13 / 23
13
しおりを挟む
嵐のような相手にリヴンはなにも言い返せなかった。隣のエウェンを見れば、エウェンの唇は硬く引き結ばれ、蔓草の髪もダラッとして元気がない。
聞きたいことは山ほどある。けれど、今はエウェンを元気づけたかった。
「ちょっと寄りたいところがあるんだけど、いいか?」
エウェンが小さく頷いた。どうやら声を出す元気もないらしい。
エウェンの手をしっかり握り、通りから外れた路地に入る。そのまま足を進めれば、舗装された道が途切れ、むき出しの土の道があらわになる。
足元は少しずつ野生のハーブが増えてきて、ひときわ幹の太い木が見えてきた。エウェンの手を引きながら木の裏に回った。
生い茂っている茂みをかき分ければ、そこには男二人でも体育座りで入れるくらいの大きな洞があった。そこへ並んで腰を下ろすと、膝を抱え込み、黙り込んでいるエウェンへ声をかけた。
「ここは、ケリックにも教えてない……俺の秘密の隠れ家なんだ」
ふっと短く息を吐く。空いている片手で片膝を抱えると、エウェンが相づちを打つ前に続けた。
「お前は俺に弟がいるのを知ってたから、俺の家庭事情もたぶん知ってるだろ。俺が十一の時、それぞれ連れ子がいる状態で再婚したんだ。でも、昔の俺は……再婚してほしくなかった」
今でこそ二人の関係を認めている。
けれど、当時は違った。初対面でもリヴンを実の息子のように優しく接してくれた穏やかな男とはいえ、見知らぬ男に母を取られ、母が自分を捨てるのではと言う不安と寂しさと恐怖でいっぱいだった。同時に母の、母ではない部分を見せられた気持ち悪さもあった。
「知らない男を今日から父親と思えなんて無理だし、母さんの『女』の部分を見ちゃった感じが、本当に無理でさ。でも、母さんが父さんに向ける笑顔は俺の時とは違う輝きもあって……」
灰の中の空気を押し出すように深いため息をつく。エウェンの手をそっと握り、目の前に茂っている青草を眺めながら続けた。
「母さんが苦労しているのも知ってた。親父が病気で死んで以来、母さんは俺を心配させないようにしてた。きっと何度も親父がいたらって思うときがあったと思う」
母は決してリヴンの前では苦労した姿を見せなかった。疲れていても、元気だというようなハツラツとした笑顔を浮かべていた。それが、リヴンにとってどうしようもなくつらかった。
だが、幼い自分になにができただろう。当時の無力感を思い出して、片膝を抱えていた手を力強く握りしめる。けれど、すぐにその力を抜いた。
「だから、母さんの心を支えてくれる人が増えたのも嬉しかった。でも、母さんが取られたみたいで怖くて、くやしくて。けど、母さんの幸せを邪魔したくなくてさ。なんとか心の整理をしたくて……。それで、一人で考えられる場所を探してたら、ここを見つけたんだ」
そこまで話した後、わざわざ話す内容じゃなかった気がしてきた。
エウェンの手にぎこちなく指を絡めれば、エウェンの肩が跳ねた。ためらいがちに両膝を抱えているエウェンに体をくっつけ、顔をのぞき込む。
「なあ、その。キス……していいか」
エウェンの勇気づける方法をこれ以外知らないし、わからない。
いきなりするのは失礼だと思って、聞いたものの恥ずかしくなってきた。しかし、エウェンには効果があったようだ。ずっとリヴンと目を合わせないように伏せていた目蓋を持ち上げ、リヴンを映した。
ついで細い眉を下げて、力なく笑った。
「キスより僕に聞きたいことがあるんじゃないの?」
「そりゃ、たくさんあるけど………、今はお前とキスしたい」
握っている手に力を込め、そっとエウェンの額に額を当てる。そうすれば、エウェンの緑おびた肌に白さが戻ってくる。それどころか、蜂蜜色に染まり淡く輝くほどだ。
琥珀色の瞳を潤ませながらエウェンが引き結んでいた唇を緩めた。それを合図に片膝を抱えていた手を解き、そっとエウェンの頬へ添えた。
「じゃ、じゃあ。キス、するからな」
「うん……」
緊張して心臓が破けそうだ。エウェンの柔らかな頬を撫でながら、そっと顔を寄せる。しっとりと弾力のある唇に重ねれば、吸い付いてきて心地がいい。
握っている手がもどかしくて、ぎこちなく指を絡めれば、ぴくっとエウェンの体が跳ねた。それでもまだ物足りない。頬へ添えていた手をエウェンの体に回し、思いっきり胸の中へ抱き寄せる。
キスをしたものの、どうすればいいかわからなかった舌をためらいがちに伸ばし、エウェンの舌をそっと撫でてみた。
「んぅ」
