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始まり
1年生
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入学式が終わり、担任の先生を先頭に整列し、自分の新しい教室に着きました。
初めに私が思ったのが、男子が少ないなということでした。
ここは商業高校ですので、男子が少ないことは承知の上で入学しましたが、今年は特に男子の少ない年だったらしく、男子7人女子33人のクラスでした。
私がこの学校を志望したのは、家から近いから。というのは表向きの理由でホントのところ、女子の多いハーレムに憧れたからです。
私は中学時代、少女マンガと呼ばれるジャンルの漫画を読むのが好きで、恋に恋をしているような男でした。
中学時代、女子の友達が少なかったわけでもありませんが、とても恋愛関係に持ち込むような雰囲気もありませんでしたし、そもそも私は少女マンガにより、恋愛に対するハードルが高くなっており、何となく意識し始めてそのままどちらかが告白して始まる恋愛は真っ平御免でした。
そんな私は少しでも漫画みたいな恋愛ができる確率が上がるように、女子比率の多い近所の商業高校に進学したのです。
幸いにも学力も私に適していて、中学の先生にも特に何か言われることも無く、今日を迎えられました。
男子の顔ぶれを見ると、まぁ、普通だなという印象でした。
しかし、この僕を含めない6人は僕のハーレムを脅かす存在なのです。
共学の学校の男女比率が同じくらいの学校だと同じ人を好きになるなんてことは漫画じゃなきゃそうそう起こらないですし、級友を恋愛のライバルとして見ることは無いでしょう。
しかし私のクラスの場合は違うのです。
明確に敵なのです。全ての男子が。
私は心の中で少し焦りながらも、まずは華の高校生活のスタートを上手く切れるように、後ろのTという男子に何となく話しかけてみました。
「商業ってホント男子すくないね。少ない男子同士よろしく。」
「だね...。うん!よろしく。どこ中?」
「⚫中だよ!そっちは?」
「❌中!⚫中は部活の練習試合で行ったことある!」
「まじ?何部だったの?ちなみに僕は帰宅部...。」
「ハンドボール!なんかそんなかんじする。」
「どういう意味だよ」
いつの間にか普通に笑い合える関係になっていました。
相手に話を合わせたりするのが得意な私は浅い付き合いの友達を作るのは得意で、環境が変わっても友達は割とすぐ作れる人間でした。
Tは茶色く日焼けしていて、身長は170センチ程度、いかにも運動部という感じでしたが、すらっとしていて、また話し方が落ち着いていてどこか知性が感じられるような印象でした。
私は身長と体型こそTと同じくらいでしたが、中学で1年生から幽霊部員となり、毎日家に真っ直ぐ帰り家ではゲームと漫画、たまにアニメといういかにもオタクな生活を送っていました。
何故か太らない体質だったのでいわゆるオタクぽくはなりませんでした。
つまりTとは少し違う人種でした。
しかし何故か話の馬がよく合うのです。
他の男子とも話しましたが、入学式の日の段階ではTが、少女マンガでいう主人公の私の良き友人、良き相談役になるのではという感じでした。
通常授業が始まっても私はTとばかり話していました。
ここら辺から私はTに対して少し違和感を感じていました。
ちなみに自己紹介が遅れましたが、私はK.翔といいます。
「Kくんー!次の授業なんだったっけ?」
「うーんと、数学!」
「ありがとー!」
ここまでならいいのですが、
「Kくん、今日も可愛いね」
「あ、ありがとう?」
ことある事にTは私にボディタッチをしてくるのです。今は頭を撫でられています。
次の週には
授業中...
