12 / 69
第2章 創造(つく)られた女性と創造するスキル
#11 瀕死の女性を回復せよ
しおりを挟む俺は半球形住居に女性を運んだ。階上に運ぶのは無理と判断しフローリングの床に布団を敷いて寝かせる。
寝かせた時に頭からボロ布が落ち茶色の長い髪が現れる。頬などにも傷や汚れがあるが綺麗な人だと思う。
「と、とにかく何か手当だ。こういう時の回復手段と言えばポーションとか回復魔法って奴だが…」
俺は魔法が使えない、そうなるとポーションか…。
そう考えて俺は創造の技能を発動させる。
【創造】: ポーション
消費MP: 50000MP
「お!MP消費50000で作れるのか!?よし、創造!」
ことん。
フローリングの床に液体の入った素朴な瓶が現れた。早速俺は現れたポーションを鑑定してみる。
◼️ポーション◼️
飲み薬。自然治癒力が上昇し、しばらく傷を塞ぎ生命力を回復させる効果が続く。
なお、飲み終わると瓶は自動的に消滅するからそのつもりで。健闘を祈る。
「飲み薬…」
なんかツッこみたい説明文だが…。おいおい、どうするんだ。飲み薬って…、意識無いんだぞ。
「マ、マウストゥマウス…?」
俺は思わず女性の顔を見た。
「い、いやいや駄目だ、色々と。それに誤嚥したらどうする!?他に手段が無いならいざ知らず…」
俺は再び考える。ポーションが駄目なら魔法だが…。
「そうだ!魔法が使えなくても、魔法と同じ効果を持つアイテムがゲームではあるじゃないか!それを作れないか?」
国民的RPGに登場する◯◯の石とかがまさにそれだ。あれはパーティ全員のヒットポイントを回復してくれる凄いアイテム、それと似たような物が作れないか?
【創造】: 回復の石
消費MP: 1000000MP
100万か…。どんな効果なんだろう?どんな効果があるのか作っちゃう前に効果が確認出来ないかな?
◼️回復の石◼️
一日に一回、軽傷治癒の魔法と同等の効果を発動できる魔法の品。回復させる対象に向けて掲げると効果を発揮する。
使っても無くならず、使用後24時間経過で再使用が可能になる。
高いな。だけど毎日1回使える。21回以上使えばポーションよりお得だ。
「よし、創造!」
ゴトッ!
フローリングの床に正八面体の真っ白な塊が現れた。大きさは両手で包み込むには少し余るくらい、それを手に取り俺は女性に向けて高く掲げた。
「上手くいってくれ!回復の石!」
すると石から白い小さな粒子のようなものがいくつも粉雪のように降り注ぐ。たちまち頬の傷が塞がっていく。だが、左足が戻る様子は無い。
「う…、ん…」
女性がゆっくりと目を開けた、青い瞳だった。
「…ここは?」
まだ辛そうだがどうやら命だけは取り留める事は出来たようだ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
370
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる