【完結!】田舎暮らしの神殺し、二度目の神殺しに挑む〜余生は静かに暮らしたいのに弟子達がさせてくれない件〜

文字の大きさ
301 / 311
第五章 人神異界最終決戦

二十二話 人神異界最終決戦 其の弐拾弐

しおりを挟む
 四つのつるぎから放たれる斬撃はミレニアム王国の上空を覆う様に振り落とされた。

「行くぜ、お前ら!」

 巨大な斬撃に対して、無謀にもそれに真っ向から向かい立つのはルーヴェン王国騎士団長エイブラハム・ルーデウス。

 そして、自身達の能力を互いに載せあってジータ同様の姿をしたグラン、ミカ、シンクの三人であった。

「止めれますかね」

「無理だな」

「まぁ、やれるだろう! ジータと吟千代ぎんちよ、御師様、全員が繋いだんだ。ここは四護聖おれたちが乗り切るんだよ!」

「オイオイ! 俺のことを忘れんなよ! カツラギ・バサラの弟子達で乗り切るってことにしようぜ!」

 空を舞うのにエイブラハムの能力を使っており、彼らは互いの得物を構え、滅びを予期する斬撃に自身が放てる最大の火力を放つ。

 エイブラハムは彼らの空間を喰らい空を歩行できる様にしたおかげで貯まった空間全てを一気に解き放つためにその自身の一撃の名を叫んだ。

VII捕食空間全解放セブンス・プレデターストライク!!!!」

 空間を喰らう能力のストックである七層まで溜め込んだ空間を集約させ、解き放つ。斬撃と光が打つかり会う中、ミカ達も負けてられないと声を上げた。

緋月紅乃太刀アカツキクレナイノタチ!!!!」

 グランが握る槍と剣をミカの操作する土により、巨大に変化させるとシンクの霧を載せ、同時に振るうことで赫く染まった巨大な斬撃は円を描き、月の形を生み出すと人をつなぎ、紡いだ強化の力、全てを注ぎ込みら空を割く一撃と鬩ぎ合った。

固定コアグラ霧の電磁砲ミラージュ・レールガン

 シンク自身の共鳴器である魂乃器アニマ夜想曲ノクターンの銃口を構えるミカの土が形成した鋭利な弾丸にグランの強化を載せ、その引き金を引く。人の叡智の結晶を研鑽と研究により生み出した最大火力、それは自身の能力にあった制限を全て取り払うことで音を置き去りにして、放たれた弾丸はその空気を固めた刃へとぶつけられる。

祈り手キリエ・ハンズ剛腕魔槍ストレングス!!!!」

 ミカは自分が今持つ技ではその一撃を防ぐことが出来ないと見た瞬間に理解し、グラン、シンクと違い、普段の自分では放つことのない技を瞬間にして生み出した。それこそは拳に自身の土の操作により、巨大な抜き手を作り出すとそれに対してシンクの霧を纏わせ、全身にグランの強化を載せることで凡ゆる物を貫こうとする槍を生成した。

 鍛え抜かれた体から放たれる剛槍は人を脅かす存在から彼らを守るためにその刃と火花を散らす。

 そんな中、ナナシはそれを見ながら既に第二のつるぎを準備していた。自身の成長曲線が幾度となく訪れた死を前にして覚醒し、既に以前の自分では不可能であった斬撃を放った時から自刃を構えることが出来ており、人類の価値をナナシは見出し終えた瞬間でもあった。

 彼らが持つ可能性、それは良くも悪くも自分に作用し、人という存在がナナシと言う創造主を完璧な存在へと成長させる糧になるといった結論に至る。

 そして、彼女はそこから導き出したのは現人類の殲滅。再び新たな人間を作り出し、いずれ彼らと相対することで自分が成長するといった自身の捕食のための存在として、永劫作り出し続けるであろうとする。

 再び上空に救世真愛セイヴァー・アガペー救世親愛セイヴァー・フィリアを浮かべようとしたその時、ナナシの目の前に彼は姿を現した。

「また、君かい。カツラギ・バサラ」

 バサラの両目はナナシを捉え、その肉体も魂も全て完璧な状態で眼の中に刻まれていた。ただ、その捉えられていた本人は既に彼のことは眼中に無く、一刻も早く次の一撃を与え、彼らを殺すことしか頭になかった。

 涅槃静寂ニルヴァーナの刃は依然として折れており、ナナシにとってバサラへの興味と言えば神殺しを成したカツラギ・バサラという存在であった。だが、それは過去の遺産であり、その神殺しの技術、世界を断つ斬撃は自身のものとして昇華していた。

 故に、ナナシにとって今の彼がどう足掻こうとも自分を撃ち落とすことは不可能であると確信する。

 ただ、その気味の悪いほど静かで澄んでいる魂の形を見て、ナナシは違和感を覚えた。

(何だ、その魂の動きは。、いや? 万全、だと? 腕を落とされ、魂に幾つもの傷を負って尚、万全を維持してる? 違う、私が見た時のバサラは万全などではなかった。明らかに足りていないはずだ。それが何故、まさか、ロキか)

 それに気づいた時には既にナナシは無意識にバサラへと救世の剣を向けていた。あまりにも静の伴うバサラの魂にナナシは魅入られ、彼は手負い且つ牙が削がれた獣であるにも関わらず、この瞬間に自分という存在を傷つけ得ることを理解する。

 いや、理解させられた。
 ロキの神技グランスキル、彼の死後、それは解けるはずであった。だが、死の間際にかけた最後の幻覚、バサラの魂に対して少年期の彼を重ねること、それだけは今尚、継続していた。

 鬼気迫る勢いはかつて神を殺せし男の物であり、今の自分と過去の自分、それぞれを極限まで擦り合わせることでバサラの魂は完成へと成った。

 そのバサラをナナシは否定するために彼に向けて殺意と敬意を込めて口を開く。

「バサラ、君を敵と認めた上で全力で殺す」

「そうか、なら、僕もそれに応えるよ」

 短く言葉を交えたと同時に、ナナシは彼を殺すために再び全ての権限を救世のつるぎに載せ、解き放つ。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える

ハーフのクロエ
ファンタジー
 夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。  主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!? 成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに! 故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。 この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。 持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。 主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。 期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。 その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。 仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!? 美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。 この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業

ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。

処理中です...