12 / 21
混乱
しおりを挟む
「つっ・・・・ふっ・・・。」
涙が溢れてくる。
「あいつの為に泣くか?」
「・・・・・。」
ふいに、顎を掴まれ上を向かされる。
「つっ・・・・。」
「まぁ、いい。やっと、手に入れた。これからはずっと一緒だ。」
「んっ・・・」
唇を塞がれる、押し返そうとするが手首を掴まれてしまう。
「やめ・・て!」
そのままシートの上に押し倒される。
「やめられない。やっとだ!やっと手に入れたんだ。紗羅」
もう一度深く唇を塞がれる。
「はぁ、、つっ・・いや。」
「俺を受け入れろ!紗羅」
(『紗羅』この名前を呼ばれると胸が苦しくなる)
「やめて!その名前で呼ばないで!私は紗羅じゃない。」
「紗羅だよ。君の本当の名前だ。」
「んっ・・・はぁ・・・。」
口づけを繰り返される。
「あぁ、着いたよ。今日からここが君の居場所だ。」
見ると、大きな屋敷の前に車が停まった。
「ここが・・・?」
光明は、優しい手つきで乱れた髪を直してくれる。
「・・・・・。」
「さぁ、行こうか。案内する。」
光明に案内されたのは、屋敷の中の一部屋だった。
庭に面した陽当たりのいい豪華な部屋だ。
「ここを好きに使うといい。足りない物があれば言え直ぐに揃える。」
「・・・・・。」
「俺は仕事があるからまた後で顔を出す。それまでくつろいでいるといい。」
そういうと、光明は部屋を後にした。
「司さん・・・・。」
あの時の司さんの顔が浮かんでくる。
(あんな辛そうな顔をさせてしまった。でも・・・守るためにはこうするしかなかったんだ。もう、大切な人を失いたくない。)
********
「どういう事だ!!」
葵のマンションに来た樹が司に詰め寄った。
「・・・。あいつが、桐生光明だ。葵は俺を守る為に光明の所に行ったんだ!」
悔しそうに言い放った。
「守る為に?」
「多分、光明に脅されたんだろう。葵が光明の所に行けば俺に手出しはしない・・・とか。」
「なんて奴だ!!」
「葵の優しさにつけこんだんだ!!くそっ
!」
怒りが込み上げてくる。
その時、光明のある言葉を思い出した。
「・・・・・そういえば、あいつ葵の事を『紗羅』って呼んでた。」
「『紗羅』?どういう事だ?」
「わからない・・・・。」
「・・・・・。」
「樹?」
樹は何か考え込んでいたが、重い口を開いた。
「司、悪い。実は葵の過去を調べた事があったんだ。」
「過去を?」
「ああ、お前が警察庁を辞めて葵の所に行った後にだ。」
「何だって、そんな事を?」
「・・・・。葵が悪い奴じゃないのはわかってた。だけど、お前の事が心配だったんだ。警察庁まで辞めて。」
「・・・・・それで?何か解ったのか?」
「逆だ。何も出てこなかった。」
「えっ?」
「5年前、アメリカでパスポートを取得してるのは確認できた。」
「日本に来るためだろうな?」
「でも・・・それ以前の経歴がどんなに調べても出てこないんだ。」
「・・・・・。」
「どこで産まれたのか。どこで育ったのか。両親の名前さえわからない。」
「それは・・・アメリカで産まれて育ったからじゃないのか?」
「俺もそう思って、ツテを頼って調べたが『世良葵』の存在が確認出来たのは5年前パスポートを取得した時からだ。」
言い知れない不安を拭うように司は言った。
「でも、『世良葵』でパスポートを取れたんだよな?」
「ああ。提出された書類もちゃんとしていたらしい。」
「だったら・・・・」
「司!!葵には何かあるんだと思う。俺達に言えない様な何かが。それを、『桐生光明』は知っているんじゃないのか?」
「・・・・・。」
葵の過去が気にならないと言えば嘘になる。
でも、いつか打ち明けてくれると思っていた。
「葵。お前は一体・・・。」
樹が帰った後、一人になった部屋を見渡す。
「葵。お前は何か大きなものを背負ってるんじゃないのか?俺はお前の口から事実を聞きたい。だから取り戻す!必ず!!」
司は光明の居場所を探すように樹に頼んでいた。
涙が溢れてくる。
「あいつの為に泣くか?」
「・・・・・。」
ふいに、顎を掴まれ上を向かされる。
「つっ・・・・。」
「まぁ、いい。やっと、手に入れた。これからはずっと一緒だ。」
「んっ・・・」
唇を塞がれる、押し返そうとするが手首を掴まれてしまう。
「やめ・・て!」
そのままシートの上に押し倒される。
「やめられない。やっとだ!やっと手に入れたんだ。紗羅」
もう一度深く唇を塞がれる。
「はぁ、、つっ・・いや。」
「俺を受け入れろ!紗羅」
(『紗羅』この名前を呼ばれると胸が苦しくなる)
「やめて!その名前で呼ばないで!私は紗羅じゃない。」
「紗羅だよ。君の本当の名前だ。」
「んっ・・・はぁ・・・。」
口づけを繰り返される。
「あぁ、着いたよ。今日からここが君の居場所だ。」
見ると、大きな屋敷の前に車が停まった。
「ここが・・・?」
光明は、優しい手つきで乱れた髪を直してくれる。
「・・・・・。」
「さぁ、行こうか。案内する。」
光明に案内されたのは、屋敷の中の一部屋だった。
庭に面した陽当たりのいい豪華な部屋だ。
「ここを好きに使うといい。足りない物があれば言え直ぐに揃える。」
「・・・・・。」
「俺は仕事があるからまた後で顔を出す。それまでくつろいでいるといい。」
そういうと、光明は部屋を後にした。
「司さん・・・・。」
あの時の司さんの顔が浮かんでくる。
(あんな辛そうな顔をさせてしまった。でも・・・守るためにはこうするしかなかったんだ。もう、大切な人を失いたくない。)
********
「どういう事だ!!」
葵のマンションに来た樹が司に詰め寄った。
「・・・。あいつが、桐生光明だ。葵は俺を守る為に光明の所に行ったんだ!」
悔しそうに言い放った。
「守る為に?」
「多分、光明に脅されたんだろう。葵が光明の所に行けば俺に手出しはしない・・・とか。」
「なんて奴だ!!」
「葵の優しさにつけこんだんだ!!くそっ
!」
怒りが込み上げてくる。
その時、光明のある言葉を思い出した。
「・・・・・そういえば、あいつ葵の事を『紗羅』って呼んでた。」
「『紗羅』?どういう事だ?」
「わからない・・・・。」
「・・・・・。」
「樹?」
樹は何か考え込んでいたが、重い口を開いた。
「司、悪い。実は葵の過去を調べた事があったんだ。」
「過去を?」
「ああ、お前が警察庁を辞めて葵の所に行った後にだ。」
「何だって、そんな事を?」
「・・・・。葵が悪い奴じゃないのはわかってた。だけど、お前の事が心配だったんだ。警察庁まで辞めて。」
「・・・・・それで?何か解ったのか?」
「逆だ。何も出てこなかった。」
「えっ?」
「5年前、アメリカでパスポートを取得してるのは確認できた。」
「日本に来るためだろうな?」
「でも・・・それ以前の経歴がどんなに調べても出てこないんだ。」
「・・・・・。」
「どこで産まれたのか。どこで育ったのか。両親の名前さえわからない。」
「それは・・・アメリカで産まれて育ったからじゃないのか?」
「俺もそう思って、ツテを頼って調べたが『世良葵』の存在が確認出来たのは5年前パスポートを取得した時からだ。」
言い知れない不安を拭うように司は言った。
「でも、『世良葵』でパスポートを取れたんだよな?」
「ああ。提出された書類もちゃんとしていたらしい。」
「だったら・・・・」
「司!!葵には何かあるんだと思う。俺達に言えない様な何かが。それを、『桐生光明』は知っているんじゃないのか?」
「・・・・・。」
葵の過去が気にならないと言えば嘘になる。
でも、いつか打ち明けてくれると思っていた。
「葵。お前は一体・・・。」
樹が帰った後、一人になった部屋を見渡す。
「葵。お前は何か大きなものを背負ってるんじゃないのか?俺はお前の口から事実を聞きたい。だから取り戻す!必ず!!」
司は光明の居場所を探すように樹に頼んでいた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
【R18】熱い夜の相手は王太子!? ~婚約者だと告げられましたが、記憶がございません~
世界のボボブラ汁(エロル)
恋愛
激しい夜を過ごしたあと、私は気づいてしまった。
──え……この方、誰?
相手は王太子で、しかも私の婚約者だという。
けれど私は、自分の名前すら思い出せない。
訳も分からず散った純潔、家族や自分の姿への違和感──混乱する私に追い打ちをかけるように、親友(?)が告げた。
「あなた、わたくしのお兄様と恋人同士だったのよ」
……え、私、恋人がいたのに王太子とベッドを共に!?
しかも王太子も恋人も、社交界を騒がすモテ男子。
もしかして、そのせいで私は命を狙われている?
公爵令嬢ベアトリス(?)が記憶を取り戻した先に待つのは── 愛か、陰謀か、それとも破滅か。
全米がハラハラする宮廷恋愛ストーリー……になっていてほしいですね!
※本作品はR18表現があります、ご注意ください。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
橘若頭と怖がり姫
真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。
その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。
高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。
彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中
桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。
やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。
「助けなんていらないわよ?」
は?
しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。
「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。
彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。
悪魔な義理弟《ボディーガード》~ヤンキー校最凶犬男子の独占欲が強過ぎる~
Kore
恋愛
「余計なこと考えさせないくらい愛せば、男として見てくれる?」そう囁く義弟の愛は重くて、危険で、究極に甘い。
———勉強が大の苦手であり、巷で有名なヤンキー高校しか入れなかった宇佐美莉子。そんな義理姉のボディーガードになるため、後追いで入学してきた偏差値70以上の義理弟、宇佐美櫂理。しかし、ボディーガードどころか、櫂理があまりにも最強過ぎて、誰も莉子に近寄ることが出来ず。まるで極妻的存在で扱われる中、今日も義理弟の重い愛が炸裂する。———
エリート警察官の溺愛は甘く切ない
日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。
両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる