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大学生、変な奴に憑かれてしまう。
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最近、周と琉依の日課は学食に行ってから秀人の病室を覗きに行くことになっている。幸い、大学の敷地内にある医学部附属病院なので、講義の合間でも見舞いに行きやすい。
「暑くなってきたね。」
本格的な夏も近くなり、辺りからはセミの大合唱が聞こえてくる。
「……そうだね。」
ぽつりと呟く。ティーシャツが、夏を強調するように汗で身体に張り付いてきた。
いつも一定の温度、定期的な電子音。代わり映えのしない部屋で、相変わらず秀人は穏やかに寝息をたてる。増えては整理され、また増えては減っていく見舞いの品も、そろそろ落ち着いてきた頃だ。短く切り揃えられていた髪は、少しずつ伸びている。
首のガーゼ、左手の包帯が、いつ見ても痛々しい。今でもまだ、あの日のことを夢に見る。
『……お前達と俺では、根本的に見えてる世界が違いすぎるんだよ……』
あの時、投げ掛けられた言葉が、頭に張り付いて離れない。きっと、理解することはできない。やっぱり頭は良くならないし、先の見通しだって立たない。お化けが見えるのなんて、尚更ごめんだ。それでも、隣に立っていられることはできるとーーせめて支えることはできると、そう信じている。
周が感傷に浸っていると、隣で琉依が息を呑む。
「どうしたの? 岡さ……」
「秀人くん……?」
目を見開いた琉依の視線の先には、薄っすらと目を開いた秀人の姿があった。
「秀人くん!」
感極まって泣きそうな琉依と、
「……起きたのか?」
唖然とする周。この日を待ち望んでいたはずなのに、いざとなると頭が上手に回らない。
「……とにかく俺、誰か呼んで来る!」
胸の高鳴りを抑えながら、周はナースステーションへ急いだ。
琉依と秀人、二人が取り残された病室には、病院独特の香りが微かに漂う。琉依は、震える手で秀人の左手をそっと握る。
「……良かった……本当に……」
肩を震わせ、泣き出しそうになる琉依。それを見るやいなや、秀人は自分の右手を彼女の手に重ねる。
ーー秀人くんってこんなタイプだったっけ?
一瞬考えるが、今の琉依はそれどころではない。目を覚ました友達に、最初に掛ける言葉を考えている。
「泣かないで」
驚くほど優しい声で、秀人が囁く。
「美しいお嬢さん……」
時が止まる。それは、見たこともない甘い笑顔。
「……へ……?」
赤面した琉依の目に浮かんでいた涙は、すっかり引っ込んでしまっていた。
「暑くなってきたね。」
本格的な夏も近くなり、辺りからはセミの大合唱が聞こえてくる。
「……そうだね。」
ぽつりと呟く。ティーシャツが、夏を強調するように汗で身体に張り付いてきた。
いつも一定の温度、定期的な電子音。代わり映えのしない部屋で、相変わらず秀人は穏やかに寝息をたてる。増えては整理され、また増えては減っていく見舞いの品も、そろそろ落ち着いてきた頃だ。短く切り揃えられていた髪は、少しずつ伸びている。
首のガーゼ、左手の包帯が、いつ見ても痛々しい。今でもまだ、あの日のことを夢に見る。
『……お前達と俺では、根本的に見えてる世界が違いすぎるんだよ……』
あの時、投げ掛けられた言葉が、頭に張り付いて離れない。きっと、理解することはできない。やっぱり頭は良くならないし、先の見通しだって立たない。お化けが見えるのなんて、尚更ごめんだ。それでも、隣に立っていられることはできるとーーせめて支えることはできると、そう信じている。
周が感傷に浸っていると、隣で琉依が息を呑む。
「どうしたの? 岡さ……」
「秀人くん……?」
目を見開いた琉依の視線の先には、薄っすらと目を開いた秀人の姿があった。
「秀人くん!」
感極まって泣きそうな琉依と、
「……起きたのか?」
唖然とする周。この日を待ち望んでいたはずなのに、いざとなると頭が上手に回らない。
「……とにかく俺、誰か呼んで来る!」
胸の高鳴りを抑えながら、周はナースステーションへ急いだ。
琉依と秀人、二人が取り残された病室には、病院独特の香りが微かに漂う。琉依は、震える手で秀人の左手をそっと握る。
「……良かった……本当に……」
肩を震わせ、泣き出しそうになる琉依。それを見るやいなや、秀人は自分の右手を彼女の手に重ねる。
ーー秀人くんってこんなタイプだったっけ?
一瞬考えるが、今の琉依はそれどころではない。目を覚ました友達に、最初に掛ける言葉を考えている。
「泣かないで」
驚くほど優しい声で、秀人が囁く。
「美しいお嬢さん……」
時が止まる。それは、見たこともない甘い笑顔。
「……へ……?」
赤面した琉依の目に浮かんでいた涙は、すっかり引っ込んでしまっていた。
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