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淡い恋心
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帝都ホテルを出ると樹が言った。
「司、この後飲みにでも行かないか?」
「悪い。俺は一度警察庁に戻る。ちょっと調べたい事があるから。」
「お前、ほんと真面目だなぁ~。じゃあ、送っていってやるよ!」
車に乗り込み警察庁へ戻った。
樹と別れた司は自分のデスクでパソコンに向かっていた。
アルミナ国の王族について調べていたがこれといって目新しい情報は無かった。
(王族についての情報が少なすぎるな。観光地としては有名だが王族についての報道が少なすぎる。規制でもかけているのか?)
司は、レオン王子の頑なな様子がどうしても気になっていたのだ。
(樹じゃないが、何かあるんだろうな・・。)
時計を見るとすでに0時を回っていた。
「明日もあるし帰るか。」
警察庁を出ると足は自然と公園に向かっていた。
流石に、人も少ない。
桜並木を歩きながら公園で見掛けた女性の事を考えていた。
(あの時の俺はどうかしてたな。)
樹の言葉が頭を過る。
(恋なんて・・・。大体、この大都会名前すらわからない人間とどうやって恋するんだ?また会うことなんてあるはずがない。)
司の心に切ない気持ちがあふれた。
(そもそも、なんだってまたこの公園に来てるんだ?)
自分で自分の心が解らなかった。
自嘲しながら桜を見上げた。
気配を感じて視線を移すと、そこに葵の姿があった。
出会った時の様に寂しい瞳で桜を見ていた。
その顔が辛そうで見ていられなかった。
(嘘だろっ!まさかまた会えるなんて!)
胸が高鳴るのを感じた。
(何なんだこの感覚はっ!)
葵に近付こうとした時一陣の風が吹いた。
桜吹雪がザァッと空に舞う。
気が付くと既に葵の姿はなかった。
「っつ・・またかっ!」
********
早朝、レオンと葵は帝都海浜公園に来ていた。
「ここからの朝日が見たかったんだ。」
朝の瑞々しい空気がとても気持ち良かった。
「悪かったね朝早く付き合わせて。」
「大丈夫だよ。私も久しぶりに朝日を見たかったし。」
葵は水平線を見つめた。
ほの暗い水平線が東雲色に変わる。水面はキラキラと輝きだす。
「・・・・キレイだな。」
「そうね・・・。」
それっきり、レオンも葵も言葉はなく朝日を見つめた。
レオンは朝日を見つめる葵をチラリとみると、まるで泣いている様だった。
朝日を浴びた葵の姿が美しくて見とれてしまう。
「アオイ・・」
「どうしたの?」
振り向いた葵は笑顔だった。
「いや、何でもない。朝日を見れて良かったよ。朝食でも食べに行こうか?」
「そうね。」
駐車場に停めてある車まで戻ると葵が辺りを見回した。駐車場には数台車が停まっている。
「アオイ?」
レオンが不思議そうな顔をした。
「あ、ごめん。行こっか。」
車に乗り込むとゆっくり発車させた。
その後を追うように一台の車が駐車場を出ていった。
「司、この後飲みにでも行かないか?」
「悪い。俺は一度警察庁に戻る。ちょっと調べたい事があるから。」
「お前、ほんと真面目だなぁ~。じゃあ、送っていってやるよ!」
車に乗り込み警察庁へ戻った。
樹と別れた司は自分のデスクでパソコンに向かっていた。
アルミナ国の王族について調べていたがこれといって目新しい情報は無かった。
(王族についての情報が少なすぎるな。観光地としては有名だが王族についての報道が少なすぎる。規制でもかけているのか?)
司は、レオン王子の頑なな様子がどうしても気になっていたのだ。
(樹じゃないが、何かあるんだろうな・・。)
時計を見るとすでに0時を回っていた。
「明日もあるし帰るか。」
警察庁を出ると足は自然と公園に向かっていた。
流石に、人も少ない。
桜並木を歩きながら公園で見掛けた女性の事を考えていた。
(あの時の俺はどうかしてたな。)
樹の言葉が頭を過る。
(恋なんて・・・。大体、この大都会名前すらわからない人間とどうやって恋するんだ?また会うことなんてあるはずがない。)
司の心に切ない気持ちがあふれた。
(そもそも、なんだってまたこの公園に来てるんだ?)
自分で自分の心が解らなかった。
自嘲しながら桜を見上げた。
気配を感じて視線を移すと、そこに葵の姿があった。
出会った時の様に寂しい瞳で桜を見ていた。
その顔が辛そうで見ていられなかった。
(嘘だろっ!まさかまた会えるなんて!)
胸が高鳴るのを感じた。
(何なんだこの感覚はっ!)
葵に近付こうとした時一陣の風が吹いた。
桜吹雪がザァッと空に舞う。
気が付くと既に葵の姿はなかった。
「っつ・・またかっ!」
********
早朝、レオンと葵は帝都海浜公園に来ていた。
「ここからの朝日が見たかったんだ。」
朝の瑞々しい空気がとても気持ち良かった。
「悪かったね朝早く付き合わせて。」
「大丈夫だよ。私も久しぶりに朝日を見たかったし。」
葵は水平線を見つめた。
ほの暗い水平線が東雲色に変わる。水面はキラキラと輝きだす。
「・・・・キレイだな。」
「そうね・・・。」
それっきり、レオンも葵も言葉はなく朝日を見つめた。
レオンは朝日を見つめる葵をチラリとみると、まるで泣いている様だった。
朝日を浴びた葵の姿が美しくて見とれてしまう。
「アオイ・・」
「どうしたの?」
振り向いた葵は笑顔だった。
「いや、何でもない。朝日を見れて良かったよ。朝食でも食べに行こうか?」
「そうね。」
駐車場に停めてある車まで戻ると葵が辺りを見回した。駐車場には数台車が停まっている。
「アオイ?」
レオンが不思議そうな顔をした。
「あ、ごめん。行こっか。」
車に乗り込むとゆっくり発車させた。
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