しんどい黒歴史

プロローグ

 私はその日高校の卒業式を迎えました。

周りを見渡すとボロボロと涙を流す人、その生徒を見て面白がりながらも目が赤くなっている人、早く式が終わらないかという表情をしている人など様々な人がいました。

私は例に漏れずに涙を浮かべている分類に入っています。

卒業式で涙を流しているということは、3年間の生活が充実し、良い仲間に囲まれ、そしてその仲間との当たり前の毎日が終わることに涙している、ということだろう。

けど、私は違いました。

この涙はそんな青春の輝きを持つものでも美しい友情を反映したものでもありません。

来賓の人、父兄、先生、周りの生徒、誰が見ても私の涙は美しいでしょう。

けど私の口に入るその涙の味は間違いなく、ヘドロの味でした。

なぜヘドロを今私は舐めているのか、私は考えます。分かっていて頭の中を整理するように。