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ゆっくり息を吐く。そっとエウェンを離すと、背中に回っている手を片方剥がした。
「エウェン」
あれほど不安定だった足場は今やしっかりと固まり、エウェンと出会って生まれた幼い心の苗木が倒れる心配はなくなった。このままでも苗木はきっと枯れないだろう。
だが、リヴンはより強固にしたかった。そして、コソコソ育てるのも、もう嫌だった。
ポケットに手を突っ込むと銀貨一枚をその手へ押しつける。
「ずっと支払わなくて悪かった」
銀貨一枚で繋がっていた関係はこれで終わりだ。
エウェンはよほど衝撃だったのだろう。手の平にのっている銀貨を呆然と見つめている。むろん、リヴンはこれで終わらせる気はない。銀貨を握らせた手を包むように握ると顔をのぞき込む。
「これと引き換えに、今までの関係を清算したい」
「どういう」
エウェンの瞳孔が小さく揺れる。
リヴンは口の中に溜まった唾液をゆっくり飲み干した。緊張で頭がフワフワして、胸がうるさい。顔も体も熱くて、浅い呼吸を繰り返しても、酸素が頭に届いてないように感じる。
「今度はこういうのなしで、その……」
肝心な部分を口にしようとしたものの、むき出しの気持ちを晒す気恥ずかしさが湧いてくる。
前に進むと決めたのだ。エウェンが勇気を出したように、リヴンも邪魔してくる羞恥を抑えた。
汗ばんだ手でエウェンの手を力強く握った。
「俺も、エウェンが……好きだ。でも、金で互いを縛るんじゃなくて。なんていうか、その。想いで繋がりたいっていうか」
伝えたいことが多すぎて支離滅裂だ。
エウェンが自分を好きとわかっていても、気持ちを伝えるのは十七年生きてはじめてだ。こんなにも難しいとは思わなかった。どうすれば、想いが伝わるのか。どうやったら、同じ気持ちをもっているとわかってもらえるのか――。
うまく呼吸ができなくて、手がブルブル震え、視界がぶれる。明らかに様子がおかしいリヴンにエウェンはすぐに気づいた。
「リヴくんっ、ゆっくり深呼吸しよ! ほら、吸ってー吐いてー」
顔を寄せてきたエウェンから漂う甘い匂いが鼻孔をくすぐった。
エウェンの指摘に、呼吸をしようとするものの、うまくできない。ますます体が混乱し、頭が真っ白になる。先ほどまでリヴンの心を包んでいた浮遊感がなくなり、深い沼に意識が沈んでいく。
だが、柔らかな感触と共に意識が引っ張り上げられる。
間近にあるエウェンの顔を頭が認識すると、手の中にあるエウェンの手をすがるように握りしめる。
与えられる甘さを含んだ爽やかな空気が体の隅々まで満たす。混乱していた体は少しずつだが、落ち着きを取り戻していった。
リヴンの呼吸が整ったのを確認したエウェンが唇を離した。そして、蔓草の髪が優しくリヴンの頭や腕をさすってくる。
「うん、落ち着いたね」
「助かった。ありがとな」
人生はじめての告白なのに、なんてザマだ。あまりに情けなくて自分が嫌になる。落ち着いたことでエウェンの手を力任せに握っていたのを思い出した。
「手、大丈夫か?!」
慌てて手から力を抜き、エウェンの手を確認する。うっすら手形がついている。エウェンも気づいたようだ。手に残る手形へ目を輝かせた。
「大丈夫だよ。えへへ、リヴくんの手形……」
「笑ってる場合じゃないだろ」
棚に行き、軟膏を取り出してベッドへ戻った。うっとりと手形を見つめているエウェンの隣へわざと勢いをつけて腰を落とした。なるべく痛みに響かないようエウェンの手を掴んだ。
「今さらだけど、お前の体温って外気に影響するんだな」
「そうだよ。夏と冬は特にわかりやすいんだ」
エウェンの体温は空気のようだ。まるでエウェンが消えてしまいそうで、手放さないように掴み直す。
「ほら、薬塗るから貸せ」
「はーい」
言うなりエウェンは寄りかかってくる。
うっすらと青あざとなった手形へ軟膏を慎重に塗る。
無意識なのか、蔓草の髪がリヴンの頭や顎。背中や太ももをなで回してくる。エウェンのスベスベした手もあいまって、気を抜くとうっかり愚息が立ち上がりそうだった。
無心になって薬を塗っていると、エウェンが上目遣いで顔をのぞきこんできた。
「リヴくん、さっきの答えなんだけど」
「おう」
「僕から離れないけど、別れたくなったらいつでも言っていいからね」
あんなに熱い告白をしたのに、なんてことないように仮定を告げるエウェンにリヴンは小さく鼻を鳴らした。きっとエウェンなりの、心の予防線なのだろう。
軟膏のついた手でそっとエウェンの指に絡めた。
「お前こそ、これから毎年ハーブ収穫の手伝いを覚悟しろよ。治療だって今後は俺が全部する。だから、もうほかの奴を当てにするな」
「それって僕とえっちしたいってこと?」
唇をつり上げ、エウェンの手が誘うようにリヴンの指を握り返す。
今までエウェンの蠱惑的な仕草はまるで突然水に落とされ、必死に浮かぼうと慌てたような気分だった。しかし、両思いとなった今、かつて溺れたような感覚はなく、心地よい浮遊感で満ちていく。だからか、心に余裕を感じた。
わざと意地悪く笑うエウェンをしっかり見つめ、つり上がっている唇に唇を押し当てた。
からかうようにユラユラと揺れていた蔓草の髪がピンとまっすぐに伸びる。重なっている指を絡めて握り直し、空いている片手でエウェンの腰を引き寄せる。
そうすれば、琥珀色の瞳がますます大きく見開かれ、緑帯びた白い肌が黄金色に染まっていく。
角度を変えて何度かキスをした後、そっと唇を離す。
「したいに決まってるだろ。悪いのかよ」
「わ、悪くない……よ」
エウェンは眉を下げ、弱々しく蔓草の髪が揺れらした。
余裕がでてくれば、エウェンの飄々とした振る舞いが防衛本能だとわかる。それが生来のものか冒険者になってできたものかは知らない。
けれど、こうして少しずつエウェンの一面が多面になっていくのを知っていくのは心地がよかった。
両思いになったとはいえ、何もかもが急に変わるわけではない。
昼はハーブ収穫をし、空いている時間は一緒に村を散策した。そして、夕方には、二人の秘密基地となった場所で抱き合ってキスをした。
そんな日々を繰り返していたら、あっという間に休暇最終日の二日前になった。荷物をまとめて階段を降りれば、両親とケリックがいた。
母はリヴンとエウェンに微笑んだ。
「来年もエウェンくんと帰ってきてね」
なにげない一言だが、真理をついた母にリヴンは「わかってる」と返した。
「これ、道中たべるんだよ」
父がサンドイッチとハーブ水が入った包みを差し出してくる。「ありがとう」と礼と共に受け取った。ふとケリックと目が合う。ケリックは一瞬目を大きく見開き、気まずそうに顔を背けた。
だが、拳を握りしめると、上目遣いで睨んできた。
「また帰って来いよ。……くそ兄貴」
「あぁ」
リヴンは眉を下げて笑うと、ケリックの頭をくしゃくしゃと撫でた。それを鬱陶しいと言わんばかりにケリックがはたき落とせば、両親が小さく笑った。
「エウェン」
あれほど不安定だった足場は今やしっかりと固まり、エウェンと出会って生まれた幼い心の苗木が倒れる心配はなくなった。このままでも苗木はきっと枯れないだろう。
だが、リヴンはより強固にしたかった。そして、コソコソ育てるのも、もう嫌だった。
ポケットに手を突っ込むと銀貨一枚をその手へ押しつける。
「ずっと支払わなくて悪かった」
銀貨一枚で繋がっていた関係はこれで終わりだ。
エウェンはよほど衝撃だったのだろう。手の平にのっている銀貨を呆然と見つめている。むろん、リヴンはこれで終わらせる気はない。銀貨を握らせた手を包むように握ると顔をのぞき込む。
「これと引き換えに、今までの関係を清算したい」
「どういう」
エウェンの瞳孔が小さく揺れる。
リヴンは口の中に溜まった唾液をゆっくり飲み干した。緊張で頭がフワフワして、胸がうるさい。顔も体も熱くて、浅い呼吸を繰り返しても、酸素が頭に届いてないように感じる。
「今度はこういうのなしで、その……」
肝心な部分を口にしようとしたものの、むき出しの気持ちを晒す気恥ずかしさが湧いてくる。
前に進むと決めたのだ。エウェンが勇気を出したように、リヴンも邪魔してくる羞恥を抑えた。
汗ばんだ手でエウェンの手を力強く握った。
「俺も、エウェンが……好きだ。でも、金で互いを縛るんじゃなくて。なんていうか、その。想いで繋がりたいっていうか」
伝えたいことが多すぎて支離滅裂だ。
エウェンが自分を好きとわかっていても、気持ちを伝えるのは十七年生きてはじめてだ。こんなにも難しいとは思わなかった。どうすれば、想いが伝わるのか。どうやったら、同じ気持ちをもっているとわかってもらえるのか――。
うまく呼吸ができなくて、手がブルブル震え、視界がぶれる。明らかに様子がおかしいリヴンにエウェンはすぐに気づいた。
「リヴくんっ、ゆっくり深呼吸しよ! ほら、吸ってー吐いてー」
顔を寄せてきたエウェンから漂う甘い匂いが鼻孔をくすぐった。
エウェンの指摘に、呼吸をしようとするものの、うまくできない。ますます体が混乱し、頭が真っ白になる。先ほどまでリヴンの心を包んでいた浮遊感がなくなり、深い沼に意識が沈んでいく。
だが、柔らかな感触と共に意識が引っ張り上げられる。
間近にあるエウェンの顔を頭が認識すると、手の中にあるエウェンの手をすがるように握りしめる。
与えられる甘さを含んだ爽やかな空気が体の隅々まで満たす。混乱していた体は少しずつだが、落ち着きを取り戻していった。
リヴンの呼吸が整ったのを確認したエウェンが唇を離した。そして、蔓草の髪が優しくリヴンの頭や腕をさすってくる。
「うん、落ち着いたね」
「助かった。ありがとな」
人生はじめての告白なのに、なんてザマだ。あまりに情けなくて自分が嫌になる。落ち着いたことでエウェンの手を力任せに握っていたのを思い出した。
「手、大丈夫か?!」
慌てて手から力を抜き、エウェンの手を確認する。うっすら手形がついている。エウェンも気づいたようだ。手に残る手形へ目を輝かせた。
「大丈夫だよ。えへへ、リヴくんの手形……」
「笑ってる場合じゃないだろ」
棚に行き、軟膏を取り出してベッドへ戻った。うっとりと手形を見つめているエウェンの隣へわざと勢いをつけて腰を落とした。なるべく痛みに響かないようエウェンの手を掴んだ。
「今さらだけど、お前の体温って外気に影響するんだな」
「そうだよ。夏と冬は特にわかりやすいんだ」
エウェンの体温は空気のようだ。まるでエウェンが消えてしまいそうで、手放さないように掴み直す。
「ほら、薬塗るから貸せ」
「はーい」
言うなりエウェンは寄りかかってくる。
うっすらと青あざとなった手形へ軟膏を慎重に塗る。
無意識なのか、蔓草の髪がリヴンの頭や顎。背中や太ももをなで回してくる。エウェンのスベスベした手もあいまって、気を抜くとうっかり愚息が立ち上がりそうだった。
無心になって薬を塗っていると、エウェンが上目遣いで顔をのぞきこんできた。
「リヴくん、さっきの答えなんだけど」
「おう」
「僕から離れないけど、別れたくなったらいつでも言っていいからね」
あんなに熱い告白をしたのに、なんてことないように仮定を告げるエウェンにリヴンは小さく鼻を鳴らした。きっとエウェンなりの、心の予防線なのだろう。
軟膏のついた手でそっとエウェンの指に絡めた。
「お前こそ、これから毎年ハーブ収穫の手伝いを覚悟しろよ。治療だって今後は俺が全部する。だから、もうほかの奴を当てにするな」
「それって僕とえっちしたいってこと?」
唇をつり上げ、エウェンの手が誘うようにリヴンの指を握り返す。
今までエウェンの蠱惑的な仕草はまるで突然水に落とされ、必死に浮かぼうと慌てたような気分だった。しかし、両思いとなった今、かつて溺れたような感覚はなく、心地よい浮遊感で満ちていく。だからか、心に余裕を感じた。
わざと意地悪く笑うエウェンをしっかり見つめ、つり上がっている唇に唇を押し当てた。
からかうようにユラユラと揺れていた蔓草の髪がピンとまっすぐに伸びる。重なっている指を絡めて握り直し、空いている片手でエウェンの腰を引き寄せる。
そうすれば、琥珀色の瞳がますます大きく見開かれ、緑帯びた白い肌が黄金色に染まっていく。
角度を変えて何度かキスをした後、そっと唇を離す。
「したいに決まってるだろ。悪いのかよ」
「わ、悪くない……よ」
エウェンは眉を下げ、弱々しく蔓草の髪が揺れらした。
余裕がでてくれば、エウェンの飄々とした振る舞いが防衛本能だとわかる。それが生来のものか冒険者になってできたものかは知らない。
けれど、こうして少しずつエウェンの一面が多面になっていくのを知っていくのは心地がよかった。
両思いになったとはいえ、何もかもが急に変わるわけではない。
昼はハーブ収穫をし、空いている時間は一緒に村を散策した。そして、夕方には、二人の秘密基地となった場所で抱き合ってキスをした。
そんな日々を繰り返していたら、あっという間に休暇最終日の二日前になった。荷物をまとめて階段を降りれば、両親とケリックがいた。
母はリヴンとエウェンに微笑んだ。
「来年もエウェンくんと帰ってきてね」
なにげない一言だが、真理をついた母にリヴンは「わかってる」と返した。
「これ、道中たべるんだよ」
父がサンドイッチとハーブ水が入った包みを差し出してくる。「ありがとう」と礼と共に受け取った。ふとケリックと目が合う。ケリックは一瞬目を大きく見開き、気まずそうに顔を背けた。
だが、拳を握りしめると、上目遣いで睨んできた。
「また帰って来いよ。……くそ兄貴」
「あぁ」
リヴンは眉を下げて笑うと、ケリックの頭をくしゃくしゃと撫でた。それを鬱陶しいと言わんばかりにケリックがはたき落とせば、両親が小さく笑った。
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