「ひゃあっ」
突然脇に手を後ろから突っ込まれ思わず声を上げてしまいました。
幸いにも先生は職員室に忘れ物を取りに行っていて、教室はガヤガヤしていたので周りの生徒は前の席のIという男と隣のIという女くらいにしか聞こえなかったとは思いますが、特に反応はありませんでした。
しかし1番聞かれてはいけない人に聞かれました。
「ぷっ!今の声なに?もしかしてKくん感じちゃった?」
私は少しイラついてしまったので抵抗として無視します。
「あれ?聞き間違えかな、確かに前の席から喘ぎ声が聞こえたんだけど」
Tがなんか言ってます。
「聞き間違えなんじゃないですかね!?」
つい返事をしてしまいました。
後ろを振り向くとTはニヤニヤしながら、
「ほんと可愛いねKくん」
私は少女マンガのような恋愛に憧れて少女マンガの世界に飛び込んだつもりでしたが、飛び込んだ漫画の種類を間違えたのかもしれません。
初めに私が思ったのが、男子が少ないなということでした。
ここは商業高校ですので、男子が少ないことは承知の上で入学しましたが、今年は特に男子の少ない年だったらしく、男子7人女子33人のクラスでした。
私がこの学校を志望したのは、家から近いから。というのは表向きの理由でホントのところ、女子の多いハーレムに憧れたからです。
私は中学時代、少女マンガと呼ばれるジャンルの漫画を読むのが好きで、恋に恋をしているような男でした。
中学時代、女子の友達が少なかったわけでもありませんが、とても恋愛関係に持ち込むような雰囲気もありませんでしたし、そもそも私は少女マンガにより、恋愛に対するハードルが高くなっており、何となく意識し始めてそのままどちらかが告白して始まる恋愛は真っ平御免でした。
そんな私は少しでも漫画みたいな恋愛ができる確率が上がるように、女子比率の多い近所の商業高校に進学したのです。
幸いにも学力も私に適していて、中学の先生にも特に何か言われることも無く、今日を迎えられました。
男子の顔ぶれを見ると、まぁ、普通だなという印象でした。
しかし、この僕を含めない6人は僕のハーレムを脅かす存在なのです。
共学の学校の男女比率が同じくらいの学校だと同じ人を好きになるなんてことは漫画じゃなきゃそうそう起こらないですし、級友を恋愛のライバルとして見ることは無いでしょう。
しかし私のクラスの場合は違うのです。
明確に敵なのです。全ての男子が。
私は心の中で少し焦りながらも、まずは華の高校生活のスタートを上手く切れるように、後ろのTという男子に何となく話しかけてみました。
「商業ってホント男子すくないね。少ない男子同士よろしく。」
「だね...。うん!よろしく。どこ中?」
「⚫中だよ!そっちは?」
「❌中!⚫中は部活の練習試合で行ったことある!」
「まじ?何部だったの?ちなみに僕は帰宅部...。」
「ハンドボール!なんかそんなかんじする。」
「どういう意味だよ」
いつの間にか普通に笑い合える関係になっていました。
相手に話を合わせたりするのが得意な私は浅い付き合いの友達を作るのは得意で、環境が変わっても友達は割とすぐ作れる人間でした。
Tは茶色く日焼けしていて、身長は170センチ程度、いかにも運動部という感じでしたが、すらっとしていて、また話し方が落ち着いていてどこか知性が感じられるような印象でした。
私は身長と体型こそTと同じくらいでしたが、中学で1年生から幽霊部員となり、毎日家に真っ直ぐ帰り家ではゲームと漫画、たまにアニメといういかにもオタクな生活を送っていました。
何故か太らない体質だったのでいわゆるオタクぽくはなりませんでした。
つまりTとは少し違う人種でした。
しかし何故か話の馬がよく合うのです。
他の男子とも話しましたが、入学式の日の段階ではTが、少女マンガでいう主人公の私の良き友人、良き相談役になるのではという感じでした。
通常授業が始まっても私はTとばかり話していました。
ここら辺から私はTに対して少し違和感を感じていました。
ちなみに自己紹介が遅れましたが、私はK.翔といいます。
「Kくんー!次の授業なんだったっけ?」
「うーんと、数学!」
「ありがとー!」
ここまでならいいのですが、
「Kくん、今日も可愛いね」
「あ、ありがとう?」
ことある事にTは私にボディタッチをしてくるのです。今は頭を撫でられています。
次の週には
授業中...
「ひゃあっ」
突然脇に手を後ろから突っ込まれ思わず声を上げてしまいました。
幸いにも先生は職員室に忘れ物を取りに行っていて、教室はガヤガヤしていたので周りの生徒は前の席のIという男と隣のIという女くらいにしか聞こえなかったとは思いますが、特に反応はありませんでした。
しかし1番聞かれてはいけない人に聞かれました。
「ぷっ!今の声なに?もしかしてKくん感じちゃった?」
私は少しイラついてしまったので抵抗として無視します。
「あれ?聞き間違えかな、確かに前の席から喘ぎ声が聞こえたんだけど」
Tがなんか言ってます。
「聞き間違えなんじゃないですかね!?」
つい返事をしてしまいました。
後ろを振り向くとTはニヤニヤしながら、
「ほんと可愛いねKくん」
私は少女マンガのような恋愛に憧れて少女マンガの世界に飛び込んだつもりでしたが、飛び込んだ漫画の種類を間違えたのかもしれません。
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