陛下!私、好きな人が出来ちゃいました、だから私を諦めて下さい?!

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揉み消される事実

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「早くこっちです!」
バタバタと私の部屋に入ってくる給仕と執事。

部屋では意識を失い、陛下に身を預けている私がいた。見た感じではかなりグッタリしていて、執事は医師を呼ぶよう給仕に指示を出していた。

「陛下、お嬢様はどうされたんですか?」
「いや、部屋に入ってきた蜂に驚き、頭をぶつけてしまった。大丈夫、蜂には刺されてない」
と嘘をつき、私をベットに横たえた。

「そうでございますか…ただ、医師の判断を聞かないと安心できません。陛下も一緒にいてもらえますか?」
「あぁ、俺も心配だからいるさ」

医師が部屋に来て、私を診察する。
隣でハラハラしながら結果を催促する執事がいる一方、陛下は椅子に座り腕を組んで、窓の外を見ていた。

「ん~…」と首を傾げながら困る医師の姿を見て、執事は早く結果を教えろといった感じで貧乏ゆすりをしながらイライラしている。

「多分大丈夫でしょう」
「多分とはなんだ!多分とは!」って医師に食って掛かる執事を給仕が必死に止めに入り、引き剥がしている。

急に怒鳴りあげたからか、執事がはぁはぁ…と息苦しくしているのを、肩をたたき「落ち着け」と陛下が優しく声を掛ける。
「水を」と給仕に指示する陛下。

水を飲み落ちつきを取り戻した執事がもう一度、医師に本当に大丈夫なんだな?と尋ね、医師は、はい。と答え、今はゆっくり休むのが必要ですと告げ、部屋を出た。

はぁ~…と胸を撫で下ろす執事に、2人になりたいと陛下は告げた。
「もちろん、それは」と了解する執事であったが…

「私、見ました!」と給仕の1人が声を上げた。
その給仕は私と陛下の一部始終を見た者で、必死に私の口を塞いでいる陛下がいた、と周囲にバラした。

何をいってるんだ?俺がソマリアの口を?するはずないじゃないか?と椅子から立ち上がり、声を上げた給仕に詰め寄った。
「いえ!本当です!陛下が…」

「おい、殺されたいのか?」と耳元で脅した。

ビクッとなり、それ以降は黙ってしまった…。
執事も給仕の言葉を100%信じる事はなく、言葉半分に捉えていた。


「んっ…」と私は目を覚まし、今の状況を理解出来ずにいた。
ソマリア様、良かった、お目覚めになって…と安堵の顔をする執事に、鋭い目を私に向ける陛下。
「お嬢様に水を」と給仕に指示し、蜂は大丈夫でしたか?と私に尋ねるが、「蜂?」と聞き返す。

「目を覚まして良かった、ソマリア!」
と私を抱きしめる陛下は、話を合わせろ、そうしないとどうなるか分からんぞ?と抱きしめる力を強めた…。
「えっ…」と困惑するが、更に強く抱きしめた。

気を失ってた原因が陛下だ!と言う事実を隠すため偽装する行為で、誰にも言うなとすぐ分かった。

「痛っ…痛いです、陛下…」
「すまない」

なんて発言すれば良いか必死に考え、蜂についての話を合わせないと、次会った時に命の危険があるのでは…と思い、執事に「蜂は大丈夫。びっくりして頭を打っちゃいました」と口裏を合わせた。

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