強くなるには殺すしかなかった…

まさやん

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はじまり

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「ただいまー」

ミツキはユーリとミカと別れ家に帰ってきた。外は日が沈み始めており真っ赤な空をしていた。

「あれ?母さんいないのか?おーい」

ミツキの家はそこまで大きくはないが一応二階建ての家である。父は冒険者としてかなりの実力があるらしく金には困ってはいなかった。その分家にいる日が多くなく乳との記憶はむかしのものばかりだ。だが誕生日などの大事な日には毎年帰ってきていた。だがことしは帰るのも遅い、更には母もいなくなっており15歳になるとはいえ心細くなってしまう。

「…どこか出かけてんのか?まあ暇だし剣の練習でもしよーと」

ミツキは冒険者を夢に見ていた。だがそれはもはや夢ではなく目標になっていた。12歳ごろには子供たちはこの世界の常識を大体を覚える。そのころ貴族などは学院と言われる学業の場に行くらしいが平民からしたらどうでもいい話だ。ミツキは12歳ごろから自主的に剣の練習をしていた。ユーリとはにも剣だけは負けたことがない。それだけ冒険者になりたかった。正確に言えば

「俺も父さんみたいな冒険者になりたいなー」

そんなことを考えていた。




「ほぉー君は冒険者になりたいのか?」

ミツキが二階の自分の部屋に戻ろうとすると背後から声がする。ここはミツキの家だ。母の声でもなく父の声でもないことからミツキは警戒態勢を取りながら後ろを向く。

「だ、誰だ!?」

それは勇気を振り絞った行動だった。声は震え足は微動を繰り返している。

「すまんすまん、驚かせてしまったね。今日私は君を迎えに来たんだよ」

「…迎えに?」

突然意味もわからないことを言われれば人は言葉を繰り返してしまう。目の前にいるおじさんは自分のことを知っている、更には迎えに来たという。知らない人から言われればそれは恐怖しかならない。

「それにしても君はなぜ冒険者なんかに憧れるんだ?」

(なんか?)

その言葉にミツキは怖がりながらも別の感情が湧いてくる。

「なんかって言うんじゃねぇ!冒険者は凄いんだ!父さんがそう言ってたし冒険者を馬鹿にするなら父さんを馬鹿にするってことだろ!そんなの許さねぇぞ!」

「父さん…そうか…」



「君のことをゴミとしか見てない人を父親だと思ってるのか?」


_________________

「何…い、言ってんだよ?」

目の前のおじさんは突然おかしなことを言う。自分を捨てた?父親だと思っているのか?意味がわからない。

「そうだ、言い忘れていたな。私の名前はフロイ、奴隷商人をしている。君は君の父親から私に売られた商品なんだよ、ミツキくん」

「意味わかんないこと言ってんじゃねぇ!兵隊の人呼ぶぞ!」

「無駄だよ、君を売ったのは君の父親だとはいったが正確に言えばこの街全員だよ」

「ふざけんな!!嘘言ってんじゃねぇ!」

ミツキがフロイに襲いかかろうとした瞬間そこに風がふいた。

「!!くぁっ!な…」

ミツキは謎の者に捕まった。そのまま気を失ってしまった。


_________________

「……ます……ははぁ!」

頭が痛い、ミツキは意識をゆっくり取り戻していく。だがまだ意識がはっきりしない。声が聞こえるが何を言っているかわからない。

(誰だ…ここどこだ…)

だが時間が経てば意識も取り戻していく。そこに居たのは

「父さん…母さん…領主様?」

そこにいたのは父、ガイルと母、カーナと領主のダーナと先程の奴隷商人のフロイがいた。ミツキは縄で締められていて動けずにいた。

「おぉ?目を覚ましたようだな?ミツキくん」

「領主…様?なんでここに…それより!助けてくれよ!」

四人はひとつのテーブルにつき酒を飲んでいた。

「悪いな!それは聞けんな」

「父さん!母さんも見てないで助けてくれよ!」

「ごめんなさいね、もう母さんじゃないの」

「悪いが俺も父さんなんて呼ばないでくれ、鳥肌が立つ」

ミツキは全くもって状況が掴めない。なぜ自分はこうなっているのか。

「何が起きているのかわからないだろう、ミツキくん。私が説明してあげよう。全ての始まりはある王族からの商売話だったんだ」

「その王族の名はヴィルロット家当主のジーク様だ。彼からあるはなしが来たんだ。彼はあるものを探しており王都にいるされる魔女の予言によってソレを見つけたらしい」

魔女、ありとあらゆる『知』を集める存在。集めるだけ集めその知識を世界に貢献したとされる存在にその名を与えられる。王都にいる魔女で予言と聞けば誰でもわかる、預言者と言われる魔女エリーナ、その名は誰だろうと聞いたことがある。

「そのジーク様が探してるというのがある『魔眼』らしい。その魔眼がどんなものなのかは知らないがとにかく予言によるとこの街でその目を持った少年が生まれるらしいとね。まぁ詳細はどうでもいいんだ。その頃はまだキミは産まれてないね。ここからはこのふたりに聞くといい」

「父さん?母さん?」

「そうだ!面白い話をしてやるよ。俺達とお前とは血の繋がりなんかねぇんだよ!ばぁか!」

「え…な、何言ってんの…父さん?」

「本当の事よ、あなたは予言のひとつにあった話で近くの茂みで見つけられた捨て子よ。それに私達も領主に頼まれて親のふりをしていただけで結婚なんてものはしてないわ」

「てかそろそろお前も口調直せよ?」

「そうね、そうよね、じゃそうさせてもらうわ。ごめんなさいね、ミツキくん。私は元々この街の人じゃなくて、闇ギルドで働く言わば裏の人間なの。ごめんなさいね?あははは」

ミツキは先程の威勢も消えており顔は絶望に染まりきっていた。

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