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1章 処罰と噂
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「王国の青き月にご挨拶申し上げます。ベルンハル公爵家当主、バルマン=ベルンハルでございます。」
「顔を上げてください。」
アリムはバルマンの大柄な体躯に目を丸くした。そして姿勢を正すと、更に思った以上の背丈に、内心で驚く。
ホーンよりも背が高く、体格がいい。
ホーンが熊ならば、バルマンは壁だ。
白髪混じりの髪を後ろに撫で付け、髭は清潔に剃り上げられている。
彫りの深い落ち窪んだ瞳は、オハラに似て目尻が垂れ下がっている。
たが、彼女のように優しい印象ではなく、厳しさと陰鬱さを表しているようだった。
引き結んだ直線的な唇が何の感情も示さないことに、アリムは彼の第一印象を決定づけた。
ーー怖いな……。
人慣れしているアリムがそう思うことは多くない。
大体において、人の懐に飛び込む自信はある。
しかしバルマンにはそれが通用しないだろう。
アリムは背筋を正し、胸に手を当てて紳士の礼を返した。
「アリム=イスファール=ラ=アレジャブルです。」
「お目にかかれて光栄でございます。」
空気を震わせる低い声に、アリムは頰を強張らせた。
キシュワールがアリムの背中をソッと押す。
アリムはハッとしながらソファに腰を下ろした。
「突然の謁見要請に応じて頂き、感謝申し上げます。」
「はい。突然の事に驚きました。」
アリムはニコリと笑うと、キシュワールに目配せをした。
キシュワールは「かしこまりました」と会釈すると、アリムの分の紅茶を用意する。
「ベルンハル公爵、お茶は足りていますか?」
バルマンはじっとアリムを見つめて、不思議そうに首を傾げた。
何か粗相をしただろうか、とアリムはバートンの様子を窺う。
しかし彼はすぐにアリムから視線を外すと、カップをテーブルの脇にずらした。
「頂戴いたします。」
彼のティーカップの中はすでに空になっている。なかなかの時間を待たせていたのかもしれない。
キシュワールはアリムの前にカップを置くと、バルマンに給仕をする。
バルマンは軽く会釈をすると、落ち着いた仕草でカップに口をつけた。
どちらから口火を切るべきか。
アリムもカップを持ち上げ、気付かれないようにバルマンの様子を探る。
「……先日は当領地にお立ち寄り、ありがとうございました。」
カップから顔を上げたバルマンが、静かに口を開いた。
アリムは今度こそバルマンを真正面から見つめる。
ーー何と答えたらいいだろう……。
あそこの使用人には、充分な仕返しをした。
だが、バルマンにとっては終わらせられる話ではないのだろう。
誤魔化したところで、互いに時間を無駄に過ごすだけだーー
「不本意な訪問になりました。ですが、公爵に用意していただいた宿には、とても満足しましたよ。」
「此度の事は大変申し訳ございませんでした。本邸の者たちには、処罰を与える事になりました。」
バルマンは決定した事を淡々と伝える。
「そうですか。」
アリムは目を伏せて頷く。
決まった事をとやかく言うつもりはない。
アリムとしては、もう放っておいてほしいのが本音だったが。
バルマンはアリムの頷きを了承と受け取り「はい。」と低く頷く。
「バーリからも正式な抗議を受けましたので、これより私とオハラも1ヶ月の謹慎に入りたいと思っております。」
ゲホッ!!
バルマンの言葉に、アリムは大きくむせ返った。
「な、なんで!」
キシュワールは呆れたように、アリムの口元にハンカチを差し出す。
アリムはゲホゲホと咳き込みながらハンカチを口元に当てた。
「どういう事ですか?」
「下の者が不敬を働いたのは、私とオハラの目が届いていなかった為です。」
「そんな……!勘弁してください!」
焦ったアリムが声を荒らげると、バルマンが陰鬱な目つきでアリムを見つめる。
「勘弁とは?」
「どんな話を聞いたか知りませんが、騎士たちにはキシュワールとノイが仕返ししてくれましたし、僕なりにしっかりとやりかえしてきたつもりです!それでおしまいですよ!母さんに謹慎なんてさせないでください!」
「母さん?」
バルマンがピクリと眉を顰めた。
「母さんです。もう家族ですから。そうでしょう?叔父様!。」
アリムはパッと口を手で塞いだ。
オハラを母と呼ぶのなら、バルマンは叔父だ。
至極真っ当な理屈だが、わざわざ口にすることはなかった。
アリムはそろりとバルマンとキシュワールを見遣る。
目を丸くしているバルマン。
半眼になっているキシュワール……。
「……あぁ……もういっそ僕を叱ってください……。」
「出来かねます。」
「キシュワールでもいいから。」
「私もお断り致します。」
アリムは真っ赤になった顔を掌で覆った。
「と、とにかく。謹慎はやめてください。」
バルトンは「ふむ」と唸ると、顎を一撫でする。そしてアリムをまじまじと見つめた。
「オハラも納得しての事です。」
「……僕の評判は、僕だって知っています。」
「ならば尚のことです。王族の悪意ある噂を流布するなど、我が領地にあってはならない事です。」
アリムはバルマンの言葉に、顔を覆っていた手を外した。
バルマンはじっとアリムを見つめ、顔色を変えずにいる。
ーーこの人、すごいな……。
キシュワールが言ったバルマンの公平は、アリムにも当てはまるのだ。
だがその公平は、融通の効くものではないらしい。
アリムは困り切って眉を下げた。
「どうしてもですか?」
「はい。」
「叔父様、お願いします。」
「我が領地の事です。過度な干渉はご遠慮願います。」
一応可愛さを装ってみたが、バルマンは眉一つ動かさない。
後ろでキシュワールが小さく笑った声がした。
途端に自分のあざとさが恥ずかしくなり、しおしおと小さくなる。
「……なら、母さんに手紙を送ることは許していただけますか?」
「手紙でございますか?」
「はい。僕が原因の謹慎なので、ご気分を害されるでしょうか?」
「妃殿下が原因ではありません。」
ピシャリと跳ね除けられる。
アリムはとうとう耐えられなくなり、カップのお茶をグイッと飲み干した。
行儀悪く「ぷはっ!」と息をつき、前のめりにもう一度問うてみる。
「……手紙くらいいいでしょう?」
「手紙のやり取りについては特に禁止はしておりません。御随意に。」
ようやく勝ち得た肯定に、アリムは心の中でガッツポーズをする。
突然、バルマンの射抜くような視線を感じた。
「なんでしょうか?」
バルマンは落ち窪んだ瞳で、まじまじと見つめている。
不躾ではあるが、悪意はない。
アリムはきょとんっと目を丸くして、バルマンの視線に答えた。
「……お美しくていらっしゃる。」
「え?」
「……アルリーシャの民は皆、見目が良いのは存じておりますが、妃殿下は群を抜いてお美しい。」
アリムはバルマンの唐突な言葉に、更に目を丸くした。
容姿を褒められる事は、少なくない。
だが城にきてからの褒め言葉は、あまり嬉しいものではなかった。
何故ならその言葉の後には『だから王に取り入ることが出来たのだ』という本音がチラつくから。
バルマンもその手合いだろうかと、訝しむ。
しかしバルマンは、相変わらず落ち窪んだ瞳でアリムを静かに見つめていた。
「……ありがとうございます。」
「腹に一物をお持ちのようだが、悪い心はなさそうですな。」
「え?」
バルマンはそう言うと、カップに入ったお茶を最後まで飲み干した。ソーサーにカップを戻す音が、静かに部屋に響く。
「うまい茶を馳走になりました。用件も済みましたので、御前を失礼致します。」
バルマンはゆったりした動作で立ち上がると、胸に手を当てて一礼した。
大きな体躯を折り曲げ、深々とアリムに頭を下げる。
アリムは何を言われたのか理解することに時間がかかり、ポカンっと彼の頭頂部を見つめた。
キシュワールが「妃殿下。」とアリムを呼んだ。
「あ、母さんにもよろしくお伝えください。」
「はい、必ず。」
バルマンはもう一度礼をすると、静かに扉を開けて退室した。
彼の足音が通り過ぎるのを確認して、アリムはキシュワールを見上げる。
「さっきの、どういう意味?」
「……よくわかりませんが、悪い印象ではなかったかと。」
「腹に一物あるって言われたのに?」
「はぁ……。」
2人は眉間に皺を寄せて、首を傾げる。
何はともあれ、バルマンは謝罪と処罰の事後報告にきただけのようだ。