鼻にかかった声を聞いた瞬間、頭だけでなく体が熱くなっていく。もう一度エウェンの舌を舌で撫でれば、腕の中にあるエウェンが体を小さくよじらせる。それを制するように覆い被さった。すると、エウェンがすがるように絡めている手を握りしめてくる。
一度唇を離せば、互いの唇の間に糸が引いた。興奮で荒れる息をなんとか抑え、数秒見つめ合う。先に沈黙を破ったのはエウェンだった。
「リヴくん、その」
リヴンを見上げるものの、開きかけた口を閉ざし、目を伏せてしまう。リヴンには、エウェンがなにを言おうとしているのかがわかった。
けれど、エウェンの顔は再び緑が濃く、伏せられた睫毛が小さく震えている。痛みに耐えるようにきつく寄せられた眉間に唇を押し当てる。
「無理して話さなくていい」
「でも、リヴくんはアランの言葉が気になるんでしょ? そのくらい僕だってわかるよ。それにリヴくんだって、過去を話してくれたしさ。大丈夫、僕の過去なんてたいした内容じゃないし……」
エウェンが口元を歪め、投げやりに笑う。
エウェンの言うとおり、本音は気になる。アランの思わせぶりな言動は、明らかにエウェンの深いところに繋がっている。そして、エウェンはきっとそれをリヴンにさらけ出そうと勇気をかき集めている。
だが、リヴンにとってそれは誠実さではなく、やっと塞がったカサブタを無理矢理剥がそうとする自傷に見えた。
「話さなくていいって言ってるだろ」
あまりにも痛ましい姿に、リヴンは力いっぱいエウェンを抱きしめた。そうすれば、エウェンの目がこれでもかと見開かれる。ついですがるようにエウェンの片手が服を握りしめてくる。
押し殺した声音が洞の中で響き、湿っぽさが肩に染みこんでくる。
「ごめん、リヴくん。リヴくんみたいにうまく話せなくて、ごめんね」
「気にすんな。俺だってうまく話せてないし。お前が吐き出したくなるまで待つから」
背中をさすってやれば、エウェンが「ありがとう」と涙声で呟く。
日が沈み、鬱蒼と暗くなる頃、エウェンは落ち着いたようだ。真っ暗な目の前に、ふふっとエウェンの笑い声が響く。
「すっかり暗くなっちゃったね」
「だな。けど、道はわかるから安心しろ」
小さい頃から通っていた場所だ。自信満々に答えるが、柔らかな光が目の前を照らした。
「それでも、危ないから明かりはつけていこうね」
現れた光球は柔らかな明かりを放っていた。魔物は自然と密接しているとはいえ、つくづくエウェンは器用だ。
「お前って、魔法得意なんだな。やっぱり魔物だから?」
「僕は必要最低限な魔法に特化してるだけだよ」
立ち上がったエウェンに手を引っ張られて立ち上がる。
光球が柔らかく照らす道を並んで進むと、エウェンが不意に告げてきた。
「リヴくん、ありがとう」
「……どういたしまして」
エウェンの心情はどうあれ、耳に届いたエウェンの声はすっかりいつもの飄々とした空気をまとっていた。その事実に、リヴンは誇らしさと甘さが胸に滲むのを感じた。
聞きたいことは山ほどある。けれど、今はエウェンを元気づけたかった。
「ちょっと寄りたいところがあるんだけど、いいか?」
エウェンが小さく頷いた。どうやら声を出す元気もないらしい。
エウェンの手をしっかり握り、通りから外れた路地に入る。そのまま足を進めれば、舗装された道が途切れ、むき出しの土の道があらわになる。
足元は少しずつ野生のハーブが増えてきて、ひときわ幹の太い木が見えてきた。エウェンの手を引きながら木の裏に回った。
生い茂っている茂みをかき分ければ、そこには男二人でも体育座りで入れるくらいの大きな洞があった。そこへ並んで腰を下ろすと、膝を抱え込み、黙り込んでいるエウェンへ声をかけた。
「ここは、ケリックにも教えてない……俺の秘密の隠れ家なんだ」
ふっと短く息を吐く。空いている片手で片膝を抱えると、エウェンが相づちを打つ前に続けた。
「お前は俺に弟がいるのを知ってたから、俺の家庭事情もたぶん知ってるだろ。俺が十一の時、それぞれ連れ子がいる状態で再婚したんだ。でも、昔の俺は……再婚してほしくなかった」
今でこそ二人の関係を認めている。
けれど、当時は違った。初対面でもリヴンを実の息子のように優しく接してくれた穏やかな男とはいえ、見知らぬ男に母を取られ、母が自分を捨てるのではと言う不安と寂しさと恐怖でいっぱいだった。同時に母の、母ではない部分を見せられた気持ち悪さもあった。
「知らない男を今日から父親と思えなんて無理だし、母さんの『女』の部分を見ちゃった感じが、本当に無理でさ。でも、母さんが父さんに向ける笑顔は俺の時とは違う輝きもあって……」
灰の中の空気を押し出すように深いため息をつく。エウェンの手をそっと握り、目の前に茂っている青草を眺めながら続けた。
「母さんが苦労しているのも知ってた。親父が病気で死んで以来、母さんは俺を心配させないようにしてた。きっと何度も親父がいたらって思うときがあったと思う」
母は決してリヴンの前では苦労した姿を見せなかった。疲れていても、元気だというようなハツラツとした笑顔を浮かべていた。それが、リヴンにとってどうしようもなくつらかった。
だが、幼い自分になにができただろう。当時の無力感を思い出して、片膝を抱えていた手を力強く握りしめる。けれど、すぐにその力を抜いた。
「だから、母さんの心を支えてくれる人が増えたのも嬉しかった。でも、母さんが取られたみたいで怖くて、くやしくて。けど、母さんの幸せを邪魔したくなくてさ。なんとか心の整理をしたくて……。それで、一人で考えられる場所を探してたら、ここを見つけたんだ」
そこまで話した後、わざわざ話す内容じゃなかった気がしてきた。
エウェンの手にぎこちなく指を絡めれば、エウェンの肩が跳ねた。ためらいがちに両膝を抱えているエウェンに体をくっつけ、顔をのぞき込む。
「なあ、その。キス……していいか」
エウェンの勇気づける方法をこれ以外知らないし、わからない。
いきなりするのは失礼だと思って、聞いたものの恥ずかしくなってきた。しかし、エウェンには効果があったようだ。ずっとリヴンと目を合わせないように伏せていた目蓋を持ち上げ、リヴンを映した。
ついで細い眉を下げて、力なく笑った。
「キスより僕に聞きたいことがあるんじゃないの?」
「そりゃ、たくさんあるけど………、今はお前とキスしたい」
握っている手に力を込め、そっとエウェンの額に額を当てる。そうすれば、エウェンの緑おびた肌に白さが戻ってくる。それどころか、蜂蜜色に染まり淡く輝くほどだ。
琥珀色の瞳を潤ませながらエウェンが引き結んでいた唇を緩めた。それを合図に片膝を抱えていた手を解き、そっとエウェンの頬へ添えた。
「じゃ、じゃあ。キス、するからな」
「うん……」
緊張して心臓が破けそうだ。エウェンの柔らかな頬を撫でながら、そっと顔を寄せる。しっとりと弾力のある唇に重ねれば、吸い付いてきて心地がいい。
握っている手がもどかしくて、ぎこちなく指を絡めれば、ぴくっとエウェンの体が跳ねた。それでもまだ物足りない。頬へ添えていた手をエウェンの体に回し、思いっきり胸の中へ抱き寄せる。
キスをしたものの、どうすればいいかわからなかった舌をためらいがちに伸ばし、エウェンの舌をそっと撫でてみた。
「んぅ」
鼻にかかった声を聞いた瞬間、頭だけでなく体が熱くなっていく。もう一度エウェンの舌を舌で撫でれば、腕の中にあるエウェンが体を小さくよじらせる。それを制するように覆い被さった。すると、エウェンがすがるように絡めている手を握りしめてくる。
一度唇を離せば、互いの唇の間に糸が引いた。興奮で荒れる息をなんとか抑え、数秒見つめ合う。先に沈黙を破ったのはエウェンだった。
「リヴくん、その」
リヴンを見上げるものの、開きかけた口を閉ざし、目を伏せてしまう。リヴンには、エウェンがなにを言おうとしているのかがわかった。
けれど、エウェンの顔は再び緑が濃く、伏せられた睫毛が小さく震えている。痛みに耐えるようにきつく寄せられた眉間に唇を押し当てる。
「無理して話さなくていい」
「でも、リヴくんはアランの言葉が気になるんでしょ? そのくらい僕だってわかるよ。それにリヴくんだって、過去を話してくれたしさ。大丈夫、僕の過去なんてたいした内容じゃないし……」
エウェンが口元を歪め、投げやりに笑う。
エウェンの言うとおり、本音は気になる。アランの思わせぶりな言動は、明らかにエウェンの深いところに繋がっている。そして、エウェンはきっとそれをリヴンにさらけ出そうと勇気をかき集めている。
だが、リヴンにとってそれは誠実さではなく、やっと塞がったカサブタを無理矢理剥がそうとする自傷に見えた。
「話さなくていいって言ってるだろ」
あまりにも痛ましい姿に、リヴンは力いっぱいエウェンを抱きしめた。そうすれば、エウェンの目がこれでもかと見開かれる。ついですがるようにエウェンの片手が服を握りしめてくる。
押し殺した声音が洞の中で響き、湿っぽさが肩に染みこんでくる。
「ごめん、リヴくん。リヴくんみたいにうまく話せなくて、ごめんね」
「気にすんな。俺だってうまく話せてないし。お前が吐き出したくなるまで待つから」
背中をさすってやれば、エウェンが「ありがとう」と涙声で呟く。
日が沈み、鬱蒼と暗くなる頃、エウェンは落ち着いたようだ。真っ暗な目の前に、ふふっとエウェンの笑い声が響く。
