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2-9.異常の正体、危機
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依頼の最後、3体目の魔物もやはりというべきか、異常個体のオーグライノバイソンが待ち構えていた。2体目も異常個体だったが、3体目も例外ではなく、異常個体。
ここまでくると、誰もがいまのこの森はおかしいと感じた。
彼女らの目の前にいるのは、ライノバイソンの上位種で、バイソンの見た目のような巨体だ。
アリスは半ばやけくそ気味に叫んだ。
「もうっ! 一体どうなってるのよこの森は!」
ヴォルフは大声で全体に指示を出した。
「散会するんだ! 固まっていたらあの突進にやられる!」
ミラはオーグライノバイソンの異常個体を見て、フレア・ボアを思い出した。
攻撃スタイルと物理・魔法に強いところがそっくりだ。あの機動力では安易に逃げることもできない。
背を見せた瞬間、背中から角で体を串刺しにされるだろう。
しかも、タンクと剣・魔法でバランスの取れた冒険者パーティにとって一番相性の悪い魔物だ。
突進でタンクが崩壊し、攻撃が通用しない。
ミラは、剣を抜いた。
フレアボアを想定してあの動きに備えた剣技を自分なりに素振りをして鍛錬してきた。
(たとえ勝てなくても……もう逃げない!)
フレアボアを想定した動きで、側面に踏み込み、胴を斬りつける。
背中に大きな切り傷ができて、黒い血が吹き出す。
「ミラさん! どうしてここに!」
急に前線に飛び出してきたミラに、ヴォルフは思わず声をかける。
さっきの一撃で、動きが鈍ったのか、ヴォルフは横合いから敵に突撃する。
オーグライノバイソンは傷のせいで体に力が入らないのか、ヴォルフの盾で動きを拘束されていた。
そこに、ソーニャの凍結魔法で足元を固めて、アリスの矢とメイの剣で攻撃を加える。
「いまよ!」
最後はミラが剣を振りかぶる。
「はあああっ!」
生体器官を真っ二つに、ぶった切る。
オーグライノバイソンは血を吹き出して地面に倒れた。
生体器官が地面に転がる。
「はあっ、はあ……勝った、のか?」
ヴォルフは、オーグライノバイソンの割れた生体器官を拾って、倒したことを確認した。
アリスたちは地面に座り込んだ。
「ほんとに、今日はなんだったのよ……」
メイは遠い目をしていた。
「そうだね、こんなハードなこと、冒険者を初めたばかりの頃に戻ったみたい」
「……右に同じ」
先程も2体目のゴーレムを倒しに行ったら、ストーンゴーレムという上位種の異常個体がいて、あまりの強さに全滅しかけた。
というのも、魔法耐性と物理耐性を持ち、このパーティメンバーの攻撃では通用しないと思われたからである。
だが、ミラの作戦で氷結魔法と火の魔法を繰り返すことで体を砕いてなんとか倒したばかりだった。
ミラは全員に自家製の回復ポーションを手渡した。
「これ、どうぞ」
アリスは受け取りながら疑問を口にした。
「ありがとう。でも、不思議よねこのポーション。効き目が普段から飲んでいるのと違う気がするわ。低級ポーションなのよね?」
「はい、低級の回復ポーションですよ。品質は最高ランクって言われましたけど」
「けほけほっ! 最高ランク!? なんでそんな貴重なポーションを……私達にその代金は払えないわよ?」
ミラはドリンクのように気軽に最高品質のポーションを疲れを取るために飲ませていた。
アリスは毒消しのポーションのことも気がかりで、そんなお金はないと伝えておくことにしたのだ。
「あ、いえ、気にしないでください。自分で作ったポーションの出来を確かめているだけですから。ただの試飲です。さっきの毒消しポーションも私が作ったものです。ギルドに卸したものでもありませんし、お金はいただきませんから安心してください」
***
ミラは会話に一区切りつけると、大きめの石の上に座る。
休憩中の周囲警戒をすべく、気体を応用した探索魔法に集中した。
雑談をしているメンバーの声が聞きながら、異常がないかを監視し続ける。
しばらくすると、何者かが廃墟のそばに隠れているのがわかった。
(誰かしら……)
その人間は、手に薬品の瓶を持ち、それを振りかぶった。
風の魔法も併用している。こちらに投擲したのだ。
そして、その薬品の入った瓶から、とてつもないエネルギーの上昇を空気の伝わる肌で感じた。
(なにかしら、あれがこっちに投げられるのは、すごくまずい気がするわ……)
ミラは探索魔法を即座に解いて、地面に落ちていた石を右手で拾い、立ち上がった。
「え? ミラ、あなたどうし――」
急な行動にアリスが問いかけるがミラは無視して、石を振りかぶった。
ミラによって投げられた石は、同時に気弾も放たれており、真っ直ぐに飛んでいく。
そのまま、廃墟の上空で何かにぶつかり、爆風を撒き散らした。
周囲の木々があまりの爆風によってしなる。折れた木や倒木した木もあった。
それほどの爆発の威力。もし、ミラが迎撃していなければこの場所が爆心地となっていただろう。
それを見ていたメンバーたちは爆風を受けて理解した。
何者かの攻撃であると。普通は、石が爆風を撒き散らすなどということはなく、爆発物を石で撃ち落としたのだ。
ミラは叫んだ。
「誰なの!」
ミラのその声に、他のメンバーも思わず立ち上がって周囲を警戒した。
すると、黒いローブをかぶった若い男が、廃墟の方から近づいてくる。
ヴォルフは男を見つけて叫んだ。
「誰だ!」
黒いローブの男は、歯を食いしばっていた。
悔しがっている様子だ。
「私の策がすべて通じなかったことは称賛します……さすが、あの方の娘さん」
ミラはそのセリフを聞き漏らすことはなかった。
『娘』という単語から、男が誰の関係者なのか理解したのだ。
「まさか、あなたはっ!」
ミラは全身から冷や汗をかいた。
男は薄ら笑いを浮かべる。
「ええ、ええ。お察しの通り、あなたを連れ戻しに来たものですよ。古の聖女様を信仰する我々教団は、いま、あなたのお父上にお使えしておりますゆえ」
ミラは困惑した。兄と父では違う方針を取っていたのだろうか。暗殺者だと思ったら、この男は教団と名乗った。しかも古の聖女を信仰する教団など聞いたこともない。
「私を殺しに来たんじゃ……ないの?」
「ええ、いずれ死んでもらう予定ですが、ここで、ではありません」
「やはり、殺すために連れ戻すのね?」
「否定はしません」
「嫌よ!」
「そのようなワガママを言わないでください。あなたは大事な『生贄』なのですから」
(生贄? 何を言っているのこの人は……)
「私は生贄なんかじゃないわ! それにもうあの家とは縁を切りました。彼らはもう私とはなんの関係ない人たちです」
ミラと男のやり取りを静かに聞いていたメンバーたちは、どう反応してよいのかわからず沈黙していた。
お互い顔を見合わせるが、あの男がなにかヤバイことだけは共通した理解だった。
「仕方ありません。用意した作戦も失敗しましたし、まさか最終手段を使うことになるとは思いませんでした……」
黒いローブの男は、ため息をつくと、ポケットから何かを取り出して飲み込んだ。
まるで薬をキメた奴みたいに目が血走った。
男の体は膨張して、ローブが空中に吹き飛ぶ。
筋骨隆々を通り越して、体型に似合わない筋肉を身にまとい、倍の背丈にまで大きくなった。
「なんなの……その姿は!」
人間の生体器官が巨大化したせいか、胸からは内側から圧迫されたような突起ができている。
横で見ていたメイは呟いた。
「化け物……」
アリスは頷くと、男を睨みつけた。
「あんたが今回の原因だったのね! 人間に擬態した魔物なの?」
ヴォルフは首を横に振った。
「あれは多分違う何かだ……。理屈はよくわからないけど、人間が化け物になったのかもしれない」
ヴォルフが知らないのも無理はない。異常個体を作るためのアイテムを人間が自分で取り込んだのだ。
そこで、化け物と化した男は言い返す。
「関係ないあなたたちは黙っていなさい。あとで優しく、ぐちゃぐちゃに殺してあげます。でも、まずは娘さんから無力化しないと。命さえ失わなければ何をしても良いと言われておりますので」
男の圧迫感に当てられて、ミラは思わず剣を抜いていた。
「なにかしら……手が震えているわ」
怖いわけではない。だが、なにか邪悪なものと対峙しているようだった。
男はニタニタと笑った。
「知りませんか? 無理もありません。聖女によっていまはもう姿を消した存在と言われているのですから。それが『魔人』です」
ミラは思わず叫んだ。
「まさかっ!」
魔物の文献の中で、姿の描かれていないSランクオーバーの魔物が数例だけあった。そのなかで、情報のかなり少ない、人に近い姿と記載された魔物がいる。それが『魔人』だ。
ミラは魔人の特徴を文献のとおりに口に出してメンバーに知らせた。
一般的には魔族の上位種とされ、魔人族というカテゴリーに入っていた魔物。
だが、いま、人間からそれが生み出されるのをメンバーたちは確認した。
ミラは疑問を口にする。
「人間から生み出されたっていうの?」
「その通りですよ。魔物についてお勉強熱心という報告は本当でしたね。けれど、この姿になったらもう誰も止められませんよ?」
魔人の男は両手を前に出し、指の形で円を作る。まるで空気を包み込むかのように。
そこから黒い光が生み出される。
まるで死を象徴した黒い混沌の塊だった。
ミラは、確信した。
あれは絶対に触れてはいけないものだと。
「なにかまずいわ。みんな逃げて!」
その声に反応した4人は一目散にその場を離れた。
巨大な黒い光線が魔人の手から放たれる――。
ここまでくると、誰もがいまのこの森はおかしいと感じた。
彼女らの目の前にいるのは、ライノバイソンの上位種で、バイソンの見た目のような巨体だ。
アリスは半ばやけくそ気味に叫んだ。
「もうっ! 一体どうなってるのよこの森は!」
ヴォルフは大声で全体に指示を出した。
「散会するんだ! 固まっていたらあの突進にやられる!」
ミラはオーグライノバイソンの異常個体を見て、フレア・ボアを思い出した。
攻撃スタイルと物理・魔法に強いところがそっくりだ。あの機動力では安易に逃げることもできない。
背を見せた瞬間、背中から角で体を串刺しにされるだろう。
しかも、タンクと剣・魔法でバランスの取れた冒険者パーティにとって一番相性の悪い魔物だ。
突進でタンクが崩壊し、攻撃が通用しない。
ミラは、剣を抜いた。
フレアボアを想定してあの動きに備えた剣技を自分なりに素振りをして鍛錬してきた。
(たとえ勝てなくても……もう逃げない!)
フレアボアを想定した動きで、側面に踏み込み、胴を斬りつける。
背中に大きな切り傷ができて、黒い血が吹き出す。
「ミラさん! どうしてここに!」
急に前線に飛び出してきたミラに、ヴォルフは思わず声をかける。
さっきの一撃で、動きが鈍ったのか、ヴォルフは横合いから敵に突撃する。
オーグライノバイソンは傷のせいで体に力が入らないのか、ヴォルフの盾で動きを拘束されていた。
そこに、ソーニャの凍結魔法で足元を固めて、アリスの矢とメイの剣で攻撃を加える。
「いまよ!」
最後はミラが剣を振りかぶる。
「はあああっ!」
生体器官を真っ二つに、ぶった切る。
オーグライノバイソンは血を吹き出して地面に倒れた。
生体器官が地面に転がる。
「はあっ、はあ……勝った、のか?」
ヴォルフは、オーグライノバイソンの割れた生体器官を拾って、倒したことを確認した。
アリスたちは地面に座り込んだ。
「ほんとに、今日はなんだったのよ……」
メイは遠い目をしていた。
「そうだね、こんなハードなこと、冒険者を初めたばかりの頃に戻ったみたい」
「……右に同じ」
先程も2体目のゴーレムを倒しに行ったら、ストーンゴーレムという上位種の異常個体がいて、あまりの強さに全滅しかけた。
というのも、魔法耐性と物理耐性を持ち、このパーティメンバーの攻撃では通用しないと思われたからである。
だが、ミラの作戦で氷結魔法と火の魔法を繰り返すことで体を砕いてなんとか倒したばかりだった。
ミラは全員に自家製の回復ポーションを手渡した。
「これ、どうぞ」
アリスは受け取りながら疑問を口にした。
「ありがとう。でも、不思議よねこのポーション。効き目が普段から飲んでいるのと違う気がするわ。低級ポーションなのよね?」
「はい、低級の回復ポーションですよ。品質は最高ランクって言われましたけど」
「けほけほっ! 最高ランク!? なんでそんな貴重なポーションを……私達にその代金は払えないわよ?」
ミラはドリンクのように気軽に最高品質のポーションを疲れを取るために飲ませていた。
アリスは毒消しのポーションのことも気がかりで、そんなお金はないと伝えておくことにしたのだ。
「あ、いえ、気にしないでください。自分で作ったポーションの出来を確かめているだけですから。ただの試飲です。さっきの毒消しポーションも私が作ったものです。ギルドに卸したものでもありませんし、お金はいただきませんから安心してください」
***
ミラは会話に一区切りつけると、大きめの石の上に座る。
休憩中の周囲警戒をすべく、気体を応用した探索魔法に集中した。
雑談をしているメンバーの声が聞きながら、異常がないかを監視し続ける。
しばらくすると、何者かが廃墟のそばに隠れているのがわかった。
(誰かしら……)
その人間は、手に薬品の瓶を持ち、それを振りかぶった。
風の魔法も併用している。こちらに投擲したのだ。
そして、その薬品の入った瓶から、とてつもないエネルギーの上昇を空気の伝わる肌で感じた。
(なにかしら、あれがこっちに投げられるのは、すごくまずい気がするわ……)
ミラは探索魔法を即座に解いて、地面に落ちていた石を右手で拾い、立ち上がった。
「え? ミラ、あなたどうし――」
急な行動にアリスが問いかけるがミラは無視して、石を振りかぶった。
ミラによって投げられた石は、同時に気弾も放たれており、真っ直ぐに飛んでいく。
そのまま、廃墟の上空で何かにぶつかり、爆風を撒き散らした。
周囲の木々があまりの爆風によってしなる。折れた木や倒木した木もあった。
それほどの爆発の威力。もし、ミラが迎撃していなければこの場所が爆心地となっていただろう。
それを見ていたメンバーたちは爆風を受けて理解した。
何者かの攻撃であると。普通は、石が爆風を撒き散らすなどということはなく、爆発物を石で撃ち落としたのだ。
ミラは叫んだ。
「誰なの!」
ミラのその声に、他のメンバーも思わず立ち上がって周囲を警戒した。
すると、黒いローブをかぶった若い男が、廃墟の方から近づいてくる。
ヴォルフは男を見つけて叫んだ。
「誰だ!」
黒いローブの男は、歯を食いしばっていた。
悔しがっている様子だ。
「私の策がすべて通じなかったことは称賛します……さすが、あの方の娘さん」
ミラはそのセリフを聞き漏らすことはなかった。
『娘』という単語から、男が誰の関係者なのか理解したのだ。
「まさか、あなたはっ!」
ミラは全身から冷や汗をかいた。
男は薄ら笑いを浮かべる。
「ええ、ええ。お察しの通り、あなたを連れ戻しに来たものですよ。古の聖女様を信仰する我々教団は、いま、あなたのお父上にお使えしておりますゆえ」
ミラは困惑した。兄と父では違う方針を取っていたのだろうか。暗殺者だと思ったら、この男は教団と名乗った。しかも古の聖女を信仰する教団など聞いたこともない。
「私を殺しに来たんじゃ……ないの?」
「ええ、いずれ死んでもらう予定ですが、ここで、ではありません」
「やはり、殺すために連れ戻すのね?」
「否定はしません」
「嫌よ!」
「そのようなワガママを言わないでください。あなたは大事な『生贄』なのですから」
(生贄? 何を言っているのこの人は……)
「私は生贄なんかじゃないわ! それにもうあの家とは縁を切りました。彼らはもう私とはなんの関係ない人たちです」
ミラと男のやり取りを静かに聞いていたメンバーたちは、どう反応してよいのかわからず沈黙していた。
お互い顔を見合わせるが、あの男がなにかヤバイことだけは共通した理解だった。
「仕方ありません。用意した作戦も失敗しましたし、まさか最終手段を使うことになるとは思いませんでした……」
黒いローブの男は、ため息をつくと、ポケットから何かを取り出して飲み込んだ。
まるで薬をキメた奴みたいに目が血走った。
男の体は膨張して、ローブが空中に吹き飛ぶ。
筋骨隆々を通り越して、体型に似合わない筋肉を身にまとい、倍の背丈にまで大きくなった。
「なんなの……その姿は!」
人間の生体器官が巨大化したせいか、胸からは内側から圧迫されたような突起ができている。
横で見ていたメイは呟いた。
「化け物……」
アリスは頷くと、男を睨みつけた。
「あんたが今回の原因だったのね! 人間に擬態した魔物なの?」
ヴォルフは首を横に振った。
「あれは多分違う何かだ……。理屈はよくわからないけど、人間が化け物になったのかもしれない」
ヴォルフが知らないのも無理はない。異常個体を作るためのアイテムを人間が自分で取り込んだのだ。
そこで、化け物と化した男は言い返す。
「関係ないあなたたちは黙っていなさい。あとで優しく、ぐちゃぐちゃに殺してあげます。でも、まずは娘さんから無力化しないと。命さえ失わなければ何をしても良いと言われておりますので」
男の圧迫感に当てられて、ミラは思わず剣を抜いていた。
「なにかしら……手が震えているわ」
怖いわけではない。だが、なにか邪悪なものと対峙しているようだった。
男はニタニタと笑った。
「知りませんか? 無理もありません。聖女によっていまはもう姿を消した存在と言われているのですから。それが『魔人』です」
ミラは思わず叫んだ。
「まさかっ!」
魔物の文献の中で、姿の描かれていないSランクオーバーの魔物が数例だけあった。そのなかで、情報のかなり少ない、人に近い姿と記載された魔物がいる。それが『魔人』だ。
ミラは魔人の特徴を文献のとおりに口に出してメンバーに知らせた。
一般的には魔族の上位種とされ、魔人族というカテゴリーに入っていた魔物。
だが、いま、人間からそれが生み出されるのをメンバーたちは確認した。
ミラは疑問を口にする。
「人間から生み出されたっていうの?」
「その通りですよ。魔物についてお勉強熱心という報告は本当でしたね。けれど、この姿になったらもう誰も止められませんよ?」
魔人の男は両手を前に出し、指の形で円を作る。まるで空気を包み込むかのように。
そこから黒い光が生み出される。
まるで死を象徴した黒い混沌の塊だった。
ミラは、確信した。
あれは絶対に触れてはいけないものだと。
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