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「あなたこそ、誰よ?」
「私は立花綾、隣のクラスだけど。そう言うあなたは誰?」
「私は野村明日香。今は中村さんと話してるんだけど、邪魔しないでくれない?」
向かい合い、言葉の節々にトゲがある言い方は周りが注目するのも当然だった。
「野村さん、だっけ?えりりんがさとしんと出かけたりするのを、あなたがちょっかい出す必要が分からないんだけど、さとしんの彼女か何か?」
「いいえ、彼女でもない。けど、さとしんが好きだから、毎回毎回さとしんが中村さんに会いに来るのがムカつくのよ!」
ザワつくクラス内。
はっきりと佐藤君が好きだと言った野村さん。
(マジ?野村さん、さとしんが好きなんだ)
(そうなんだ、知らなかった)
「ふ~ん。事情は分かった。さとしんに想いは伝えたりしたの?好きだと言う気持ちを」
「……まだ」
「さとしん呼ぼうか?ちゃんと伝えてOK貰えたら野村さんだって嬉しいし、えりりんも付き纏われる事もなくなるし、お互いwin-winじゃない?」
「な、なんであんたにそんな風に言われないといけないのよ!お節介過ぎない?」
確かに今の状況で呼ぶのはどうかと思ってしまった。
だけど、綾の一言でクラス内の人は気付かされた。
「想いを伝えないのも有りだけど、私達、来年には卒業だから後悔したまま卒業しても知らないよ?
今を大事にした方が私はいいと思う」
(確かに…来年には別々の道を歩む事になる。近い未来はすぐそこまできてるのだから。)
クラス内に流れる卒業までのリミット。
私達、高校生と言う時間は後1年で終わると言う事実。
綾の一言で決心をしたのか
「……いいわよ、さとしんに伝える。私の気持ち。呼んでよ」
「分かった。待ってて」
「なんだよ、追い出したかと思ったら、呼び出して。
もしかして、えりちゃんから許可出たとか?」
「さとしん」
綾は野村さんを指差し、行く様に促した。
佐藤君も、明らかにクラス内の空気がさっきと違うのを感じたのか、真剣な表情に変わっていった。
「さとしん。私、分かる?野村だけど…」
「野村?………あー、1年の時いたな。ちょくちょく話していたが、何か用か?」
「私は………あなたが好き。1年からずっとずっと…なかなか同じクラスになれなかったけど、気持ちは変わらなかった。
だから私と付き合ってください。」
野村さんの真っ直ぐな気持ちをクラス内の全員が聞いていた。もちろん、私も。
野村さんの気持ちにどう答えるか、佐藤君に注目が集まる。
しかし、佐藤君は何も言わず、立ったままだった。
「さとしん、野村さんの気持ちに答えてあげなよ。
黙ったままなんて…」
そして…
「好きな気持ちはありがたいが、俺はお前とは付き合えない。
俺は、えりちゃんが好きなんだ。だから、悪いけど…」
佐藤君に近づき、私を指差す。
「こんな女のどこがいいのよ…。ただ見た目が良いだけで、あんたに気持ちなんか向いてないのに…どうして!!」
鬼気迫る顔の野村さんが私に詰め寄り、思いっきり机を叩く。
バンッ と強い音がクラス中に響く。
「アンタなんかいるから悪いのよ!アンタなんか大っ嫌い!!」
私を力強く叩こうとする。
「えりりん!」
「やめときな。叩いても解決しないだろ。むしろ皆の前で叩いたら問題になるぞ?
えりちゃんが俺を好きじゃないのは知ってる。見たら分かるだろ?
だけど、近くにいたいし、話したい。
えりちゃんが誰かと付き合ったら辛いけど、好きな気持ちは簡単には消えない。
お前もその気持ちわかるだろ?」
「…」
佐藤君の本心を聞き、叩こうとした手を降ろした野村さんは私の前で泣き崩れた…。
「私は立花綾、隣のクラスだけど。そう言うあなたは誰?」
「私は野村明日香。今は中村さんと話してるんだけど、邪魔しないでくれない?」
向かい合い、言葉の節々にトゲがある言い方は周りが注目するのも当然だった。
「野村さん、だっけ?えりりんがさとしんと出かけたりするのを、あなたがちょっかい出す必要が分からないんだけど、さとしんの彼女か何か?」
「いいえ、彼女でもない。けど、さとしんが好きだから、毎回毎回さとしんが中村さんに会いに来るのがムカつくのよ!」
ザワつくクラス内。
はっきりと佐藤君が好きだと言った野村さん。
(マジ?野村さん、さとしんが好きなんだ)
(そうなんだ、知らなかった)
「ふ~ん。事情は分かった。さとしんに想いは伝えたりしたの?好きだと言う気持ちを」
「……まだ」
「さとしん呼ぼうか?ちゃんと伝えてOK貰えたら野村さんだって嬉しいし、えりりんも付き纏われる事もなくなるし、お互いwin-winじゃない?」
「な、なんであんたにそんな風に言われないといけないのよ!お節介過ぎない?」
確かに今の状況で呼ぶのはどうかと思ってしまった。
だけど、綾の一言でクラス内の人は気付かされた。
「想いを伝えないのも有りだけど、私達、来年には卒業だから後悔したまま卒業しても知らないよ?
今を大事にした方が私はいいと思う」
(確かに…来年には別々の道を歩む事になる。近い未来はすぐそこまできてるのだから。)
クラス内に流れる卒業までのリミット。
私達、高校生と言う時間は後1年で終わると言う事実。
綾の一言で決心をしたのか
「……いいわよ、さとしんに伝える。私の気持ち。呼んでよ」
「分かった。待ってて」
「なんだよ、追い出したかと思ったら、呼び出して。
もしかして、えりちゃんから許可出たとか?」
「さとしん」
綾は野村さんを指差し、行く様に促した。
佐藤君も、明らかにクラス内の空気がさっきと違うのを感じたのか、真剣な表情に変わっていった。
「さとしん。私、分かる?野村だけど…」
「野村?………あー、1年の時いたな。ちょくちょく話していたが、何か用か?」
「私は………あなたが好き。1年からずっとずっと…なかなか同じクラスになれなかったけど、気持ちは変わらなかった。
だから私と付き合ってください。」
野村さんの真っ直ぐな気持ちをクラス内の全員が聞いていた。もちろん、私も。
野村さんの気持ちにどう答えるか、佐藤君に注目が集まる。
しかし、佐藤君は何も言わず、立ったままだった。
「さとしん、野村さんの気持ちに答えてあげなよ。
黙ったままなんて…」
そして…
「好きな気持ちはありがたいが、俺はお前とは付き合えない。
俺は、えりちゃんが好きなんだ。だから、悪いけど…」
佐藤君に近づき、私を指差す。
「こんな女のどこがいいのよ…。ただ見た目が良いだけで、あんたに気持ちなんか向いてないのに…どうして!!」
鬼気迫る顔の野村さんが私に詰め寄り、思いっきり机を叩く。
バンッ と強い音がクラス中に響く。
「アンタなんかいるから悪いのよ!アンタなんか大っ嫌い!!」
私を力強く叩こうとする。
「えりりん!」
「やめときな。叩いても解決しないだろ。むしろ皆の前で叩いたら問題になるぞ?
えりちゃんが俺を好きじゃないのは知ってる。見たら分かるだろ?
だけど、近くにいたいし、話したい。
えりちゃんが誰かと付き合ったら辛いけど、好きな気持ちは簡単には消えない。
お前もその気持ちわかるだろ?」
「…」
佐藤君の本心を聞き、叩こうとした手を降ろした野村さんは私の前で泣き崩れた…。
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