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視線
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コーヒーの良い香りで目が覚めた。
部屋から出ると、朝食の準備をしている司さんと目があった。
「おはよう!気分はどう?大丈夫?」
相変わらず、優しい笑顔で語り掛けてくれる。
「おはようございます。大丈夫です。ごめんなさい。朝食の準備手伝います。」
「大丈夫。もうすぐ出来るから葵は座ってて。っと、後俺に敬語は無しね?」
そう言って、私の顔を覗きこんできた。
「えっ、でも、、、、」
「今までは普通に話してたんだ。たから、気にしないで俺を友達だと思って話してくれて良いから!ねっ?」
「、、、、わかりました。」
「わかりました?」
悪戯っぽく笑う司さんに
「わかった?」
「うん。その調子で!さぁ、座ってて。」
手際よくテーブルに朝食が運ばれてくる。
二人で朝食をとっていると
「後で買い物に行かないか?体調が良ければだけど。」
(司さん、何か買い物があるのかな?)
と思いつつ
「体調は大丈夫です。私が一緒に行っても良いんですか?」
「けーご!」
と悪戯っぼく笑った司さんは
「勿論、一緒に行こう」
と、優しく笑ってくれた。
朝食も終わり、出掛ける為に葵を待ってる間昨晩の樹との会話を思い出していた。
「とにかく、俺は空白の時間に何があったのか調べるよ!記憶を取り戻すか取り戻さないかは別として何があったのかは把握しておきたい。」
樹の意見には賛成だが
「調べるってどうするんだよ?」
「どうするんだよ?って決まってるだろ!!」
「お前っ!公私混同は駄目だろ!!」
「何いってんだ!相変わらず真面目だな?公私混同じゃない。自分の立場を利用するだけだ。」
「それを、公私混同って言うんだろ。」
と呆れる。
「と・に・か・く・だ!俺は俺の権力をもって調べる!」
「足元すくわれても知らないぞ!」
「大丈夫だ!俺がそんなヘマするわけないだろ?上手くやるさ。お前はとにかく葵の側に居てやれよ!?」
自信満々にそう告げると樹は俺の心配なんかお構いなしに帰っていった。
「全く、大丈夫なんだろうなぁ?あいつ、、、、。」
そう独り言を呟いていると葵が部屋から出てきた。
「すみません、お待たせして。」
「大丈夫。全然待ってないよ。じゃあ行こうか?」
**********
二人で来たのは郊外にあるショッピングモールだった。
平日だというのにかなりの人がショッピングを楽しんでいる。
「はぐれないように!」
と言って手を差し出すと葵は少し戸惑って、でも俺の手を握ってくれた。
「じゃあ行こうか?」
(とりあえず、洋服だな。)
女性物のアパレルショップに入ると葵は明らかに困惑していた。
「どうした?好きな洋服選んで良いよ?」
「えっ、、、あの。司さんの買い物じゃないんですか?」
「何言ってるの?葵の買い物に決まってるでしょ!洋服買って、後雑貨とかも買おうよ!」
「えぇー。そんなに急に言われても。」
「うん。だからゆっくり選んで良いよ!とことん付き合うから!」
結局1日中ショッピングを楽しんで、夕食を済ませマンションへ帰る途中。
突然背筋がゾクリとして全身が粟立つ様な感じがした。
バッと後ろを振り返ったが誰も居ない。
(気のせい、、、かな?)
「葵?」
心配そうに司さんが顔を覗きこんできた。
「あっ、何でもない。」
「そう?じゃあ帰ろっか」
そんな二人の背中に鋭い視線を送っている男性がいた。
「ふふっ。記憶を無くしても感覚は変わらずだね紗羅」
「車を出してくれ」
そう運転手に告げると、黒塗りの車は司と葵を追い抜いて去っていった。
部屋から出ると、朝食の準備をしている司さんと目があった。
「おはよう!気分はどう?大丈夫?」
相変わらず、優しい笑顔で語り掛けてくれる。
「おはようございます。大丈夫です。ごめんなさい。朝食の準備手伝います。」
「大丈夫。もうすぐ出来るから葵は座ってて。っと、後俺に敬語は無しね?」
そう言って、私の顔を覗きこんできた。
「えっ、でも、、、、」
「今までは普通に話してたんだ。たから、気にしないで俺を友達だと思って話してくれて良いから!ねっ?」
「、、、、わかりました。」
「わかりました?」
悪戯っぽく笑う司さんに
「わかった?」
「うん。その調子で!さぁ、座ってて。」
手際よくテーブルに朝食が運ばれてくる。
二人で朝食をとっていると
「後で買い物に行かないか?体調が良ければだけど。」
(司さん、何か買い物があるのかな?)
と思いつつ
「体調は大丈夫です。私が一緒に行っても良いんですか?」
「けーご!」
と悪戯っぼく笑った司さんは
「勿論、一緒に行こう」
と、優しく笑ってくれた。
朝食も終わり、出掛ける為に葵を待ってる間昨晩の樹との会話を思い出していた。
「とにかく、俺は空白の時間に何があったのか調べるよ!記憶を取り戻すか取り戻さないかは別として何があったのかは把握しておきたい。」
樹の意見には賛成だが
「調べるってどうするんだよ?」
「どうするんだよ?って決まってるだろ!!」
「お前っ!公私混同は駄目だろ!!」
「何いってんだ!相変わらず真面目だな?公私混同じゃない。自分の立場を利用するだけだ。」
「それを、公私混同って言うんだろ。」
と呆れる。
「と・に・か・く・だ!俺は俺の権力をもって調べる!」
「足元すくわれても知らないぞ!」
「大丈夫だ!俺がそんなヘマするわけないだろ?上手くやるさ。お前はとにかく葵の側に居てやれよ!?」
自信満々にそう告げると樹は俺の心配なんかお構いなしに帰っていった。
「全く、大丈夫なんだろうなぁ?あいつ、、、、。」
そう独り言を呟いていると葵が部屋から出てきた。
「すみません、お待たせして。」
「大丈夫。全然待ってないよ。じゃあ行こうか?」
**********
二人で来たのは郊外にあるショッピングモールだった。
平日だというのにかなりの人がショッピングを楽しんでいる。
「はぐれないように!」
と言って手を差し出すと葵は少し戸惑って、でも俺の手を握ってくれた。
「じゃあ行こうか?」
(とりあえず、洋服だな。)
女性物のアパレルショップに入ると葵は明らかに困惑していた。
「どうした?好きな洋服選んで良いよ?」
「えっ、、、あの。司さんの買い物じゃないんですか?」
「何言ってるの?葵の買い物に決まってるでしょ!洋服買って、後雑貨とかも買おうよ!」
「えぇー。そんなに急に言われても。」
「うん。だからゆっくり選んで良いよ!とことん付き合うから!」
結局1日中ショッピングを楽しんで、夕食を済ませマンションへ帰る途中。
突然背筋がゾクリとして全身が粟立つ様な感じがした。
バッと後ろを振り返ったが誰も居ない。
(気のせい、、、かな?)
「葵?」
心配そうに司さんが顔を覗きこんできた。
「あっ、何でもない。」
「そう?じゃあ帰ろっか」
そんな二人の背中に鋭い視線を送っている男性がいた。
「ふふっ。記憶を無くしても感覚は変わらずだね紗羅」
「車を出してくれ」
そう運転手に告げると、黒塗りの車は司と葵を追い抜いて去っていった。
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