49 / 49
49
しおりを挟む
それから数ヶ月後…。
私達は教会の祭壇前に並んで立ち、牧師の言葉を聞きつつ、今日までの事を思い返す。
翔平からの裏切りにより、失意のどん底に落ちた私を偶然ではあるが、25年ぶりに再会した健人くんに私は恋をした。
彼の真っ直ぐな目に嘘はなく、そして暖かく私を見守ってくれる。
そんな人を、私はこれから『夫』と呼ぶ。
「……では、誓いのキスを」
軽く膝を折り、前屈みになると目の前にあったベールを上げていく。
軽く見つめ合うと緊張より気恥ずかしさからかお互いの顔は少し紅潮していた。
「彩」
あの日以来、私達はお互いの事を『君付け、ちゃん付け』で呼ぶのを止めた。
これから始まる新しい人生において決めた最初の約束がそれだった。
急に止める事に最初はぎこちない感じはあったが、今ではもうそんな感じは無い。
「健人」
私はそっと目を閉じ、待った。
「……愛してる」
優しく囁いた後、私達は誓いのキスをした。
ーーーーーーーー
「先輩っ!!」
後日、内々での食事会を開いた。
もちろん名目は私と健人の結婚祝いだ。
「すず、本当にありがとう」
場所はすずといったあの洋食屋だ。
人数は少ないが、この日だけは貸切にして貰い気兼ねなく過ごす事にした。
「本当に結婚しちゃったんですね。……はぁ」
「そんなため息ついてどうしたの?」
「だって、……」
すずは私の隣にいる健人に目を向けていく。
「なんだよ?」
「先輩を泣かせたら私が訴えますからね!」
「おぉ、いいぞ。俺に勝てるならな」
「むかつくー!……先輩、何かあったらすぐ言ってくださいね。こんなのよりもっといい弁護士連れてきますから!!」
「……」
「健さん」
「たけ、……今日は悪いな」
「いえ。……まさか結婚するなんて思ってなかったっす。どちらかといったらそういうのに縁遠そうな感じっすから」
「そう!!わかってるね、キミ!!」
すずはたけるくんに同調するかのように健人を責めていく。
「……おめでとう」
「キリさん」
「……これ、あげる」
皆に見つからないように、そっと私の手の中へと捩じ込んでいく。
「USB?」
「この中にあの人がバレたくない秘密が詰まってるから。……いざって時に暴露すると言えば黙るから」
「……」
「……じゃあ、私はこれで」
キリさんはやはりこういう場が苦手なのだろう。
気付かれないように店を後にしようとしていた。
「キリさん、ありがとう」
振り向きつつ、笑顔を見せるが、私はそんな笑顔を初めて見た気がした。
「先輩っ。本当に嫌な事があったら私に!!」
「あったらね。……でも多分無いと思うよ。
だって、誰かさんとは違って、私を裏切ったり、見捨てるような真似をする人じゃないから」
たけるくんと話す健人に目を向けるが、その目からは信頼している事が伝わっているようで…。
「はぁ、いいな。そんな相手、私も欲しいです!」
「いるじゃねぇか。ここに」
「はぁ??」
健人はたけるくんの背を押し、すずの前へと連れてくる。
「お前とたけは合う気がする。……どうだ。お前ら付き合ったらいいじゃないか」
「はぁ!!なに言ってるんすか??無理っすよ」
「わ、私だって」
「おやぁ。なんで赤いんだ?お前??」
「赤くない!……これは、そう!ワインのせい!!」
テーブルに置かれたワイン瓶を咄嗟に取るすずだったが、その瓶はまだ封を開けてもいなかった。
「……お前って責められるとボロ出るタイプなんだな。なぁ、彩」
三人が一斉に私の事を見てきた。
「……すず」
「な、なんですか?」
「この出会いも運命かもしれないよ?」
「えぇー!!ないないないない!!!!!」
必死に手を振り、拒絶を見せるすずだったが、私達の強引な勧めにより、まずは友達となったようだ。
「大丈夫かな、あの二人」
「なんだかんだ言ってうまく行ってしまうかもな」
洋食屋を後にし、帰りの道中、健人はそっと私の手を握ってきた。
「彩、……これから一緒に歩んでいこう。ずっと一緒に」
「うん。ずっと二人でね」
気付くと私達は繋いだ手を恋人繋ぎにしていた。
ーーーfinーーーー
今まで読んで頂きありがとうございました。
拙い文章で、展開や情景等分かりにくい部分もあり申し訳ありません。
これからまた一から勉強し直して、良い作品をお届け出来たらと思います。
また次回も読んで頂けたら幸いです。
本当にありがとうございました!
私達は教会の祭壇前に並んで立ち、牧師の言葉を聞きつつ、今日までの事を思い返す。
翔平からの裏切りにより、失意のどん底に落ちた私を偶然ではあるが、25年ぶりに再会した健人くんに私は恋をした。
彼の真っ直ぐな目に嘘はなく、そして暖かく私を見守ってくれる。
そんな人を、私はこれから『夫』と呼ぶ。
「……では、誓いのキスを」
軽く膝を折り、前屈みになると目の前にあったベールを上げていく。
軽く見つめ合うと緊張より気恥ずかしさからかお互いの顔は少し紅潮していた。
「彩」
あの日以来、私達はお互いの事を『君付け、ちゃん付け』で呼ぶのを止めた。
これから始まる新しい人生において決めた最初の約束がそれだった。
急に止める事に最初はぎこちない感じはあったが、今ではもうそんな感じは無い。
「健人」
私はそっと目を閉じ、待った。
「……愛してる」
優しく囁いた後、私達は誓いのキスをした。
ーーーーーーーー
「先輩っ!!」
後日、内々での食事会を開いた。
もちろん名目は私と健人の結婚祝いだ。
「すず、本当にありがとう」
場所はすずといったあの洋食屋だ。
人数は少ないが、この日だけは貸切にして貰い気兼ねなく過ごす事にした。
「本当に結婚しちゃったんですね。……はぁ」
「そんなため息ついてどうしたの?」
「だって、……」
すずは私の隣にいる健人に目を向けていく。
「なんだよ?」
「先輩を泣かせたら私が訴えますからね!」
「おぉ、いいぞ。俺に勝てるならな」
「むかつくー!……先輩、何かあったらすぐ言ってくださいね。こんなのよりもっといい弁護士連れてきますから!!」
「……」
「健さん」
「たけ、……今日は悪いな」
「いえ。……まさか結婚するなんて思ってなかったっす。どちらかといったらそういうのに縁遠そうな感じっすから」
「そう!!わかってるね、キミ!!」
すずはたけるくんに同調するかのように健人を責めていく。
「……おめでとう」
「キリさん」
「……これ、あげる」
皆に見つからないように、そっと私の手の中へと捩じ込んでいく。
「USB?」
「この中にあの人がバレたくない秘密が詰まってるから。……いざって時に暴露すると言えば黙るから」
「……」
「……じゃあ、私はこれで」
キリさんはやはりこういう場が苦手なのだろう。
気付かれないように店を後にしようとしていた。
「キリさん、ありがとう」
振り向きつつ、笑顔を見せるが、私はそんな笑顔を初めて見た気がした。
「先輩っ。本当に嫌な事があったら私に!!」
「あったらね。……でも多分無いと思うよ。
だって、誰かさんとは違って、私を裏切ったり、見捨てるような真似をする人じゃないから」
たけるくんと話す健人に目を向けるが、その目からは信頼している事が伝わっているようで…。
「はぁ、いいな。そんな相手、私も欲しいです!」
「いるじゃねぇか。ここに」
「はぁ??」
健人はたけるくんの背を押し、すずの前へと連れてくる。
「お前とたけは合う気がする。……どうだ。お前ら付き合ったらいいじゃないか」
「はぁ!!なに言ってるんすか??無理っすよ」
「わ、私だって」
「おやぁ。なんで赤いんだ?お前??」
「赤くない!……これは、そう!ワインのせい!!」
テーブルに置かれたワイン瓶を咄嗟に取るすずだったが、その瓶はまだ封を開けてもいなかった。
「……お前って責められるとボロ出るタイプなんだな。なぁ、彩」
三人が一斉に私の事を見てきた。
「……すず」
「な、なんですか?」
「この出会いも運命かもしれないよ?」
「えぇー!!ないないないない!!!!!」
必死に手を振り、拒絶を見せるすずだったが、私達の強引な勧めにより、まずは友達となったようだ。
「大丈夫かな、あの二人」
「なんだかんだ言ってうまく行ってしまうかもな」
洋食屋を後にし、帰りの道中、健人はそっと私の手を握ってきた。
「彩、……これから一緒に歩んでいこう。ずっと一緒に」
「うん。ずっと二人でね」
気付くと私達は繋いだ手を恋人繋ぎにしていた。
ーーーfinーーーー
今まで読んで頂きありがとうございました。
拙い文章で、展開や情景等分かりにくい部分もあり申し訳ありません。
これからまた一から勉強し直して、良い作品をお届け出来たらと思います。
また次回も読んで頂けたら幸いです。
本当にありがとうございました!
268
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(4件)
あなたにおすすめの小説
白い結婚で結構ですわ。愛人持ちの夫に興味はありません
鍛高譚
恋愛
公爵令嬢ルチアーナは、王太子アルベルトとの政略結婚を命じられた。だが彼にはすでに愛する女性がいた。そこでルチアーナは、夫婦の義務を果たさない“白い結婚”を提案し、お互いに干渉しない関係を築くことに成功する。
「夫婦としての役目を求めないでくださいませ。その代わり、わたくしも自由にさせていただきますわ」
そうして始まった王太子妃としての優雅な生活。社交界では完璧な妃を演じつつ、裏では趣味の読書やお茶会を存分に楽しみ、面倒ごととは距離を置くつもりだった。
——だが、夫は次第にルチアーナを気にし始める。
「最近、おまえが気になるんだ」
「もっと夫婦としての時間を持たないか?」
今さらそんなことを言われても、もう遅いのですわ。
愛人を優先しておいて、後になって本妻に興味を持つなんて、そんな都合の良い話はお断り。
わたくしは、自由を守るために、今日も紅茶を嗜みながら優雅に過ごしますわ——。
政略結婚から始まる痛快ざまぁ! 夫の後悔なんて知りませんわ
“白い結婚”を謳歌する令嬢の、自由気ままなラブ&ざまぁストーリー!
これ以上私の心をかき乱さないで下さい
Karamimi
恋愛
伯爵令嬢のユーリは、幼馴染のアレックスの事が、子供の頃から大好きだった。アレックスに振り向いてもらえるよう、日々努力を重ねているが、中々うまく行かない。
そんな中、アレックスが伯爵令嬢のセレナと、楽しそうにお茶をしている姿を目撃したユーリ。既に5度も婚約の申し込みを断られているユーリは、もう一度真剣にアレックスに気持ちを伝え、断られたら諦めよう。
そう決意し、アレックスに気持ちを伝えるが、いつも通りはぐらかされてしまった。それでも諦めきれないユーリは、アレックスに詰め寄るが
“君を令嬢として受け入れられない、この気持ちは一生変わらない”
そうはっきりと言われてしまう。アレックスの本心を聞き、酷く傷ついたユーリは、半期休みを利用し、兄夫婦が暮らす領地に向かう事にしたのだが。
そこでユーリを待っていたのは…
氷の貴婦人
羊
恋愛
ソフィは幸せな結婚を目の前に控えていた。弾んでいた心を打ち砕かれたのは、結婚相手のアトレーと姉がベッドに居る姿を見た時だった。
呆然としたまま結婚式の日を迎え、その日から彼女の心は壊れていく。
感情が麻痺してしまい、すべてがかすみ越しの出来事に思える。そして、あんなに好きだったアトレーを見ると吐き気をもよおすようになった。
毒の強めなお話で、大人向けテイストです。
🥕おしどり夫婦として12年間の結婚生活を過ごしてきたが一波乱あり、妻は夫を誰かに譲りたくなるのだった。
設楽理沙
ライト文芸
2026.1.4 73話見直した際、瑛士の台詞《本音/懺悔》を加筆しました。😇
☘ 累計ポイント/ 200万pt 超えました。ありがとうございます。
―― 備忘録 ――
第8回ライト文芸大賞では大賞2位ではじまり2位で終了。 最高 57,392 pt
〃 24h/pt-1位ではじまり2位で終了。 最高 89,034 pt
◇ ◇ ◇ ◇
紳士的でいつだって私や私の両親にやさしくしてくれる
素敵な旦那さま・・だと思ってきたのに。
隠された夫の一面を知った日から、眞奈の苦悩が
始まる。
苦しくて、悲しくてもののすごく惨めで・・
消えてしまいたいと思う眞奈は小さな子供のように
大きな声で泣いた。
泣きながらも、よろけながらも、気がつけば
大地をしっかりと踏みしめていた。
そう、立ち止まってなんていられない。
☆-★-☆-★+☆-★-☆-★+☆-★-☆-★
2025.4.19☑~
忘れ去られた婚約者
かべうち右近
恋愛
『僕はレベッカしか選ばない』
甘い声音でそう話したはずの王太子サイラスは、レベッカを忘れてしまった。
レベッカは、王太子サイラスと付き合っていることを、ある事情により隠していた。舞踏会で関係を公表し、婚約者に指名される予定だったのに、舞踊会の夜にサイラスは薬を盛られて倒れ、記憶喪失になってしまう。
恋人が誰なのかわからないのをいいことに、偽の恋人が次々と名乗りをあげ王太子の婚約者の座を狙ってくる。おかげで不信に陥ったサイラスに、レベッカは自分が恋人だと名乗り出せなくなってしまった。
サイラスの記憶喪失を解消するため、薬師兼魔女であるレベッカは恋人であることを隠しながら、事件調査を協力することになった。そうして記憶が戻らないまま二人の距離は再び近づいていく。だが、そんなおりにサイラスの偽の恋人を名乗りでた令嬢たちが、次々と襲われる事件も起き始めて……!?
※他のサイトにも掲載しています。
毎日更新です。
フッてくれてありがとう
nanahi
恋愛
【25th Anniversary CUP】にて、最終ランキング3位に入りました。投票してくださった皆様、読んでくださった皆様、ありがとうございました!
「子どもができたんだ」
ある冬の25日、突然、彼が私に告げた。
「誰の」
私の短い問いにあなたは、しばらく無言だった。
でも私は知っている。
大学生時代の元カノだ。
「じゃあ。元気で」
彼からは謝罪の一言さえなかった。
下を向き、私はひたすら涙を流した。
それから二年後、私は偶然、元彼と再会する。
過去とは全く変わった私と出会って、元彼はふたたび──
お好きになさって下さい、私は一切気にしませんわ
Kouei
恋愛
婚約者のクレマンド様は、いつも私との約束を破ってばかり。
理由は決まって『従妹ライラ様との用事』
誕生日会にすら来なかった彼に、私はついに告げた。
「どうぞ、私以外のご令嬢をエスコートするなり、お出かけするなり、関係を持つなり、お好きになさって下さい。私は一切気にしませんわ」
二人の想いは、重なり合えるのだろうか ……
※他のサイトにも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
ゴールインおめでとうございます
USB気になるなぁw
感想ありがとうございます!
USBの中身は……笑
また次回も宜しくお願いします
キリさん素敵♡
作品としても、面白かったです!
ハッピーエンド万歳\(^o^)/
感想ありがとうございます!
面白かったと言っていただけるととても励みになります。
次作も後ほど公開出来たらと思いますので宜しくお願いします
浮気現場見て散々な扱い受けてもクズに縋る主人公にもイラッとしてしまう...けど読みやすくて面白いです!👏👏👏
ご感想ありがとうございます♪
読みやすくて面白いと言って頂けるとやはりモチベーションが上がります。
期待に添えるように書いていこうと思いますので、引き続き読んでもらえると嬉しいです!