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それから少しして、テノがカウンセラーとしてレインバルク王国へ向かった。
一人になったアンソニーは培養液が入った筒とシルフの遺伝子を用いて作った黄緑色の瞳が入った容器を開けた。
「体を粗末に扱うな、か」
少し前、キーストンに言われた言葉を思いだし苦笑する。おそらくキーストンの考えは間違ってない。キーストンに恋愛対象としてみてほしいあまり親からもらった大事な肉体を未練もなく作り替えたのだから。
そして、残っている数少ない瞳すら手放すと決めた。
「もういいか。この体になってもあいつには恋愛対象としてみられなかったし」
どこまでも自分は最低だ。だが、今さら男に戻る気もない。ただ、子供の頃に抱いた――男なのに男のキーストンを愛した罪を医療を通して贖罪していくのに戻っただけだ。
シルフの目にしてからは再び視界が明瞭になった。それどころか、前よりも使い勝手がいいくらいだ。
「アンソニーさん、いつものお手紙来たよ!」
「おー、ありがとな」
配達をしている子供がニコニコと手紙を差し出してくる。目尻を下げて子供の頭をくしゃくしゃと撫でれば、子供ははにかんだ後、次の家へ配達に走り出した。
子供がいなくなったため咥えていたタバコに火をつける。封を切って手紙を取り出す。
『アンソニーへ
こっちは少し暑くなってきたが、そっちはどうだ?
お前が紹介してくれたテノ先生は騎士からも好評だ。さすがお前の弟子だな。俺が多忙だと言ったら、騎士たちよりも俺の方が先にカウンセリングが必要と言われたぞ。
テノ先生には悪いが、俺にはアンソニーっていう専属の医者がいるから不要なのにな。
そういえば、この間久しぶりキャミーに会った。
彼女にお前についてあれこれ聞かれて、とてもお前を心配していた。もし、第二王都で見かけたらお前から声をかけてやれ。きっとキャミーも今のお前に気づかないだろうし。
それから、お前に渡したいものがあるから時間ある夜、いつでも来てくれ。
キーストンより』
読み終わった手紙を丁寧に封筒に戻した後、デスクの隅に置いてある箱の中へしまった。そこにはエルキュに来てから届いた手紙が層となっていた。
「いつでも、か」
今日は午前診療で終わりだ。いつでもというなら今から会いに行ってもいいだろうか。同時にテノの様子も少し気になった。
「テノを見るついでに行くか」
本来の目的をごまかすように口にしてアンソニーは転移した。
夕方の第二王都は仕事帰りのものや夕食をしに行き交う人々で溢れていた。人混みに流されるまま歩いていれば、露店通りが目に入った。
「懐かしー……」
キーストンと一緒に食材を買って、料理をする。友人同士でも当たり前にする行為だが、距離が近かったせいかまるで恋人のようで幸せだった。改めてあのささやかな日常はアンソニーの中で最も幸せな時間だった。幸せすぎて欲深くなってしまっていた。
溢れそうになるため息を飲み込んで、テノに伝達魔法を飛ばそうとした手前、見覚えのある波打つ青紫の髪が目に入った。反射的にアンソニーは声を上げた。
「おーい、テノー」
人混みをスルスルとかき分けてテノの隣へ来れば、テノは死んだ魚のような金目を細めた。
「師匠、まーた体いじったんですか?」
「おう、こっちの方が患者の受けがいいからな」
テノは夢魔という特性上負の感情にさとい。沈んでいた気持ちをバレないようあえてニタニタと笑った。うまく隠せたおかげか、テノは気づいていないようだ。
「一応聞きますけど、その目はなんです?」
「お、よくぞ聞いた! 前の目玉はガタがきてたから風の精霊シルフの目を入れたんだ。おかげで遠い場所も近い場所もばっちりよ!」