何事もなかったことに、アリムはほっと胸を撫で下ろす。
「お茶のおかわりは如何ですか?」
キシュワールの問いかけに、アリムは軽く頷いた。
「貰おうかな。これを飲んだらアルバスに戻るよ。」
「かしこまりました。」
キシュワールに給仕を受けるのにも慣れてきた。キシュワールの淹れるお茶は、とても美味しく、ノイのコーヒーの次に気に入っている。
ほわりと馥郁たる香りが、鼻をくすぐる。
柑橘の香りがする、アリムの好きな紅茶。
キシュワールが茶葉を変えたらしい。
「なんか……不思議な方だったなぁ……。」
一口カップに口をつける。
鼻を通り過ぎる、柔らかな香り。
心がじわりと暖かくなる。
アリムはほぉぅとまた息を吐き、キシュワールを見上げた。
「美味しいよ。」
にこりと笑いかけると、キシュワールは軽く会釈をして「ようございました。」と呟いたのだった。
「顔を上げてください。」
アリムはバルマンの大柄な体躯に目を丸くした。そして姿勢を正すと、更に思った以上の背丈に、内心で驚く。
ホーンよりも背が高く、体格がいい。
ホーンが熊ならば、バルマンは壁だ。
白髪混じりの髪を後ろに撫で付け、髭は清潔に剃り上げられている。
彫りの深い落ち窪んだ瞳は、オハラに似て目尻が垂れ下がっている。
たが、彼女のように優しい印象ではなく、厳しさと陰鬱さを表しているようだった。
引き結んだ直線的な唇が何の感情も示さないことに、アリムは彼の第一印象を決定づけた。
ーー怖いな……。
人慣れしているアリムがそう思うことは多くない。
大体において、人の懐に飛び込む自信はある。
しかしバルマンにはそれが通用しないだろう。
アリムは背筋を正し、胸に手を当てて紳士の礼を返した。
「アリム=イスファール=ラ=アレジャブルです。」
「お目にかかれて光栄でございます。」
空気を震わせる低い声に、アリムは頰を強張らせた。
キシュワールがアリムの背中をソッと押す。
アリムはハッとしながらソファに腰を下ろした。
「突然の謁見要請に応じて頂き、感謝申し上げます。」
「はい。突然の事に驚きました。」
アリムはニコリと笑うと、キシュワールに目配せをした。
キシュワールは「かしこまりました」と会釈すると、アリムの分の紅茶を用意する。
「ベルンハル公爵、お茶は足りていますか?」
バルマンはじっとアリムを見つめて、不思議そうに首を傾げた。
何か粗相をしただろうか、とアリムはバートンの様子を窺う。
しかし彼はすぐにアリムから視線を外すと、カップをテーブルの脇にずらした。
「頂戴いたします。」
彼のティーカップの中はすでに空になっている。なかなかの時間を待たせていたのかもしれない。
キシュワールはアリムの前にカップを置くと、バルマンに給仕をする。
バルマンは軽く会釈をすると、落ち着いた仕草でカップに口をつけた。
どちらから口火を切るべきか。
アリムもカップを持ち上げ、気付かれないようにバルマンの様子を探る。
「……先日は当領地にお立ち寄り、ありがとうございました。」
カップから顔を上げたバルマンが、静かに口を開いた。
アリムは今度こそバルマンを真正面から見つめる。
ーー何と答えたらいいだろう……。
あそこの使用人には、充分な仕返しをした。
だが、バルマンにとっては終わらせられる話ではないのだろう。
誤魔化したところで、互いに時間を無駄に過ごすだけだーー
「不本意な訪問になりました。ですが、公爵に用意していただいた宿には、とても満足しましたよ。」
「此度の事は大変申し訳ございませんでした。本邸の者たちには、処罰を与える事になりました。」
バルマンは決定した事を淡々と伝える。
「そうですか。」
アリムは目を伏せて頷く。
決まった事をとやかく言うつもりはない。
アリムとしては、もう放っておいてほしいのが本音だったが。
バルマンはアリムの頷きを了承と受け取り「はい。」と低く頷く。
「バーリからも正式な抗議を受けましたので、これより私とオハラも1ヶ月の謹慎に入りたいと思っております。」
ゲホッ!!
バルマンの言葉に、アリムは大きくむせ返った。
「な、なんで!」
キシュワールは呆れたように、アリムの口元にハンカチを差し出す。
アリムはゲホゲホと咳き込みながらハンカチを口元に当てた。
「どういう事ですか?」
「下の者が不敬を働いたのは、私とオハラの目が届いていなかった為です。」
「そんな……!勘弁してください!」
焦ったアリムが声を荒らげると、バルマンが陰鬱な目つきでアリムを見つめる。
「勘弁とは?」
「どんな話を聞いたか知りませんが、騎士たちにはキシュワールとノイが仕返ししてくれましたし、僕なりにしっかりとやりかえしてきたつもりです!それでおしまいですよ!母さんに謹慎なんてさせないでください!」
「母さん?」
バルマンがピクリと眉を顰めた。
「母さんです。もう家族ですから。そうでしょう?叔父様!。」
アリムはパッと口を手で塞いだ。
オハラを母と呼ぶのなら、バルマンは叔父だ。
至極真っ当な理屈だが、わざわざ口にすることはなかった。
アリムはそろりとバルマンとキシュワールを見遣る。
目を丸くしているバルマン。
半眼になっているキシュワール……。
「……あぁ……もういっそ僕を叱ってください……。」
「出来かねます。」
「キシュワールでもいいから。」
「私もお断り致します。」
アリムは真っ赤になった顔を掌で覆った。
「と、とにかく。謹慎はやめてください。」
バルトンは「ふむ」と唸ると、顎を一撫でする。そしてアリムをまじまじと見つめた。
「オハラも納得しての事です。」
「……僕の評判は、僕だって知っています。」
「ならば尚のことです。王族の悪意ある噂を流布するなど、我が領地にあってはならない事です。」
アリムはバルマンの言葉に、顔を覆っていた手を外した。
バルマンはじっとアリムを見つめ、顔色を変えずにいる。
ーーこの人、すごいな……。
キシュワールが言ったバルマンの公平は、アリムにも当てはまるのだ。
だがその公平は、融通の効くものではないらしい。
アリムは困り切って眉を下げた。
「どうしてもですか?」
「はい。」
「叔父様、お願いします。」
「我が領地の事です。過度な干渉はご遠慮願います。」
一応可愛さを装ってみたが、バルマンは眉一つ動かさない。
後ろでキシュワールが小さく笑った声がした。
途端に自分のあざとさが恥ずかしくなり、しおしおと小さくなる。
「……なら、母さんに手紙を送ることは許していただけますか?」
「手紙でございますか?」
「はい。僕が原因の謹慎なので、ご気分を害されるでしょうか?」
「妃殿下が原因ではありません。」
ピシャリと跳ね除けられる。
アリムはとうとう耐えられなくなり、カップのお茶をグイッと飲み干した。
行儀悪く「ぷはっ!」と息をつき、前のめりにもう一度問うてみる。
「……手紙くらいいいでしょう?」
「手紙のやり取りについては特に禁止はしておりません。御随意に。」
ようやく勝ち得た肯定に、アリムは心の中でガッツポーズをする。
突然、バルマンの射抜くような視線を感じた。
「なんでしょうか?」
バルマンは落ち窪んだ瞳で、まじまじと見つめている。
不躾ではあるが、悪意はない。
アリムはきょとんっと目を丸くして、バルマンの視線に答えた。
「……お美しくていらっしゃる。」
「え?」
「……アルリーシャの民は皆、見目が良いのは存じておりますが、妃殿下は群を抜いてお美しい。」
アリムはバルマンの唐突な言葉に、更に目を丸くした。
容姿を褒められる事は、少なくない。
だが城にきてからの褒め言葉は、あまり嬉しいものではなかった。
何故ならその言葉の後には『だから王に取り入ることが出来たのだ』という本音がチラつくから。
バルマンもその手合いだろうかと、訝しむ。
しかしバルマンは、相変わらず落ち窪んだ瞳でアリムを静かに見つめていた。
「……ありがとうございます。」
「腹に一物をお持ちのようだが、悪い心はなさそうですな。」
「え?」
バルマンはそう言うと、カップに入ったお茶を最後まで飲み干した。ソーサーにカップを戻す音が、静かに部屋に響く。
「うまい茶を馳走になりました。用件も済みましたので、御前を失礼致します。」
バルマンはゆったりした動作で立ち上がると、胸に手を当てて一礼した。
大きな体躯を折り曲げ、深々とアリムに頭を下げる。
アリムは何を言われたのか理解することに時間がかかり、ポカンっと彼の頭頂部を見つめた。
キシュワールが「妃殿下。」とアリムを呼んだ。
「あ、母さんにもよろしくお伝えください。」
「はい、必ず。」
バルマンはもう一度礼をすると、静かに扉を開けて退室した。
彼の足音が通り過ぎるのを確認して、アリムはキシュワールを見上げる。
「さっきの、どういう意味?」
「……よくわかりませんが、悪い印象ではなかったかと。」
「腹に一物あるって言われたのに?」
「はぁ……。」
2人は眉間に皺を寄せて、首を傾げる。
何はともあれ、バルマンは謝罪と処罰の事後報告にきただけのようだ。
何事もなかったことに、アリムはほっと胸を撫で下ろす。
「お茶のおかわりは如何ですか?」
キシュワールの問いかけに、アリムは軽く頷いた。
「貰おうかな。これを飲んだらアルバスに戻るよ。」
「かしこまりました。」
キシュワールに給仕を受けるのにも慣れてきた。キシュワールの淹れるお茶は、とても美味しく、ノイのコーヒーの次に気に入っている。
ほわりと馥郁たる香りが、鼻をくすぐる。
柑橘の香りがする、アリムの好きな紅茶。
キシュワールが茶葉を変えたらしい。
「なんか……不思議な方だったなぁ……。」
一口カップに口をつける。
鼻を通り過ぎる、柔らかな香り。
心がじわりと暖かくなる。
アリムはほぉぅとまた息を吐き、キシュワールを見上げた。
「美味しいよ。」
にこりと笑いかけると、キシュワールは軽く会釈をして「ようございました。」と呟いたのだった。
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