色彩色盲

カミーユ R-35

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波乱の予感

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翌日。ミーティング室にて、朝から生徒会メンバー達や風紀委員会メンバー達が集められ、昨日話題に挙がった話を切り出した。

会長「昨日の夕方、生徒会メンバーに話した通り。今日は新たに入ってくる新メンバーを紹介したいと思う。事前に風紀委員メンバーにもこの話は委員長から聞かされてるとは思うが、入試で首席も取っているなかなかの有能逸材だ」

生徒会長である赤峰 龍二は淡々と説明する。するとその説明を聞いた風紀委員会メンバー達は何故か唖然としていた。
風紀メンバー(その話、初耳ないんですけど……)メンバー達からじっと目で見られているにも関わらず、特に気にしてない様子の委員長は、涼しい顔で椅子に座って説明を聞いていた。

会長「では紹介する。霧森 、入ってきてくれ」
会長がそう言うと扉が開き、一人の男子生徒が入ってくる。その生徒は艶のある黒髪を靡かせながら堂々とした足取りで歩き、皆の前で立ち止まると自己紹介を始める。
霧森 「初めまして、1年の『霧森 翔英』です。これから宜しくお願いします」
その堂々とした立ち振舞に、風紀委員会メンバー達は更に驚いた表情を見せた。風紀メンバー(どっかで見たことあるなと思ったら新入生代表のスピーチしてた人だ⁉)随分と有能な人物が入ってきたな…と思う風紀メンバー達であった。
………。



時は少し過ぎ…。紹介も無事に終わり、他のメンバー達を帰した後、生徒会長と風紀委員長はミーティング室にて残り。風紀委員長である多岐は生徒会長である赤峰と共に今後の方針について話していた。

会長「多岐お前。今回の件、自分トコのメンバー達に話通してなかっただろ。俺が新メンバーが入るって言った途端お前トコの連中皆あ然としてたぞッ!自分トコのメンバーくらいちゃんとしてやれよ。風紀委員長だろ」
委員長「はは…悪いね。うっかりしてたよ」

悪びれる様子もない多岐に、赤峰は深いため息をつく。コイツとは高校からの付き合いだが、しっかりしているように見えて結構ぬけてるところがある。が、しかし。コイツにとってはそれすらわざとなのかもしれないと最近思いだす。

委員長 「しかし……まさかあの新入生が生徒会入りとはねぇ…」会長「入試で首席を取るような成績優秀者が、内に入るのは良いんだ。問題は奴があの『霧森』ということが引っかかる」

委員長「前にも言ってたけど『霧森』って言ってたけどそんなに凄いとこなのかい?」
会長「普通の政治家ならまだ、俺等の権力でどうにか抑えられるがあの霧森家のご子息となるとな。迂闊に手が出せん」
委員長「霧森ってあの日本有数の権力持ち達をも裏で操ってるって噂の?」
会長「あぁ。その霧森だ。だから内々で処理したいんだがな……。手強い奴だ……」

面倒な相手だとボヤくと、何故か興味深そうに目を細め足を組み直す多岐を見て俺は『これ以上厄介事はごめんだぞ』と意味も込めて睨むが、効いてない様だ。「そんな厄介な奴ならとっとと退学させれば?」等と言う始末。

会長「バカか?あいつはまだ高校一年だ。高校卒業まであと二年ある」
委員長「それも悠長に言ってられないかもね。俺等みたいに人気ランキング権成績優秀者の奴を生徒会に入れるのは良いとして、何故あの『霧森』が今頃生徒会?親の差し金?それとも学園長の目録?どっちにしても、最初のうちは他の生徒達にはやはり不満が出てしまうかもね」

会長「あの様子じゃそうとも言い切れない…。今の生徒会は一年に負けてるって思われてもおかしくない」
委員長「顔が良くて有能な人材だから?まぁ、確かに。そうなると面倒だね…。『霧森家』の御子息となると、政治家、警察、大企業、色々な所に顔が聞くしさ」
会長「あぁ。だから今の内に処理……と迄はいかないがどうにかして抑え込みたい処でもあるな」

委員長「そんな奴どうやって退学にするんだい?」
会長「多岐、さっきも言ったがお前は少し浅慮な発言は控えろ。退学までいかないと言ってるだろ…。」

正直あの『霧森家』を抑え込むのは至難の業、奴が大人しく残りの学園生活を過ごしてくれるなら問題無いが……。
結局解決策は見つからず、ミーティングが終わり、俺達は各々の役場へと戻っていた。
今日は授業に出ず、霧森も明日から仕事に入る為。俺は午前中までずっと副会長の及川と仕事をしていた。(余計な事を考えたくなくて仕事に没頭しようと思って俺は授業に出なかったが…、及川は授業に出なくて良いのだろうか?)普段からよく側にいるためか、余り気にした事は無かったが及川って、余り授業に出ていないイメージがある。とはいえ、普段は割としっかりしているし、俺も成績が落ちると困るので午後からはちゃんと授業に出るつもりだ。
及川と一緒に昼食を済ませた後、夕方生徒会の仕事も終わり俺は帰路につく事にした。

会長「じゃあ俺はそろそろ帰るぞ」
副会長「お疲れ様でした」
帰り支度を済ませ、先に部屋を後にした時タイミングよく胸ポケットに仕舞っていた自身こスマホにメッセージが届く音がした。俺はスマホをポケットから取り出すと画面を確認する。相手は父からだった。逸る心を抑え、俺は息を吐く。その内容は『明日、家に帰るように』と言うものだった。(相変わらず急だな…)俺は『分かりました』とだけ返信し、そのまま寮へと帰る事にした。
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