2 / 18
プロローグ リーマン哀歌
2
しおりを挟む
なんて悲惨な人生だろう。
「君は、これからーー」
今まで、全てを捧げてきた。それは偏に、彼の后になる為。礼儀、作法、勉学ーー何一つとして手を抜いたことは無い。それでも、目の前の男の隣には、自分以外の女がいる。平民出身の、女。
「……すみません、ここ、どこっスかね?」
彼は彼女のことを……あれ……?
目の前で私を断罪しようとしていた男は、素っ頓狂な顔で周囲を見回す。しらばっくれている様子は微塵もない。その上、
「……大丈夫ですか?」
跪けと命令した舌の根も乾かぬうちに、手を差し伸べてくる。
「……へ?」
相変わらずの間抜け面。いくら嫌われていても、ここまで陰湿な事をされるとは思っていなかった。
「……助けるフリをして、私の事を落胆させるつもりなのでしょう?」
目は、合わせない。婚約関係以前に、信頼関係は無くなってしまったのだから。
「……?」
やはり、目の前の男はどこかおかしい。
これが、この作品における悪女ことエカチェリーナと、王子ことフィリップ改め佐藤太郎との出会いだった。
「君は、これからーー」
今まで、全てを捧げてきた。それは偏に、彼の后になる為。礼儀、作法、勉学ーー何一つとして手を抜いたことは無い。それでも、目の前の男の隣には、自分以外の女がいる。平民出身の、女。
「……すみません、ここ、どこっスかね?」
彼は彼女のことを……あれ……?
目の前で私を断罪しようとしていた男は、素っ頓狂な顔で周囲を見回す。しらばっくれている様子は微塵もない。その上、
「……大丈夫ですか?」
跪けと命令した舌の根も乾かぬうちに、手を差し伸べてくる。
「……へ?」
相変わらずの間抜け面。いくら嫌われていても、ここまで陰湿な事をされるとは思っていなかった。
「……助けるフリをして、私の事を落胆させるつもりなのでしょう?」
目は、合わせない。婚約関係以前に、信頼関係は無くなってしまったのだから。
「……?」
やはり、目の前の男はどこかおかしい。
これが、この作品における悪女ことエカチェリーナと、王子ことフィリップ改め佐藤太郎との出会いだった。
0
あなたにおすすめの小説
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
二度目の子育て~我が子を可愛がったら溺愛されました
三園 七詩
恋愛
私は一人娘の優里亜の母親だった。
優里亜は幼い頃から体が弱く病院でほとんどの時間を過ごしていた。
優里亜は本が好きでよく私にも本の話をしてくれた。
そんな優里亜の病状が悪化して幼くして亡くなってしまう。
絶望に打ちひしがれている時事件に巻き込まれ私も命を落とした。
そして気がつくと娘の優里亜が大好きだった本の世界に入り込んでいた。
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
5年経っても軽率に故郷に戻っては駄目!
158
恋愛
伯爵令嬢であるオリビアは、この世界が前世でやった乙女ゲームの世界であることに気づく。このまま学園に入学してしまうと、死亡エンドの可能性があるため学園に入学する前に家出することにした。婚約者もさらっとスルーして、早や5年。結局誰ルートを主人公は選んだのかしらと軽率にも故郷に舞い戻ってしまい・・・
2話完結を目指してます!
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
《完結》「パパはいますか?」ある日、夫に似た子供が訪ねて来た。
ヴァンドール
恋愛
嫁いですぐに夫は戦地に赴いた。すると突然一人の男の子が訪ねて来た「パパはいますか?」
その子供の顔は戦地に行った夫にそっくりだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる