4 / 7
4*
しおりを挟む
そっとケイオスの唇と重なればじんわりと熱が伝わってくる。それだけでも心地よくうっとりとしているのもつかのま、優しくゆっくりとケイオスの舌が口内に入ってきた。
その瞬間、全身に甘い痺れが走った。ビクビクと体が勝手に跳ねてしまえば、体を抱き寄せるケイオスの腕に力が少しだけ入った。
最初こそケイオスの舌が口内を撫で回るだけで核が満たされて得もしれぬ幸福感が沸いていたが、しだいに物足りなく感じてくる。なすがままだったが、ためらいがちに舌を絡めればケイオスが嬉しそうに目を細めてねっとりと舌を絡め返してくる。
「んぅ、ふっ、ぅうう」
ケイオスの舌の動きをまねて舌を必死に動かすたびに何度も体が震え、じわっと下腹部に甘い痺れが広がる。そのことに気づいたかのようにケイオスの大きく熱い手がそっと下腹部に添えるや否や優しく撫でてきた。
「ふぐっ! ふっ、ぅ、んん゛っ!」
撫でられるほどに腰がカクカクと揺れ、びちゃびちゃと舌を絡め合う下品な音が室内に響く。
唇が少し離れてもすぐに塞がれ、今度はトントンと指の腹で下腹部を刺激される。
「ふぅう゛、んぐっ! ふぁっ、ぁ」
ようやく唇が離れるものの妙に物足りない。
自然と息が上がり、ケイオスがまた離れていくのが怖くて服をぎゅっと握りしめれば、ケイオスはその手を優しく握って甘く微笑んだ。
「アエリオス様。俺はもうあなたから離れませんよ」
「そうだな。我が輩としてたことが……はずかしい。んっ」
「それだけ核が限界だったってことです。ほら、アエリオス様」
ケイオスが見せつけるよう舌をさしだしてくる。
とろっと流れ落ちる唾液にひかれてちゅっと吸い付けば、指先で下腹部を刺激するのを止め、アエリオスの髪に指を絡めながら再び優しくいたわるように撫でてくる。
「ふぁ、んっ…、ぁ、ああっ! はへっ、はー…っ、ぁ、ぁああ」
下腹部の刺激が心地よくて舌から唇を離し、逆に舌を突き出してしまう。明らかに感じているにもかかわらず、ケイオスはまるで気づいていないと言うように爽やかな笑みを浮かべた。
「はじめてのキスでしたけど、いっぱいになりましたか?」
「あ、あぁ。たぶん」
「ほんとうですか?」
ふうっと耳に息を吹きかけられ、手のひらでぐうっと下腹部を押された途端チカチカと目の前が点滅し、ぶるっと体が大きく震えた。
「んぉ゛、ぉ…ぅうう゛、~~~~ッ!」
たまった神力が一気にほぐされれば一段と強い痺れが全身を貫き、甲高い下品な声をあげてしまった。恥ずかしさに顔が火照ってしょうがない。はあはあと荒々しく息を整えていても、やはりケイオスはただただ優しく尋ねてくる。
「弱ってるときほど神力は一部にとどまりやすいんです。アエリオス様の場合は下腹部に集中しやすいようですのでマッサージをしてみましたがどうでした?」
「う、うむ。よかった……」
「それなら明日もキスしながら念入りにマッサージしましょうか?」
耳の形を確かめるように舌を這わせながらケイオスが提案してくる。
神力を失った今アエリオスが存在し続けるためにはケイオスと今日みたいな行為をし続けなければいけないのだ。照れくさいがやはり不快感はなく、逆に安心感さえ覚えてしまう自分はどうかしているかもしれない。
口の中にたまった唾液を飲み込むとアエリオスはかすれた声で告げた。
「たのむ……」
「わかりました。毎日念入りにいたしますね」
「毎日はさすがに恥ずかしいのだが」
チラチラとケイオスを見れば、ケイオスは真面目顔つきで「恥ずかしがる必要なんてありません」と断言した。
「セックスといいましたが、俺たちにとって生きていくために必須な行いです。だからしてほしいと思ったときはいつでも言ってください。それと二人でいるときは声を抑える必要なんてありません」
「ケイオスがそういうなら」
品のない声を聞かれるのは抵抗感がある。それでもケイオスが気にしていないのなら我慢しなくていいのかもしれない。
もじもじしているとケイオスがちゅっと額にキスをしてきた。いつもはする側だったためこそばゆさを覚えたが悪くない。ケイオスの胸に顔を押しつければ、ケイオスの指が髪を梳いていく。
「アエリオス様、今日はもう夜も遅いので、風呂で身を清めませんか?」
「そうだな」
ケイオスの体温は名残惜しいが万物の力である体温や周囲の温度調整のほか浄化も失われたため肌に汗がまとわりついて気持ち悪い。のそっと立ち上がれば、すかさずケイオスも立ち上がり腰に腕を回して甘く微笑んだ。
「使い方も教えますが、アエリオス様の御身は不安定ですので、毎日一緒に入りますね」
「それは助かる」
ふにゃと頬を緩めて笑いかければ、ケイオスも頬をほんのり赤くして微笑んだ。
脱衣所につくと体に巻き付けていた布をほどいてもらい、素肌になって浴室へと入る。男が二人で入っても広い浴室を見回していると「アエリオス様」と声をかけられ、木の風呂イスに座るよう促される。
「お体を流しいたしますので、こちらに」
「うむ」
誘導されるまま風呂イスに座れば、ケイオスがシャワーの栓を緩めた。
湯が頭上から降り注ぎ心地がいい。勝手知ったると言いたげにケイオスのゴツゴツした指が頭や髪を丁寧に洗った後、新しく泡を立てて体を包むように撫でてくる。蜂蜜とすっきりしたハーブが混じった香りは気持ちまでさっぱりとさせてくれた。すっかり機嫌がよくなったアエリオスの鼻歌がシャワーの音と混じって浴室に響く。
髪を綺麗にまとめてもらい体を洗い終えて風呂に浸っている間、ようやく自分の頭や体を洗うケイオスをまじまじと眺める。
目鼻立ちがくっきりした男らしい顔と引き締まった筋肉質な大きな体。アエリオスも決して身長が低い方ではないが、そんなアエリオスが見上げるほどの高身。そして低音だが聞き取りやすい声。さぞかし女神たちから好かれただろう。
「アエリオス様、どうしました?」
「ふふっ、お前の体は我が輩と正反対だと思ったのだ」
「嫌いになりましたか」
「お前は我が輩にとって弟だ。誇らしいと思っても、嫌いになるわけがない」
風呂の縁に頭を乗せて飽きることなくケイオスの全身を眺めていると、ケイオスは唇を引き結んで蚊の鳴くような声で呟いた。
「……アエリオス様を裏切ったのに?」
濡れた前髪が目元を覆っているせいでケイオスの表情はわからない。
ケイオスの言い分は一理ある。ふつうであれば、はらわたが煮えくり返り、一切信用できなくなるだろう。それでもアエリオスはケイオスにたいして疑問や悲しみこそ抱いたものの、怒りや憎しみといった感情はわいてこなかった。
アエリオスはパチパチと目をまたたくと、小さく息を吐いた。
「それも我が輩のためにやったことだろう。ならば、どうしてそれを罪と咎めることができよう。ほら、早く湯に浸かれ。気持ちがいいぞ?」
手招きをするとケイオスは一度うつむいた後、前髪をかき上げてくしゃりと泣きそうな笑顔を浮かべた。
「ありがとうございます、アエリオス」
「お前が用意した風呂なのにおかしなことを言う」
浴槽のはしに体を寄せれば、ケイオスが身を沈めてくる。さすがに二人で入ると浴槽の中は少し狭い。
アエリオスは少し考えた後おもむろにケイオスの足の間に入るとそのまま背中を預けた。
「アエリオス様、危ないですよ」
「ふむ、浴槽に直接背中を預けるよりずっといいな」
硬い浴槽と比べれば、ずっと心地がいい。無意識なのか体に腕を回してきたケイオスから同じせっけんの匂いがふわりと香った。思わずケイオスを見上げて笑いかける。
「我が輩と同じ匂いがするな。これがこれからずっと続くと思うと、ふふっ。悪くない」
「……アエリオス様」
かすれた声に「なんだ」と口にしようとしたがその言葉はケイオスの口の中へと消えていった。
「ん…、ぅ」
口の中に潜り込んできたケイオスの舌がアエリオスの口内をねっとりと愛撫してくる。
突然の行為に目を白黒させている間に、ケイオスの手がアエリオスのひかえめな喉仏をゆっくりなでてくる。
「んぐ、ふっ…ぁ、はー…っ、ぁ、けいおす?」
唇が離れると深呼吸する。
ケイオスはじっとアエリオスを見つめてくる。アエリオスも黙って見つめ返していれば、不意に体が抱き上げられた。呆然としたまま脱衣所に連れて行かれるとそっと下ろされテキパキと全身を拭かれた。
寝間着を着させられ、ケイオスは腰にタオルを巻いただけの姿のまま再びアエリオスを抱き上げてベッドへ向かっていく。
「ケイオス? なぜ黙っている?」
こわごわと尋ねてみるが返答はない。
気づかないうちに失言をしてケイオスを不機嫌にしてしまったかもしれない。そう結論したアエリオスはしゅんとうなだれた。
ベッドが近づき投げられる覚悟をしたが、そんなことはなかった。それどころか壊れ物の扱うかのようにベッドに優しく下ろされた。きょとんとしてケイオスを見上げるとケイオスが肩に手を当ててきてちゅっと額にキスをしてくる。
「アエリオス様、今日は疲れたでしょう。ゆっくりお休みにください」
「ケイオスは一緒に寝ないのか?」
「少し準備することがあるので、そちらが終わったらすぐ隣で寝ます」
「そうか……。では、先に寝ているから準備が終わったらすぐに戻ってくるのだぞ」
「もちろんです」
しっかりと頷いたケイオスを確認したアエリオスは満足げに微笑んだ。
ケイオスの言ったとおり思っていたよりも疲れていたのか、まとわりつくような重くも甘い清涼な匂い――ケイオスの香りがするベッドで目をつぶれば、あっという間に心地よい眠りへと落ちていった。
その瞬間、全身に甘い痺れが走った。ビクビクと体が勝手に跳ねてしまえば、体を抱き寄せるケイオスの腕に力が少しだけ入った。
最初こそケイオスの舌が口内を撫で回るだけで核が満たされて得もしれぬ幸福感が沸いていたが、しだいに物足りなく感じてくる。なすがままだったが、ためらいがちに舌を絡めればケイオスが嬉しそうに目を細めてねっとりと舌を絡め返してくる。
「んぅ、ふっ、ぅうう」
ケイオスの舌の動きをまねて舌を必死に動かすたびに何度も体が震え、じわっと下腹部に甘い痺れが広がる。そのことに気づいたかのようにケイオスの大きく熱い手がそっと下腹部に添えるや否や優しく撫でてきた。
「ふぐっ! ふっ、ぅ、んん゛っ!」
撫でられるほどに腰がカクカクと揺れ、びちゃびちゃと舌を絡め合う下品な音が室内に響く。
唇が少し離れてもすぐに塞がれ、今度はトントンと指の腹で下腹部を刺激される。
「ふぅう゛、んぐっ! ふぁっ、ぁ」
ようやく唇が離れるものの妙に物足りない。
自然と息が上がり、ケイオスがまた離れていくのが怖くて服をぎゅっと握りしめれば、ケイオスはその手を優しく握って甘く微笑んだ。
「アエリオス様。俺はもうあなたから離れませんよ」
「そうだな。我が輩としてたことが……はずかしい。んっ」
「それだけ核が限界だったってことです。ほら、アエリオス様」
ケイオスが見せつけるよう舌をさしだしてくる。
とろっと流れ落ちる唾液にひかれてちゅっと吸い付けば、指先で下腹部を刺激するのを止め、アエリオスの髪に指を絡めながら再び優しくいたわるように撫でてくる。
「ふぁ、んっ…、ぁ、ああっ! はへっ、はー…っ、ぁ、ぁああ」
下腹部の刺激が心地よくて舌から唇を離し、逆に舌を突き出してしまう。明らかに感じているにもかかわらず、ケイオスはまるで気づいていないと言うように爽やかな笑みを浮かべた。
「はじめてのキスでしたけど、いっぱいになりましたか?」
「あ、あぁ。たぶん」
「ほんとうですか?」
ふうっと耳に息を吹きかけられ、手のひらでぐうっと下腹部を押された途端チカチカと目の前が点滅し、ぶるっと体が大きく震えた。
「んぉ゛、ぉ…ぅうう゛、~~~~ッ!」
たまった神力が一気にほぐされれば一段と強い痺れが全身を貫き、甲高い下品な声をあげてしまった。恥ずかしさに顔が火照ってしょうがない。はあはあと荒々しく息を整えていても、やはりケイオスはただただ優しく尋ねてくる。
「弱ってるときほど神力は一部にとどまりやすいんです。アエリオス様の場合は下腹部に集中しやすいようですのでマッサージをしてみましたがどうでした?」
「う、うむ。よかった……」
「それなら明日もキスしながら念入りにマッサージしましょうか?」
耳の形を確かめるように舌を這わせながらケイオスが提案してくる。
神力を失った今アエリオスが存在し続けるためにはケイオスと今日みたいな行為をし続けなければいけないのだ。照れくさいがやはり不快感はなく、逆に安心感さえ覚えてしまう自分はどうかしているかもしれない。
口の中にたまった唾液を飲み込むとアエリオスはかすれた声で告げた。
「たのむ……」
「わかりました。毎日念入りにいたしますね」
「毎日はさすがに恥ずかしいのだが」
チラチラとケイオスを見れば、ケイオスは真面目顔つきで「恥ずかしがる必要なんてありません」と断言した。
「セックスといいましたが、俺たちにとって生きていくために必須な行いです。だからしてほしいと思ったときはいつでも言ってください。それと二人でいるときは声を抑える必要なんてありません」
「ケイオスがそういうなら」
品のない声を聞かれるのは抵抗感がある。それでもケイオスが気にしていないのなら我慢しなくていいのかもしれない。
もじもじしているとケイオスがちゅっと額にキスをしてきた。いつもはする側だったためこそばゆさを覚えたが悪くない。ケイオスの胸に顔を押しつければ、ケイオスの指が髪を梳いていく。
「アエリオス様、今日はもう夜も遅いので、風呂で身を清めませんか?」
「そうだな」
ケイオスの体温は名残惜しいが万物の力である体温や周囲の温度調整のほか浄化も失われたため肌に汗がまとわりついて気持ち悪い。のそっと立ち上がれば、すかさずケイオスも立ち上がり腰に腕を回して甘く微笑んだ。
「使い方も教えますが、アエリオス様の御身は不安定ですので、毎日一緒に入りますね」
「それは助かる」
ふにゃと頬を緩めて笑いかければ、ケイオスも頬をほんのり赤くして微笑んだ。
脱衣所につくと体に巻き付けていた布をほどいてもらい、素肌になって浴室へと入る。男が二人で入っても広い浴室を見回していると「アエリオス様」と声をかけられ、木の風呂イスに座るよう促される。
「お体を流しいたしますので、こちらに」
「うむ」
誘導されるまま風呂イスに座れば、ケイオスがシャワーの栓を緩めた。
湯が頭上から降り注ぎ心地がいい。勝手知ったると言いたげにケイオスのゴツゴツした指が頭や髪を丁寧に洗った後、新しく泡を立てて体を包むように撫でてくる。蜂蜜とすっきりしたハーブが混じった香りは気持ちまでさっぱりとさせてくれた。すっかり機嫌がよくなったアエリオスの鼻歌がシャワーの音と混じって浴室に響く。
髪を綺麗にまとめてもらい体を洗い終えて風呂に浸っている間、ようやく自分の頭や体を洗うケイオスをまじまじと眺める。
目鼻立ちがくっきりした男らしい顔と引き締まった筋肉質な大きな体。アエリオスも決して身長が低い方ではないが、そんなアエリオスが見上げるほどの高身。そして低音だが聞き取りやすい声。さぞかし女神たちから好かれただろう。
「アエリオス様、どうしました?」
「ふふっ、お前の体は我が輩と正反対だと思ったのだ」
「嫌いになりましたか」
「お前は我が輩にとって弟だ。誇らしいと思っても、嫌いになるわけがない」
風呂の縁に頭を乗せて飽きることなくケイオスの全身を眺めていると、ケイオスは唇を引き結んで蚊の鳴くような声で呟いた。
「……アエリオス様を裏切ったのに?」
濡れた前髪が目元を覆っているせいでケイオスの表情はわからない。
ケイオスの言い分は一理ある。ふつうであれば、はらわたが煮えくり返り、一切信用できなくなるだろう。それでもアエリオスはケイオスにたいして疑問や悲しみこそ抱いたものの、怒りや憎しみといった感情はわいてこなかった。
アエリオスはパチパチと目をまたたくと、小さく息を吐いた。
「それも我が輩のためにやったことだろう。ならば、どうしてそれを罪と咎めることができよう。ほら、早く湯に浸かれ。気持ちがいいぞ?」
手招きをするとケイオスは一度うつむいた後、前髪をかき上げてくしゃりと泣きそうな笑顔を浮かべた。
「ありがとうございます、アエリオス」
「お前が用意した風呂なのにおかしなことを言う」
浴槽のはしに体を寄せれば、ケイオスが身を沈めてくる。さすがに二人で入ると浴槽の中は少し狭い。
アエリオスは少し考えた後おもむろにケイオスの足の間に入るとそのまま背中を預けた。
「アエリオス様、危ないですよ」
「ふむ、浴槽に直接背中を預けるよりずっといいな」
硬い浴槽と比べれば、ずっと心地がいい。無意識なのか体に腕を回してきたケイオスから同じせっけんの匂いがふわりと香った。思わずケイオスを見上げて笑いかける。
「我が輩と同じ匂いがするな。これがこれからずっと続くと思うと、ふふっ。悪くない」
「……アエリオス様」
かすれた声に「なんだ」と口にしようとしたがその言葉はケイオスの口の中へと消えていった。
「ん…、ぅ」
口の中に潜り込んできたケイオスの舌がアエリオスの口内をねっとりと愛撫してくる。
突然の行為に目を白黒させている間に、ケイオスの手がアエリオスのひかえめな喉仏をゆっくりなでてくる。
「んぐ、ふっ…ぁ、はー…っ、ぁ、けいおす?」
唇が離れると深呼吸する。
ケイオスはじっとアエリオスを見つめてくる。アエリオスも黙って見つめ返していれば、不意に体が抱き上げられた。呆然としたまま脱衣所に連れて行かれるとそっと下ろされテキパキと全身を拭かれた。
寝間着を着させられ、ケイオスは腰にタオルを巻いただけの姿のまま再びアエリオスを抱き上げてベッドへ向かっていく。
「ケイオス? なぜ黙っている?」
こわごわと尋ねてみるが返答はない。
気づかないうちに失言をしてケイオスを不機嫌にしてしまったかもしれない。そう結論したアエリオスはしゅんとうなだれた。
ベッドが近づき投げられる覚悟をしたが、そんなことはなかった。それどころか壊れ物の扱うかのようにベッドに優しく下ろされた。きょとんとしてケイオスを見上げるとケイオスが肩に手を当ててきてちゅっと額にキスをしてくる。
「アエリオス様、今日は疲れたでしょう。ゆっくりお休みにください」
「ケイオスは一緒に寝ないのか?」
「少し準備することがあるので、そちらが終わったらすぐ隣で寝ます」
「そうか……。では、先に寝ているから準備が終わったらすぐに戻ってくるのだぞ」
「もちろんです」
しっかりと頷いたケイオスを確認したアエリオスは満足げに微笑んだ。
ケイオスの言ったとおり思っていたよりも疲れていたのか、まとわりつくような重くも甘い清涼な匂い――ケイオスの香りがするベッドで目をつぶれば、あっという間に心地よい眠りへと落ちていった。
5
あなたにおすすめの小説
転移したらなぜかコワモテ騎士団長に俺だけ子供扱いされてる
塩チーズ
BL
平々凡々が似合うちょっと中性的で童顔なだけの成人男性。転移して拾ってもらった家の息子がコワモテ騎士団長だった!
特に何も無く平凡な日常を過ごすが、騎士団長の妙な噂を耳にしてある悩みが出来てしまう。
転移先で辺境伯の跡継ぎとなる予定の第四王子様に愛される
Hazuki
BL
五歳で父親が無くなり、七歳の時新しい父親が出来た。
中1の雨の日熱を出した。
義父は大工なので雨の日はほぼ休み、パートに行く母の代わりに俺の看病をしてくれた。
それだけなら良かったのだが、義父は俺を犯した、何日も。
晴れた日にやっと解放された俺は散歩に出掛けた。
連日の性交で身体は疲れていたようで道を渡っているときにふらつき、車に轢かれて、、、。
目覚めたら豪華な部屋!?
異世界転移して森に倒れていた俺を助けてくれた次期辺境伯の第四王子に愛される、そんな話、にする予定。
⚠️最初から義父に犯されます。
嫌な方はお戻りくださいませ。
久しぶりに書きました。
続きはぼちぼち書いていきます。
不定期更新で、すみません。
もふもふ守護獣と運命の出会い—ある日、青年は異世界で大きな毛玉と恋に落ちた—
なの
BL
事故に巻き込まれ、雪深い森で倒れていた青年・ユナ。
命の危険に晒されていた彼を救ったのは、白銀の毛並みを持つ美しい人狼・ゼルだった。
ゼルは誰よりも優しくて、そして――独占欲がとにかく強い。
気がつけばユナは、もふもふの里へ連れていかれる。
そこでは人狼だけでなく、獣人や精霊、もふもふとした種族たちが仲良く暮らしており、ユナは珍しい「人間」として大歓迎される。
しかし、ゼルだけは露骨にユナを奪われまいとし、
「触るな」「見るな」「近づくな」と嫉妬を隠そうとしない。
もふもふに抱きしめられる日々。
嫉妬と優しさに包まれながら、ユナは少しずつ居場所を取り戻していく――。
【8話完結】俺は推しじゃない!ただの冒険者だ!
キノア9g
BL
ごく普通の中堅冒険者・イーサン。
今日もほどほどのクエストを探しにギルドを訪れたところ、見慣れない美形の冒険者・アシュレイと出くわす。
最初は「珍しい奴がいるな」程度だった。
だが次の瞬間──
「あなたは僕の推しです!」
そう叫びながら抱きついてきたかと思えば、つきまとう、語りかける、迫ってくる。
挙句、自宅の前で待ち伏せまで!?
「金なんかねぇぞ!」
「大丈夫です! 僕が、稼ぎますから!」
平穏な日常をこよなく愛するイーサンと、
“推しの幸せ”のためなら迷惑も距離感も超えていく超ポジティブ転生者・アシュレイ。
愛とは、追うものか、追われるものか。
差し出される支援、注がれる好意、止まらぬ猛アプローチ。
ふたりの距離が縮まる日はくるのか!?
強くて貢ぎ癖のあるイケメン転生者 × 弱めで普通な中堅冒険者。
異世界で始まる、ドタバタ&ちょっぴり胸キュンなBLコメディ、ここに開幕!
全8話
悪役令嬢の兄に転生!破滅フラグ回避でスローライフを目指すはずが、氷の騎士に溺愛されてます
水凪しおん
BL
三十代半ばの平凡な会社員だった俺は、ある日、乙女ゲーム『君と紡ぐ光の協奏曲』の世界に転生した。
しかも、最推しの悪役令嬢リリアナの兄、アシェルとして。
このままでは妹は断罪され、一家は没落、俺は処刑される運命だ。
そんな未来は絶対に回避しなくてはならない。
俺の夢は、穏やかなスローライフを送ること。ゲームの知識を駆使して妹を心優しい少女に育て上げ、次々と破滅フラグをへし折っていく。
順調に進むスローライフ計画だったが、関わると面倒な攻略対象、「氷の騎士」サイラスになぜか興味を持たれてしまった。
家庭菜園にまで現れる彼に困惑する俺。
だがそれはやがて、国を揺るがす陰謀と、甘く激しい恋の始まりを告げる序曲に過ぎなかった――。
脳筋剣士と鈍感薬師 ~騎士様、こいつです~
季エス
BL
「ルカーシュは、駄目よ」
その時胸に到来した思いは安堵であり、寂しさでもあった。
ルカーシュは薬師だ。幼馴染と共に、魔王を倒すために村を出た。彼は剣士だった。薬師のルカーシュは足手纏いだった。途中で仲間が増えたが、それでも足手纏いである事に変わりはなかった。そうしてついに、追い出される日が来たのだ。
ルカーシュはそっと、瞼を伏せた。
明日、明日になったら、笑おう。そして、礼と別れを言うのだ。
だから、今だけは、泣いてもいいかな。
囚われの聖女様を救いに行っただけなのに、なぜこうなったのかわかりません。
なつか
BL
史上最悪の王に囚われてしまった聖女を救うため、王宮に忍び込んだグレン。
いざ見つけた聖女には逃走防止用に魔法が籠められた魔道具の足輪が付けられていた。
それを壊すためには魔力を聖女に受け渡してもらう必要があるという。
ではその方法は?
「僕を抱けばいい」
そんな感じで型破りな聖女様(♂)に振り回される男の話。
ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学時代後輩から逃げたのに、大人になって再会するなんて!?
灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。
オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。
ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー
獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。
そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。
だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。
話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。
そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。
みたいな、大学篇と、その後の社会人編。
BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!!
※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました!
※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました!
旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる