貴方に出会った幸せ〜人生初の恋〜

mock

文字の大きさ
14 / 75

新たな火種

しおりを挟む
後ろで私の写真を巡って争う綾と佐藤君がいる。
そんなに、欲しいんだろうか…。写真が…。
「だから!くれって、写真!」
「だ・か・ら!なんであんたにやらないといけないの?所有権は私にあるんだけど~?」

(じゃあ、撮られた私の権利は…?)

「じゃあ、勝負しようぜ?勝ったらくれよ?それならいいだろ?」
「男と女じゃ体格違うし、不利すぎる。無理」
「別に戦う訳じゃねぇよ。ん~…ゲームならどうだ?」
「ゲーム?私、やらないから」
「オセロならやったことあるだろ?それならどうだ?」 
「…じゃあ、条件つけようか。あんたが勝ったらあげるよ。その代わり私が勝ったら、朝、放課後、えりりんに近づくの禁止ね」

思わず私は立ち止まり振り返ってしまった。
綾が勝って欲しいと強く強く願ってしまった。

「…あぁ、いいぜ。勝ったらくれよ」
「オッケー、じゃあ後で勝負ね。言ったからには守りなよ?」
佐藤君と目が合い、近づいてきた。
「俺、頑張るからね!えりちゃん」
「あ、はい…」
「近づくな~さとしん!」
振り払うようにクラスに消えていった。

(翔太君は写真とか欲しいんだろうか…)
横を見ると、去って行った2人を優しそうな目で見ている。
「2日待てば、写真の人が来るのに…」
そういいながらクラスに行く翔太君が大人に見えた。

授業受けながら、後2日したらデートなんだと考えたら緊張と不安を覚える。

しかし、その前に由佳さんとの約束があるが、
何処に行くんだろうと考えた。
カフェ、ショッピング、ドライブ…

ただ、ほぼ初対面なので何聞かれたりするのか分からない。
ちゃんと乗り切れるか不安だ。

昼休み

綾が満面の笑みでクラスに来る。
どうやら勝ったみたいだ。
「もう、さとしんはこないからね、えりりん」
「ありがとう。…でも、ちゃんと消して、あや」
「いいよ」
そういいながら携帯を操作して写真を目の前で消してくれた。
(あれ、意外に素直)
綾の性格は少しは知ってるから、素直すぎるのは変だなと思い、突っ込んでみたくなった。
「素直だね…ちょっと何かあるんじゃないかと思うんだけど…」
「ん~、ないよ~」
「他に移したとか、ないよね?」
「え、いや、そんな事しないよ、それよりさ…」
やましいとか隠したりしたい時は話題を変える。
これはまさに典型的な例だなぁと感じた。
「あや、目を見て言って」
じーっと見ながら黙る。
「……」
「あや」
「…だって可愛いんだもん、自慢したいから、彼氏に送っちゃった…そうしたら消してもメールにあるから見れるかなって…怒ってる?」

(やっぱり…)

「はぁ…。もういいよ。次誰にも見せないなら残しておいても。色々助けてもらってもいるし」
「さすが!えりりん、優しい~」

負けたはずの佐藤君が私に近づいて来た。
「ちょ!さとしん、もう約束破る気!?あんた負けたでしょ、大差で!」
「いや、ちゃんと守ってるぜ。お前との約束は
朝、放課後だろ?昼休みは入ってない」
「な!卑怯!」
「卑怯じゃない。条件に入れなかったお前が悪いんだろ?」
ニヤニヤしながら綾を見下す。
「えりちゃん!日曜日写真撮らせて!!」
謝罪するくらい頭を下げて頼み込んできた。
「え、いや、無理です、やめてください。なんで撮りたいんですか?」
「…………可愛いを通り越してるから」
「意味が分からないんですが…」
「俺から見たら、えりちゃんは天使だから。だから欲しい」
私と綾はお互いを見る。 
「さとしん、キモい。どっか行って」
肩を落とし引き下がるけど去り際、私を見る佐藤君が何か企んでそうで怖かった…。


「中村さん、日曜日、さとしんと出かけるの?」
「野村、さん…」
「ねぇ、行くの、行かないの、どっち?」
「あなた、誰?」
綾はクラスが違うから野村さんが近くに来たのが不思議そうで、やたら交戦的にくる野村さんが嫌いだなとすぐ分かった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』

鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、 仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。 厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議―― 最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。 だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、 結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。 そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、 次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。 同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。 数々の試練が二人を襲うが―― 蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、 結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。 そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、 秘書と社長の関係を静かに越えていく。 「これからの人生も、そばで支えてほしい。」 それは、彼が初めて見せた弱さであり、 結衣だけに向けた真剣な想いだった。 秘書として。 一人の女性として。 結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。 仕事も恋も全力で駆け抜ける、 “冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。

冷遇妃ライフを満喫するはずが、皇帝陛下の溺愛ルートに捕まりました!?

由香
恋愛
冷遇妃として後宮の片隅で静かに暮らすはずだった翠鈴。 皇帝に呼ばれない日々は、むしろ自由で快適——そう思っていたのに。 ある夜、突然現れた皇帝に顎を掴まれ、深く口づけられる。 「誰が、お前を愛していないと言った」 守るための“冷遇”だったと明かされ、逃げ道を塞がれ、甘く囲われ、何度も唇を奪われて——。 これは冷遇妃のはずだった少女が、気づけば皇帝の唯一へと捕獲されてしまう甘く濃密な溺愛物語。

~春の国~片足の不自由な王妃様

クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。 春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。 街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。 それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。 しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。 花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??

靴屋の娘と三人のお兄様

こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!? ※小説家になろうにも投稿しています。

偽装夫婦

詩織
恋愛
付き合って5年になる彼は後輩に横取りされた。 会社も一緒だし行く気がない。 けど、横取りされたからって会社辞めるってアホすぎません?

なくなって気付く愛

戒月冷音
恋愛
生まれて死ぬまで…意味があるのかしら?

【完結】付き合ってもいないのに、幼なじみの佐藤がプロポーズしてきた

ぽぽよ
恋愛
「俺らさ、結婚しない?」 三十二歳、独身同士。 幼なじみの佐藤が、たこ焼きパーティの最中に突然言い出した。 付き合ってもないのに。 夢見てた甘いプロポーズじゃないけれど、佐藤となら居心地いいし、給料もあるし、嫁姑問題もないし、性格も知ってる。 断る理由が、ない。 こうして、交際0日で結婚することが決まった。 「とりあえず同棲すっか」 軽いノリで決まってゆく未来。 ゆるっとだらっと流れていく物語。 ※本編は全7話。 ※スパダリは一人もいません笑

【完結/番外追加】サリシャの光 〜憧れの先へ〜

ねるねわかば
恋愛
彼女は進む。過去に囚われた者たちを残して── 大商会の娘サーシャ。 子どもの頃から家業に関わる彼女は、従妹のメリンダと共に商会の看板娘として注目を集めていた。 華々しい活躍の裏で、着実に努力を重ねて夢へと向かうサーシャ。しかし時には心ないことを言う者もいた。 そんな彼女が初めて抱いた淡い恋。 けれどその想いは、メリンダの涙と少年の軽率な一言であっさり踏みにじられてしまう。 サーシャはメリンダたちとは距離をおき、商会の仕事からも離れる。 新たな場所で任される仕事、そして新たな出会い。どこにあっても、彼女が夢を諦めることはない。 一方、光に囚われた者たちは後悔と執着を募らせていき── 夢を諦めない少女が、もがきながら光を紡いでいく軌跡。 ※前作「ルースの祈り」と同じ世界観で登場人物も一部かぶりますが、単体でお読みいただけます。 ※作中の仕事や制作物、小物の知識などは全てフィクションです。史実や事実に基づいていないことをご理解ください。

処理中です...