【完結!】田舎暮らしの神殺し、二度目の神殺しに挑む〜余生は静かに暮らしたいのに弟子達がさせてくれない件〜

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第三章 人神代理戦争 勃発

十八話 誰を英雄と讃えるのか 其の拾捌

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 初めは互角に見えた撃ち合いは徐々にプルートが振るう槍よりもバサラが振るう剣が早くなり、最終的に一方的とも言える結果を残すことになる。

(こ、いつ! 俺の剛腕! そして、この速度はトールの! 二つの神の技を肉体一つで再現してる! 神ですら、神技グランスキルを持つのは一柱、一つであるのにそれを完全に無視して、人間が至ったのか?! クソ、もっとお前と、撃ち合いたかったぞ! バサラ!)

 その思考をするにおおよそ一秒、その一秒があればバサラの斬撃は有り得ざる量の傷跡をプルートに刻む。光速に至る斬撃はプルートの両腕を切り裂き、肩を抉り、かろうじて片腕のみが残っていた。

 限界を超え、膝を地面に着こうとするもののギリギリのところで踏ん張り、プルートは何とか立ち上がった。死んでいった神のため、兄弟のため、そして、目の前に立ってくれる人間、バサラという存在のためにプルートは奮い立つ。

 プルートは切り裂かれ骨身が見える左腕から槍を持ち変えると自身が放てる最大の一撃を放つために構えた。痛みは既に消え、心地の良いものに変わっており、逆境に立ったからこそ覚えた興奮。力の限りを放つための構えにバサラも気付き、彼も自分の持てる最大の火力をぶつけるために構え直した。

「あんたみたいな神ばっかなら俺も殺さなかったよ、プルート」

「そうか、だがな、それなら俺も苦労しないよ、バサラ」

 互いに限界が近い中、バサラを狙うネプチューンの槍、それは既に準備されていた。生成出来る限界までの水極限まで圧縮し、放つネプチューンがもつ必殺の槍を構えるとプルートを倒される前に決断する。

 ネプチューンの全力の一投は音を置き去りにして放たれると一撃がバサラに迫っており、背後を取って尚、その脅威から来る氣をなんとなく彼は把握していた。

 そんな中、プルートとバサラ最初に動いたのはバサラである。背後に向けて光の速度と剛腕を掛け合わせた斬撃を回転しながら放つと水の槍を綺麗に半分にし、それはネプチューンの体も同様に切り裂いた。

(油断していた訳ではない。だが、まさか、ここまでとは。兄上、隙は作った、後は任せたぞ)

 空中で切り裂かれたネプチューンが事切れると地面に向かい落ちていく中、プルートは彼が作り出した一瞬チャンスを無駄にしないために背後を向けたバサラに最後の一撃をぶつけた。

魂分つ剛腕ディパーテッド死誘う冥府の槍デスモス!!!!」

 己の腕の筋肉が千切られ、死を目前にして放つ限界を超えた先の一突きにバサラはプルートという神に対して尊敬の念を込め、自身の放つ本気をぶつけるために回転した。

 回転による力を100%以上の伝達率で放つ高速の斬撃は音を置き去りにし、プルートの一撃を砕くと彼の神器である槍すらも同時破壊する。そして、辺りに残っていた建造物も切り落とされた。

 一撃を持ってしてもプルートは諦めず、残った切り裂かれた左腕を気合いで動かし、その手で神器の槍である先端を握りしめた。

「見事だ! だが、まだ!」

 槍の先端を振り下ろすもバサラはもう一度回転し、今度はプルートの体を切り裂いた。

 二度の回転切りにより、その場にあった建物全てがバサラよりも低くなると土埃が上がる。バサラはプルートの体が見えなくなると彼の体は上半身と下半身は綺麗に半分にされていた。

(すまない、弟達よ。俺は、兄は約束を果たせなかっ、た)

 プルートと上半身とほぼ同時、ネプチューンの半分になった体も地面に落ち、ドチャという音を立てる。その場の生存者、それはバサラのみであり、涅槃静寂ニルヴァーナを地面に突き刺すと彼は座り込んだ。

「あんたの事、忘れないようにするよプルート。あんたみたいな神もいたってことを」

 バサラの呟きを聞くものはおらず、ほんの少しだけ、その静寂が物悲しく感じた。
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