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恋人は愛を与えあうもの*
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はじめて自分の部屋で誰かと一緒の朝を迎えるのは不思議な感じだった。
ホルツの胸に顔を押し当てすうすうと寝ている姿は夜這いと勘違いした日以来だ。
「ふむ……」
いれたままでというメルギスクのおねだりもあったが、さすがに途中で抜けたようだ。それでもホルツにしがみついて眠るメルギスクの姿を眺めているとポカポカと胸が温かくなる。
メルギスクの頬をそっと撫でた後、時刻を確認すれば、朝の六時だ。いつもならとっくに起きて朝食の準備をしている頃だろう。
「今日はゆっくり休むといい」
本音を言えば、何もかもほっぽりだしてメルギスクが目覚めるまで一緒に寝たいがそうはいかない。
メルギスクにとって、そしてホルツにとっても大事なサニーとレインのクラス決めの試験があるのだ。なんで起こしてくれなかったんだと怒られるかもしれないが、その時はその時だ。
触れるだけのキスを額にしてベッドからでると手早くシャワーを浴びて着慣れた白いスーツを身につけ、メルギスクの体も綺麗にしておく。その時、メルギスクの腰にくっきりと手形が残っていることに満足感と顔がほんの少し熱くなるのを感じた。
そろそろ起きてくるであろうサニーとレインの朝食――チーズ入りのスクランブルエッグを作る。
「にいちゃん、おはよう~」
「おは、よう……」
「おはよう」
寝ぼけ眼の二人に挨拶すれば、二人は一転してこれでもかと目を見開きキッチンに立つホルツを凝視した。
「レイン……、ホルツさんが、キッチンに、たってる?」
「立ってるね」
「二人ともまるでお化けでも見るような顔だね。ほら、今日はクラス決めとはいえ大事な試験だ。顔を洗っておいで」
ふっと鼻で笑えば、二人はぎこちなく頷いて洗面台に向かった。その間にできあがったチーズ入りスクランブルエッグを皿に盛ると半月に切ったトマトを乗せて、パン皿とともにダイニングテーブルへ並べる。
二人が顔を洗って戻ってくるなりスクランブルエッグを見れば、目を輝かせた。
「わぁ! チーズのいい匂いがする!」
「チーズ入りだからね」
牛乳を入れたマグカップを二人の前に置き、ちょうど焼き上がったパンも皿にのせてやる。
「ホルツさんって料理できたんだ……」
「いつも兄ちゃんに作ってもらってるからできないと思ってた!」
ダイニングテーブルに並べておいたジャムやマーガリンを各々好きに塗って一口頬張った。二人の言い分にホルツはコーヒーを片手に定位置の向かいへと腰を下ろした。
「しないとできないは似て非なるものだよ」
「そういえば、兄ちゃんなんで起きてこないの?」
サニーの疑問はいたって普通だ。レインはなにやら察したのかチラチラとサニーを見ては気まずそうにホルツを見てくる。ホルツは片眉を器用にあげてサニーに微笑んだ。
「大丈夫だよ、サニー。昨日、色々なことを話しこんだら、さすがのメルも少し疲れただけさ」
「ふーん? ならいいや!」
サニーはあっさりと流すとチーズ入りスクランブルエッグを食べ始める。
二人が食事を終えて目的の学校に送り届ければ、ホルツは今まで通り中央管理局へと向かう。メルギスクへサニーとレインが通う学校の住所を送った後、たまっていた書類をあっという間に片付けていく。
昼食の時間になり、食堂でビーフシチューを食べていると端末から無機質な通知音が鳴った。手に取って確認すれば、案の定メルギスクからの連絡だ。
『なんで起こしてくれなかったんですか! 二人はもちろんですけど、ホルツさんもきちんとご飯食べましたか?』
怒りつつもしっかりとホルツのことも心配しているメルギスクにふっと頬が緩む。
『きちんとコーヒーをいれて飲んだよ』
『コーヒーは食事に入りません』
数秒おいてバッサリと切り捨てた返答がきた。文字だけでも眉をこれでも寄せて上目遣いで睨んでくる顔が容易に浮かぶ。どう返せば、メルギスクが納得するか。少し悩んでいると、女社員たちが声をかけてきた。
「ホルツさん、誰と連絡してるんですか?」
「今度こそ彼女ですか?」
恋愛話に食いつきがいいのは相変わらずのようだ。ホルツはゆっくり瞬きすると目尻を下げて微笑んだ。
「ああ、私の恋人だよ」
「やっぱり?! ほら、私の言った通りじゃん!」
「そんな~私ホルツさん狙ってたのに~!」
口々に嘆く女社員たちを一瞥した後、ホルツは端末に視線を落とすと頭に浮かんだ言葉を打ち込んだ。
『愛してるよ、メル』
今まで空虚だった文字は今やしっかりとした実態を持っていた。先ほどと違い、チェックマークはつけど返信がこない。さすがにタイミングが悪かったかと気づくがもう遅い。
ビーフシチューを手早く平らげて返却した後、自室に戻る途中電話をかけようとすればコールが鳴った。端末に浮かんだ名前が目に入れば自分でも驚くほど早く電話へ出た。
「メル、さっきのことなんだが」
『お、俺も……愛してます』
一方的に告げるなりプツッと電話が切れた。
ホルツはしばし端末を眺めた後、何度もかけ直した。しかし電話にでるどころか着信拒否されたのだった。
「赤いバラの花束と黄色と青の小さな花のブーケを二つください」
帰りに花屋によって注文すれば、店員が慣れた調子で花束を用意した。花束を受け取り急ぎ足で家へ向かう。だが、途中でエレベーターに乗ることすらおしく仕事以外ではじめて異能を使った。
パッと玄関へ下りれば、深呼吸を一つする。まっさきにメルギスクへ花束を渡したいところだが、まずはサニーとレインに試験を頑張ったことをねぎらうべきだろう。
「よし」
靴を脱いで玄関に上がるとリビングへ向かう。扉を開ければ、ふわっと香ばしいバターの香りとホワイトソースの甘く優しい香りがする。
「あ、ホルツさんおかえりなさい!」
「おかえりなさい」
ソファーに座ってレインと一緒にアニメを見ていたサニーが真っ先に駆け寄ってくる。その後をレインが追いかけてきた。二人はホルツの腕に花束が三つあることに気づくと目をしばたいた。
「あれ、今日は三つなの?」
「ぼくたちの、ぶん?」
ためらいがいちに尋ねてきたレインに鷹揚に頷くと、サニーには黄色の花束を、レインには青い花束を手渡した。
「二人ともお疲れ様。試験はどうだった?」
「思ってたよりむずかしくかったよ! ありがとう、ホルツさん!」
「レインは?」
「ぼくも、大丈夫です。えっと、花束ありがとうございます」
にこにこと微笑む二人の頭を一撫ですれば、二人は花束を手にはしゃぎながらソファーへ戻っていく。そんな二人をしばし眺めた後、キッチンに入った。
「メル、これをきみに」
そういって花束を差し出すものの、案の定メルギスクは姿を消していた。メルギスクはあくまでいないことをつき通すつもりなのか受け取らない。
けれどオーブンの前にいるのだろう。風景がかすかだが揺らいでいた。
「ふむ……」
ホルツはバラの花束を片手で抱えてメルギスクの尻尾の付け根へと触れた。
その瞬間、降ってわいたようにメルギスクがあらわになる。ベシッとホルツの手を叩いて勢いよく振り返ったメルギスクはうなじから耳の先まで真っ赤になっていた。
眉を寄せて口を引き結んだメルギスクがカフェオレ色の瞳を細めた。
「いきなり触らないでください」
「おや、私を無視したことを棚に上げてそれをいうのかい」
唇の端をつり上げて意地悪く笑えば、メルギスクは眉を下げて「それは」と口ごもった。サニーとレインがテレビへ夢中になっているのを確認して、目を伏せているメルギスクへバラの花束を差し出した。
「メル、これをきみに」
「今度はなんですか?」
メルギスクはいぶかしげに受け取って首をかしげた。そんなメルギスクを抱きしめた。
「ホ、ホルツさん」
「愛してるよ、メル」
伝えたいことはたくさんある。だが、それらよりも先に考えるよりも早く昼間からずっと頭の中をまわっていた想いが転がり出た。
ぴくっとメルギスクの体と尻尾が跳ねた後、ためらいがちにホルツの足にメルギスクの尻尾が絡みついてくる。
「俺もあ、い……してます」
赤いバラに顔をうずめかけていた真っ赤なメルギスクがおずおずと見上げてくる。ホルツは目尻を下げて身を少しかがめるとメルギスクの唇に唇を重ねた。
あえて舌を絡ませず、境界線が溶け合うような感覚を味わっていれば、サニーとレインが慌てた様子で駆け寄ってきた。
「兄ちゃん! なんか焦げ臭い!」