ビシッと目を挟むようにピースをして決めポーズをとる。そんなアンソニーにテノは肩をすくめた。
「はいはい、それはよかったですねー」
「師匠との久しぶりの再会なのに冷めてねえかー」
唇を尖らし、細いながらも自分にはない男の腕に抱きつく。ぶわっと鳥肌を立てたテノは心底嫌そうに顔を歪めた。
「僕からしたらおっさんが腕に抱きついてきてるものですし。それに僕は同居人のご飯を作るために買い出しへ来てるんです」
「へえーどんな奴? あ、でもお前は魔物だから男限定か。なら、イケメンか?」
レインバルク王国で魔物が暮らすには、いざという時対処できる同居人が必要だ。そしてそれは男限定となっている。テノはなんだかんだ世話焼きだ。そんなテノが誰と同居しているか気になった。
「そうですね、ちょうどあんな……」
テノがある一点へ目を止めた。アンソニーもテノの視線の先を見れば、思わず「おぉ!」と感嘆の声を上げてしまった。
まわりから頭一つ抜きん出ている青年は、オレンジおびた桃色の髪と堀が深い綺麗な顔のハンサムだ。花形演者のような容姿のせいか、生成りのティーシャツと焦げ茶のズボンというシンプルな装いでも目を引く。
「とんだ色男じゃねえか。またすごいのをつり上げたな」
「見た目はかなりいいですけど、帰ってきたら一言目に『飯!』だし、中身おこちゃまですよ」
小馬鹿にしつつもまんざらでもなさそうなテノが硬直している青年を眺めながら肩をすくめた。アンソニーは小さく首をかしげた。
「それ、お前に甘えてるだけじゃね?」
「カドゥルくんにかぎってそれはないですよ。おーい、カドゥルくーん」
テノの返答にアンソニーは絶対甘えてるだろと内心ツッコミを入れた。テノの呼びかけにカドゥルと呼ばれた青年がハッとすると、引きつりながらも爽やかな笑みを浮かべながら、大股で近づいてくる。
「テノさん、町中で名前を大声で呼ぶのは恥ずかしいからやめてください」
「いやぁ、石像みたいにかたまっちゃってるからさー」
露骨に外向け用な笑顔は一周回って素直で好感が持てる。
思ったよりもうまくやっている様子に安堵と少し寂しさを覚えながら、様子を見ていればカドゥルがアンソニーへ顔を向けた。
「ところで、そちらのご婦人は」
ワンピースからのぞく胸の谷間を見ないよう目をそらすカドゥルのうぶさに思わず口の端をこれでもかとつり上げた。テノの腕から離れ、腕を組むと胸を強調させてカドゥルの前に立った。
「俺はこいつの師匠だ。アンソニーっていうが、気軽にアンさんって呼んでくれ」
無反応なキーストンと違って、素直な反応は可愛い。面白くなってきてカドゥルの体へ胸を押しつければ、カドゥルは顔を真っ赤にしたが、アンソニーの肩を掴んで優しく引き離した。
「そういう行動をするのはよろしくないかと」
「なんだい、兄さんは女体に興味ないのか?」
「それはないですよ、師匠。カドゥルくんは師匠みたいなスタイル抜群な女性が大好きですから」
アンソニーのからかいに便乗したテノがニヤニヤしながらすかさず耳打ちしてくる。そうすれば、カドゥルは一転してうぶな様子を引っ込め、視線だけで射殺す勢いでテノを睨んでいた。
そんな気兼ねないやりとりをできるほどテノにも親しい相手なのだとわかった。
「そうかそうか」
安心した反面、あっという間に打ち解けられるテノが少しうらやましい。それを隠すように満面の笑みを浮かべて頷いた。
日が落ちて薄暗くなってきたからか、街頭や店の明かりが灯っていく。そろそろキーストンへ会いに行ってもいいだろう。腕時計を確認し、カドゥルから離れた。
「おっと、これからデートの約束があるんだわ。そんじゃあな、テノとイケメンくん」
弱気な自分を奮い立たせるためあえてデートと口にし、二人に向けてちゅっと投げキスをした。
