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歩み出す新しい世界 終
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街をひたすら走り、ニックさんの家を目指す。
あと少し、あと少しと胸の高まりが強くなってくる。
婚約破棄をした私をどんな風に思うんだろう…と不安も襲ってくるが、今は会いたい気持ちしか無かった。
はぁはぁ…着いた…
息を整えるのより先に扉をノックした。
居て欲しいと願いながら扉が開くのを今か今かと待ち焦がれる。
「ソマリア…さま…何故?」
「ニックさん…会いたかった…。私、もう一人です」
「まさか…婚約破棄を?」
「はい。私はあなたと居たいです」
少し困惑の顔を見せ、迷惑だったのかと思ってしまった。私達は両思いなはず。と思っていたからそんな顔されるのは嫌だった。
何故そんな顔をするの?と聞くと、嬉しいが不安もあると言う。
いくら婚約破棄をしたとしても身分は王女のはずだと…。
「王女ではありません。私から辞めます、そんな身分なんて。あなたといるなら肩書きなんて要らない」
私の決意にようやく笑顔を見せた。
まずは中で話しましょうと中に招きいれてくれた。
中は以前の様な雑多に置いた感じじゃなく整理されていた。
それよりも少し物が減った感じがある。
鎧や剣などはあるが、数が少ない…。
どうしたかと聞くと、この家業を辞めるつもりだと言う。私の話を聞き、もし養うならもっと安定的な仕事をするべきだと。
養う…そんな言葉が心に染み渡る。
気持ちは一緒なんだと嬉しく思い、抱きついた。
「私と一緒になってくれますか?」
私からの逆プロポーズ。
「もちろん」と私を抱きしめキスをした。
あれから一ヶ月、私はニックさんと共に暮らしている。
私の下に父から呼び出しがあり、久しぶりに王宮に出向いた。
久しぶりに見る屋敷の外観を見上げ、ここに暮らしていたんだなと思っていると、ブラックさんが私に気付いた。
「久しぶりです、ソマリア様、待ってましたよ、さぁ中へ」
「懐かしい…この花」
「えぇ、あなたにも手伝ってもらいましたからね」
私は王宮を抜け、ニックさんと暮らす様になってからブラックさんの生家でニックさんと共に働いている。
もちろん、まだ新人だからラクスさんに叱られながら。でも毎日が楽しく、好きな人と一緒にいるのが幸せだった。
「来たか、ソマリア」
「陛下…。お元気そうでなによりです」
「あぁ、お前の父が呼んでる、早く来い」
相変わらずの傲慢な態度は変わる事は無かったが、それも陛下だと認識している。
今はもうお互いなんの感情も無い…。
迫ることも迫られることも一切。
「久しぶりです、お父様」
「だいぶみすぼらしい格好になったな…。戻る気はもう全く無いか?」
「いいえ。私はもう戻りません。今までありがとうございました」
父に深く頭を下げ、今までの感謝を示した。
そんな姿に父も観念したようで
「分かった。お前の王女としての身分を外そう、もう自由に生きろ」
「ありがとうございます、お父様。お元気で」
正式に王女から外され、王女としての私は居なくなった。
全ての重責から解き放たれ、気持ちは一気に楽になった。
父、陛下に最後にお礼を述べ、私はまたニックさんがいる場所に戻っていく。
「ソマリア様、いや、ソマリアさん、これから楽しく過ごしてくだされ」
「はいっ!」
-fin-
あと少し、あと少しと胸の高まりが強くなってくる。
婚約破棄をした私をどんな風に思うんだろう…と不安も襲ってくるが、今は会いたい気持ちしか無かった。
はぁはぁ…着いた…
息を整えるのより先に扉をノックした。
居て欲しいと願いながら扉が開くのを今か今かと待ち焦がれる。
「ソマリア…さま…何故?」
「ニックさん…会いたかった…。私、もう一人です」
「まさか…婚約破棄を?」
「はい。私はあなたと居たいです」
少し困惑の顔を見せ、迷惑だったのかと思ってしまった。私達は両思いなはず。と思っていたからそんな顔されるのは嫌だった。
何故そんな顔をするの?と聞くと、嬉しいが不安もあると言う。
いくら婚約破棄をしたとしても身分は王女のはずだと…。
「王女ではありません。私から辞めます、そんな身分なんて。あなたといるなら肩書きなんて要らない」
私の決意にようやく笑顔を見せた。
まずは中で話しましょうと中に招きいれてくれた。
中は以前の様な雑多に置いた感じじゃなく整理されていた。
それよりも少し物が減った感じがある。
鎧や剣などはあるが、数が少ない…。
どうしたかと聞くと、この家業を辞めるつもりだと言う。私の話を聞き、もし養うならもっと安定的な仕事をするべきだと。
養う…そんな言葉が心に染み渡る。
気持ちは一緒なんだと嬉しく思い、抱きついた。
「私と一緒になってくれますか?」
私からの逆プロポーズ。
「もちろん」と私を抱きしめキスをした。
あれから一ヶ月、私はニックさんと共に暮らしている。
私の下に父から呼び出しがあり、久しぶりに王宮に出向いた。
久しぶりに見る屋敷の外観を見上げ、ここに暮らしていたんだなと思っていると、ブラックさんが私に気付いた。
「久しぶりです、ソマリア様、待ってましたよ、さぁ中へ」
「懐かしい…この花」
「えぇ、あなたにも手伝ってもらいましたからね」
私は王宮を抜け、ニックさんと暮らす様になってからブラックさんの生家でニックさんと共に働いている。
もちろん、まだ新人だからラクスさんに叱られながら。でも毎日が楽しく、好きな人と一緒にいるのが幸せだった。
「来たか、ソマリア」
「陛下…。お元気そうでなによりです」
「あぁ、お前の父が呼んでる、早く来い」
相変わらずの傲慢な態度は変わる事は無かったが、それも陛下だと認識している。
今はもうお互いなんの感情も無い…。
迫ることも迫られることも一切。
「久しぶりです、お父様」
「だいぶみすぼらしい格好になったな…。戻る気はもう全く無いか?」
「いいえ。私はもう戻りません。今までありがとうございました」
父に深く頭を下げ、今までの感謝を示した。
そんな姿に父も観念したようで
「分かった。お前の王女としての身分を外そう、もう自由に生きろ」
「ありがとうございます、お父様。お元気で」
正式に王女から外され、王女としての私は居なくなった。
全ての重責から解き放たれ、気持ちは一気に楽になった。
父、陛下に最後にお礼を述べ、私はまたニックさんがいる場所に戻っていく。
「ソマリア様、いや、ソマリアさん、これから楽しく過ごしてくだされ」
「はいっ!」
-fin-
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