8 / 37
行商を決めてください!
しおりを挟む
「ちくしょう!離せ!」
ニックさんに取り押さえられている男性は大声を上げながら抵抗しているが、周囲の手助けもあり、縛り上げられるとようやく観念した。
男性に倒されていた兵も私の元に集まり、縛り上げた男性を引き起こす。
「ソマリア様、外出はここまでです。またこの様な事が無いとはいいきれません」と王宮へと戻そうとする。
会いたかったニックさんとは何も話していない…それに牢屋に入れられた件についても謝りたかった。
兵に腕を引かれ、この場を後にしようとするが
「あなた達、まだ助けて貰ったお礼をいってませんよ」と兵達に私は言った。
兵達は、確かに…と言った表情を見せ
「この度はソマリア様を助けていただき、本当にありがとうございます。何かお礼をするべきですが…ご要望はございますか?」
「なら…ソマリア様とお話をさせてください」とニックさんは言い、兵達は私達から少し距離を離した。
「会いたかった…アリス、いやソマリア様」
「すみません、嘘をついてしまって…それに牢屋に入る羽目になってしまい、本当にごめんなさい」
私は嘘と父の独断について、深く頭を下げ謝った。
嘘については仕方ない事だといい、牢屋にいる間もあなたに会いたいと思っていたと言う。
同じ気持ちだった、と知ると嬉しく抱きしめてほしい…と願ってしまった。
しかし、今は私の周りには兵がおり、また祭事に集まった多くの人々がいるため、それは叶わない…。
ニックさんは周りにバレないように、そっと近づき、手を繋いできた。見方によれば握手してるような感じだが、ニックさんの手の温もりが伝わり、鼓動が早くなる。
ずっとこうしていたい…。
望むなら陛下よりもこの人と一緒に…と。
「ソマリア様、もう時間です」
夕刻までに戻らないと連れ戻しにくる、それが父との約束だ。
名残惜しい気持ちだが、手を離し、ニックさんと別れた。
「帰ったか、ソマリア。少しは気分は晴れたか?」
「えぇ、外に行くのを許していただき、ありがとうございます」
行く前の曇った気持ちは、ニックさんに会えたことで嘘のように晴れた。いまだにニックさんの手の温もりも感じる。
「お父様、お話が…」
「なんだ?」
「実は…」
私は街で聞いた兵の鎧は行商のを使うという話を父にし、長年懇意にしてる行商もいるかと思うが、私の婚礼も兼ねて、新しい物に変えてはどうか?と提案してみた。
婚礼…今、私自身が口にしたが、陛下との婚姻は望んでいない…。ただ、いきなり行商を変えて欲しいといっても、変に疑われるだけだから、矛先を婚礼と言う言葉ですげ替えた。
「ふむ…」と顎に手を置き、考えてくれている様子であり、感触としては悪くない。
後は、どうやって行商相手をニックさんに決めさすかと言う事だ。
しかし…
「なるほどな…それも良いかも知れん。ただ、もう新しい鎧は頼んである。だから行商を変えるならお前の婚礼が終わってからなら良いぞ」と言う。
そんな…もう頼んであるなんて知らなかった。それに婚礼が終わった後なんていったら遅すぎる。
「婚礼前では無理ですか?」と疑われてしまうかもしれないのに、必死に食い下がった。
「何をムキになっている」と父はいい、さっきまでの好感触を台無しにしていく。
それどころかこのままでは行商の話を今後口にするのはタブーにされそうだった。
「儂が選ぶ鎧が気に入らんと言いたいのか?それとも何か裏があるのか?」と徐々に疑いの目を向けてくるようになり、この流れでは諦めるしかないと悟った…。
「いえ…そう言う訳では…この話は忘れて下さい」
せっかくの大きなチャンスだったが、父の一歩先を行く行動と私自身の浅はかな言動によりフイにしてしまった…。
ニックさんに取り押さえられている男性は大声を上げながら抵抗しているが、周囲の手助けもあり、縛り上げられるとようやく観念した。
男性に倒されていた兵も私の元に集まり、縛り上げた男性を引き起こす。
「ソマリア様、外出はここまでです。またこの様な事が無いとはいいきれません」と王宮へと戻そうとする。
会いたかったニックさんとは何も話していない…それに牢屋に入れられた件についても謝りたかった。
兵に腕を引かれ、この場を後にしようとするが
「あなた達、まだ助けて貰ったお礼をいってませんよ」と兵達に私は言った。
兵達は、確かに…と言った表情を見せ
「この度はソマリア様を助けていただき、本当にありがとうございます。何かお礼をするべきですが…ご要望はございますか?」
「なら…ソマリア様とお話をさせてください」とニックさんは言い、兵達は私達から少し距離を離した。
「会いたかった…アリス、いやソマリア様」
「すみません、嘘をついてしまって…それに牢屋に入る羽目になってしまい、本当にごめんなさい」
私は嘘と父の独断について、深く頭を下げ謝った。
嘘については仕方ない事だといい、牢屋にいる間もあなたに会いたいと思っていたと言う。
同じ気持ちだった、と知ると嬉しく抱きしめてほしい…と願ってしまった。
しかし、今は私の周りには兵がおり、また祭事に集まった多くの人々がいるため、それは叶わない…。
ニックさんは周りにバレないように、そっと近づき、手を繋いできた。見方によれば握手してるような感じだが、ニックさんの手の温もりが伝わり、鼓動が早くなる。
ずっとこうしていたい…。
望むなら陛下よりもこの人と一緒に…と。
「ソマリア様、もう時間です」
夕刻までに戻らないと連れ戻しにくる、それが父との約束だ。
名残惜しい気持ちだが、手を離し、ニックさんと別れた。
「帰ったか、ソマリア。少しは気分は晴れたか?」
「えぇ、外に行くのを許していただき、ありがとうございます」
行く前の曇った気持ちは、ニックさんに会えたことで嘘のように晴れた。いまだにニックさんの手の温もりも感じる。
「お父様、お話が…」
「なんだ?」
「実は…」
私は街で聞いた兵の鎧は行商のを使うという話を父にし、長年懇意にしてる行商もいるかと思うが、私の婚礼も兼ねて、新しい物に変えてはどうか?と提案してみた。
婚礼…今、私自身が口にしたが、陛下との婚姻は望んでいない…。ただ、いきなり行商を変えて欲しいといっても、変に疑われるだけだから、矛先を婚礼と言う言葉ですげ替えた。
「ふむ…」と顎に手を置き、考えてくれている様子であり、感触としては悪くない。
後は、どうやって行商相手をニックさんに決めさすかと言う事だ。
しかし…
「なるほどな…それも良いかも知れん。ただ、もう新しい鎧は頼んである。だから行商を変えるならお前の婚礼が終わってからなら良いぞ」と言う。
そんな…もう頼んであるなんて知らなかった。それに婚礼が終わった後なんていったら遅すぎる。
「婚礼前では無理ですか?」と疑われてしまうかもしれないのに、必死に食い下がった。
「何をムキになっている」と父はいい、さっきまでの好感触を台無しにしていく。
それどころかこのままでは行商の話を今後口にするのはタブーにされそうだった。
「儂が選ぶ鎧が気に入らんと言いたいのか?それとも何か裏があるのか?」と徐々に疑いの目を向けてくるようになり、この流れでは諦めるしかないと悟った…。
「いえ…そう言う訳では…この話は忘れて下さい」
せっかくの大きなチャンスだったが、父の一歩先を行く行動と私自身の浅はかな言動によりフイにしてしまった…。
0
あなたにおすすめの小説
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
《完結》「パパはいますか?」ある日、夫に似た子供が訪ねて来た。
ヴァンドール
恋愛
嫁いですぐに夫は戦地に赴いた。すると突然一人の男の子が訪ねて来た「パパはいますか?」
その子供の顔は戦地に行った夫にそっくりだった。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる