滅びゆく王国と平等の国を築く王女

第１９話：精霊達との契約

朝の光が古代のエルフの聖域を通り抜け、ホールを取り囲む複雑な彫刻と緑豊かな植物を照らした。

エヴリンと三人の男たちは広間で座り、エルフの長老たちが静かに審議を終えるのを緊張しながら待っていた。

ついに、銀色の髪を背中に流した優雅な女性である最年長の長老が前に出た。
「妾はお主の大義を聞いたんじゃ、ヴァレインのエヴリンヌ王女」

彼女は木々を通る風のような声で言った。
「長い間、妾達は人間の争いから距離を置いてきましたが、お主のビジョンは精霊にも響くものじゃ。世界は変わらなければならぬ。そして、妾もその試みを支援したいのじゃ」

エヴリンは安堵の息を吐いたが、彼女が話す前に、別の長老が続けた。

「しかし、我々の戦士たちは理由もなく戦いに赴くことはできない。我々は土地、自然そのもののバランスに縛られている。代わりに、我らは君たちに更なる大きなものを提供させてもらおう——精霊たちとの絆だ」

三人の黒人の男たちは互いに視線を交わした。

「精霊？」
ジャヒは興味深そうに尋ねた。

長老はうなずいた。
「純粋な元素のエネルギーを持つ存在だ。彼らは自分たちが価値あると認めた者にのみ力を貸す。君たちそれぞれに契約する精霊が与えられる——戦いで彼らの力を呼び出すことができる神聖な契約だぞ」

エヴリンは興奮を感じた。もし彼らがそのような力を行使できれば、王国の圧倒的な力に対抗できるかもしれないからだ。

「前に出なさい」
長老は指示した。

一人ずつ、彼らはきらめく液体のような光の大きなプールに近づいた。それぞれが水際に到達すると、幽体のような姿が現れ始め、その形は霧と固体の間で変化した。

ジャヒの精霊——鉄の守護者、イージス

巨大なハンマーのような拳を持った、鎧をまとった巨大な姿が現れた。その深い声がホールに響き渡った。
「貴公は体と心が強い。ワシは貴公の盾とハンマーとなり、前進の道を切り開こう」

ジャヒは拳を握りしめ、体中に力がみなぎるのを感じた。
「じゃあ、王女様と共に一緒に新しい王国を作ろうね～！」

マリクの精霊——紅蓮の嵐、ヴォルカニス
炎と風の渦が赤い羽根の鳥の形に凝縮され、その翼は火花を散らした。
「マリク坊やの情熱は燃え上がっているな。この俺様はその炎が敵を焼き尽くす力を与えようぜー！」

マリクは笑みを浮かべた。
「それはいいな！」

アデムの精霊——影の豹、ノクティス
光る紫の目を持つ、流線形の黒い猫が現れ、アデムの周りを回りながらささやくような声で話した。
「ご主人様は見張り役、見えない刃だにゃー。ご主人様に拙者の速さと静けさを貸そうにゃー！」

アデムは笑い、肩を回した。
「これで話が早い」

最後に、エヴリンヌの番だった。

彼女がプールに近づくと、光はこれまで以上に明るく輝いた。

その深みから、壮大な姿が現れた——輝かしく、幽体的で、これまで見たことのないものだった。

エヴリンヌの精霊——天翔ける戦乙女、アイリス

金色の鎧をまとった、翼を持つ威厳ある女性が前に出て、神々しい存在感を放った。
彼女の声は落ち着いていたが、威厳があった。
「王女殿下は正義を求め、それを戦う意志を持っているなら、わたくしは喜んで王女殿下の剣、翼、そして導きの光となりましょう」

エヴリンは心臓が高鳴るのを感じた。

彼女を通り抜けるエネルギーは、これまでに知っていたものとは違っていた。

王女は胸に手を当て、軽くお辞儀をした。
「それでは、共に戦いましょう——すべての者が自由である世界のために。」

精霊たちは光る紋章に変わり、それぞれの手に刻まれた——新たな絆の証だ。

エルフの長老は微笑んだ。「お主らの旅は長く困難じゃろうが、今や精霊たちの祝福を携えているんじゃ。その力を賢く使いなさい。彼らは単なる道具ではなく、あらゆる戦いでお主らの価値を判断する味方じゃぞー！」

エヴリンは仲間たちに向き直り、自信を取り戻した。

「私たちの戦いは今、本当に始まるわね」