滅びゆく王国と平等の国を築く王女

第１１話：試練の道

エルダーツリーへの道は長く、密林や未開の荒野を縫うように続いていた。

貴族の領地へと続く整備された王立の道とは異なり、この道は荒れ果てており、ほとんど土の小道に過ぎなかった。馬車はでこぼこの地面の上で激しく揺れ、乗客たちを揺さぶった。

エヴリンは今、マリクの隣に座り、いつもの優雅さを保とうとしたが、何時間にも及ぶ過酷な旅が彼女にこたえていた。彼女は姿勢を正そうとしたが、肩に突き刺すような痛みに顔をしかめた。

１６歳の黒人少年、ジャヒは彼女の不快感に気づき、小さく笑った。
「こんな長旅には慣れてないんだよねー、王女様？」

エヴリンは彼をにらみつけたが、疲れがその鋭さを鈍らせていた。
「私は大丈夫よ」彼女は主張した。

しかし、まるで彼女を嘲笑うかのように、道の凹凸がもう一度馬車を揺らし、彼女を少しよろめかせた。

向かい側に座っていた２０歳の黒人青年、アデムはため息をついた。
「みんなわかってるよ、王女。痛がってるんだろ。強がる必要はない」

三人の中で最も無口なアデムは、彼女を注意深く観察していた。彼は長年、奴隷として仕え、貴族たちの体の動きを読んで彼らの気分を予測してきた。エヴリンは明らかに不快だったが、彼らの前で弱みを見せようとしなかった。

ためらいながら、彼は口を開いた。
「もしよければ、痛みを和らげてあげることもできるぞ？」

エヴリンはまばたきした。
「え？」

ジャヒは笑みを浮かべた。
「手伝うってことだよー？肩のマッサージは効果抜群だよねー」

エヴリンの白い顔が少し赤くなった。「マ、マッサージ？」

２１歳の黒人青年であるマリクは笑みを浮かべた。
「奉仕じゃない。ただの親切心だ。王女、俺たちのためにいろいろしてくれただろう？そのお返しをさせてくれ」

エヴリンはためらった。

それは不適切に感じた——王女が三人の男にそんなに気軽に触れられること。

しかし…彼女の体は痛んでいた。彼女は贅沢の中で育ち、これほどの不快感を経験したことはなかった。

「…わかった」
彼女は折れ、視線をそらした。
「でも、肩だけよ」

ジャヒとマリクはくすくす笑い、アデムは彼女の後ろに移動して、そっと彼女の肩に手を置いた。

彼は緊張した筋肉をもみほぐし始め、その強い手が硬さを取り除いていった。エヴリンはかすかに息をのんだ。

「緊張してるな」
アデムはつぶやいた。

「なぜだと思う？」
彼女は皮肉を込めて言ったが、声には本気の鋭さはなかった。

ジャヒは面白そうにその光景を見ていた。
「王女様、ついでに全部やっちゃおうぜ～？何分か頻繁に足をさすってるの——僕達も気づいてるんだからね～」

エヴリンは体を硬直させ、頬の赤みがさらに深まった。
「わ、私は——」

マリクはのんびりとした笑みを浮かべた。
「俺たちの言う事を聞いて跪けって言ってるわけじゃない。ただ手伝わせてくれ。プライドは捨てても良い場面のはず。肩こりをほぐしてほしいのだろう？」

エヴリンは再びためらったが、それからため息をついた。
「わかった…でも、これを利用しないことよ」

ジャヒとマリクは互いに視線を交わし、彼女の横にひざまずいて、シルクのストッキング越しに彼女のふくらはぎや太ももを優しく押し始めた。

エヴリンヌは唇を噛んだ。

「ちくしょう」
マリクはしばらくして言った。
「ここもすごく緊張してるな。」

「…こんなに荒れた旅になるとは思ってなかったの」
エヴリンヌは認め、声は今や柔らかくなっていた。

三人の男たちが作業を続けるうちに、奇妙なことが起こった。

最初は単なる善意の行為——小さな親切の返礼だった。

しかし、彼らの手がそこの１８歳のエブリン王女の繊細な体に触れるにつれ、彼らは以前には気づかなかった彼女の姿に気づき始めた。

彼女の肌は白くて滑らかで、彼らの黒い手とは対照的だった。

彼女の金色の髪は馬車のランタンの薄暗い光にきらめき、普段は鋭く威厳のある声は、静かで弱々しいため息に変わっていた。

初めて、彼らは彼女を単なる王女ではなく、一人の女性として見た。

いつも冗談を言うジャヒは、珍しく無口になり、彼女の長いまつげが震える様子を見つめていた。

よく遊び心のある笑みを浮かべるマリクは、彼女がどれほど美しいかを実感し、つばを飲み込んだ。

そして、最も控えめなアデムは、自分の中に何か見知らぬ感情が湧き上がるのを感じた——深い感謝、そして切望さえも。

エヴリンは彼らの変化する感情に気づかず、つっとリラックスした息を吐いた。

「…楽になった」
彼女は認め、頬はまだ少し赤かった。
「ありがとう」

男たちは互いに視線を交わしたが、何も言わなかった。

旅は続いたが、彼らの間の空気には何かが変わっていた。

まだどちらも認める準備ができていない何かが。