰だよあの野郎》
《は? なんで落ちた?》
《おい、またあのジジイじゃね?》
《垢変えてまた入り込んでたって噂のあいつか?》
《くっそ……俺たちの女神が……》
《夜翔様に命令とかマジ頭おかしい。萎えるのはこっちだわ》
次の夜、また夜翔は配信した。
半ば快楽のために、半ば煽るために、
半ば魅せたいのに見せないフラストレーションという起爆剤のために
腋毛。
乳房。
乳輪と乳首を弄りながら、舌を絡ませるようにして乳輪を這わせる。
《あああああ……》
《やばい、もうダメ……》
《お願い、顔だけでも……》
《今度こそ……マ〇コ……》
──パチン。
ブラックアウト。
《また切った!!!》
《誰だよ、「顔見せて」とかコメントしてたやつ!!!》
《てめぇまたかよ!!!》
《垢割って住所特定してやろうか?糞ジジイ!》
怒号が、ネットの海に広がる。
だが、その光景を
翔子は、ベッドの上で、ほくそ笑んで見ていた。
と同時に自分自身へのフラストレーションの極大化へと繋がっていた。
(欲しがらせて──満たさない)
(魅せたいのに──見せない)
(それが、いちばん“効く” ──彼らにも私自身にも)
彼女は既に、“夜翔”という神に成り代わっていた。
魅せるのは彼女の自由。
欲望を与えるのも、奪うのも、彼女の意志。
「わたしは女神だ」
その頃──とある部屋。
男はPCの前で固まっていた。
以前のアカウントはブロックされた。
でも、再登録した新しいアカウントがブロックされた通知もない。
ただ──画面が落ちた。
自分のコメントが原因だと、分かっていた。
──見せなかったのは、女神の自由。
だが、俺は・・・・
彼は、ただ“見たい”だけだった。
それだけだったのに──
夜翔は見せてくれず、視聴者は彼を憎みはじめた。
画面の端には、「次回配信:未定」とだけ表示されていた。
彼の中で、何かが崩れた。
夜翔は、絶対に八神翔子だ。
確証はない。だが、彼の直感は「間違いない」という確信に満ちていた。
朝、昼、夕方・・翔子とすれ違う。
朝の翔子は、明るく「おはようございます」と声掛けしてくれた。
昼間の翔子は、ニッコリマートで制服に身を包み、優しく笑っていた。
夕方の翔子は、少し疲れた顔でも、丁寧にお辞儀してくれた。
──それが、たまらなかった。
(なんで、見せてくれないんだ……)
男は──壊れかけていた。
「こんにちは……」
八神家の前を通りかかるたび、翔子が笑顔で挨拶してくる。
──それが、たまらなかった。
夜には女神として乳首を晒し、昼には無垢な微笑を向ける──
おそらく自分だけが、その両面を知っている。
(俺だけが知っている翔子がいるのに、俺だけが知らない翔子もいる……)
(……他の奴らが知っていて……
俺が知らない翔子がいるのが耐えられない‥…)
拳が震え、目の奥が熱を帯びていく。
視聴者からは追い詰められ、夜翔には拒絶され、
日常では笑顔の翔子が「こんにちは」と声をかけてくる──
その乖離に、男の理性は焼け落ちかけていた。
男はフードを被り、外に出た。
ポストに投函された物を届けるために──
あの家の前を通る必要がある。
彼の足は、意識よりも先に、ゆっくりと八神家の方角へ向いていた。
まもなく、その“男”は、八神家の玄関にたどり着く。
それが、地獄への合図になる。
「こんばんは……夜翔です」
暗闇の中で語りかけてきた声
《は・・今日も声だけかよ》
《期待できないよね。これ1分200円かかるんだぜ?》
《俺なんて今月180000円突っ込んでるよ。腋毛と喘ぎに》
そんなコメントを見ながら翔子はほくそ笑んだ。
画面が唐突に切り替わった。
──闇の中に浮かぶふたつの肉の丘と、
ブラ越しの先端に覗く艶めいた大きな突起が視聴者の視線をさらった。
《おおおお!初めてバストラインみたぞ!でけぇ!!!》
《俺はあのバスタオル事件以来だな》
《期待していいの?これ》
《いやぁ・・・ブラだけでしょ。手ブラで終了みたいな》
そんな浅いコメントを無視して、
翔子はブラウスのボタンを1つ1つ外した。そして―
ブラを外し灯りをつけた。
シャツの隙間から覗いた乳房は、まるで供物だった。
Hカップ──
ブラウス越しに浮かび上がる乳輪と乳首。
乳輪と乳首を手で隠しながら、ブラウスを大きくはだけた。
指を1ずつ開放していく。