「すっかり暗くなっちゃったね」
「だな。けど、道はわかるから安心しろ」
小さい頃から通っていた場所だ。自信満々に答えるが、柔らかな光が目の前を照らした。
「それでも、危ないから明かりはつけていこうね」
現れた光球は柔らかな明かりを放っていた。魔物は自然と密接しているとはいえ、つくづくエウェンは器用だ。
「お前って、魔法得意なんだな。やっぱり魔物だから?」
「僕は必要最低限な魔法に特化してるだけだよ」
立ち上がったエウェンに手を引っ張られて立ち上がる。
光球が柔らかく照らす道を並んで進むと、エウェンが不意に告げてきた。
「リヴくん、ありがとう」
「……どういたしまして」
エウェンの心情はどうあれ、耳に届いたエウェンの声はすっかりいつもの飄々とした空気をまとっていた。その事実に、リヴンは誇らしさと甘さが胸に滲むのを感じた。
0
あなたにおすすめの小説
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
オメガなのにムキムキに成長したんだが?
未知 道
BL
オメガという存在は、庇護欲が湧く容姿に成長する。
なのに俺は背が高くてムキムキに育ってしまい、周囲のアルファから『間違っても手を出したくない』と言われたこともある。
お見合いパーティーにも行ったが、あまりに容姿重視なアルファ達に「ざっけんじゃねー!! ヤルことばかりのくそアルファ共がぁああーーー!!」とキレて帰り、幼なじみの和紗に愚痴を聞いてもらう始末。
発情期が近いからと、帰りに寄った病院で判明した事実に、衝撃と怒りが込み上げて――。
※攻めがけっこうなクズです。でも本人はそれに気が付いていないし、むしろ正当なことだと思っています。
同意なく薬を服用させる描写がありますので、不快になる方はブラウザバックをお願いします。
異世界オークションで売られた俺、落札したのは昔助けた狼でした
うんとこどっこいしょ
BL
異世界の闇オークションで商品として目覚めた青年・アキラ。
獣人族たちに値踏みされ、競りにかけられる恐怖の中、彼を千枚の金貨で落札したのは、銀灰色の髪を持つ狼の獣人・ロウだった。
怯えるアキラに、ロウは思いがけない言葉を告げる。
「やっと会えた。お前は俺の命の恩人だ」
戸惑うアキラの脳裏に蘇るのは、かつて雨の日に助けた一匹の子狼との記憶。
獣人世界を舞台に、命の恩人であるアキラと、一途に想い続けた狼獣人が紡ぐ、執着と溺愛の異世界BLロマンス。
第一章 完結
第二章 完結
劣等アルファは最強王子から逃げられない
東
BL
リュシアン・ティレルはアルファだが、オメガのフェロモンに気持ち悪くなる欠陥品のアルファ。そのことを周囲に隠しながら生活しているため、異母弟のオメガであるライモントに手ひどい態度をとってしまい、世間からの評判は悪い。
ある日、気分の悪さに逃げ込んだ先で、ひとりの王子につかまる・・・という話です。
愛人は嫌だったので別れることにしました。
伊吹咲夜
BL
会社の先輩である健二と達哉は、先輩・後輩の間柄であり、身体の関係も持っていた。そんな健二のことを達哉は自分を愛してくれている恋人だとずっと思っていた。
しかし健二との関係は身体だけで、それ以上のことはない。疑問に思っていた日、健二が結婚したと朝礼で報告が。健二は達哉のことを愛してはいなかったのか?
竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜
レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」
魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。
彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
伯爵家次男は、女遊びの激しい(?)幼なじみ王子のことがずっと好き
メグエム
BL
伯爵家次男のユリウス・ツェプラリトは、ずっと恋焦がれている人がいる。その相手は、幼なじみであり、王位継承権第三位の王子のレオン・ヴィルバードである。貴族と王族であるため、家や国が決めた相手と結婚しなければならない。しかも、レオンは女関係での噂が絶えず、女好きで有名だ。男の自分の想いなんて、叶うわけがない。この想いは、心の奥底にしまって、諦めるしかない。そう思っていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる