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第13話 暗くて寒くて痺れる夜
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「ドレール、先に答えるか?」
「おれは後でいいんで、先どうぞ」
ゴードさんとドレールさんは昼ご飯の時に言っていた、なぜお弁当を僕達が無料でもらえたのかという推理ゲームの答えを今から言うらしい。
「俺の答えは、ルイの頼んだ料理の中に虫が入ってた、だな」
「じゃあおれは、ルイが水を店員にこぼされた、で」
2人とも正解に近いのが凄い。
「正解は、塩と砂糖を間違えた料理がルイ様のもとに来てしまった、です」
「ゴードさんもドレールさんも惜しいのが凄いですよ」
「まぁ会話の中でいくつかヒントがあったからな」
「これはおれの負けだなぁ」
「今日は俺が後に寝るぞ」
ということでゴードさんが勝者となり、今日はドレールさんの後に寝ることになったらしい。
「夜は俺達の方で見張りを立てるが、一応ルイとアンナもどっちかは起きておく練習をした方が良いぞ」
「元々夜は私がずっと起きていようと思ってましたので、ルイ様はお休みください」
「いやいや、僕も見張りをしますよ」
「竜車の中でも寝れるからな。今のうちにルイに経験を積ませるほうが良いんじゃないか?」
「……ではルイ様、よろしくお願いします」
ゴードさんからの援護もあり、僕も夜の見張りをすることに。
「じゃあルイは先に俺と見張りをするか? 途中で起きるのは辛いぞ」
「そうですね、ルイ様には先にゴード様と見張りをお願いします」
「分かりました」
「いつも通りおれは竜車の中で寝るつもりだが、アンナはどうする?」
「では、私は焚き火の近くで寝させていただきます」
「別におれは何もしねぇけどな」
「それは分かっています。私はルイ様の近くでないと眠れませんので」
「ほぅ」
「なるほどなぁ」
「いや、アンナさんも竜車の中の方が安全ですって」
アンナさんの発言もなかなかおかしいけど、それに対するゴードさん達の反応もおかしい。
普通はそんなわけ無いだろってツッコむところだと思うのに、なら仕方ないかぁみたいな反応をしないで欲しい。
「じゃあおれは早く寝たいから、体拭いてきてもいいか?」
「お湯はこちらにありますから、ゴード様とドレール様はお先にどうぞ。私とルイ様は体を拭き合うのでお二人の後にさせていただきます」
「おぉ、ルイもなんだかんだ言ってやることやってるな」
「いや、僕はアンナさんに背中を拭いてもらってますけど、僕が拭いたことはないですから!」
「お、それはアンナの体を拭いてやるっていうルイなりの意思表示か?」
「ち、違いますから!」
「そこまでルイ様がおっしゃるなら、私恥ずかしいですけど良いですよ」
「おぉ、これはルイも男を見せる時が来たな」
「……あの、取り敢えずゴードさんはドレールさんがもう体を拭きに向かったので、一緒に行ってあげてください」
「あぁ、流石にこれはからかいすぎたか。ルイが冷めちまった」
流石にアンナさんとゴードさんが僕の反応を見て面白がっているのは分かったし、ドレールさんはアンナさんからお湯を受け取ると、すぐ竜車を挟んだ反対側へと向かっていったので、ゴードさんも早く行かないとお湯が冷めてしまう。
「じゃあ俺も行ってくるか」
そう言うとゴードさんもドレールさんのいる場所へ向かった。
「ルイ様は今眠たくありませんか?」
「はい、まだ眠くはないですね。アンナさんはどうですか?」
「私も大丈夫です。ただ、今日は本当にルイ様の近くで寝ようと思っていますので、もしルイ様が眠たくなればいつでも私を起こして下さいね。ゴード様はしっかりと朝になるまでの時間を半分に割ってドレール様と交代すると思いますので、ルイ様はもっと早く私を起こして良いですから」
「本当にしんどくなればそうしますけど、最悪竜車の中でも寝れますし、アンナさんも心配しないでください」
「私も竜車の中で眠れますし、ルイ様の方が緊急時の戦闘で必要になりますから」
「まぁ、そう言われたらそうかもしれないですけど」
「おい、終わったぞ」
「じゃあおれはもう寝るから、おやすみ」
こうしてゴードさんは焚き火へ、ドレールさんは竜車の中へ行ってしまった。
「では行きましょう」
「そうですね」
僕とアンナさんはゴードさんの居る焚き火が見えない竜車の反対側へ来た。
「こっちは暗いですね」
「そうですね。ルイ様、こちらにお背中をお願いします」
僕はいつも通り上を脱ぎ、アンナさんに背中を向ける。
「……終わりました。では前と下はご自身でよろしくお願いします。暗いので私も拭き始めますね」
「え、あ、はい」
これまでは僕の後に拭いていたアンナさんだったが、今回は僕が拭き終わるのを待たず、お互いの姿を見ないようにしながら自分の体を拭くことになった。
「……」
「……」
僕はアンナさんのいる右側を見ないようにして、無心でただ体を拭く。
「……」
「……」
どうしても布をお湯につけて絞る時にアンナさんの方へ顔を向けることになるのだが、顔を下げて見ないようにする。
「……あ」
「お先にどうぞ」
「……ありがとうございます」
布をお湯につけて絞ろうとしたらアンナさんとタイミングが重なり、手が触れ合った瞬間反射で顔を上げてしまいそうになるのを必死に堪える。
「ほ、僕はこれで終わりなので、ここで待ってますね」
「ありがとうございます。私ももう少しで終わりますから」
どうしてもこの時間は慣れない。ただ待っているだけなのに、やけに濡れた布を絞る水の音が艶めかしい音に聞こえる。
「ありがとうございます。終わりました」
アンナさんに声をかけられ、僕は今使ったお湯を道の端へ捨てに行く。
「ありがとうございます。では戻りましょうか」
「そうですね」
僕はただ暗闇で体を拭いただけなのに、ゴードさんの待つ明るい焚き火の方へ向かうのが凄く恥ずかしいことのように思えた。
「お、帰ってきたか」
僕は焚き火を挟んでゴードさんの対面へ座り、ぼーっとただ火を眺める。
「ルイ様、足を少し伸ばしていただけますか」
「あ、はい」
「では私はこちらで眠らせていただきますね」
「え、あの、」
「火の世話はゴード様がしてくれると思いますので、ルイ様は何かあれば私を起こしてください」
「いや、えっと」
「それだとルイが小便をしたくなっても起きることになるぞ」
「私はそれでも構いません」
「なら良い。あとはルイの足が痺れて、モンスターが襲ってきた時にすぐ動けるかが心配だが、ここにはコンフォオオトカゲが居るからな。この辺で襲いかかってくる奴は居ないだろう」
アンナさんは僕の太ももを枕にしてそのまま寝てしまい、結局僕は抗議することもできないままこの状況を受け入れるしかなくなった。
「もし毛布が足りなかったら言ってくれ。俺のを持ってくる」
「ありがとうございます」
アンナさんはここに寝ることになったので、地面に毛布を2枚敷いているのだが、そのせいで今はマントしか上に掛けるものがない。もう少し冷え込むようなら、ゴードさんのお言葉に甘えて毛布を貸してもらい、アンナさんへ掛けてあげよう。
「ドレールから聞いたが、ルイは記憶喪失なんだってな」
「はい。なのであんまり過去の具体的な記憶がなくて」
「答えられなかったら答えなくて良いんだが、何で冒険者をしてるんだ?」
「アンナさんが言うには、記憶を失う前の僕が冒険者になりたがってたみたいで」
「今はどうだ?」
「今も冒険者は楽しいですね。冒険者ってだけで気持ちが高ぶりますし、本当に好きだったんだなって」
記憶を失う前の僕が冒険者に憧れを持っていたため、アンナさんは僕を冒険者ギルドまで連れて行ってくれたが、もしそれがなかったとしても僕は冒険者になっていたと思う。
「じゃあルイとアンナの関係を聞いてもいいか?」
「僕とアンナさんの関係ですか?」
「主人と使用人だったってのは分かる。まぁ今は恋人なのかもしれないがな」
「こ、恋人って……まだ僕とアンナさんはそんな関係じゃないです」
「まだ、ねぇ。じゃあいつそうなるんだ? それともそんなのすっ飛ばして結婚か?」
「……」
「俺はてっきりルイがアンナと付き合うのを断ってるもんだと思ってたが、意外とアンナも大胆な行動とる割には告白の1つもしてなさそうだしな」
ゴードさん、あなたは本当に怖いくらい当ててきますね。
「ルイは自分が記憶喪失だからアンナの告白を断ってるもんだと勝手に想像してたが、その反応を見るにそういうわけではなさそうだな」
「まぁ、はい……」
「お節介かもしれねぇが、俺からすると早めに付き合っちまうほうが良いと思うけどな」
「出会って3日でもですか?」
「3日!? ルイは記憶喪失になって3日なのか?」
「まぁそうですね」
「てことは記憶喪失になってすぐ冒険者になったのかよ」
確かにそう言われればそうだ。ただ、家族を失い家も失い、アンナさんしか頼れる人が居ない僕にはそうするしか無かっただろう。
まぁアンナさんが居なかったら何をしていいか分からなかっただろうし、1番僕にとって必要だったのがアンナさんなのは間違いないが。
「まぁそういうことならもう俺は何も言えねぇな」
「あの、ゴードさんから見て今の状態と付き合った後の状態って、何か変わると思いますか?」
「ヤることやるかどうかくらいじゃないか? まぁ俺からするとルイとアンナが両思いで、信用も信頼もお互いにしてるのは分かるからな」
「……」
「ルイの好きにすれば良いだろ。俺は応援してるぞ」
「……ありがとうございます」
「(まぁお互いに告白されるのを待ってるのかもな。どっちも相手への尊敬があるのと、自己評価が低いところは似てるしよ)」
僕はこの後もゴードさんにアンナさんとの関係について聞かれ、見張り中にゴードさんと焚き火を挟んで恋バナをするという、朝ゴードさんに会った時には全く想像できなかった時間が続くのだった。
「おれは後でいいんで、先どうぞ」
ゴードさんとドレールさんは昼ご飯の時に言っていた、なぜお弁当を僕達が無料でもらえたのかという推理ゲームの答えを今から言うらしい。
「俺の答えは、ルイの頼んだ料理の中に虫が入ってた、だな」
「じゃあおれは、ルイが水を店員にこぼされた、で」
2人とも正解に近いのが凄い。
「正解は、塩と砂糖を間違えた料理がルイ様のもとに来てしまった、です」
「ゴードさんもドレールさんも惜しいのが凄いですよ」
「まぁ会話の中でいくつかヒントがあったからな」
「これはおれの負けだなぁ」
「今日は俺が後に寝るぞ」
ということでゴードさんが勝者となり、今日はドレールさんの後に寝ることになったらしい。
「夜は俺達の方で見張りを立てるが、一応ルイとアンナもどっちかは起きておく練習をした方が良いぞ」
「元々夜は私がずっと起きていようと思ってましたので、ルイ様はお休みください」
「いやいや、僕も見張りをしますよ」
「竜車の中でも寝れるからな。今のうちにルイに経験を積ませるほうが良いんじゃないか?」
「……ではルイ様、よろしくお願いします」
ゴードさんからの援護もあり、僕も夜の見張りをすることに。
「じゃあルイは先に俺と見張りをするか? 途中で起きるのは辛いぞ」
「そうですね、ルイ様には先にゴード様と見張りをお願いします」
「分かりました」
「いつも通りおれは竜車の中で寝るつもりだが、アンナはどうする?」
「では、私は焚き火の近くで寝させていただきます」
「別におれは何もしねぇけどな」
「それは分かっています。私はルイ様の近くでないと眠れませんので」
「ほぅ」
「なるほどなぁ」
「いや、アンナさんも竜車の中の方が安全ですって」
アンナさんの発言もなかなかおかしいけど、それに対するゴードさん達の反応もおかしい。
普通はそんなわけ無いだろってツッコむところだと思うのに、なら仕方ないかぁみたいな反応をしないで欲しい。
「じゃあおれは早く寝たいから、体拭いてきてもいいか?」
「お湯はこちらにありますから、ゴード様とドレール様はお先にどうぞ。私とルイ様は体を拭き合うのでお二人の後にさせていただきます」
「おぉ、ルイもなんだかんだ言ってやることやってるな」
「いや、僕はアンナさんに背中を拭いてもらってますけど、僕が拭いたことはないですから!」
「お、それはアンナの体を拭いてやるっていうルイなりの意思表示か?」
「ち、違いますから!」
「そこまでルイ様がおっしゃるなら、私恥ずかしいですけど良いですよ」
「おぉ、これはルイも男を見せる時が来たな」
「……あの、取り敢えずゴードさんはドレールさんがもう体を拭きに向かったので、一緒に行ってあげてください」
「あぁ、流石にこれはからかいすぎたか。ルイが冷めちまった」
流石にアンナさんとゴードさんが僕の反応を見て面白がっているのは分かったし、ドレールさんはアンナさんからお湯を受け取ると、すぐ竜車を挟んだ反対側へと向かっていったので、ゴードさんも早く行かないとお湯が冷めてしまう。
「じゃあ俺も行ってくるか」
そう言うとゴードさんもドレールさんのいる場所へ向かった。
「ルイ様は今眠たくありませんか?」
「はい、まだ眠くはないですね。アンナさんはどうですか?」
「私も大丈夫です。ただ、今日は本当にルイ様の近くで寝ようと思っていますので、もしルイ様が眠たくなればいつでも私を起こして下さいね。ゴード様はしっかりと朝になるまでの時間を半分に割ってドレール様と交代すると思いますので、ルイ様はもっと早く私を起こして良いですから」
「本当にしんどくなればそうしますけど、最悪竜車の中でも寝れますし、アンナさんも心配しないでください」
「私も竜車の中で眠れますし、ルイ様の方が緊急時の戦闘で必要になりますから」
「まぁ、そう言われたらそうかもしれないですけど」
「おい、終わったぞ」
「じゃあおれはもう寝るから、おやすみ」
こうしてゴードさんは焚き火へ、ドレールさんは竜車の中へ行ってしまった。
「では行きましょう」
「そうですね」
僕とアンナさんはゴードさんの居る焚き火が見えない竜車の反対側へ来た。
「こっちは暗いですね」
「そうですね。ルイ様、こちらにお背中をお願いします」
僕はいつも通り上を脱ぎ、アンナさんに背中を向ける。
「……終わりました。では前と下はご自身でよろしくお願いします。暗いので私も拭き始めますね」
「え、あ、はい」
これまでは僕の後に拭いていたアンナさんだったが、今回は僕が拭き終わるのを待たず、お互いの姿を見ないようにしながら自分の体を拭くことになった。
「……」
「……」
僕はアンナさんのいる右側を見ないようにして、無心でただ体を拭く。
「……」
「……」
どうしても布をお湯につけて絞る時にアンナさんの方へ顔を向けることになるのだが、顔を下げて見ないようにする。
「……あ」
「お先にどうぞ」
「……ありがとうございます」
布をお湯につけて絞ろうとしたらアンナさんとタイミングが重なり、手が触れ合った瞬間反射で顔を上げてしまいそうになるのを必死に堪える。
「ほ、僕はこれで終わりなので、ここで待ってますね」
「ありがとうございます。私ももう少しで終わりますから」
どうしてもこの時間は慣れない。ただ待っているだけなのに、やけに濡れた布を絞る水の音が艶めかしい音に聞こえる。
「ありがとうございます。終わりました」
アンナさんに声をかけられ、僕は今使ったお湯を道の端へ捨てに行く。
「ありがとうございます。では戻りましょうか」
「そうですね」
僕はただ暗闇で体を拭いただけなのに、ゴードさんの待つ明るい焚き火の方へ向かうのが凄く恥ずかしいことのように思えた。
「お、帰ってきたか」
僕は焚き火を挟んでゴードさんの対面へ座り、ぼーっとただ火を眺める。
「ルイ様、足を少し伸ばしていただけますか」
「あ、はい」
「では私はこちらで眠らせていただきますね」
「え、あの、」
「火の世話はゴード様がしてくれると思いますので、ルイ様は何かあれば私を起こしてください」
「いや、えっと」
「それだとルイが小便をしたくなっても起きることになるぞ」
「私はそれでも構いません」
「なら良い。あとはルイの足が痺れて、モンスターが襲ってきた時にすぐ動けるかが心配だが、ここにはコンフォオオトカゲが居るからな。この辺で襲いかかってくる奴は居ないだろう」
アンナさんは僕の太ももを枕にしてそのまま寝てしまい、結局僕は抗議することもできないままこの状況を受け入れるしかなくなった。
「もし毛布が足りなかったら言ってくれ。俺のを持ってくる」
「ありがとうございます」
アンナさんはここに寝ることになったので、地面に毛布を2枚敷いているのだが、そのせいで今はマントしか上に掛けるものがない。もう少し冷え込むようなら、ゴードさんのお言葉に甘えて毛布を貸してもらい、アンナさんへ掛けてあげよう。
「ドレールから聞いたが、ルイは記憶喪失なんだってな」
「はい。なのであんまり過去の具体的な記憶がなくて」
「答えられなかったら答えなくて良いんだが、何で冒険者をしてるんだ?」
「アンナさんが言うには、記憶を失う前の僕が冒険者になりたがってたみたいで」
「今はどうだ?」
「今も冒険者は楽しいですね。冒険者ってだけで気持ちが高ぶりますし、本当に好きだったんだなって」
記憶を失う前の僕が冒険者に憧れを持っていたため、アンナさんは僕を冒険者ギルドまで連れて行ってくれたが、もしそれがなかったとしても僕は冒険者になっていたと思う。
「じゃあルイとアンナの関係を聞いてもいいか?」
「僕とアンナさんの関係ですか?」
「主人と使用人だったってのは分かる。まぁ今は恋人なのかもしれないがな」
「こ、恋人って……まだ僕とアンナさんはそんな関係じゃないです」
「まだ、ねぇ。じゃあいつそうなるんだ? それともそんなのすっ飛ばして結婚か?」
「……」
「俺はてっきりルイがアンナと付き合うのを断ってるもんだと思ってたが、意外とアンナも大胆な行動とる割には告白の1つもしてなさそうだしな」
ゴードさん、あなたは本当に怖いくらい当ててきますね。
「ルイは自分が記憶喪失だからアンナの告白を断ってるもんだと勝手に想像してたが、その反応を見るにそういうわけではなさそうだな」
「まぁ、はい……」
「お節介かもしれねぇが、俺からすると早めに付き合っちまうほうが良いと思うけどな」
「出会って3日でもですか?」
「3日!? ルイは記憶喪失になって3日なのか?」
「まぁそうですね」
「てことは記憶喪失になってすぐ冒険者になったのかよ」
確かにそう言われればそうだ。ただ、家族を失い家も失い、アンナさんしか頼れる人が居ない僕にはそうするしか無かっただろう。
まぁアンナさんが居なかったら何をしていいか分からなかっただろうし、1番僕にとって必要だったのがアンナさんなのは間違いないが。
「まぁそういうことならもう俺は何も言えねぇな」
「あの、ゴードさんから見て今の状態と付き合った後の状態って、何か変わると思いますか?」
「ヤることやるかどうかくらいじゃないか? まぁ俺からするとルイとアンナが両思いで、信用も信頼もお互いにしてるのは分かるからな」
「……」
「ルイの好きにすれば良いだろ。俺は応援してるぞ」
「……ありがとうございます」
「(まぁお互いに告白されるのを待ってるのかもな。どっちも相手への尊敬があるのと、自己評価が低いところは似てるしよ)」
僕はこの後もゴードさんにアンナさんとの関係について聞かれ、見張り中にゴードさんと焚き火を挟んで恋バナをするという、朝ゴードさんに会った時には全く想像できなかった時間が続くのだった。
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