まるで、機械のようにゆっくりだが確実に。
全ての指先が持ち上がると、乳房が露わになった。
重力に逆らうような軟乳の丸み。
その中心に浮かぶ黒々とした乳首と、巨大な乳輪の中には、
モントゴメリー腺の粒々が艶やかに浮かんでいる。
視聴者ログには即座に文字の奔流が始まった。
視聴者数、急上昇。
《おいおいおいおい……》
《今日、ヤバくね?》
《ついに乳房きたーーー!》
《え、Hカップ!?いや、もっとあるだろこれ》
《乳首デカッッ!》
《マグカップ乳輪キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!》
《乳首黒すぎwww》
《子持ち感やばい。リアル母乳でそう》
「……どう? わたしの……おっぱい……」
夜翔は画面の向こうから視線を送るかのように、
乳首を指で摘み上げて左右に揺らし、
舌で舐め、吸い、時折喘ぎながらピンマイクに
息を吹きかけるような甘い声を漏らす。
「……見たい? もっと……近くで……?」
乳首がカメラに寄せられ、画面いっぱいに黒褐色が広がった。
濡れ光る乳輪、そのポツポツとした小さな丘、そして巨大な大粒の葡萄が
一層艶かしく浮かび上がり、そこに視聴者は熱狂した。
《キター!!乳首アップ!!乳輪もえっぐ!!》
《このポツポツなに!?いやらしすぎるんだけど!!》
《母乳出そう・・・はぁはぁ》
──翔子は、カメラの前で、ただ、乳房を弄った。
乳首をつまみ、軽く捻り、左右に揺らす。
その乳輪を舐め、吸い、唾液の筋が首筋を伝う。
「見て……わたしのおっぱい……どう? 大きすぎる?」
「乳首、アップで見たい?」
「母乳出たら……飲んでくれる……?」
息遣いと喘ぎが激しくなっていく。
「見て、わたしのおっぱい・・・弄って。吸って。虐めて」
「あっ……ぁ、うんっ……」
「んんっ……はぁ、ん、あぁ……そこ……ぃいっ」
視聴者数がさらに跳ねる。
「ああああ、乳首イイ!子宮にきちゃう!ズンズンって」
「イキそう!乳首で逝っちゃいそう」
「ダメ!我慢できない!乳首壊して欲しい!」
「イクイクイクイクイク!!!!!イクゥ――――――!」
乳首で絶頂を迎えた翔子。
初めて、人前で乳首イキ姿を晒した快感
だが、顔は見せない。
目は、絶対に晒さない。
女性器──一瞬たりとも、映さない。
翌日。
翔子は夜翔としてまた配信した。
乳房に加えて、
画面の外から、夜翔の指が腋元に伸び、腋毛を掻き分け、
鼻先で擦り、そこへ舌を這わせる。
ざらついた音、濡れる音がマイクに拾われ、コメント欄は再び激震する。
「あぁ・・・腋の匂い・・臭い・・・」
「この腋毛舐めたい?」
《腋毛エロいわ……色っぽい》
《乳首と腋毛のコラボ凄すぎ》
《腋毛に舌這わせるのやばすぎ!!》
《完全に狂ってる(褒め言葉)》
《え、今グチュって音したよね?濡れてんの?〉
翔子は更に煽るために、
少しだけ陰毛の端が見えるようにカメラを動かした
《オイオイオイ!ちょい陰毛見えたぞ今!?》
《剛毛wwwww》
しかし──その熱狂の中、ひとつのアカウントからのコメントが突如現れる。
《見せて!お願い!マンコも顔も!》
《いい加減顔見せろよ》
《乳首ばっかで飽きるわ。どうせ顔ブスなんだろ?》
《オマンコまで見せろって。萎えるわ》
《顔……顔も見せて!!》
《顔!顔!!マンコ!!》
《マンコ!!!マンコ!!見せろよ!金払ってるんだ!こっちは》
「……残念ね」
クリック音が響き、画面がブラックアウトした。
──視聴者騒然。
《おい!おい!おい!切るなよ!》
《てめぇ誰だよ、「見せろ」ってコメ連投してたやつ!!》
《それで落ちたんだよ、責任取れや!!》
《ふざけんな、お前のせいで女神帰っちゃったじゃん!!》
《晒せ、そいつのアカウント!!》
怒りは、“誰か”へと向かいはじめていた。
あるアカウントから連投されていたコメント
「見せろ」「マンコ見せろ」「顔を出せ」──
それを書いたアカウントだけが、なぜか異様なほど注目された。
次の配信でも、翔子は乳房を晒した。
乳首は濡れ、喘ぎ声も生々しく、腋毛には唾を垂らして舐めた。
乳首イキで果てる翔子。
その瞬間、またも、あのコメントが現れた。
以前に現れたアカウントはブロックした。
それなのにまた現れる。
(ストーカー?)
翔子は半笑いでそのコメントを見つめる。
《顔、少しだけでも見せろ!!》
《マンコちょっとだけでも魅せてくれ!》
だが、またもその刹那──画面が、ブラックアウトした。
「……命令、されるのって……ほんと、萎えるの」
闇の中でその声だけが響いた後、配信はぷつりと途切れた。
コメント欄には困惑と怒号、
そして再び特定の存在への怒りが溢れかえる。
《……また、あいつのせいか?》
《てめぇマジで空気読めや》
《まじムカつくんだけど、誰だよあの野郎》
《は? なんで落ちた?》
《おい、またあのジジイじゃね?》
《垢変えてまた入り込んでたって噂のあいつか?》
《くっそ……俺たちの女神が……》
《夜翔様に命令とかマジ頭おかしい。萎えるのはこっちだわ》
次の夜、また夜翔は配信した。
半ば快楽のために、半ば煽るために、
半ば魅せたいのに見せないフラストレーションという起爆剤のために
腋毛。
乳房。
乳輪と乳首を弄りながら、舌を絡ませるようにして乳輪を這わせる。
《あああああ……》
《やばい、もうダメ……》
《お願い、顔だけでも……》
《今度こそ……マ〇コ……》
──パチン。
ブラックアウト。
《また切った!!!》
《誰だよ、「顔見せて」とかコメントしてたやつ!!!》
《てめぇまたかよ!!!》
《垢割って住所特定してやろうか?糞ジジイ!》
怒号が、ネットの海に広がる。
だが、その光景を
翔子は、ベッドの上で、ほくそ笑んで見ていた。
と同時に自分自身へのフラストレーションの極大化へと繋がっていた。
(欲しがらせて──満たさない)
(魅せたいのに──見せない)
(それが、いちばん“効く” ──彼らにも私自身にも)
彼女は既に、“夜翔”という神に成り代わっていた。
魅せるのは彼女の自由。
欲望を与えるのも、奪うのも、彼女の意志。
「わたしは女神だ」
その頃──とある部屋。
男はPCの前で固まっていた。
以前のアカウントはブロックされた。
でも、再登録した新しいアカウントがブロックされた通知もない。
ただ──画面が落ちた。
自分のコメントが原因だと、分かっていた。
──見せなかったのは、女神の自由。
だが、俺は・・・・
彼は、ただ“見たい”だけだった。
それだけだったのに──
夜翔は見せてくれず、視聴者は彼を憎みはじめた。
画面の端には、「次回配信:未定」とだけ表示されていた。
彼の中で、何かが崩れた。
夜翔は、絶対に八神翔子だ。
確証はない。だが、彼の直感は「間違いない」という確信に満ちていた。
朝、昼、夕方・・翔子とすれ違う。
朝の翔子は、明るく「おはようございます」と声掛けしてくれた。
昼間の翔子は、ニッコリマートで制服に身を包み、優しく笑っていた。
夕方の翔子は、少し疲れた顔でも、丁寧にお辞儀してくれた。
──それが、たまらなかった。
(なんで、見せてくれないんだ……)
男は──壊れかけていた。
「こんにちは……」
八神家の前を通りかかるたび、翔子が笑顔で挨拶してくる。
──それが、たまらなかった。
夜には女神として乳首を晒し、昼には無垢な微笑を向ける──
おそらく自分だけが、その両面を知っている。
(俺だけが知っている翔子がいるのに、俺だけが知らない翔子もいる……)
(……他の奴らが知っていて……
俺が知らない翔子がいるのが耐えられない‥…)
拳が震え、目の奥が熱を帯びていく。
視聴者からは追い詰められ、夜翔には拒絶され、
日常では笑顔の翔子が「こんにちは」と声をかけてくる──
その乖離に、男の理性は焼け落ちかけていた。
男はフードを被り、外に出た。
ポストに投函された物を届けるために──
あの家の前を通る必要がある。
彼の足は、意識よりも先に、ゆっくりと八神家の方角へ向いていた。
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