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第四章 何かを護る、たった一つの条件
第二十二話 意外な結末
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「はーい、そこまで」
振り抜かれた拳が敵に炸裂する直前、その腕を何者かに掴まれた。
渾身の一撃を軽々しく、気配もなく唐突に、それもドラゴン族との戦いに割って入ることができるような人物など俺は一人しか知らない。
紫色の長髪を風になびかせた彼女は、悠々と笑う。
「お師匠、さま…………何で?」
あまりにも予想外の乱入者に、状況など関係なく俺は驚いた。
けれども返される答えは、投げかけた質問とはこれっぽっちも関係のないものだ。
「全く……大怪我を治した直後の修行で、また怪我をしようだなんて相変わらずね。貴方、ドラゴンを倒すことさえできればそれでいい――なんて考えていたでしょ? それでどうやって下山をするつもりだったの?」
……………………あっ。
思わぬ伏兵に気付かされ、俺は空いている方の手で頬を掻く。
「いや……でも、『飛脚』を使えば直接山から降りられたし…………」
一応考えはあったというアピールをしておくが、それが単なる思い付きであることはバレバレだろう。
見かねたお師匠さまも、呆れてため息を吐いていた。
そうしてその後は、傍らにそびえ立つドラゴンの方へと目を向ける。
「アウローラ、貴方にも悪いことをしたわね。私の弟子のためとはいえ、目を差し出させちゃって…………」
その口振りに俺は頭を捻った。
どうにも、話に聞いていたような仲とは違う……親しげな雰囲気を感じるぞ。
「――無問題。案ずることなかれ、我の眼は単に麻痺しているのみ。時が過ぎれば癒え、元に戻ろう」
「そう、それは良かったわ」
一方のドラゴン――アウローラと呼ばれる存在もまた同様の態度だ。
「…………なぁ、お師匠さま。そろそろどういう事か教えてくれよ」
一人だけ事態を飲み込めていない状況に嫌気がさし、会話を遮ってまで俺は問いかける。
「そうね……じゃあ逆に、何を知りたい?」
「…………まずは、お師匠さまとそこにいるドラゴンの関係から。聞いていた話だとそこまで親密な関係ではなかったと思うけど?」
確か、昔から教えられていた内容は『過去に戦った二人は引き分け、互いにその強さを認め合い、不可侵の協定を結んだ。両者とも互いの陣地には入らず、関わり合わない。破れば、命は保証しない』というものだったはず。
なのに、現状と比べてみれば差異があるように思えるのだが……。
「あぁ……だってそれ、嘘だもの」
そして、お師匠さまはあっけらかんと言った。
「……………………は?」
唐突な答えに音を漏らすことしかできない俺を他所に、彼女は淡々と一人で話を進める。
「けど、私たちってどんな関係なのかしら……。友達? 親友? 年数だけでいえば……竹馬の友?」
「――誤答。そもそも我は、汝――ナディアに敗北している。故に主と従者が似つかわしい」
「失礼するわね。私、貴方に一回でも命令なんてした覚えはないのだけど?」
そして、何故か急に言い合いが始まってしまった。
だけどまぁ、その会話している様子を見れば、何となくだが関係性は見えてくる。
「いや、もういいや……分かった。でもじゃあ、なんで嘘を吐いてたんだよ?」
「だって……そうでも言わないと貴方たち、勝手にアウローラに会いに行こうとするでしょ? 一度登ったから分かると思うけど、道中は普通に危険だもの。そんなこと、子供たちにさせられないわ」
次なる質問にそう答えたお師匠さまは「それに、こうやって修行の場として使えるし……」と続けた。
理にかなっている意見だとは思うが、果たしてどうなのだろう。
少なくとも、その発言の軽さの割に難易度は少々高かったように思えるのだが……。
「――ていうか、そうだよ。こうやってお師匠さまが乱入してきたってことは、そもそも俺って負けるのが前提だったのか……?」
考えてみれば、おかしな話だ。
割り込むタイミングがあまりにも都合良すぎる。
それこそ、いつでも手助けできるように一部始終を見ていたかのよう。
「もちろん。ドラゴンと単独で渡り合える人らなんて、六賢人くらいだもの」
本当にあっけらかんと言うな、この人……。
「――愉快。こやつはずっと我と汝の戦いを見ていたぞ。いつ止めに入ろうか切迫した様子でな」
「だってアウローラ、貴方がやり過ぎないとも限らないでしょ? この子だって、結構ギリギリの戦い方をするし…………」
和気あいあいと喋っている中で、ふと生まれた不満が俺の口をつく。
「なら、なんのためにこの山で修行をさせたんだよ……」
最初から負けること前提の助けありきな修行に意味なんてあるのか……。敗北して強くなるような特異な体質でもあるまいし。
「あら、まだ分からない? これはね、過程こそが重要な修行なのよ」
「過程……?」
それってアレか?
素手だけで頂上まで登りきる、っていうことを指しているのか?
「武器無しでこの山を登ってみて……率直にどう思った?」
そう問われ、これまでの流れを思い返してみる。
最初は熊や獅子や怪鳥と戦ったんだっけか……。
「そりゃ…………意外と何とかなるなぁ、と」
「そう、その通り。素手だけでも大抵の事はどうにでもなるわ」
で、次は変な軟体生物や亀と戦ったな……。
前者は銃があれば楽だったし、後者も刀があれば倒すことができたと思っている。
「…………でも、やっぱり銃や刀が欲しかったな。パワー不足だったり、攻撃範囲の狭さでかなり不利になることもあったから」
「正解。武器というのは素手では対処できない部分を補うために作られたものだもの。……つまりはね、修行前にも言ったように大事なのは適切な場面での使い方。素手で充分な場面と、武器を使う必要のある場面があることを知ってもらうために、敢えて武器無しで挑んでもらったってわけよ」
なるほど、だから過程が重要なわけか。
「ん……? でもなら、別にドラゴンのことを内緒にしておく必要はなかっただろ。なんで、戦わせたんだよ?」
「んー……格上との戦闘も良い経験になる――から?」
なぜに疑問形。
さては、面白そうだから黙ってたとかそういう理由だろ。
ジトっとした目で見つめていると、一度咳払いがされる。
「ま、まぁ……何にせよ、貴方は戦い方を知って今一歩強くなったはず。それを忘れないでね」
「――期待。次は、万全である汝と手合わせを願いたいものだ」
アウローラにもそう言われ、俺も頷く。
刀が、銃があれば次はもう少し動けるだろうから。
「じゃ、そろそろ帰りましょう。子供たちも待っていることだし」
「分かった」
お師匠さまが指を鳴らせば、黒いモヤ――潜れば孤児院に瞬間移動ができる魔法――が現れる。
「それじゃあね、アウローラ。次は何か手土産でも持ってくるわ」
「――離別。楽しみに待っていよう」
そう言い残し、先に入っていった。
俺も帰ろうと一歩踏み出すが、その前に一度振り返り、最後にどうしても聞きたかったことを聞いておく。
「なぁ……最後の一撃、決まってたらアンタは負けていたか?」
あのままいけば、拳は当たっていた。
それだけは確実に言えるが、ドラゴンの力量を今ひとつ理解出来ていない俺としてはその後に待ち受けていた未来が読めない。
「――心外。龍はアレでは倒れぬ。せめて、この山を崩すほどの一撃でなければ」
「……………………そう、か」
悔しいが、本人が言うのならそうだろう。
後ろ手に右手を振った俺は、暗い闇へと足を踏み入れた。
振り抜かれた拳が敵に炸裂する直前、その腕を何者かに掴まれた。
渾身の一撃を軽々しく、気配もなく唐突に、それもドラゴン族との戦いに割って入ることができるような人物など俺は一人しか知らない。
紫色の長髪を風になびかせた彼女は、悠々と笑う。
「お師匠、さま…………何で?」
あまりにも予想外の乱入者に、状況など関係なく俺は驚いた。
けれども返される答えは、投げかけた質問とはこれっぽっちも関係のないものだ。
「全く……大怪我を治した直後の修行で、また怪我をしようだなんて相変わらずね。貴方、ドラゴンを倒すことさえできればそれでいい――なんて考えていたでしょ? それでどうやって下山をするつもりだったの?」
……………………あっ。
思わぬ伏兵に気付かされ、俺は空いている方の手で頬を掻く。
「いや……でも、『飛脚』を使えば直接山から降りられたし…………」
一応考えはあったというアピールをしておくが、それが単なる思い付きであることはバレバレだろう。
見かねたお師匠さまも、呆れてため息を吐いていた。
そうしてその後は、傍らにそびえ立つドラゴンの方へと目を向ける。
「アウローラ、貴方にも悪いことをしたわね。私の弟子のためとはいえ、目を差し出させちゃって…………」
その口振りに俺は頭を捻った。
どうにも、話に聞いていたような仲とは違う……親しげな雰囲気を感じるぞ。
「――無問題。案ずることなかれ、我の眼は単に麻痺しているのみ。時が過ぎれば癒え、元に戻ろう」
「そう、それは良かったわ」
一方のドラゴン――アウローラと呼ばれる存在もまた同様の態度だ。
「…………なぁ、お師匠さま。そろそろどういう事か教えてくれよ」
一人だけ事態を飲み込めていない状況に嫌気がさし、会話を遮ってまで俺は問いかける。
「そうね……じゃあ逆に、何を知りたい?」
「…………まずは、お師匠さまとそこにいるドラゴンの関係から。聞いていた話だとそこまで親密な関係ではなかったと思うけど?」
確か、昔から教えられていた内容は『過去に戦った二人は引き分け、互いにその強さを認め合い、不可侵の協定を結んだ。両者とも互いの陣地には入らず、関わり合わない。破れば、命は保証しない』というものだったはず。
なのに、現状と比べてみれば差異があるように思えるのだが……。
「あぁ……だってそれ、嘘だもの」
そして、お師匠さまはあっけらかんと言った。
「……………………は?」
唐突な答えに音を漏らすことしかできない俺を他所に、彼女は淡々と一人で話を進める。
「けど、私たちってどんな関係なのかしら……。友達? 親友? 年数だけでいえば……竹馬の友?」
「――誤答。そもそも我は、汝――ナディアに敗北している。故に主と従者が似つかわしい」
「失礼するわね。私、貴方に一回でも命令なんてした覚えはないのだけど?」
そして、何故か急に言い合いが始まってしまった。
だけどまぁ、その会話している様子を見れば、何となくだが関係性は見えてくる。
「いや、もういいや……分かった。でもじゃあ、なんで嘘を吐いてたんだよ?」
「だって……そうでも言わないと貴方たち、勝手にアウローラに会いに行こうとするでしょ? 一度登ったから分かると思うけど、道中は普通に危険だもの。そんなこと、子供たちにさせられないわ」
次なる質問にそう答えたお師匠さまは「それに、こうやって修行の場として使えるし……」と続けた。
理にかなっている意見だとは思うが、果たしてどうなのだろう。
少なくとも、その発言の軽さの割に難易度は少々高かったように思えるのだが……。
「――ていうか、そうだよ。こうやってお師匠さまが乱入してきたってことは、そもそも俺って負けるのが前提だったのか……?」
考えてみれば、おかしな話だ。
割り込むタイミングがあまりにも都合良すぎる。
それこそ、いつでも手助けできるように一部始終を見ていたかのよう。
「もちろん。ドラゴンと単独で渡り合える人らなんて、六賢人くらいだもの」
本当にあっけらかんと言うな、この人……。
「――愉快。こやつはずっと我と汝の戦いを見ていたぞ。いつ止めに入ろうか切迫した様子でな」
「だってアウローラ、貴方がやり過ぎないとも限らないでしょ? この子だって、結構ギリギリの戦い方をするし…………」
和気あいあいと喋っている中で、ふと生まれた不満が俺の口をつく。
「なら、なんのためにこの山で修行をさせたんだよ……」
最初から負けること前提の助けありきな修行に意味なんてあるのか……。敗北して強くなるような特異な体質でもあるまいし。
「あら、まだ分からない? これはね、過程こそが重要な修行なのよ」
「過程……?」
それってアレか?
素手だけで頂上まで登りきる、っていうことを指しているのか?
「武器無しでこの山を登ってみて……率直にどう思った?」
そう問われ、これまでの流れを思い返してみる。
最初は熊や獅子や怪鳥と戦ったんだっけか……。
「そりゃ…………意外と何とかなるなぁ、と」
「そう、その通り。素手だけでも大抵の事はどうにでもなるわ」
で、次は変な軟体生物や亀と戦ったな……。
前者は銃があれば楽だったし、後者も刀があれば倒すことができたと思っている。
「…………でも、やっぱり銃や刀が欲しかったな。パワー不足だったり、攻撃範囲の狭さでかなり不利になることもあったから」
「正解。武器というのは素手では対処できない部分を補うために作られたものだもの。……つまりはね、修行前にも言ったように大事なのは適切な場面での使い方。素手で充分な場面と、武器を使う必要のある場面があることを知ってもらうために、敢えて武器無しで挑んでもらったってわけよ」
なるほど、だから過程が重要なわけか。
「ん……? でもなら、別にドラゴンのことを内緒にしておく必要はなかっただろ。なんで、戦わせたんだよ?」
「んー……格上との戦闘も良い経験になる――から?」
なぜに疑問形。
さては、面白そうだから黙ってたとかそういう理由だろ。
ジトっとした目で見つめていると、一度咳払いがされる。
「ま、まぁ……何にせよ、貴方は戦い方を知って今一歩強くなったはず。それを忘れないでね」
「――期待。次は、万全である汝と手合わせを願いたいものだ」
アウローラにもそう言われ、俺も頷く。
刀が、銃があれば次はもう少し動けるだろうから。
「じゃ、そろそろ帰りましょう。子供たちも待っていることだし」
「分かった」
お師匠さまが指を鳴らせば、黒いモヤ――潜れば孤児院に瞬間移動ができる魔法――が現れる。
「それじゃあね、アウローラ。次は何か手土産でも持ってくるわ」
「――離別。楽しみに待っていよう」
そう言い残し、先に入っていった。
俺も帰ろうと一歩踏み出すが、その前に一度振り返り、最後にどうしても聞きたかったことを聞いておく。
「なぁ……最後の一撃、決まってたらアンタは負けていたか?」
あのままいけば、拳は当たっていた。
それだけは確実に言えるが、ドラゴンの力量を今ひとつ理解出来ていない俺としてはその後に待ち受けていた未来が読めない。
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