「お兄ちゃん、オーブン! オーブン!」
二人の言い分にメルギスクがハッとして慌ててオーブンを開けた。
その日食べたグラタンははじめて食べたときよりも苦かったが、ホルツにはいちだんとおいしく感じた。
ホルツの胸に顔を押し当てすうすうと寝ている姿は夜這いと勘違いした日以来だ。
「ふむ……」
いれたままでというメルギスクのおねだりもあったが、さすがに途中で抜けたようだ。それでもホルツにしがみついて眠るメルギスクの姿を眺めているとポカポカと胸が温かくなる。
メルギスクの頬をそっと撫でた後、時刻を確認すれば、朝の六時だ。いつもならとっくに起きて朝食の準備をしている頃だろう。
「今日はゆっくり休むといい」
本音を言えば、何もかもほっぽりだしてメルギスクが目覚めるまで一緒に寝たいがそうはいかない。
メルギスクにとって、そしてホルツにとっても大事なサニーとレインのクラス決めの試験があるのだ。なんで起こしてくれなかったんだと怒られるかもしれないが、その時はその時だ。
触れるだけのキスを額にしてベッドからでると手早くシャワーを浴びて着慣れた白いスーツを身につけ、メルギスクの体も綺麗にしておく。その時、メルギスクの腰にくっきりと手形が残っていることに満足感と顔がほんの少し熱くなるのを感じた。
そろそろ起きてくるであろうサニーとレインの朝食――チーズ入りのスクランブルエッグを作る。
「にいちゃん、おはよう~」
「おは、よう……」
「おはよう」
寝ぼけ眼の二人に挨拶すれば、二人は一転してこれでもかと目を見開きキッチンに立つホルツを凝視した。
「レイン……、ホルツさんが、キッチンに、たってる?」
「立ってるね」
「二人ともまるでお化けでも見るような顔だね。ほら、今日はクラス決めとはいえ大事な試験だ。顔を洗っておいで」
ふっと鼻で笑えば、二人はぎこちなく頷いて洗面台に向かった。その間にできあがったチーズ入りスクランブルエッグを皿に盛ると半月に切ったトマトを乗せて、パン皿とともにダイニングテーブルへ並べる。
二人が顔を洗って戻ってくるなりスクランブルエッグを見れば、目を輝かせた。
「わぁ! チーズのいい匂いがする!」
「チーズ入りだからね」
牛乳を入れたマグカップを二人の前に置き、ちょうど焼き上がったパンも皿にのせてやる。
「ホルツさんって料理できたんだ……」
「いつも兄ちゃんに作ってもらってるからできないと思ってた!」
ダイニングテーブルに並べておいたジャムやマーガリンを各々好きに塗って一口頬張った。二人の言い分にホルツはコーヒーを片手に定位置の向かいへと腰を下ろした。
「しないとできないは似て非なるものだよ」
「そういえば、兄ちゃんなんで起きてこないの?」
サニーの疑問はいたって普通だ。レインはなにやら察したのかチラチラとサニーを見ては気まずそうにホルツを見てくる。ホルツは片眉を器用にあげてサニーに微笑んだ。
「大丈夫だよ、サニー。昨日、色々なことを話しこんだら、さすがのメルも少し疲れただけさ」
「ふーん? ならいいや!」
サニーはあっさりと流すとチーズ入りスクランブルエッグを食べ始める。
二人が食事を終えて目的の学校に送り届ければ、ホルツは今まで通り中央管理局へと向かう。メルギスクへサニーとレインが通う学校の住所を送った後、たまっていた書類をあっという間に片付けていく。
昼食の時間になり、食堂でビーフシチューを食べていると端末から無機質な通知音が鳴った。手に取って確認すれば、案の定メルギスクからの連絡だ。
『なんで起こしてくれなかったんですか! 二人はもちろんですけど、ホルツさんもきちんとご飯食べましたか?』
怒りつつもしっかりとホルツのことも心配しているメルギスクにふっと頬が緩む。
『きちんとコーヒーをいれて飲んだよ』
『コーヒーは食事に入りません』
数秒おいてバッサリと切り捨てた返答がきた。文字だけでも眉をこれでも寄せて上目遣いで睨んでくる顔が容易に浮かぶ。どう返せば、メルギスクが納得するか。少し悩んでいると、女社員たちが声をかけてきた。
「ホルツさん、誰と連絡してるんですか?」
「今度こそ彼女ですか?」
恋愛話に食いつきがいいのは相変わらずのようだ。ホルツはゆっくり瞬きすると目尻を下げて微笑んだ。
「ああ、私の恋人だよ」
「やっぱり?! ほら、私の言った通りじゃん!」
「そんな~私ホルツさん狙ってたのに~!」
口々に嘆く女社員たちを一瞥した後、ホルツは端末に視線を落とすと頭に浮かんだ言葉を打ち込んだ。
『愛してるよ、メル』
今まで空虚だった文字は今やしっかりとした実態を持っていた。先ほどと違い、チェックマークはつけど返信がこない。さすがにタイミングが悪かったかと気づくがもう遅い。
ビーフシチューを手早く平らげて返却した後、自室に戻る途中電話をかけようとすればコールが鳴った。端末に浮かんだ名前が目に入れば自分でも驚くほど早く電話へ出た。
「メル、さっきのことなんだが」
『お、俺も……愛してます』
一方的に告げるなりプツッと電話が切れた。
ホルツはしばし端末を眺めた後、何度もかけ直した。しかし電話にでるどころか着信拒否されたのだった。
「赤いバラの花束と黄色と青の小さな花のブーケを二つください」
帰りに花屋によって注文すれば、店員が慣れた調子で花束を用意した。花束を受け取り急ぎ足で家へ向かう。だが、途中でエレベーターに乗ることすらおしく仕事以外ではじめて異能を使った。
パッと玄関へ下りれば、深呼吸を一つする。まっさきにメルギスクへ花束を渡したいところだが、まずはサニーとレインに試験を頑張ったことをねぎらうべきだろう。
「よし」
靴を脱いで玄関に上がるとリビングへ向かう。扉を開ければ、ふわっと香ばしいバターの香りとホワイトソースの甘く優しい香りがする。
「あ、ホルツさんおかえりなさい!」
「おかえりなさい」
ソファーに座ってレインと一緒にアニメを見ていたサニーが真っ先に駆け寄ってくる。その後をレインが追いかけてきた。二人はホルツの腕に花束が三つあることに気づくと目をしばたいた。
「あれ、今日は三つなの?」
「ぼくたちの、ぶん?」
ためらいがいちに尋ねてきたレインに鷹揚に頷くと、サニーには黄色の花束を、レインには青い花束を手渡した。
「二人ともお疲れ様。試験はどうだった?」
「思ってたよりむずかしくかったよ! ありがとう、ホルツさん!」
「レインは?」
「ぼくも、大丈夫です。えっと、花束ありがとうございます」
にこにこと微笑む二人の頭を一撫ですれば、二人は花束を手にはしゃぎながらソファーへ戻っていく。そんな二人をしばし眺めた後、キッチンに入った。
「メル、これをきみに」
そういって花束を差し出すものの、案の定メルギスクは姿を消していた。メルギスクはあくまでいないことをつき通すつもりなのか受け取らない。
けれどオーブンの前にいるのだろう。風景がかすかだが揺らいでいた。
「ふむ……」
ホルツはバラの花束を片手で抱えてメルギスクの尻尾の付け根へと触れた。
その瞬間、降ってわいたようにメルギスクがあらわになる。ベシッとホルツの手を叩いて勢いよく振り返ったメルギスクはうなじから耳の先まで真っ赤になっていた。
眉を寄せて口を引き結んだメルギスクがカフェオレ色の瞳を細めた。
「いきなり触らないでください」
「おや、私を無視したことを棚に上げてそれをいうのかい」
唇の端をつり上げて意地悪く笑えば、メルギスクは眉を下げて「それは」と口ごもった。サニーとレインがテレビへ夢中になっているのを確認して、目を伏せているメルギスクへバラの花束を差し出した。
「メル、これをきみに」
「今度はなんですか?」
メルギスクはいぶかしげに受け取って首をかしげた。そんなメルギスクを抱きしめた。
「ホ、ホルツさん」
「愛してるよ、メル」
伝えたいことはたくさんある。だが、それらよりも先に考えるよりも早く昼間からずっと頭の中をまわっていた想いが転がり出た。
ぴくっとメルギスクの体と尻尾が跳ねた後、ためらいがちにホルツの足にメルギスクの尻尾が絡みついてくる。
「俺もあ、い……してます」
赤いバラに顔をうずめかけていた真っ赤なメルギスクがおずおずと見上げてくる。ホルツは目尻を下げて身を少しかがめるとメルギスクの唇に唇を重ねた。
あえて舌を絡ませず、境界線が溶け合うような感覚を味わっていれば、サニーとレインが慌てた様子で駆け寄ってきた。
「兄ちゃん! なんか焦げ臭い!」
「お兄ちゃん、オーブン! オーブン!」
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