滅びゆく王国と平等の国を築く王女

王族好きな鳥ちゃん

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第20話:森の呪い

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月が空高くに浮かび、エヴリンと仲間たちは密林の中を馬で進んでいた。

馬の蹄の音は厚い下草によって鈍く響いていた。

空気は以前よりも重く感じられ、夜の野生のざわめきは不気味な静けさに変わっていた。

「もっと速く進むべきだよー!」
ジャヒは呟き、その目はそびえ立つ木々の間を走った。
「この場所、何かが…おかしい」

マリクはうなずき、剣の柄を握りしめた。
「静かすぎる。鳥もいない、虫の音もない。ただ…何もない」

エヴリンは手綱をしっかりと握り、金色のハイヒールがサドルに軽く触れる音を立てながら姿勢を変えた。
「気をつけろ」
彼女は警告した。

「エルフたちは森の奥深くに潜む生き物について語ったことある!私たちは一人じゃないかもしれない!」

そして、その悪臭が彼らを襲った。

腐敗したような嫌な臭いが空気に満ち、彼らの胃を掻き回した。

馬は恐怖で目を見開き、いなないた。誰もが反応する前に、影から低いうなり声が響いた。

そして、もう一つ。

さらに、もう一つ。

下草が激しくざわめき、暗闇から姿が現れた——やせ細った、ねじれた死体で、赤く光る目とギザギザの腐った歯を持っていた。

その肉は骨から不気味な帯状に垂れ下がり、黒い液体が爪の生えた指から滴り落ちていた。

「呪われたグールだ!」
アデムが叫び、武器を抜いた。

そのゾンビーたちが襲いかかった。

エヴリンが最初に反応し、馬から飛び降りて仲間たちの前に優雅に着地した。

一瞬の動きで彼女はレイピアを抜き、金色のハイヒールが土を叩く音を立てながら防御の姿勢を取った。

「天翔ける戦乙女のアイリス——目覚めよ!」

彼女の手から金色の光が爆発し、契約した精霊が彼女の横に現れた。

その輝く翼が戦場を照らした。戦乙女は巨大な剣を振り上げ、空気を切り裂き、聖なるエネルギーの波をグールたちに向けて放った。

最初の列のゾンビーたちは悲鳴を上げ、その呪われた体が塵になって崩れ去った。

しかし、さらに多くのグールが迫ってきた。

ジャヒは拳を地面に叩きつけた。
「鉄の守護者のイージス、現れよ!」

彼の精霊が現れた——輝くルーンが刻まれた巨大な鎧の巨人だ。グールが彼に襲いかかると、イージスがそれを迎え撃ち、地響きを立てる一撃でそのアンデッドを粉砕した。

マリクは炎が腕に渦巻くのを見て笑みを浮かべた。
「紅蓮の嵐のヴォルカニス——すべてを焼き尽くせ!」

彼の炎の精霊が現れ、翼を広げると、グールたちを燃え上がらせる火花の嵐を放った。   

アデムは影に消えた。
「影の豹、今だ!」
彼の精霊が現れ、闇のエネルギーでできた流線形の猫だった。一瞬の動きで、アデムはグールの背後に現れ、それが反応する前にその喉を切り裂いた。

戦いは激化した。

呪われたアンデッドたちは不自然な耐久力で戦い、燃えながらも血を流しながら攻撃者に爪を立てた。

しかし、新たに力を得た戦士たちは前進し、その精霊たちが戦いの流れを変えた。

エヴリンは敵の間を舞い、レイピアでその頭蓋を正確に貫いた。

彼女の金色のハイヒールは月明かりの下で輝き、完璧なスピンとキックを繰り出し、グールたちを一撃で吹き飛ばした。

黒人の男たちは、危険にもかかわらず、白人の王女である彼女の優雅さと戦闘能力に感嘆せざるを得なかった。

ついに、最後のグールが灰に崩れ去ると、森に静けさが戻った。

息を切らしながら、エヴリンは刃を拭いて仲間たちを見た。
「みんな、大丈夫か?」

ジャヒは指を鳴らした。
「大丈夫どころか、最高な気分だったよー?こんなすごい精霊達が見方なら!えへへ...」

マリクは笑みを浮かべた。
「この力には慣れそうだな」

アデムはうなずいた。
「これはすごかった。でも、一つわかったことがる。今のオレたちなら、十分に戦える。どんな敵が相手でも」

エヴリンは微笑んだ。

彼女はそれを感じた——彼らの間の絆が強くなったことを。

彼らはもはやただの王女と三人の元奴隷ではなかった。

彼らは戦士だ。

仲間だ。

そして、世界そのものをも変える力を持っている『選ばれし者』だ。

彼女は前の道に向き直った。
「進もう。まだ救うべき王国がある」
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