72 / 76
迷いなんてもう無い
しおりを挟む
「おかえりなさい、あなた」
リース妃が私達を出迎えた。
あんな事をした後のため、急に妃を意識してしまう。陛下は至って普通で、あぁ、と返事をしている。
私だけなんでこんなにドキドキしてるんだろう、陛下の心の中を覗いてみてみたくなる…。
「ミク、他もご苦労だったな、ゆっくり休んでくれ」
陛下の心遣いで給仕は部屋で休むことを許されたが、ミク専属長と私はそのまま呼ばれ、陛下について行く。陛下の隣を歩く妃は陛下にベッタリくっついて歩いているが、それを見る私は目を下に向けてしまう。
なんだか恥ずかしさがふつふつと湧き上がってくる。
別に私が陛下の隣にいるわけでもないのに、だ。
「あなた、遠征お疲れ様です。これから遠征が増えますが、体調には気をつけてくださいね」
「あぁ、リース、後で話がある」
「分かりました」
もしかして、陛下、私との事言うんだろうか…。
それか、別れて欲しいと言うんだろうか…。
どちらにしても私に関する事だから給仕なんてしてる場合じゃない…。
私とミク専属長は給仕もそこそこに部屋を追い出され部屋に戻ることにした。
不意に、「あなた、陛下と何かあったでしょ?」と私に振る。
どうして…と動揺する私に、あなたは分かりやすいから。とアッサリと見抜かれ、ミク専属長の部屋に私招かれた。
「いつから分かったんですか…」
「皇帝様の葬儀の後、そして昨日ね」
ミク専属長は私達の仲についてすぐ気付いたが、何があったとかは一切聞いてこなかった。
優しさ、なんだろうなと感じた。給仕と陛下の関係性…。それはおおっぴらにしてよい事実じゃないと思うから。
ミク専属長なら…と思い、正直に陛下に言われた事、そして昨日の事を話した。
「そう…」としか言わず、もっとこうだ!とかやめなさい!とか言ってくる事はなかった。
ただ、その一言だけ…。
「私はどうするべきですか?」
「あなたの人生です。皇帝様と進みたいのならしっかり自分を持ちなさい。誰かに言われて決める事ではありません。後ろを向かず、前を見なさい」
全ては自分次第…。
当たり前の答えだが、その通りだと思った。
陛下は私が好き、私も陛下が好きだ…。
答えは出ている、なら後は進む勇気があるかないか、ただそれだけ。
「ありがとうございます。私、決めようと思います」
「えぇ、真っ直ぐ進むのがリーシャだったからあなたも出来るはず、頑張りなさい」
ミク専属長からの激励が嬉しく、もう迷いは無かった。
私は陛下と未来を進もうと決めた。
リース妃が私達を出迎えた。
あんな事をした後のため、急に妃を意識してしまう。陛下は至って普通で、あぁ、と返事をしている。
私だけなんでこんなにドキドキしてるんだろう、陛下の心の中を覗いてみてみたくなる…。
「ミク、他もご苦労だったな、ゆっくり休んでくれ」
陛下の心遣いで給仕は部屋で休むことを許されたが、ミク専属長と私はそのまま呼ばれ、陛下について行く。陛下の隣を歩く妃は陛下にベッタリくっついて歩いているが、それを見る私は目を下に向けてしまう。
なんだか恥ずかしさがふつふつと湧き上がってくる。
別に私が陛下の隣にいるわけでもないのに、だ。
「あなた、遠征お疲れ様です。これから遠征が増えますが、体調には気をつけてくださいね」
「あぁ、リース、後で話がある」
「分かりました」
もしかして、陛下、私との事言うんだろうか…。
それか、別れて欲しいと言うんだろうか…。
どちらにしても私に関する事だから給仕なんてしてる場合じゃない…。
私とミク専属長は給仕もそこそこに部屋を追い出され部屋に戻ることにした。
不意に、「あなた、陛下と何かあったでしょ?」と私に振る。
どうして…と動揺する私に、あなたは分かりやすいから。とアッサリと見抜かれ、ミク専属長の部屋に私招かれた。
「いつから分かったんですか…」
「皇帝様の葬儀の後、そして昨日ね」
ミク専属長は私達の仲についてすぐ気付いたが、何があったとかは一切聞いてこなかった。
優しさ、なんだろうなと感じた。給仕と陛下の関係性…。それはおおっぴらにしてよい事実じゃないと思うから。
ミク専属長なら…と思い、正直に陛下に言われた事、そして昨日の事を話した。
「そう…」としか言わず、もっとこうだ!とかやめなさい!とか言ってくる事はなかった。
ただ、その一言だけ…。
「私はどうするべきですか?」
「あなたの人生です。皇帝様と進みたいのならしっかり自分を持ちなさい。誰かに言われて決める事ではありません。後ろを向かず、前を見なさい」
全ては自分次第…。
当たり前の答えだが、その通りだと思った。
陛下は私が好き、私も陛下が好きだ…。
答えは出ている、なら後は進む勇気があるかないか、ただそれだけ。
「ありがとうございます。私、決めようと思います」
「えぇ、真っ直ぐ進むのがリーシャだったからあなたも出来るはず、頑張りなさい」
ミク専属長からの激励が嬉しく、もう迷いは無かった。
私は陛下と未来を進もうと決めた。
0
あなたにおすすめの小説
永遠の十七歳なんて、呪いに決まってる
鷹 綾
恋愛
永遠の十七歳――
それは祝福ではなく、三百年続く“呪い”だった。
公には「名門イソファガス家の孫娘」として知られる少女キクコ。
だがその正体は、歴史の裏側で幾度も国を救ってきた不老の元聖女であり、
王家すら真実を知らぬ“生きた時代遺産”。
政治も権力も、面倒ごとは大嫌い。
紅茶と読書に囲まれた静かな余生(?)を望んでいたキクコだったが――
魔王討伐後、王位継承問題に巻き込まれたことをきっかけに、
まさかの王位継承権十七位という事実が発覚する。
「……私が女王? 冗談じゃないわ」
回避策として動いたはずが、
誕生した新国王アルフェリットから、なぜか突然の求婚。
しかも彼は、
幼少期に命を救われた“恩人”がキクコであることを覚えていた――
年を取らぬ姿のままで。
永遠に老いない少女と、
彼女の真実を問わず選んだ自分ファーストな若き王。
王妃になどなる気はない。
けれど、逃げ続けることももうできない。
これは、
歴史の影に生きてきた少女が、
はじめて「誰かの隣」を選ぶかもしれない物語。
ざまぁも陰謀も押し付けない。
それでも――
この国で一番、誰よりも“強い”のは彼女だった。
《完結》「パパはいますか?」ある日、夫に似た子供が訪ねて来た。
ヴァンドール
恋愛
嫁いですぐに夫は戦地に赴いた。すると突然一人の男の子が訪ねて来た「パパはいますか?」
その子供の顔は戦地に行った夫にそっくりだった。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、孤独な陛下を癒したら、執着されて離してくれません!
花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」
婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。
追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。
しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。
夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。
けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。
「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」
フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。
しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!?
「離縁する気か? 許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」
凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。
孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!
※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。
【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】
【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました
ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。
名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。
ええ。私は今非常に困惑しております。
私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。
...あの腹黒が現れるまでは。
『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。
個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる