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第137回『掃除 物理法則 山脈』
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YouTubeで行った
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第137回『掃除 物理法則 山脈』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約39分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=ZVdVfa_Gl80
↓使用させていただいたサイト↓
ランダム単語ガチャ
https://tango-gacha.com/
~・~・~・~・~
Q地方にはWという山があった。
X山脈の一つを形成していて、標高はこの国の山の中で中間くらいだった。
ルートもそれほど難しくないことから登山として人気で、本格的な登山家だけでなく毎年多くの観光客がこのW山の頂上を目指した。
ある日、有志の登山家が集まり相談した。
「皆さんは最近W山に登ったことがありますか。」
「ない。あそこは俺には簡単だからな、ここ10年と登ってない。」
他の登山家たちも同様だった。
これだけ多くの人が登っているならW山はゴミであふれているに違いないから、自分たちで掃除しに行くことが提案されると、山を愛する者同士、みな二つ返事で同意した。
軍手、トング、大きなごみ袋。
ゴミ拾いに必要なものを両手に抱え、登山家たちはW山へと踏み出した。
なだらかで地面もすべりにくく、おまけに景色もいい。
多くの人が登りに来るのも納得の山だった。
実際、平日にもかかわらず有志の登山家たちは何人もの人たちと挨拶を交わした。
そのたびに登山家たちが気になったのは山から下りてくる人たちの荷物だった。
彼らは自分で出したゴミはちゃんと自分で持ち帰っているのだろうか。
もちろん見た目だけでわかるはずもないし、中身をチェックするわけにもいかない。
結局捨てられたゴミを自分たちで拾うしかないのだ。
しかし登山家たちがどれだけ目を凝らしながら山を登っても、ゴミは見つけられなかった。
そうしてとうとうただの一つもゴミを拾わないまま、彼らは頂上へと着いた。
眼下にはW山と連なるX山脈、自分たちを含めて登山客が利用する登山ルート、そしてその反対側のふもとには小さな村が一つだけ見えた。
有志の登山家たちは笑顔でいっぱいだった。
もちろんW山の頂上からの景観の美しさもある。
しかし何よりも嬉しかったのはこれだけ多くの観光客が訪れているにもかかわらず、ゴミが本当に一つも落ちていなかったことだ。
たくさん用意してきたゴミ袋が全て無駄になったことが、山を愛する登山家たちには嬉しかった。
「せっかくなので、みんなで集合写真を撮りましょう。」
三脚にカメラをセットすると、登山家たちは青い空を背景に肩を組んだ。
すると足元の注意を怠ったのか、みないっせいに足を滑らせてしまった。
登山家たちは転がっていった。
W山の傾斜を物理法則にしたがってごろんごろんと。
いつまで経っても彼らは止まらない。
いいかげん目が回ってきたときに、ぼすんという音とともに彼らの体は止まった。
何かが衝撃を吸収してくれたので、痛くはなかった。
起き上がるとそこはふもとの村で、登山家たちの体を受け止めてくれたのは、彼らのように山から転がり落ちてきて形成されたゴミの山だった。
~・~・~・~・~
~感想~
作りやすいお題だったため、10秒くらいで思いつきました。
当初は捨ててもゴミが一つも落ちていない不思議な山という形で書いていたのですが、すぐに観光客のマナーを突っつくものに変更しました。
ショートショートっぽい話になったのではないかと思っています。
この山で落ちたものは全て転がってふもとの山にたどり着くということの伏線をしっかりと入れるべきだったと反省してます。
うぐいすの鳴き声を聞きながら書いていたので、登山の描写を書いているときは少し気持ちよかったです。
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第137回『掃除 物理法則 山脈』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約39分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=ZVdVfa_Gl80
↓使用させていただいたサイト↓
ランダム単語ガチャ
https://tango-gacha.com/
~・~・~・~・~
Q地方にはWという山があった。
X山脈の一つを形成していて、標高はこの国の山の中で中間くらいだった。
ルートもそれほど難しくないことから登山として人気で、本格的な登山家だけでなく毎年多くの観光客がこのW山の頂上を目指した。
ある日、有志の登山家が集まり相談した。
「皆さんは最近W山に登ったことがありますか。」
「ない。あそこは俺には簡単だからな、ここ10年と登ってない。」
他の登山家たちも同様だった。
これだけ多くの人が登っているならW山はゴミであふれているに違いないから、自分たちで掃除しに行くことが提案されると、山を愛する者同士、みな二つ返事で同意した。
軍手、トング、大きなごみ袋。
ゴミ拾いに必要なものを両手に抱え、登山家たちはW山へと踏み出した。
なだらかで地面もすべりにくく、おまけに景色もいい。
多くの人が登りに来るのも納得の山だった。
実際、平日にもかかわらず有志の登山家たちは何人もの人たちと挨拶を交わした。
そのたびに登山家たちが気になったのは山から下りてくる人たちの荷物だった。
彼らは自分で出したゴミはちゃんと自分で持ち帰っているのだろうか。
もちろん見た目だけでわかるはずもないし、中身をチェックするわけにもいかない。
結局捨てられたゴミを自分たちで拾うしかないのだ。
しかし登山家たちがどれだけ目を凝らしながら山を登っても、ゴミは見つけられなかった。
そうしてとうとうただの一つもゴミを拾わないまま、彼らは頂上へと着いた。
眼下にはW山と連なるX山脈、自分たちを含めて登山客が利用する登山ルート、そしてその反対側のふもとには小さな村が一つだけ見えた。
有志の登山家たちは笑顔でいっぱいだった。
もちろんW山の頂上からの景観の美しさもある。
しかし何よりも嬉しかったのはこれだけ多くの観光客が訪れているにもかかわらず、ゴミが本当に一つも落ちていなかったことだ。
たくさん用意してきたゴミ袋が全て無駄になったことが、山を愛する登山家たちには嬉しかった。
「せっかくなので、みんなで集合写真を撮りましょう。」
三脚にカメラをセットすると、登山家たちは青い空を背景に肩を組んだ。
すると足元の注意を怠ったのか、みないっせいに足を滑らせてしまった。
登山家たちは転がっていった。
W山の傾斜を物理法則にしたがってごろんごろんと。
いつまで経っても彼らは止まらない。
いいかげん目が回ってきたときに、ぼすんという音とともに彼らの体は止まった。
何かが衝撃を吸収してくれたので、痛くはなかった。
起き上がるとそこはふもとの村で、登山家たちの体を受け止めてくれたのは、彼らのように山から転がり落ちてきて形成されたゴミの山だった。
~・~・~・~・~
~感想~
作りやすいお題だったため、10秒くらいで思いつきました。
当初は捨ててもゴミが一つも落ちていない不思議な山という形で書いていたのですが、すぐに観光客のマナーを突っつくものに変更しました。
ショートショートっぽい話になったのではないかと思っています。
この山で落ちたものは全て転がってふもとの山にたどり着くということの伏線をしっかりと入れるべきだったと反省してます。
うぐいすの鳴き声を聞きながら書いていたので、登山の描写を書いているときは少し気持ちよかったです。
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