一人になったアンソニーは培養液が入った筒とシルフの遺伝子を用いて作った黄緑色の瞳が入った容器を開けた。
「体を粗末に扱うな、か」
少し前、キーストンに言われた言葉を思いだし苦笑する。おそらくキーストンの考えは間違ってない。キーストンに恋愛対象としてみてほしいあまり親からもらった大事な肉体を未練もなく作り替えたのだから。
そして、残っている数少ない瞳すら手放すと決めた。
「もういいか。この体になってもあいつには恋愛対象としてみられなかったし」
どこまでも自分は最低だ。だが、今さら男に戻る気もない。ただ、子供の頃に抱いた――男なのに男のキーストンを愛した罪を医療を通して贖罪していくのに戻っただけだ。
シルフの目にしてからは再び視界が明瞭になった。それどころか、前よりも使い勝手がいいくらいだ。
「アンソニーさん、いつものお手紙来たよ!」
「おー、ありがとな」
配達をしている子供がニコニコと手紙を差し出してくる。目尻を下げて子供の頭をくしゃくしゃと撫でれば、子供ははにかんだ後、次の家へ配達に走り出した。
子供がいなくなったため咥えていたタバコに火をつける。封を切って手紙を取り出す。
『アンソニーへ
こっちは少し暑くなってきたが、そっちはどうだ?
お前が紹介してくれたテノ先生は騎士からも好評だ。さすがお前の弟子だな。俺が多忙だと言ったら、騎士たちよりも俺の方が先にカウンセリングが必要と言われたぞ。
テノ先生には悪いが、俺にはアンソニーっていう専属の医者がいるから不要なのにな。
そういえば、この間久しぶりキャミーに会った。
彼女にお前についてあれこれ聞かれて、とてもお前を心配していた。もし、第二王都で見かけたらお前から声をかけてやれ。きっとキャミーも今のお前に気づかないだろうし。
それから、お前に渡したいものがあるから時間ある夜、いつでも来てくれ。
キーストンより』
読み終わった手紙を丁寧に封筒に戻した後、デスクの隅に置いてある箱の中へしまった。そこにはエルキュに来てから届いた手紙が層となっていた。
「いつでも、か」
今日は午前診療で終わりだ。いつでもというなら今から会いに行ってもいいだろうか。同時にテノの様子も少し気になった。
「テノを見るついでに行くか」
本来の目的をごまかすように口にしてアンソニーは転移した。
夕方の第二王都は仕事帰りのものや夕食をしに行き交う人々で溢れていた。人混みに流されるまま歩いていれば、露店通りが目に入った。
「懐かしー……」
キーストンと一緒に食材を買って、料理をする。友人同士でも当たり前にする行為だが、距離が近かったせいかまるで恋人のようで幸せだった。改めてあのささやかな日常はアンソニーの中で最も幸せな時間だった。幸せすぎて欲深くなってしまっていた。
溢れそうになるため息を飲み込んで、テノに伝達魔法を飛ばそうとした手前、見覚えのある波打つ青紫の髪が目に入った。反射的にアンソニーは声を上げた。
「おーい、テノー」
人混みをスルスルとかき分けてテノの隣へ来れば、テノは死んだ魚のような金目を細めた。
「師匠、まーた体いじったんですか?」
「おう、こっちの方が患者の受けがいいからな」
テノは夢魔という特性上負の感情にさとい。沈んでいた気持ちをバレないようあえてニタニタと笑った。うまく隠せたおかげか、テノは気づいていないようだ。
「一応聞きますけど、その目はなんです?」
「お、よくぞ聞いた! 前の目玉はガタがきてたから風の精霊シルフの目を入れたんだ。おかげで遠い場所も近い場所もばっちりよ!」
ビシッと目を挟むようにピースをして決めポーズをとる。そんなアンソニーにテノは肩をすくめた。
「はいはい、それはよかったですねー」
「師匠との久しぶりの再会なのに冷めてねえかー」
唇を尖らし、細いながらも自分にはない男の腕に抱きつく。ぶわっと鳥肌を立てたテノは心底嫌そうに顔を歪めた。
「僕からしたらおっさんが腕に抱きついてきてるものですし。それに僕は同居人のご飯を作るために買い出しへ来てるんです」
「へえーどんな奴? あ、でもお前は魔物だから男限定か。なら、イケメンか?」
レインバルク王国で魔物が暮らすには、いざという時対処できる同居人が必要だ。そしてそれは男限定となっている。テノはなんだかんだ世話焼きだ。そんなテノが誰と同居しているか気になった。
「そうですね、ちょうどあんな……」
テノがある一点へ目を止めた。アンソニーもテノの視線の先を見れば、思わず「おぉ!」と感嘆の声を上げてしまった。
まわりから頭一つ抜きん出ている青年は、オレンジおびた桃色の髪と堀が深い綺麗な顔のハンサムだ。花形演者のような容姿のせいか、生成りのティーシャツと焦げ茶のズボンというシンプルな装いでも目を引く。
「とんだ色男じゃねえか。またすごいのをつり上げたな」
「見た目はかなりいいですけど、帰ってきたら一言目に『飯!』だし、中身おこちゃまですよ」
小馬鹿にしつつもまんざらでもなさそうなテノが硬直している青年を眺めながら肩をすくめた。アンソニーは小さく首をかしげた。
「それ、お前に甘えてるだけじゃね?」
「カドゥルくんにかぎってそれはないですよ。おーい、カドゥルくーん」
テノの返答にアンソニーは絶対甘えてるだろと内心ツッコミを入れた。テノの呼びかけにカドゥルと呼ばれた青年がハッとすると、引きつりながらも爽やかな笑みを浮かべながら、大股で近づいてくる。
「テノさん、町中で名前を大声で呼ぶのは恥ずかしいからやめてください」
「いやぁ、石像みたいにかたまっちゃってるからさー」
露骨に外向け用な笑顔は一周回って素直で好感が持てる。
思ったよりもうまくやっている様子に安堵と少し寂しさを覚えながら、様子を見ていればカドゥルがアンソニーへ顔を向けた。
「ところで、そちらのご婦人は」
ワンピースからのぞく胸の谷間を見ないよう目をそらすカドゥルのうぶさに思わず口の端をこれでもかとつり上げた。テノの腕から離れ、腕を組むと胸を強調させてカドゥルの前に立った。
「俺はこいつの師匠だ。アンソニーっていうが、気軽にアンさんって呼んでくれ」
無反応なキーストンと違って、素直な反応は可愛い。面白くなってきてカドゥルの体へ胸を押しつければ、カドゥルは顔を真っ赤にしたが、アンソニーの肩を掴んで優しく引き離した。
「そういう行動をするのはよろしくないかと」
「なんだい、兄さんは女体に興味ないのか?」
「それはないですよ、師匠。カドゥルくんは師匠みたいなスタイル抜群な女性が大好きですから」
アンソニーのからかいに便乗したテノがニヤニヤしながらすかさず耳打ちしてくる。そうすれば、カドゥルは一転してうぶな様子を引っ込め、視線だけで射殺す勢いでテノを睨んでいた。
そんな気兼ねないやりとりをできるほどテノにも親しい相手なのだとわかった。
「そうかそうか」
安心した反面、あっという間に打ち解けられるテノが少しうらやましい。それを隠すように満面の笑みを浮かべて頷いた。
日が落ちて薄暗くなってきたからか、街頭や店の明かりが灯っていく。そろそろキーストンへ会いに行ってもいいだろう。腕時計を確認し、カドゥルから離れた。
「おっと、これからデートの約束があるんだわ。そんじゃあな、テノとイケメンくん」
弱気な自分を奮い立たせるためあえてデートと口にし、二人に向けてちゅっと投げキスをした。
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