滅びゆく王国と平等の国を築く王女

王族好きな鳥ちゃん

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第13話:戦士の王女

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馬車が急停止し、土の道を進む蹄のリズミカルな音が突然途切れた。

「何かが前にいる」
アデムが呟き、鋭い目で暗い森の道を見渡した。

ジャヒは窓から身を乗り出した。
「どうやら——」
彼の言葉は喉に詰まった。影から何者かが現れたのだ。

奇妙な人型の生物が道に現れ、その緑がかった粘土のような肌が月明かりにきらめいていた。

彼らの顔は不気味に無表情で、目があるべき場所には空洞が開いていた。上半身は裸で、不自然な筋肉が盛り上がり、不気味なほどに人形のような正確さで動いていた。

マリクはびっくりした声を上げる。
「なんだ、こいつらは?」

エヴリンの表情が暗くなった。
「ホムンクルスだ」

アデムは身を硬くした。
「前に見たことがあるのか?」

王女はうなずいた。
「人工の兵士だ。命令に従うように作られている。感情も疲れもない——ただ従うだけ」

まるで合図でもあったかのように、緑色のホムンクルスは粗末な鉄の剣を掲げ、不気味な統一感を持って彼らに向かって進み始めた。

ジャヒは嘲笑った。
「よし。戦うしかないよねー?」
彼は肩を回し、身構えた。

しかし、彼らが反応する前に、エヴリンはすでに馬車から降りていた。

王女はマントの襞から銀のレイピアを取り出し、その刃が月明かりにきらめいた。

彼女は背筋を伸ばし、しっかりとした姿勢で立っていた。

ジャヒはまばたきした。
「…待て、何をしようとしてるのー、王女様?」

マリクは眉をひそめた。
「なんでか彼女の覚悟のこもった目から察すると、いきなり何をしてるかわかってるみたいなんだな?」

アデムは黙ったまま、注意深く見守っていた。

最初のホムンクルスが襲いかかった。

その剣を振り下ろす前に、エヴリンは動いた。

彼女はかかとを軸に回転し、レイピアが一瞬で光った。

刃は完璧な精度でその生物の胸を貫いた。無駄な動きはない。ためらいもない。

ホムンクルスは激しく痙攣し、その後塵と化した。

他の緑色の生物たちは一瞬ためらったが、すぐに一斉に突進してきた。

そして、彼らはそれを見た——

突然の、目もくらむような回転。

エヴリンは体をひねり、長く白い足が鞭のように空中を切り裂いた——

バシッ!

彼女の回し蹴りが一つのホムンクルスの頭部に直撃し、その首が不自然にねじれると、そのまま地面に倒れ、動かなくなった。

ジャヒの顎ががくんと落ちそうになった。
「彼女、今——?」

彼が言葉を終える前に、エヴリンは別の攻撃をかわし、低く回転しながら次の敵の胸をレイピアで貫いた。

彼女は熟練の戦士のように動き、攻撃の間を縫い、その足取りは鋭く、制御され、致命的だった。

ホムンクルスが後ろから彼女を掴もうとした——

ドン!

彼女は肘を後ろに突き出し、その顔を打ちつけ、その後、残忍な横蹴りでそれを吹き飛ばした。

マリクは口笛を吹いた。
「ふゅ~。あの足で人を殺せるな」

アデムは目を細め、王女を観察した。
「彼女はただの『貴族の訓練』を受けただけじゃない。戦闘の訓練も受けている」

エヴリンは息を吐き、レイピアを滑らかに回転させた。彼女の目は静かな決意に燃えていた。

最後のホムンクルスはためらった。

まるで避けられない運命を感じているかのように。エヴリンはそれに逃げる隙を与えなかった。

最後の一突きで、彼女はその頭を真っ直ぐに貫いた。

静寂。

戦場には、その生物たちの崩れかけた残骸が散らばっていた。

三人の男たちは凍りついていた。

ジャヒがついに沈黙を破った。
「…なんだ、今のはー?」

エヴリンは刃を払い、無駄のない優雅さでそれを清めた。
「ただの見世物だ」

マリクはくすくす笑った。
「何の?」

彼女はレイピアを鞘に収めた。
「私はただの馬車の王女じゃないってこと。」

ジャヒは頭の後ろを掻いた。
「ああ、冗談じゃないよな~、王女様。で、...どこでそんな戦い方を学んだのかー?かっこよかったよ」

エヴリンは笑みを浮かべた。
「父は兄に統治の術を教えたが、幼少時から私は本などを読んだりで、自分自身の努力と我流で生き残りの術を独学で磨いてきた」

アデムは腕を組んだ。
「てっきりオレたちがお前を守るのかと思ってた」

エヴリンは彼を見た。
「お前たちはこれからも守ってくれるわ」彼女は額の汗を拭った。
「私は技があるが、無敵じゃない。お前たち三人が必要なの。私を必要とするのと同じくらい」

その言葉には重みがあった。

初めて、彼らは彼女を単なる王族ではなく、戦いにおける対等な存在として見ることができた。

ジャヒは笑みを浮かべた。
「ちくしょう。僕達は本当に戦士の王女についてるんだよね~」

マリクは笑った。
「わかった、わかった。尊敬するよ」

エヴリンはくすくす笑ったが、その目には真剣さが浮かんでいた。
「二度と私を甘く見ないで」

アデムは小さくうなずいた。
「了解だ」

その瞬間は過ぎたが、彼らの間には何かが変わっていた。

ただの仲間ではない。

ただの反逆者ではない。

一つのチームだ。

そして、彼らの旅はまだ始まったばかりだった。
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