シン・三毛猫現象 〜自然出産される男が3万人に1人の割合になった世界に帰還した僕はとんでもなくモテモテになったようです〜

ミコガミヒデカズ

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第5章 佐久間修、ここにあり!

第67話 放課後。佐久間君、部活とかやってたの?

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 体育館での全校集会が終わった。クラスのみんなは大混乱といった感じだったけど今はなんとか落ち着いてきて一年A組の教室に戻ってきている。ちなみに今は一日の終わりのホームルーム中、それも終わりを迎えるところで担任の|出威女(でいお)先生が最後にまとめている。

「では、今日はこれまでだ…ムッ?」

 僕達に話していた先生は何かに気づいたかのような反応を見せると教壇からすぐさま横っ跳び、教室の出入り口であるスライドドアの前にスタッと着地するやいなや勢いよくドアを開けた。

「きゃあああっ!!?」

 たちまち起こる悲鳴、見れば何人かの女子学生達がスライドドアの外にいた。顔だけ前に出すような不自然な体勢をしている。

「貴様ッ、見ていたなッ!?」

 パアアアアンッ!!!

 片手は片目を隠すように当てながらもう片方の手で驚いている女子生徒達を『ビシィッ』と効果音がつきそうな勢いで指差す、同時に怯える彼女達。

「「ヒイイイイッ!!」」

「我慢ができずついつい覗きを…といったところだろうが…、指導はせねばならん。どれ…、指導室に同行願おうか…」

 そう言うと出威女先生は覗きをしていた生徒達を連れて教室を出て行ってしまった。おそらくその指導室とやらにこれから向かうのであろう。

 先生が教室を後にしてそこに僕らが残された、突然の展開に唖然としていたがそこは時間が過ぎれば落ち着いてくる。さすがに現役の女子高生達、誰かが声を発するとたちまち口数も声量も増してくる。

「ねえねえ、佐久間君っ」

 そんな時、近くの女子生徒から声をかけられた。

「あっ、はい。えと…大林さん」

 今日一日、授業中やらなんやらかんやら時間を総動員してクラスメイト達の顔と名前を一致させるのに全力を尽くした。その甲斐あっておそらくほとんどの人を覚える事ができたと思う。

 今、声をかけてきたのは大林さん。下の名前はまだ覚えてないけど背の高い女の子だ。たしかバレーボール部じゃなかったっけ…。

「あっ、名前を…。ん、んんっ、さ、佐久間君。佐久間君って部活とか入ってたの?」

「ん?部活?」

「そ、そうそうっ!」

 大林さんは緊張気味に言葉を続ける。

「授業、終わったじゃない?んで、ウチらは部活…バレーボールなんだけどね、これから行くんだけど…。佐久間君は昔、どうしてたのかなあ…って気になって…」

「あっ、それっ!私も気になる!」

「ウチも、ウチも!」

 大林さんとの会話に他の子達も入ってくる。軽く僕の周囲が半円状に包囲されるような…そんな感じである。ちょっとしたプレッシャーを感じつつも僕はとりあえず応じる事にする。

「え、えっと…。ぼ、僕は何も部活とかには入ってませんでした。代わりにバイトを始めて…」

「バイト?ちなみに何のバイトしてたの?」

「あっ、それ聞きたい!」

「何々?何のバイト?」

 よく分からないけど、なにやらみんながグイグイくる。その詰め寄り方には答えないわけにはいかないような…、有無を言わさぬような迫力を感じる…。これが某野球ゲームに登場する威圧感というやつだろうか。

「ぎゅっ、牛丼屋さんです。そこで店員さんをしてました」

「「「「へえぇぇ~~!!!」」」」

 僕がバイトについて答えるとみんなが一斉に反応する。まるで僕の一挙手一投足に注目が集まっているんじゃないかという気さえしてくる。もっとも、転校生がしばらく注目を集めるのなんてよくある話。何日かしたらこの注目も自然と薄れていくだろう。

「ち、ちなみにどこの牛丼屋さん?」

「あっ、えっと…」

 何気ない質問に僕も何の気なしに答える。

「学校からも近い、県道沿いの…吉田家きちだやさんです」

「えっ、キチギュー?」

 キチギューというのは吉田家の牛丼という意味だ。今でもその呼び方してるんだ、そう思うとなんだか懐かしさのようなものを感じる。

「県道沿いのキチギューってさ、あの交番がある通りのヤツ?駐車場が広くて周りが田んぼで…」

「あっ、そうですそうです。たぶん、それです。あー、まだあるんだァ…。なんか懐かしいなあ…」

 実質的にはそんなに懐かしいはずもないはずだがここ最近いろいろな事が起こったせいだろうか、そんな言葉が口をついて出ていた。

「じゃ、じゃあさ…」

 ベリーショートの髪型が特徴的なクラスメイトが声をかけてくる、この子もバレーボール部所属の多治見さんだ。

「よ、よかったら行ってみない?」

「え?行くって…」

 僕が多治見さんの言葉の真意が分からず問い返すと多治見さんの隣に立っている子が赤面して何やら呟き始めた。この子も背が高い、大林さんや多治見さんと同じバレーボール部に所属している粟原あわはらさんだ。

「イ、イク?お。男の子がイク…、そんなお言葉が聞けるなんて…」

「…コホン、その…佐久間君がアルバイトしてたっていう牛丼屋さんに…」

 多治見さんがそう言うと周りの子達もそうしようよと誘ってくる。

「は、はあ…。でも、校門の前にはテレビ局の人が結構いるみたいだしご迷惑になっちゃうんじゃ…。それにあんまりテレビカメラに撮られるっていうのも…」

 僕は懸念を口にする、どうにもマスメディアの人は苦手だ。遠慮なく撮っていくし、それがさも当たり前のように振る舞うしひどいのになると撮ってやってんだからありがたく思えと言わんばかりの態度…僕にはどうやっても好きになれそうにない。

「それなら大丈夫だよ!!」

 そんな僕に多治見さんがアグレッシブに切り込んでくる。

「あのテレビ局とかから佐久間君を守れれば良いんだよねっ!モコッ、メグッ、やるよっ!アレを!」

「「アコッ!ま、まさかアレをッ!!」」

 モコとは大林さん、メグとは粟原さんの下の名前だ。それぞれ裳子もこさんにめぐみさんだ。その彼女達が何やら盛り上がっている。

「全員にメールしてッ、今すぐ!…佐久間君…、安心して。必ず佐久間君の事はアタシ達が守るから…」

 非常にオトコ前な顔をして多治見さんが僕に力強く言った。





   □  ◼️  □  ◼️  □ ◼️


 次回、修は街中へ?

 第68話『バレー部、大地に立つ』

 お楽しみに。
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