転生先が悪役令嬢モノの王子様だった件。

釜借 イサキ

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間章1 平民ですが、王子様に溺愛されて困っています

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 いつかどこか、遠い国。大国の宮中で。
「フィリップ、私……」
泣きじゃくる、女が一人。綺麗な茶髪、白い肌。大きな目には沢山の涙。
「どうしたんだ! セイラ」
堅物王子が心を開いた、唯一無二の平民少女。
「エカチェリーナ様が……」
背中を押したのは、事もあろうに王子の婚約者だそうで……。運が悪ければ、川に溺れて死んでいた。少女は呟く。
「ごめんなさい。私が宮中に入り込んじゃったから……」
「いや、君のせいではないさ。」
堅物王子は慰める。婚約者にさえ見せたことのない微笑みで。
「エカチェリーナを呼び出せ。」
渋い顔の堅物王子、婚約者を呼び出した。しかも時間は夜遅く。
「お前、セイラを殺そうとしたな……?」
堅物王子、詰め寄るも、
「そのようなことはしていません!」
もちろん、婚約者は即否定するが、
「うるさい! セイラに嫉妬して命を狙うとは……」
堅物王子はぽつりと呟く。
「待って、なんのこと!?」
食い下がるは、婚約者改め悪女。
「とぼけるな!」
鳴り響くは、王子の怒声。それを覗き見る、純真無垢な平民少女。
 そこからは、流れるように事が進む。悪女は断罪され流刑に。そして、見事に王子と真実の愛を育んだ平民少女は、堅物王子と結ばれる……筈だった。
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